世の中にある数字は、面白いです。
数字のわずかな見せ方の差で、購買欲をかき立て、商品購入に結びつける数字の使い方があります。
「10万人の人が愛用している商品」と書かれていると、どう思うでしょうか。
ときおり、次のような表示を目にしませんか。
「1,000円 → 800円」
「12,000円 → 9,000円」
あるお店で、期間限定のセールを行っていました。
価格表示は、次のようになっていました。
あなたは、どちらのほうが安くなったと感じるでしょうか。
「989円」という値札があります。
あなたなら、どんな印象を持ちますか。
もしや、ぱっと見た印象から、989円を900円と考えていないでしょうか。
ときおり、町の商店街をぶらぶらしていると、店頭で次のようなうたい文句を目にします。
「今だけ大サービス!」
期間限定で商品を安くしたり、サービスを上乗せしたりするという内容です。
チェーン店でよく採用されているのが「ポイント制」です。
商品を購入するごとにポイントが貯まり、ポイントに応じて商品を交換できる仕組みです。
典型的な例でいうと「1ポイント1円」です。
商品を買うときには、通常、次の2つを考えながら、検討します。
(1)値段
(2)必要性
私がよく行くレストランの1つに、24時間営業のところがあります。
お昼はウエイターが3人になりますが、夜は人が少ないため、1人でやっています。
しかし、夜とはいえ、立地条件が良いため、深夜でさえ3分の2の席が埋まることは珍しくありません。
クレジットカードとは何かと聞かれ、あなたならどう答えますか。
「支払いを先送りするカード」
「現金がなくても、商品代金を払ったことになるというカード」
「16時から、1階の受付で無料商品券と交換します」
大型デパートでは、ときおり、こうしたアナウンスが流れます。
あなたも一度は、耳にしたことがあるでしょう。
「送料は当社が負担」という広告を目にします。
お歳暮、お中元、各種プレゼントを贈るときなど、よく目にする広告ですね。
「え! 送料を負担してくれるの。無料だ。得だ」
冬限定ですが、私は自分のアパートから会社まで、歩いて出社します。
寒い冬に歩いて出社するといい運動になり、体もちょうどいい具合に温まってきます。
さすがに夏はあまりに暑すぎるため、今のところは控えています。
数字のトリックに騙される、典型的なケースを紹介します。
次の数字を純粋に見てみましょう。
ぱっと見た印象から「安くなっている!」と印象を受けるのはどちらでしょうか。
ある日のチラシに、こんな言葉が載っていました。
「本日かぎり! 50%オフ!」
よくありませんか、こういう広告。
「この商品は1万件の実績があります!」
よくある、誇大広告の例です。
少し大げさに書かれている広告は、素人の消費者でもわかります。
英語の世界的試験「TOEIC(トーイック)」は、あなたもご存じのことでしょう。
10点から990点までの範囲でスコアを表示し、受験者の英語の実力を正確に表現できる試験です。
就職試験の際も「TOEICのスコアが高いほうが有利」と言われます。
お金持ちほど、けちです。
どの世界、どの人にも共通する真理です。
けちという言葉があるからとはいえ、マイナスを想像していないでしょうか。
100万円の壺があるとします。
「すごいな。100万円の壺だから高級に違いない」
単純にそう思います。
フリーペーパーは、無料で見られる雑誌です。
就職案内や飲み屋案内のフリーペーパーは、皆さんもよくご存じのことでしょう。
町の至る所に置いてあり、無料で入手できます。
私が、お金についての知識をどこで身につけたのかというと、給料の安い新人時代です。
当時は給料が安くて、恥ずかしいことに、毎月赤字でした。
初めに親から就職祝いでもらった100万円が、どんどん減っていったものです。
不動産のウインドーには、立地条件がよく、部屋も広く、そのうえ安い物件が張り出されています。
いわゆる優良物件です。
条件のいい物件に私たちは、つい足を止めてしまいますね。
お金の使い方が上手になってくると、お金のことだけでなく、時間のことまで考えられるようになります。
どういうことかというと、時間もお金になるということです。
たとえば、食費を節約するために、自炊をするとします。
車の購入には、大金が必要です。
100万円の車があるとします。
税込み100万円の車があり、あなたは手持ち100万円があれば、車を購入して運転できるでしょうか。
「ちょっとだけまけてくださいよ」
お客として、あなたが店員に値切り交渉をします。
あなたはお店の常連客であり、店員とも仲のいい間柄です。
私たちは小学生のころから、さまざまな種類のテストを受けてきました。
入学試験・中間試験・期末試験・大学入試です。
はたまた各種、資格取得のための試験です。
「禁煙者の24時間」と「喫煙者の24時間」。
それぞれ質も量も異なります。
喫煙者の24時間は、禁煙者の24時間以下です。
金銭感覚を養うためには、できるだけお金と接する機会を増やすことです。
細かいお金でいいですから、お金を見る機会、触る機会を増やすだけで、金銭感覚が養われます。
たとえば、1万円です。
栄養ドリンクには、健康維持に有効な成分「タウリン」が含まれているものがあります。
タウリンとは、肝臓機能の向上・心臓機能の強化・コレステロールの排出を促進させる働きがあります。
タウリンは、特に貝類に豊富に含まれている成分です。
人間には「切りのいい数字が好き」という傾向があります。
切りのいい数字のほうが、見た目もシンプルであり、覚えやすくなるからです。
あなたが友人と待ち合わせの時間を話し合ったとき、切りのいい時間を選んでしまうはずです。
事実は同じでも、表現の仕方を変えるだけでまったく異なる印象を持ってしまう方法があります。
事実をまったく変えず、印象をがらりと変えてしまうことは、可能です。
たとえば、ある野球チームで5回戦って、次のような成績を持つチームがいました。
世の中にある数字は、面白いです。
数字のわずかな見せ方の差で、購買欲をかき立て、商品購入に結びつける数字の使い方があります。
「10万人の人が愛用している商品」と書かれていると、どう思うでしょうか。
「すごいなあ。10万人もの人が使っている商品なら、自分も買わないと損だな」
そう思って、つい買ってしまいます。
しかし、10万人とはいえ、日本全国民から見ればどうでしょうか。
日本国民が1億人とすれば、10万人はたったの0.1%です。
「たったこれだけ」と思いますね。
同じ数字でも「10万人」と「0.1%」では、雲泥の差です。
もちろん商売上手な人は「0.1%」のような力のない数字より「10万人」という表現を使います。
消費者の購買欲を刺激し、売り上げアップにつながるからです。
これを私は「数字のトリック」と読んでいます。
数字は嘘をつきません。
しかし、ちょっと数字の見せ方を工夫するだけで、お得感が漂う数字へと変化します。
お得感の漂う数字に引っかかり「買うなら今だ」「買わなければ損」と思わせるような仕組みができています。
悲しいかな。
数字のトリックに引っかかる人は、いつの間にか、お金が財布から消えます。
たくさんためて、大事にお金を使っているはずなのに、たまらないという不思議な現象を目の当たりにします。
数字のトリックに騙されているからです。
今回は、その具体例を紹介すると同時に、対策も紹介します。
あなたも数字のトリックに騙されない人間になりましょう。
自分にとって、本当に必要な商品だけを購入する、賢い消費者になるよう心がけましょう。
ときおり、次のような表示を目にしませんか。
「1,000円 → 800円」
「12,000円 → 9,000円」
私もよく騙されました。
店の景気がいいのか。
はたまた期間限定の特別サービスなのか。
店長が、太っ腹なのか。
昔は、そのくらいにしか思っていませんでした。
