執筆者:水口貴博

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

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「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」

「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」 | 「考える力」のある子どもに育てる30の方法

昼下がり、うつらうつら眠くなる場面には共通点があります。

学生時代、午後の授業で先生の話を聞いていると、眠くなる。

社会人になっても、じっと黙って仕事をしていると、眠くなる。

何か共通点に気づきませんか。

「黙ってじっとしているとき」です。

黙ってじっとしていると、脳の活動も鈍くなります。

受け身になっているからです。

逆に、絶対に眠くならないのは「自分が発言しているとき」です。

自分が考案した新商品のプレゼンをしている最中は、絶対に眠くなりません。

自分の手や口を動かしての発表は、眠気を吹き飛ばす刺激です。

しかし、無事に自分のプレゼンが終わって、ほかの人の発表を聞く側になると、うつらうつら眠くなります。

同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

これはどういうことかというと「聞くより話すほうが、脳は活発に働く」ということです。

話を聞くのは受動的ですが、話をするのは能動的です。

話をするときには、自分の頭で言うことを考え、口を動かしたり自分の声を耳で確認したりします。

言いたいことを考えて、口を動かしたり、耳で声を聞いたりしているときは、脳までフル回転するので、絶対に眠くなりません。

何か自分の頭で考えて情報を発信しているときは、自然と脳が活性化されます。

親としては、子どもに考える力をつけさせようとすると、自然と教育も熱心になりがちです。

その結果「黙って言うこと聞きなさい」という教えになりがちです。

たしかに黙って言うことを聞かなければならないときもあります。

世の中のことをまだきちんと理解していない子どもには、親の言うことを無条件に従うほうがスムーズです。

しかし、そういう従順すぎるのも問題です。

従順で素直な子は、いい子に育つように思えますが、これも問題です。

何でも「はい、はい」と言っているのは、考えているようで、頭はあまり回転していません。

親の言っていることをすべてうのみにしているだけで、受け身になっています。

「親の言うことさえ聞いていればそれでいい」と思い、自分の頭で考えなくなります。

子どもに考える力をつけさせるなら「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」です。

わかるときには黙ってうなずき聞きますが、疑問点や不明点があれば積極的に尋ねる勇気です。

黙っているばかりではいけません。

できるだけ子どもに発言をする機会を与えましょう。

気になることや言いたいことがあれば、どんどん発言させることです。

内容は何でもかまいません。

学校であったこと、悩み、将来のこと、疑問に思ったことなど、何でも結構です。

自分で発言する機会は、自然と考える機会になります。

時には親と考えや意見がぶつかり、激しい言い合いを交わすこともあるでしょう。

よく考え、よく話すことは、それだけ脳もよく使っているということです。

すると子どもは「話をすることはいいことなんだ」と、会話に対してプラスの印象を持ち始め、よく話をする子へと育ちます。

たくさん話をするから滑舌もよくなります。

考える力がつき、積極的に自分の考えを表現できる子どもへと育つのです。

「考える力」のある子どもに育てる方法(18)
  • 子どもには「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」と言う。
なぜ、子どもははしゃぐのか。
大切な初心を忘れていませんか。

「考える力」のある子どもに育てる30の方法

  1. すべての子どもは勉強したい気持ちがある。
  2. 「今知らなくてもいい」という言葉を、禁句にする。
  3. デパートほど、子どもに社会経験させる場所はない。
  4. 食品売り場は、あらゆる人が元気になれる場所。
  5. お使いとはいえ、いい勉強です。
    子どもの想像力を鍛える、いい機会になる。
  6. 大人と子どもとでは、見える景色が全然違う。
  7. 面倒見の悪い親のほうが、子どもはすくすく育つ?
  8. もたもたする時間は無駄ではない。
    手足の運動神経のトレーニングになっている。
  9. 子どもが理解できないニュース番組は、親がわかりやすく説明する。
  10. 生き物を飼うと、子どもの感情が豊かになる。
  11. 子どもから、赤ちゃんができる理由を質問されたときの答え方。
  12. 重大ニュースは、危険を予知する機会に変えろ!
  13. 朝食のバイキングで、家族全体が引き締まる。
  14. 普段は軽い調子でもいいが、しつけのときだけは厳しくなること。
  15. 親が真面目な表情で語りかけると、子どもも真面目に考える性格になる。
  16. 「物は大事に扱いなさい」という親。
    壊れにくい物を与えられる子。
    ここに重大な矛盾がある。
  17. 本当は、泣かない子より、泣ける子のほうが強い。
  18. 「黙って言うことを聞きなさい」より「黙ってないで、言いたいことを言いなさい」
  19. なぜ、子どもははしゃぐのか。
    大切な初心を忘れていませんか。
  20. 「うるさい」と言うだけでは、子どもの教育にはなっていない。
  21. 気分に流されず、子どものしつけに「一貫性」を持たせる。
  22. 一貫性を保てないときは、理由をつけてつじつまを合わせる。
  23. 信用される人間に育てる2つのポイント。
    「約束を守ること」と「嘘をつかないこと」。
  24. 「いい質問だね」という言葉は、質問を褒めると同時に、質問者も褒めている。
  25. 「どこがわからないの?」と尋ねれば、問題の突破口は見いだせる。
  26. 歩くペースを2分の1にすれば、発見は2倍に増える。
  27. 昆虫たちとの触れ合いは、生と死について考えさせられる機会になる。
  28. 物やサービスがあふれる都会がいいとは限らない。
    田舎には、都会にはない昆虫や大自然に囲まれる環境がある。
  29. 日記をつけると、なぜか子どものテストの結果がよくなる理由。
  30. 過去にあった出来事を思い出すことで、子どもは落ち着いた性格になる。

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