とにかく思うのは「安くなっている」という印象です。
「こんなに安くなっている! 今買わないと絶対に損だ!」
そう思い、焦った私は後先を考えずに、無駄な購入をしたことが、星の数ほどあります。
あなたもそういう経験が、あるのではないでしょうか。
しかし、この話には裏があります。
実は「特別サービス」でも「期間限定」でもなく、店側は最初からその価格で販売するつもりでいたのです。
初めから安く売れるなら、その値段だけ素直に表示していればいいと思いませんか。
お客さんに値段がストレートに伝わり、また蛍光ペンで書く手間もなくなるはずです。
なぜ「1,000円 → 800円」のような表示の仕方をするのかというと、単純に「少しでも売り上げを伸ばすため」です。
店側は、初めからその安い価格で売ることができたのですが、売り上げを伸ばすため「比較手法」を使っています。
どのくらい安くなっているのかということが「1,000円 → 800円」のように目で確認できると、具体的です。
私たちは「お得」「安い」という印象を受け、購入してしまいます。
人間心理を巧みに利用した商売手法の1つです。
あなたも、この数字のトリックに騙されないように気をつけましょう。
あるお店で、期間限定のセールを行っていました。
価格表示は、次のようになっていました。
あなたは、どちらのほうが安くなったと感じるでしょうか。
おそらくあなたが、安くなった印象を受けたのは(2)の「1,000円→950円」ではないでしょうか。
見た目が4桁から3桁の数字に変わるほど、価格表示に変化があるので、安くなった印象が強いです。
しかし、よく見てみましょう。
どちらも、50円安くなっていることには変わりありません。
厳密には、どちらも同じです。
安くなっている数字には変わりなくても、4桁から3桁に価格が変わると、急に「安くなった」印象を持ってしまいます。
この数字のトリックに、あなたは踊らされていませんか。
消費者の購買欲求を刺激して売り上げを伸ばすため、少しでも安くなったように見せる工夫をしています。
しかし、どんなときにも「どれだけ安くなっているのか」という数字をありのまま見ることが大事です。
先の例と同じように、桁数が変わっても、どのくらい安くなったのかという数字をしっかり見るのです。
「989円」という値札があります。
あなたなら、どんな印象を持ちますか。
もしや、ぱっと見た印象から、989円を900円と考えていないでしょうか。
実は、店側は、本当は1,000円で売りたいところを、わざと989円と書き直しています。
理由は当然、売り上げを伸ばしたいからです。
では、なぜ売り上げが伸びるのかをご説明します。
人間は、常にいつも「だいたい」で考える癖があります。
脳は「だいたいで考える」という癖があります。
目に飛び込んでくる情報を、すべて正確に捉えていると、脳への負担が大きくなるからです。
もはや、人間の本能といっても過言ではありません。
ゆえに人間は、頭に9がつくから、989円ではなく900円と大ざっぱに考えてしまいがちです。
さらにこれだけではありません。
1,000円は4桁であり、989円は3桁です。
4桁と3桁では、見た目が明らかに違いますし、印象がまったく変わりますね。
3桁までなら許せる金額ですが、4桁の数字になった瞬間から、急に高額商品になった感じがあります。
また余談ですが、3桁の数字では「,」がつきませんが、4桁の数字では「,」がつきます。(例:800円1,000円)
「,」が加わる分、価格表示が横へ長くなり、値段も急に高くなった印象に変わります。
3桁に書き直した値札にすると、安い印象が強くなるため、結果として売り上げが上がります。
つまり、11円の損額があっても、ぎりぎり3桁の値段のほうが4桁で値段を提示するより、儲けが大きくなります。
大ざっぱに考えるところが、人間の長所でもあり、短所でもあります。
売る側は、人間の「だいたいに考える」という心理を巧みに操り、売り上げアップに利用します。
少しでも消費を伸ばそうと、そういう数字のトリックを使います。
もちろん3桁のほうが安いのですが、数字をしっかり見てみましょう。
989円と1,000円では、差額がたった11円です。
四捨五入して考えれば、どちらも同じ金額になります。
しかし、ぱっと一目見た印象では、989円のほうが安く感じてしまうのです。
賢い消費者は、四捨五入をして計算をします。
四捨五入すれば、数字の事実が見えてきます。
989円という値札があっても、四捨五入して1,000円と考えることができます。
ぱっと見た印象が違っていても、四捨五入すれば同じ金額になるので、騙されることがなくなります。
あなたも四捨五入して考える習慣を今すぐ身につけましょう。
騙されない賢い消費者は、値札を四捨五入して考えるのです。
ときおり、町の商店街をぶらぶらしていると、店頭で次のようなうたい文句を目にします。
「今だけ大サービス!」
期間限定で商品を安くしたり、サービスを上乗せしたりするという内容です。
人間は、まったくもって「今だけ」という言葉に弱い生き物です。
「今だけ」という言葉のうまいところは、いつからいつまでという期間が、具体的に書かれていないところです。
書くのが面倒なのではなく、わざと書いていません。
もし「10月1日から10月7日まで」と具体的に書いてあるとどう思うでしょうか。
「7日までか。まだ時間があるから、また次の機会にでも間に合うか」
そう思って、購入を後回しにします。
後回しにすればするほど、興奮した脳が冷めて、冷静になります。
「よくよく考えてみると必要ないものだな」と考え直し、購入意欲が減退していきます。
売る側は「今だけ大サービス」とだけ書き、いつからいつまでという具体的な期間は書きません。
書いていないから、見た人は「本当に今だけ」と思って、焦ります。
「今日しかない。明日はない。今買わないと損だ!」と熱くなり、つい衝動的に購入してしまいます。
あなたも「今だけ大サービス!」に踊らされていないでしょうか。
「今だけ」と考えるより、そもそも自分にとって必要なのか」と考えることです。
賢い消費者は「必要か否か」、それだけを考え、冷静に購入するのです。
チェーン店でよく採用されているのが「ポイント制」です。
商品を購入するごとにポイントが貯まり、ポイントに応じて商品を交換できる仕組みです。
典型的な例でいうと「1ポイント1円」です。
1,000ポイントたまれば、1,000円の商品を購入できます。
ポイントが貯まればたまるほど、高額の商品と交換できるようになり、お得感があります。
ここが、売る側のうまいところ。
流れを追って説明します。
10,000円の商品を買います。
10,000円の10%分がポイントになるとすれば、1,000ポイント(1,000円分)です。
つまり、1,000円もらったのと同じです。
ポイント1,000を使って1,000円の商品と交換すれば、無料で商品を手に入れられ「得をした」と思います。
お金を一銭も出さずに、1,000円分の商品を購入できれば、誰でも得をしたと思います。
しかし、ここが勘違いです。
ポイント制は、店側にお金を預けている状態にすぎません。
10,000円の商品を購入し、そのうち1,000円を預けている状態です。
お金を預けた代わりに「ポイント」という名の債券を、債権者である消費者が受け取る仕組みです。
1,000ポイントが発生するとは、1,000円分の債券を手に入れたと思えばわかりやすいことでしょう。
店側は、そもそも9,000円で売れるところを、少し高めに価格を設定します。
「少し高いけど、ポイントが貯まって交換できるなら安い」
高ければ売れにくいと考えがちですが、ポイント制度があるため、消費者はむしろ得をする感覚のほうが強くなります。
少しだけ高めに商品を購入させて、店側にお金を預けさせ、ポイントという債券を消費者に発行します。
ある日、預けている金額を商品として還元しているだけです。
結論から言いますと、消費者は得をしていません。
むしろ損をしていると言っていいでしょう。
なぜ損をしているのか。
続いて、損をしている説明をします。
ポイント制は債券であり、ポイントという債券がある程度たまれば、お金を商品として交換して還元する仕組みです。
店に預けておいたお金を返してもらうだけですから、得はありません。
忘れてはならないのは、お金を店に預けている間は、お金が増えることはありません。
銀行なら利子がつき、預けている間、少ないながらもお金が増えます。
しかし、店にお金を預けている間は、無利子でお金を預けているのですから、まったく増えないのです。
この手法のうまいところは、消費者を得した気分にさせられる点です。
ポイントが貯まれば、あとからそのポイント分の商品を交換できるので、得をした気分になります。
「もっとポイントを貯めたい。そうすれば高額の商品を交換してもらえる。だからもっと商品を購入して、ポイントを貯めよう」
購入意欲に拍車がかかり、勢いで不要なものまで購入します。
最後に、最も店側が期待しているのは「消費者の囲い込みができる」ということです。
店のポイントカードは、その系列のお店でしか使えません。
ですので、ほかのお店で買うような浮気はしなくなります。
ほかのお店で買うと、せっかくたまっているポイントが使えないため、使えるお店で買おうとします。
買えば買うほどポイントが貯まりますから、商品を買うなら、その系列のお店でたくさん買おうと思います。
だから消費者を囲い込むことができ、店側の売り上げもその分アップします。
お金を無利子で貸しているポイント制には、まったく得はないのです。
得があるのは、売る側だけ。
購入する側には、得をしているような錯覚を起こさせているだけです。
私なら、むやみにポイントは貯めず、すぐ使います。
貯めても無利子なので、お金が増えないのですから、貯めても意味がありません。
あなたも「ポイント制」に騙されていないでしょうか。
お店も、資本主義の中でお金のやりくりをして商売しています。
お客に無料でお金をあげるようなうまい話は、最初からないと思うことです。
商品を買うときには、通常、次の2つを考えながら、検討します。
平凡な消費者は、まず「値段→必要性」の順で考えます。
「必要だから買おう」という気持ちより「安いなら買おう」という気持ちです。
「安いなら買おう」とは、どういうでしょうか。
「必要だけど、高い金額を出してまで買いたいとは思わない。でも安かったら、とりあえず買おう」
商品購入に対して、中途半端な気持ちです。
値段が第一です。
多少なりとも欲しい気持ちがあっても、値段を優先して考えます。
一言で言えば「本当に欲しいと思っていない」ということです。
必須ではないので、別になくても苦労しません。
あったら、それで便利という程度です。
あなたも自分の心に、正直に問いかけてください。
なくても生活がうまく回っているのですから、なくていい。
では、賢い消費者は、どう考えるのでしょうか。
「必要性→値段」の順で考えます。
本当に必要な物ですから、商品を見たとき、値札より「必要かどうか」を先に考えます。
必要なら、値段にかかわらず、すぐ購入します。
買うと決めてから「念のため、値段も見る」という程度です。
本当に必要な物は、値段は見ません。
思ったより値段が高くても、気にせず購入します。
そういうものだけを買えばいい。
あなたがトイレットペーパーを切らしたとき、急いでスーパーへ走ります。
スーパーでは、トイレットペーパーに向かって、一直線になりますね。
トイレットペーパーを見つけてから、値段を参考程度に確かめるだけです。
たとえ、値段が思ったより少々高くても購入することでしょう。
なければ、本当に困ってしまうものだからです。
トイレにいけないのでは、漏らしてしまいます。
値段が、どうこう言っている場合ではありません。
本当に必要な物は「必要性→値段」の順で考えるのです。
私がよく行くレストランの1つに、24時間営業のところがあります。
お昼はウエイターが3人になりますが、夜は人が少ないため、1人でやっています。
しかし、夜とはいえ、立地条件が良いため、深夜でさえ3分の2の席が埋まることは珍しくありません。
1人のウエイターが、なんと50人近くのお客さんの配膳をしているという過酷な現場です。
客である私でさえ「大変そうだな」と感じます。
ウエイターは、深夜にもかかわらず、たくさんのお客をさばくために店内をいつも走り回っています。
「夜でもこれだけお客さんがいるなら、もう1人雇えばいいのに」
単純に、そう思います。
1人では足りないのは、一目瞭然です。
ふと、こんな心配をします。
「こんなにたくさんお客さんがいると、1組くらい食い逃げしてもわからないだろうな」
ウエイターが1人しかいないので、十分に気を配る余裕がなく、実際にそれは起こりえる話です。
食い逃げが見えないところで、1つ2つあるかもしれません。
しかし、です。
深夜にウエイターが1人なのは、食い逃げされてもいいという前提で、そうしています。
数字で計算すれば、すぐわかります。
実際にウエイターをもう1人雇えば、人件費が大幅に増えます。
深夜の時給ですから、例として1,200円とします。
夜10時から朝の8時までの10時間とすれば、最低でも12,000円の人件費が必要です。
しかし、1組のお客さんが食い逃げしたとすれば、食事の量にもよりますが、3,000円の損失としましょう。
12,000円の損失と3,000円の損失。
実は、ウエイター1人で1つ2つ食い逃げされても、お金の損失は小さくて済みます。
たとえ一組が食い逃げしたとしても、ウエイター1人に支給しているかぎり、損が儲けを上回るということです。
また深夜のお客さんですから、だらだらしたお客さんが多いです。
お客さんが多くても、実際は食事をしている時間より、雑談をしている時間のほうが多いです。
だらだらしたお客さんが多いため、ウエイター1人でも、なんとかできます。
さて、この話を前提に、次はお昼の話をします。
一方、お昼にはそのレストランは、ウエイターが3人も増えます。
先の例で考えれば、お昼もウエイターが少ないほうが儲けは大きくなるので、ウエイターが少なくて良いのでは?と思います。
実は、お昼時のお客さんは、夜とは違い回転がいい。
平日の昼時になると、昼休みのため、会社員が押し寄せます。
押し寄せた客は、午あとからも仕事があるので、食事が終われば雑談は控え、さっとお店を出て、会社へ戻ります。
お客さんが外した席に、また次のお客さんが座り、食事をしては、さっとお店を出ていきます。
この繰り返しを「回転」といいます。
お昼のお客さんは回転がいいので、ウエイターが3人いて、素早く配膳したほうがさらに回転もよくなります。
ゆえに、売り上げが伸びます。
ウエイター3人雇っていたとしても、回転率を上げたほうが、損が儲けを上回るわけです。
このように数字を考えると、世の中の不思議が解明できてしまいます。
レストランとはいえ、経営です。
きちんと儲けを出さないといけないので、そのための工夫をしているのです。
クレジットカードとは何かと聞かれ、あなたならどう答えますか。
「支払いを先送りするカード」
「現金がなくても、商品代金を払ったことになるというカード」
「客の信用でお金を借りられるカード」
人によって、いろいろな認識があることでしょう。
私なら「手軽に借金できるカード」と答えます。
上に書いているカードを一言でまとめた意味です。
クレジットカードは基本的に、借金です。
「カードを使い、借金して商品を購入します。その代金は、あとから支払います」ということです。
クレジットカード会社から一時的にお金を借りて、あとから、あなたの銀行口座から引き落とすという仕組みです。
一括であれ分割であろうと、とにかく借金をして、あとから返すということです。
現金での支払いではないという認識を持つことです。
次が、クレジットカードの厄介なところです。
カードだけでは、数字が具体的に見えません。
今月、自分はどのくらい借金をして商品を購入したのか、現在の状態が、カードを見ただけではわかりません。
確かめるためには、クレジットカード会社に電話をしたり、ウェブサイトから確かめたりする面倒な手順を踏まないといけません。
カードを見ただけでは数字がわからないので、金銭感覚が狂ってしまいます。
クレジットカードの恐ろしいところは、使っているのに、使っていないような感覚になるところです。
ゆえに、クレジットカードによる使いすぎが増え、最悪の場合は自己破産へ至るのです。
現金で支払えば、お金を手で触り、手元から消えていく瞬間が目に見えるので、感覚としてわかりやすいです。
賢い消費者なら、基本的に現金で買い物をします。
理由は言うまでもなく、使ったお金を数字として認識しやすいからです。
使いすぎを防ぐために、クレジットカードのような手軽なものは使わず、現金で購入します。
どうしてもクレジットカードでなければ購入できないものだけクレジットを使い、後は現金で支払います。
面倒ですが、そのほうが数字ははっきり見えます。
持つクレジットも、1種類のみです。
3種類も4種類も、カードをたくさん持っていても、仕方ないのです。
「16時から、1階の受付で無料商品券と交換します」
大型デパートでは、ときおり、こうしたアナウンスが流れます。
あなたも一度は、耳にしたことがあるでしょう。
内容は、そのほかにもさまざまな種類があります。
「16時から駐車場が無料になるチケットをお配りします」
「16時から、触れ合い広場でイベントがあります。入場は無料です」
「16時から、500円分の商品券を、無料でお配りします」
このように16時になれば、一部の料金が無料になるおいしい話です。
「無料になるの! だったら行かなきゃ損!」
誰でもそう思います。
さて、ここがわなです。
当然、無料になるほうが得ですから、16時まで時間をうまく過ごそうと思います。
16時まで何をしようかというと、デパート内をうろうろするしかありません。
まずこの16時のイベントは、少しでも長くお客を店内にとどめておくことが、1つの目的です。
16時まで過ごす人たちのおかげで、デパート内の売り上げが上がります。
初めは買いたいと思わなくても、見ているうちに「そろそろ買い換え時かな」と必要性を感じ始め、買いたくなります。
16時という中途半端な時間も意味があります。
レストランコーナーでは、お昼になれば昼食でにぎわい、夕方になれば夕食でにぎわいます。
しかし、15時のような中途半端な時間は、お客さんが少なくなります。
お昼に食事をした人たちが、小腹がすいてくる15時あたりに「コーヒーでも」と思いレストランへ入ります。
またレストランの売り上げが向上します。
極めつけがあります。
16時までデパートにいれば、自宅に帰るころはちょうど夕食をつくり始める時間です。
さあ、もうお気づきですね。
「16時までいたなら、せっかくだから夕食のおかずも買って帰ろう」
16時までデパートにいるなら、夕食の食材もついでに買って帰ろうと思います。
またまた売り上げが向上します。
デパート側が無料券を配って一時的に損失を出しても、それ以上の売り上げにつながる仕組みです。
損が儲けを上回る計算が、初めからあります。
16時に無料券を手に入れたとしても、無料分以上のお金を16時前後に使うことで、消費者は得どころか損をしています。
無料券を配り、デパート側が損をしているようで得をしています。
この仕組みに、気づくことです。
では、賢い消費者はどうするのかというと、買い物が終われば、さっさと店を出ていきます。
「16時から無料の券をお配りします」というおいしい話があったとしても、見向きもせずデパートを離れます。
何でもそうですが、おいしい話はありません。
おいしい話ほど、裏には何か隠れていると思うことです。
それを知っている賢い消費者だからこそ、目的の買い物が終われば、すぐ店を出ていくのです。
「送料は当社が負担」という広告を目にします。
お歳暮、お中元、各種プレゼントを贈るときなど、よく目にする広告ですね。
「え! 送料を負担してくれるの。無料だ。得だ」
嬉しくなり、気持ちが高ぶります。
実は、この話にも裏があります。
資本主義の中で経営をしている会社が、送料を無料にするような下手な経営をするはずがありません。
まず「送料は当社が負担」という商品に注目しましょう。
おそらく高額の商品ではないでしょうか。
あるいは「5個以上購入」や「10個以上購入」という条件が課されていることでしょう。
実は、送料に相当する金額が、すでに商品に上乗せされているだけです。
上乗せがわからないように「5個以上購入すれば、送料が無料になります」という表現を使っています。
送料はお客さんが支払っているわけです。
ごめんなさい、バラしてしまいました。
すでに商品価格に含まれているのを、わざわざ「送料は当社が負担」という言葉で言い換えているだけです。
消費者は見えないところで送料を支払っています。
それに気づいていないだけです。
なにより「送料は当社が負担」という看板を掲げることで、消費者の購買意欲を駆り立てることが目的です。
「送料が無料なら、ついでにこれも送ろう。ついでに、あれも送ろう」
高ぶった気持ちになり、余分な商品購入に拍車をかけます。
余分な商品購入をしてもらえれば、さらに売り上げが伸びていくというわけです。
「送料は当社が負担」は、まやかしなのです。
冬限定ですが、私は自分のアパートから会社まで、歩いて出社します。
寒い冬に歩いて出社するといい運動になり、体もちょうどいい具合に温まってきます。
さすがに夏はあまりに暑すぎるため、今のところは控えています。
歩くこと、片道1時間30分。
往復で、3時間。
結構な運動になります。
これだけの運動を毎日続ければ、運動不足はすぐ解消されます。
なぜ歩いて出社しているのかというと、大幅な節約ができるからです。
以前、私は電車で通勤していました。
しかし、ある日、歩いて通った場合についての金額を使って考え直したとき、驚くべき事実に気づきました。
歩いて通うと、まず電車代が0円になります。
歩くことでいい運動になりますから、フィットネスに通っている時間と考えることができます。
すると、フィットネスに使うお金も必要がなくなります。
たった1カ月で、なんと22,000円も節約できます。
通勤もでき、運動もでき、さらに22,000円も節約ができます。
かなり大きな金額です。
同じ通勤でも、電車と歩きの違いでこれほど差があると、当然、歩くほうを選びます。
効果は同じでも、電車か歩きかという選択の違いで、これほど差が出てしまいます。
この事実に気づけたのも、数字で計算したからです。
「電車のほうが早くて楽だ。誰もが利用している」と、うわべだけで考えていると、見えてきません。
数字できちんと表現してみましょう。
時間もお金も節約できると思われがちな電車通勤です。
きちんと数字で計算すると、面倒な散歩のほうが、はるかに節約できるという事実に気づけるのです。
数字のトリックに騙される、典型的なケースを紹介します。
次の数字を純粋に見てみましょう。
ぱっと見た印象から「安くなっている!」と印象を受けるのはどちらでしょうか。
おそらくほとんどの人が、2番目の「1,000円→500円」を選ぶことでしょう。
値段が2分の1になっていますから、ひときわ目立ちます。
50%オフであり、安くなった印象が強いです。
まさに激安とはこのことです。
しかし、です。
夢を壊すようで申し訳ありませんが、本当に安くなっているのは、1番目の「100万→99万」です。
よく数字を見てみましょう。
たしかに100万から99万では、値段としてはあまり安くなっていない印象を受けます。
しかし、きちんと数字で表現すると、事実がわかります。
さあ、これで一目瞭然ですね。
2番目の例は、たった500円しか安くなっていませんが、1番目は1万円も安くなっています。
どちらが大きな金額と尋ねれば、誰もが1万円を選びますね。
本当に「安くなっている」のは、1番目の「100万→99万」です。
あまり安くなっている印象はありませんが、数字で表すと、1万円もカットしているという現実が見えてきます。
これが数字のトリックです。
全体からのパーセンテージで考えてはいけません。
安くなった純粋な数字で考えると、現実が見えてきます。
デパートでは「大安売り」という看板を掲げ、1,000円の商品を格安で売っている光景を目にすることがあります。
初めは買うつもりがなかったけれど、破格に安いと「買ってもいいかな」と気持ちが緩みます。
しかし、現実から言えば、あまり安くなっていません。
安くなったという誤った印象を受けた消費者が「安くなっている」という勘違いから無駄な消費をしてしまうという悲劇です。
本当に安くなったと思わなければならないのは、高額商品100万円が99万円になっている場合です。
数字で表すと、1万円も安くなっています。
現実として、カットされている金額が大きいのですから、はるかにお得なのです。
ある日のチラシに、こんな言葉が載っていました。
「本日かぎり! 50%オフ!」
よくありませんか、こういう広告。
こういう広告に限って、商品の価格より、オフになっているパーセンテージの字のほうが大きく記載されています。
「50%オフ」を単純に考えれば、半額ということです。
一目見た印象では、すごい大安売りで、店側は大盤振る舞いをしていると感じます。
「これは買わなきゃ損だ!」
衝動買いをしそうになります。
しかし、よく金額を見てみましょう。
せいぜい、100円の商品が、50円になっていたりするものです。
50円しか安くなっていません。
100円から50円では、安くなった印象が小さいので、大きな印象に変えるために「50%オフ」と表現しています。
ゆえに、値段の字(例:50円)より、オフになっている字(例:50%オフ! )を、大きくして、記載しています。
チラシを見た消費者は、激安になっていると勘違いして、言葉に踊らされて購入してしまいます。
激安とは「どのくらい安くなっているか」を目安に考えます。
100円の商品から50円は、まだ激安とは言えません。
50円しか安くなっていないからです。
それより、100万円の商品が、99万円になっているほうが激安です。
1万円も安くなっているからです。
たった1%しか安くなっていませんが、安くなっている金額だけを見ると、大きいです。
パーセンテージで考えるから、勘違いしてしまいます。
どのくらい安くなったのかという事実を、きちんと数字で見てみましょう。
50%オフで50円得をするより、1%オフでいいから1万円安くなっている商品のほうが、はるかに激安です。
「この商品は1万件の実績があります!」
よくある、誇大広告の例です。
少し大げさに書かれている広告は、素人の消費者でもわかります。
しかし、1万件の実績という数字を見ると「やはりそれなりにいい商品なのだろうな」と考え直してしまいます。
しかし、ちょっと待ってください。
実績というのは「どのくらいの期間における実績なのか」ということを、考慮し忘れていませんか。
誇大広告のうまいところは、どのくらいの期間のことかを明確に記載されていないところです。
書き忘れているのではなく、わざと書いていません。
その商品がどのくらいの期間にわたって売れた実績なのかを、計算に入れて、事実を見抜かなければ、現実は見えてきません。
私たちは「1万件の実績」という広告を見ると「すごい実績だ」という印象を受けます。
1つ、例を挙げます。
「1万件の実績」というのが、もし「過去50年間で1万件の実績」のことだとすれば、どうでしょうか。
過去50年で1万件ということは、1年間の実績は、200件の実績になります。
10000(件)÷50(年)=1年で売れた数200(件)
1年は365日ですから、200件を365日で割ります。
すると、1日で売れた数がわかります。
200(件)÷365(日)=1日で売れた数0.5(件)
ほら、そうすれば、現実が見えてきます。
1日に、たった1件売れるか売れないか程度の商品ということがわかります。
1日に1つ売れるか売れないかという程度なら、大したことはありません。
大して人気のない商品だという、本当の現実がわかりますね。
実績は「どのくらいの期間の実績なのか」という部分をきちんと考えましょう。
曖昧な言葉を使っている場合は、無視して結構です。
知られてはまずいから、あえてふせています。
店側は、少しでも消費者に大きなインパクトを与えようと、数字のトリックを巧みに操ります。
「過去50年で1万件の実績!」と正直に言わず「1万件の実績!」とだけ表現します。
大きな数字を見た消費者の気持ちが高ぶり、売り上げアップにつながる仕組みです。
実績だけを見ていると、騙されます。
商品を購入するときには、どのくらいの期間での実績かを、きちんと考える習慣を持ちましょう。
英語の世界的試験「TOEIC(トーイック)」は、あなたもご存じのことでしょう。
10点から990点までの範囲でスコアを表示し、受験者の英語の実力を正確に表現できる試験です。
就職試験の際も「TOEICのスコアが高いほうが有利」と言われます。
事実、社会人である私から見ても、TOEICのスコアが高いほうが、たしかに有利になると感じます。
さて、ここで問題です。
これも数字のトリックの1つです。
「T0EICスコア900点の人」と「T0EICスコア300点の人」がいます。
どちらが、仕事ができる人でしょうか。
おそらくあなたは、T0EICスコア900点を選んだのではないでしょうか。
正解は「わからない」です。
引っかけ問題のようで、申し訳ございません。
私も最初、この問題に引っかかった1人です。
T0EICスコア900点は英語の実力であって、仕事がどのくらいできるかどうかを評価するテストではありません。
正解は「わからない」になります。
この事実を裏付ける、ある出来事がありました。
私が社会人になった、ある日のことです。
職場に、T0EICスコア800点台の社員が入ってきました。
800点というと結構な実力です。
「TOEIC800点もあるのだから、きっと仕事もできる人に違いない」
私もほかの社員も、そう思っていました。
TOEICの数字だけを見て、判断してしまいました。
しかし、現実を見て驚きました。
彼は、英語はできるけれど、仕事はできない人だったのです。
朝出社をするや否や、居眠りをし始めます。
会議に出席しても、発言はおろか、まず居眠りをします。
仕事をお願いしても期日を守れず、間違いも多いです。
そんなある日、仕事上で大きな失敗をしてしまい、問題になったことがありました。
彼は自分から責任を取って、仕事を辞めてしまいました。
すべて実話です。
私はこの経験を通して、英語ができるからとはいえ仕事ができるとは限らないという当たり前の事実に気づきました。
TOEIC900点あっても、まったく英語を必要としない職場なら、生かされませんね。
TOEIC900点でも、生かせる職場と、そうでない職場があります。
たとえ英語が流暢でも、仕事がまったくできなければ、0点です。
現実では、TOEICの結果ではなく、仕事の結果で、評価されます。
現実は、そうです。
仕事に自信があっても英語に自信がなければ、通訳を通して仕事の中身で表現します。
それで、十分通用している現実があります。
日本のある会社の社長が、アメリカのある会社の社長と話し合うとき、どうしているでしょうか。
多少英語のできる社長でも、通訳を通して会話しているはずです。
たとえ、少々語学に自信がある社長だとしても、一言の間違いが大きな利益損失につながるため、英語ができても専門家に任せます。
仕事のできる大統領は、語学に堪能でしょうか。
いいえ、ほかの国の大統領と話し合うとき、現実では通訳を通して話をします。
たとえ、語学が得意でも、語学は語学の専門に任せ、通訳にお願いしています。
大統領は、対談そのものに集中するはずです。
それが、仕事ができる人の行動です。
仕事ができる人ほど「仕事の中身」に集中します。
英語は1つの評価になりますが、英語ができるからとはいえ仕事に直結するわけではありません。
英語力が直結する仕事は、通訳家と翻訳家くらいです。
日本ではコンビニで働く外国人を見かけますが、日本語が話せるからとはいえ、それだけで高く評価されているでしょうか。
語学はできて、当たり前と思います。
語学ができるだけで、店長や社長になれるという現実はありません。
しかし、語学はできなくても、仕事ができれば、店長や社長になれるという現実はあります。
英語力は1つのバロメーターにはなりますが、仕事がどのくらいできるのかを正確に表現はできません。
「語学ができるか、できないか」より「仕事ができるか、できないか」です。
仕事ができれば、語学に少々自信がなくても、必ず昇進できます。
大手の英会話学校、各種英語関係では、やたらTOEICの高得点を強調します。
TOEICのスコアが上がれば、年収も地位も上がり、夫婦円満、幸せになれ、すべてがうまくいくかのように思わせます。
たくさんの人たちに英語を勉強させるように仕向け、英語教材の売り上げを伸ばそうとしています。
TOEICの数字が、すべてを表現しているわけではない現実に気づくことです。
お金持ちほど、けちです。
どの世界、どの人にも共通する真理です。
けちという言葉があるからとはいえ、マイナスを想像していないでしょうか。
実は、プラスです。
「けち」とは「1つの商品から、金額以上の価値を引き出す行為」と言い換えることができます。
3万円の高級な洋服を買い、5年間使い続けます。
「まだ使える」と言って、ぼろぼろになっても、新しい洋服に手を出さず、使い続けます。
これはどういうことかというと、1つの商品から、金額以上の価値を引き出す行為をしています。
3万円はたしかに高額ですが、5年も使えば、元は取れています。
いえ、元以上の価値が取れています。
これがけちということです。
1つの商品から、金額以上の価値を引き出す習慣があれば、必ずお金持ちになります。
無駄な出費が減り、少ない金額で多くの価値を手にできるからです。
けちという言葉の響きが悪いからとはいえ、いけないことではありません。
それこそ、お金持ちになる道であり、プラスの習慣なのです。
100万円の壺があるとします。
「すごいな。100万円の壺だから高級に違いない」
単純にそう思います。
たしかに古物に興味がある人には、100万円の壺に強い価値を感じることでしょう。
しかし、そもそも古物に興味がない人には、どうでしょうか。
ごみにしかなりません。
価値としては、0円です。
いえ、0円でもほしくありません。
100万円の壺があったとしても、そもそも古物に興味がない人には、むしろごみにしかなりません。
古物に興味のある人には、100万円の壺。
古物に興味のない人には、0円の壺。
どちらも同じ壺です。
しかし、本人の感じる価値観によって、値段はこれほど変わってきます。
不思議です。
値段は、あってないようなものです。
本当の値段は、本人の価値観によって決まります。
本人が価値はあると思えば、値段も上がります。
本人にとって価値がないと思えば、0円です。
大切なことは「高額商品が、高い価値を表現しているのではない」ということです。
需要と供給によって、決まった「一般市場が決めた価値」です。
本当に気にしなければならないのは、市場の価値観ではなく、あなたの価値観です。
お金持ちは、価値を感じない商品に一切、お金を使いません。
大安売り、バーゲン、セール、期間限定など、そんな言葉はすべて聞き流します。
「必要だ、価値がある」と思えば高額でも買います。
「必要ない、価値がない」と思えば、0円でも買いません。
そもそも商品の価値は、あなたが決めるものなのです。
フリーペーパーは、無料で見られる雑誌です。
就職案内や飲み屋案内のフリーペーパーは、皆さんもよくご存じのことでしょう。
町の至る所に置いてあり、無料で入手できます。
就職に困っている人ですから、当然お金に困っています。
お金に困っている人ですから、無料の就職案内雑誌があれば、喜んで飛びつきます。
この無料雑誌ですが、会社が太っ腹で、完全に会社負担で作成しているのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
きちんとスポンサーがいて、広告を雑誌に載せる広告料金で、雑誌の作成をしています。
雑誌の中には、資金源であるスポンサーの広告が目立ちます。
無料で手に入る雑誌を喜んで手にして、職を探すつもりが、広告も一緒に目にしてしまい、商品へのイメージが上がります。
デパートでその商品を見れば「見たことある。気になっていた。買ってみよう」という流れになり、商品を購入してしまいます。
その商品を買ったお金が、フリーペーパーの料金と思ってください。
無料のようですが、本当に無料ではありません。
スポンサーは広告を出せば、キャッシュアウトより、キャッシュインのほうが大きいことを計算に入れています。
スポンサーは自社の商品の売り上げを上げるために、無料のフリーペーパーにお金を払って広告を載せてもらいます。
無料で手にして読んだ読者が、広告を見て、そのスポンサーの商品を購入して、スポンサーのところにお金が戻ってきます。
いえ、むしろスポンサーは、広告で支払った以上の現金を回収しています。
ゆえに、利益を上げることができています。
一方、私たちは無料でペーパーを手にしているように感じます。
しかし、その実態は、目にしてしまった広告に洗脳され、商品を購入することになり、お金を払います。
そのお金が、無料のメディアを帳消しにしているのです。
私たちは無料で手に入れているようで、別の商品に対して、知らぬ間にお金を払っています。
世の中に、本当の無料メディアはないのです。
私が、お金についての知識をどこで身につけたのかというと、給料の安い新人時代です。
当時は給料が安くて、恥ずかしいことに、毎月赤字でした。
初めに親から就職祝いでもらった100万円が、どんどん減っていったものです。
赤字になるのは、給料が安いからだと思っていました。
しかし、赤字の生活が続けば、いつか貯金の底がつきます。
黒字にするために、削られる生活費はすべて削り、小から大を生むようなお金の使い方を考えました。
いろいろな本を読んだり、親からお金の管理について学んだり、友人の生活を参考にしたりです。
「なぜお金が貯まらないのだろうか」
「なぜいつの間にかお金が消えているのだろうか」
当時は生活がかかっていたので、必死になってお金の勉強をしました。
真剣に考えて、自分の生活を振り返ります。
すると、お金の管理能力のなさという原因に行き着きます。
無駄にお金を使っていることがわかると、資本主義社会の仕組みに気づき、お金の取り扱いに注意するようになりました。
お金の管理能力が優れている人は、給料が少なくても、赤字になりません。
10万円しか給料がなくても、10万円内で生活をやりくりできます。
少ないお金なら少ないなりに、知恵を使って生活を調整できるからです。
お金が少なくても、お金の管理能力が上回っていれば、必ずやりくりできます。
食費を減らすためにはどうすればいいか。
交通費を減らすためにはどうすればいいか。
交際費を減らすためにはどうすればいいか。
さらには、固定費である家賃を減らすためにはどうすればいいのか。
そんなことまで考え始めます。
どうすれば黒字にできるか、勉強するのです。
新人時代に給料が少ないのは、お金の勉強のために、お金を前払いしていると思ってください。
学校で勉強するためにお金を払うように、お金の勉強をするために、社会に対してお金を払います。
社会は怖い先生です。
お金の勉強をしない生徒からは、厳しい態度で接してきます。
しかし、きちんと勉強できれば、厳しい先生もあっと言わせることができます。
もともとの給料が少ないのは、すでに社会に対して授業料を支払い、天引きされている状態だと思ってください。
実は、あなたはたくさんの学ぶ機会を与えられています。
学校に授業料を払っても、学校をサボれば意味がありませんね。
同じように、社会にお金を払っても、その勉強を社会の中でしっかりしないと、元は取れません。
給料の安い新人ほど、お金の勉強が急務ですから、授業料を給料から天引きされます。
その代わり、お金の苦労をすることで、金銭感覚を養う機会を与えられます。
給料が安いのではありません。
安いのは、授業料を支払っているから、給料が安く感じます。
安い給料で、どうすれば生活をやりくりできるか、必死になって考えましょう。
お金について学ぶチャンスです。
自分の生活がかかっているのですから、手を抜かず、食費・交通費・光熱費を削るための知恵を出しましょう。
知恵が身につけば、あなたは一生役立つお金の知識を身につけることができるのです。
不動産のウインドーには、立地条件がよく、部屋も広く、そのうえ安い物件が張り出されています。
いわゆる優良物件です。
条件のいい物件に私たちは、つい足を止めてしまいますね。
そういう物件が張り出されているくらいなら、店内にはもっといい条件の部屋がたくさんあることだろうと思います。
しかし、たいていの場合、ウインドーに張り出されている物件が、最も良い物件です。
店内に入っても、それ以上の優良物件は、絶対にないとは言いませんが、なかなか見当たりません。
なぜ、そうしているのかというと「客寄せ」のために使っているのです。
店の前を行き交う人に優良物件を見てもらい「この不動産屋は安いぞ。ほかにもあるに違いない。のぞいてみよう」と思わせます。
たくさんのお客さんをウインドーから店内に引き寄せるために、いちばんの優良物件のみをウインドーに張り出しています。
お金の使い方が上手になってくると、お金のことだけでなく、時間のことまで考えられるようになります。
どういうことかというと、時間もお金になるということです。
たとえば、食費を節約するために、自炊をするとします。
節約のためにする、よく聞く話です。
朝の1時間を使って、ご飯を炊いて、料理して、朝ご飯を食べます。
夕食も、同じです。
さすがに昼は仕事がありますから、コンビニで済ますとしましょう。
朝と夜で、自炊のために2時間を必要とします。
自炊する分、時間はかかりますが、節約効果は大ですね。
その結果、1日に食費が1,000円節約できるとします。
単純に1カ月続ければ、30,000円になります。
素晴らしい節約ですね。
しかし、です。
朝をコンビニでさっと済ませ、時間に余裕ができ、1日の仕事を2時間増やしたとします。
時給が1,000円とすれば、1日2時間で2,000円を余分に稼げます。
単純に1カ月続ければ、60,000円になります。
おや、節約のために自炊するより、しないほうが稼ぎはよくなってしまいます。
もちろん実際は、食事する内容・金額・健康状態まで考慮する必要があるので、こうも単純な話ではありません。
しかし、1つの例としては、参考になるのではないでしょうか。
私の場合、節約のために……実は自炊をしていません。
「節約のために自炊」が決まり文句ですが、食事をする時間に勉強をしたり、仕事をしたりするほうが、稼ぎが増えてしまうのです。
節約のために自炊という常識を覆すようですが、事実として存在するのです。
車の購入には、大金が必要です。
100万円の車があるとします。
税込み100万円の車があり、あなたは手持ち100万円があれば、車を購入して運転できるでしょうか。
正解は「運転できない」です。
100万円あって、100万の車があれば、問題ないと思います。
あなたが考慮し忘れているのは「維持費」です。
100万円の車を買って現金を使い果たしても、肝心のガソリンを買うお金がないので、車を運転できません。
車を買えば「維持費」がかかることを考慮に入れていますか。
代表的な例で言えば、ガソリンです。
さらに場合によっては、駐車料金も考慮に入れる必要があるでしょう。
ガソリンや駐車料金を考慮すれば、維持費はかなりの金額になります。
お金の素人は、品物の金額しか見ません。
しかし、実際は購入後、維持のためにお金が必要となるため、いつの間にかお金が消えます。
お金の達人は、購入後の維持費まで考慮に入れます。
維持費だけではありません。
商品を処分するときのことまで考えます。
「処分するときには、いくらで売れそうか、売れなければいくら費用がかかりそうか」という計算です。
購入費、維持費、処分費までしっかり計算をしたうえで「安いかどうか」「買うべきかどうか」を判断するのです。
「ちょっとだけまけてくださいよ」
お客として、あなたが店員に値切り交渉をします。
あなたはお店の常連客であり、店員とも仲のいい間柄です。
「いつも来てくださっているお客さまだし、少しくらいならまけてもいいかな」
店員は、どうやら少しくらいなら、まけてくれそうな姿勢です。
店員が「まけてもいいが次のどちらかを選んでほしい」と言ってきました。
あなたなら、どちらを選びますか。
あなたは、とっさに(2)より(1)を選んだのではないでしょうか。
小さな金額のためお願いしやすく、500円分の得もあるため、思わず(1)を選びがちです。
しかし、正解から申し上げますと、本当は(2)のほうがお得です。
差し引かれた金額を見てみましょう。
まず(1)は500円しか安くなっていませんが(2)は1万円も安くなっています。
「50万円の商品を49万円」では、あまり変化がないと感じますが「万単位」ですから、金額の変化は大きいです。
単位までしっかり確かめることです。
人間の金銭感覚は、金額が大きければ大きいほど、鈍感になります。
あなたは賢い消費者になるために、どうせまけてもらうなら「50万円の商品を49万円」にお願いします。
数字の変化は小さくても、金額は大きいのです。
私たちは小学生のころから、さまざまな種類のテストを受けてきました。
入学試験・中間試験・期末試験・大学入試です。
はたまた各種、資格取得のための試験です。
ある試験を受けた結果、90点を取ったとします。
100点中10点分を間違えた、と考えます。
数字をありのまま見て、たしかにそのとおりです。
100点を目指し、残り10点を埋めるべく、勉強をさらに重ねます。
しかし、これは、試験対策として賢い方法とは言えません。
試験の結果で90点も取れれば、ほぼ100点のスコアを取ったと考えてかまいません。
大学入試や各種資格試験では、合格ラインを70%から80%としています。
もちろん試験の種類にもよりますが、だいたいこのラインが平均です。
試験の常識として、100点は取れないように、難問を用意しています。
50点分は、基本問題。
40点分は、応用問題。
残りの10点分は、難問題。
3段階の難易度を、だいたいこうした配分で分けています。
基本問題だけでは、合格ラインを越えられません。
応用問題を、ある程度正解できて、晴れて合格となります。
難問とされる10点は、教科書のページの端に小さい文字で書かれているような難問ですから、無視してもかまいません。
その10点を埋めようとすると、膨大な時間がかかりすぎます。
ゆえに、90点も取れれば完全に合格ラインであり、基本的に100点を取ったと考えてもいいのです。
難問は、捨ててかまいません。
難問の10点を埋め、さらに100点を目指そうとすると、勉強量は急激に増加します。
その勉強時間があるなら、今までの復習のために使ったほうが、より効果的なのです。
「禁煙者の24時間」と「喫煙者の24時間」。
それぞれ質も量も異なります。
喫煙者の24時間は、禁煙者の24時間以下です。
時間として同じでも、その時間内で行える仕事の量と質には、大変な違いが出てきます。
まず日頃からタバコを吸う人は、吸わないといらいらします。
いらいらすると仕事に集中できなくなり、社内が禁煙なら、やむなくタバコを吸うために喫煙室へ向かいます。
当然ですが、タバコを吸っている時間は、仕事が中断します。
それだけでも、禁煙者に遅れてしまいます。
さらに忘れてはならないのが、タバコを買うお金です。
タバコを買うお金も年間を通して考えると、大変な金額になります。
1日1箱、400円とすれば、1カ月で12,000円。
1年で、144,000円。
もはや海外旅行ができる金額です。
大きな出費なので、生活にも影響があります。
タバコが体に悪いのは言うまでもありません。
タールは、発がん性物質です。
タバコを吸いすぎるとガンになるといわれています。
肺にたまったタールのため、酸素の吸収力が衰えます。
タバコを吸う人は、吸わない人より寿命が短くなります。
社内を見ていると、仕事ができる人は禁煙者が多いようです。
タバコを吸わないのでいらいらも少なく、気持ちが安定しています。
必ずしも、この限りではありませんが、一般的な傾向です。
吸わなければいらいらし、吸うために席を外し、余分なお金を使うという積み重ねは、やはりマイナスでしかありません。
よって、喫煙者の24時間は、質も量も、禁煙者の24時間以下となるのです。
金銭感覚を養うためには、できるだけお金と接する機会を増やすことです。
細かいお金でいいですから、お金を見る機会、触る機会を増やすだけで、金銭感覚が養われます。
たとえば、1万円です。
1万円は、1万円札1枚より、1,000円札で10枚持つことをおすすめします。
物理的にお金の量をしっかり確認できるからです。
財布が軽くなったり重くなったりすることで、お金の変化を、五感を通して感じることができます。
それが金銭感覚へと変わります。
私は、いつもATMでお金を引き出すときには、1万円札ではなく、1,000円札に両替して引き出します。
1万円札では、受け付けない自動販売機があり、不便を感じます。
1,000円札なら、ほとんどの自動販売機で使えますから、便利です。
3万円も引き出せば、1,000円札が30枚になりますから、お財布はかなりの厚さになります。
友人からは「お財布、分厚いね。大金が入っているの?」とよく驚かれます。
しかし、実際は1,000円札ばかりなので、たくさんあるように見えるだけです。
物を購入するたびに、分厚い財布が薄く軽くなる状態を感じることで、お金が減っていることを体で感じることができます。
大きな買い物をすると、たくさんの1,000円札が財布から消えます。
「ちょっと使いすぎたかな」
軽い罪悪感を抱きます。
そう思うことは、肝心です。
お金の使いすぎを反省し、節制の精神を養います。
1,000円札で持つことで、お金の支出の量が減ります。
少し使っただけで、たくさんお金を使ってしまったような感覚になり、お金の使いすぎを抑制する効果があります。
1万円札1枚より、1,000円札10枚のほうが、金銭感覚が養われるのです。
栄養ドリンクには、健康維持に有効な成分「タウリン」が含まれているものがあります。
タウリンとは、肝臓機能の向上・心臓機能の強化・コレステロールの排出を促進させる働きがあります。
タウリンは、特に貝類に豊富に含まれている成分です。
植物以外のほとんどの生物に存在していると言われ、生命の維持活動に有効な成分として知られています。
人間の体重のおよそ0.1%がタウリンで構成され、人の体に最も多く存在しているアミノ酸の1つです。
60キロの体重の人なら、60グラムがタウリン成分です。
心臓・肺・肝臓・脳など、あらゆる臓器や組織に広く分布していることから、生命活動の維持に不可欠な成分として知られています。
タウリンをうたった栄養ドリンクの外装には「タウリン1,000ミリグラム配合」と記載されているのを、しばしば目にします。
さて、ここからが本題です。
次の2つのうち、よりたくさん含まれていると感じるのはどちらでしょうか。
おそらくほとんどの人が「1,000ミリグラム」を選んだのではないでしょうか。
これが数字の面白さです。
1,000という桁数の多い数字を見ると、たくさん含まれているような感じがします。
しかし、実際はどちらも同じ量です。
1グラムとは1,000ミリグラムのことですから、量には変わりありません。
では、なぜ、1,000ミリグラムと表記するのかというと、たくさん含まれている印象と効果が高い印象を与えるためです。
当然「1グラム配合」より、印象が強い「1,000ミリグラム配合」と表現したほうが、売り上げが伸びてしまいます。
量は同じでも、単位を変えてしまうだけで、人に与える印象はこれほど変わってしまうのです。
人間には「切りのいい数字が好き」という傾向があります。
切りのいい数字のほうが、見た目もシンプルであり、覚えやすくなるからです。
あなたが友人と待ち合わせの時間を話し合ったとき、切りのいい時間を選んでしまうはずです。
7時56分より、8時ちょうどです。
切りのいい時間を選ぶと、お互いに覚えやすくなり、忘れにくくなります。
さて、きりのいい数字の持つ力を逆手に取る方法があります。
商売における数字も、切りのいい数字にするほうが売り上げは伸びる傾向があります。
たとえば自動販売機に、まったく同じジュースが、99円と100円という値段で売られていた場合、あなたはどちらを選びますか。
100円のジュースのほうが売り上げは伸びてしまいます。
100円より99円のほうが1円だけ安いのですが「100」という数字を見ると、すっきりした印象を持ちます。
100という区切りだけで安心してしまうのが、人間です。
99という区切りの悪い数字は、1円安いにもかかわらず、すっきりした印象を持ちません。
また99円だとお財布から小銭を出し、おつりを受け取るときにも小銭が返ってくるため、小銭の出し入れの手間が増えます。
したがって、100という切りのいいほうを選んでしまいます。
値段が高いほうが売れてしまうというこの不思議さ。
これこそ、数字の面白いところです。
事実は同じでも、表現の仕方を変えるだけでまったく異なる印象を持ってしまう方法があります。
事実をまったく変えず、印象をがらりと変えてしまうことは、可能です。
たとえば、ある野球チームで5回戦って、次のような成績を持つチームがいました。
「2勝3引き分け」
2勝はしているものの、まだ負けてはおらず、しかし3回引き分けているという中途半端な成績です。
強いとも弱いとも言えず、どちらの印象も微妙なところですね。
しかし、これを数字のトリックを使って表現を変えると、強いチームという印象へと早変わりしてしまいます。
「5戦無敗」
さあ、いかがでしょうか。
無敗という言葉を使って、負けたことがないことを強調するだけで、強いチームへと印象が変わってしまいました。
成績や事実はまったく変えていません。
しかし、言葉の表現を変えるだけで、これほど印象が変わります。
私たちは、表現ではなく、言葉の奥にある事実をありのまま見る癖をつけなければいけません。
「タウリン1グラム配合」という表現と「タウリン1,000ミリグラム配合」という表現も、また同じです。
「タウリン1,000ミリグラム配合」のほうがたくさん含まれている印象がありますが、どちらも同じ量です。
表現ばかりを見聞きしていると、言葉を巧みに操った広告に惑わされます。
時には、金銭的に騙される可能性さえあります。
「なぜかお金が貯まらない」
そう思ったら、日常生活における数字についてチェックしましょう。
どこかで惑わされたり、騙されたり、勘違いをしている可能性があります。
言葉ではなく、事実そのものをきちんと見て判断する癖をつけましょう。