売り上げをアップさせるために、最も大切なのは「商品」ではありません。
常に「人」です。
これを常に意識して、忘れないでおきましょう。
私はある日、おいしそうなラーメン屋を発見しました。
店頭には写真付きのメニューがあり、店内からは香ばしいにおいがします。
「入ろうかな、どうしようかな」
今、私が住んでいる東京・三軒茶屋は、店の盛衰が激しい土地です。
土地の値段やアパートの家賃が高い地域なので、その地域で経営するお店は大変です。
月々の高い賃貸料を支払うために、眉唾ではない経営力が必要です。
一昔前、人がやっていた会計処理や事務処理は、そろばんを使って計算していました。
その後、電卓が登場して、仕事はさらに効率よくなりました。
しかし、これは、まだほんの始まりにすぎませんでした。
人目を気にする人間には「中流意識」がどこかにあります。
「松竹梅」と3段階のメニューがあれば、最初は中間の「竹」を選びたがろうとします。
低いランクの梅を選ぶと「安っぽく見られるな。貧乏だと思われたくない」という意識が働きます。
「1件しかない店」なら、客はそこに集中します。
1件しかないので、ほかに選択のしようがないからです。
物が不足していた時代では店が少なく、お店が1件できるだけで多くのお客さんが押し寄せてきました。
人間は「限定」に弱い生き物です。
数が限られていると、人気があり、希少価値があり、高品質であるかのような印象を受けます。
限定数が少なければ少ないほど、逆に欲しくなるのが、人間心理です。
私が新人だったころ、先輩と一緒にランチをよく食べに行っていました。
行きつけの食堂があったのですが、なぜいつもそこに通っているのかというと、はっきりした理由はありませんでした。
強いて言えば「日替わりランチ定食」があるからでした。
私が小学生のころ、冬の季節には朝礼前にマラソンがありました。
学校に到着して、朝礼が始まる前の15分ほどの間、運動場を何周も走れるだけ走ります。
当然ですが、マラソンなんて疲れるだけで、誰もやろうとしませんでした。
私が勤めている会社で、ある日、社長から「アイデア募集」の依頼がありました。
会社の強みになるような斬新なアイデアを出してほしい、という内容でした。
募集と言っても、任意でした。
売り上げをアップさせるためには、商品の内容をよりよくしようと思います。
しかし、それでは手間も暇もかかります。
簡単に売り上げをアップさせる方法があります。
実は、私たちが購入する大半は「知っている商品」ばかりです。
あなたがスーパーに出かけて、ショッピングカートに入れる商品を眺めてみましょう。
・見たことある
私がよく行くレストランで、実際にあった話です。
レストランのメニューは、当初、文字ばかりが並んでいるメニューでした。
たとえば、デザートの欄には「抹茶アイスクリーム」というメニューがありました。
私が住んでいる三軒茶屋は、東京の世田谷の中でも一等地に位置します。
賃貸料が高く、おしゃれな町としても有名です。
そんな都心部に住んでいると、短いサイクルで、店の開業と廃業を目にできます。
どんなお店にも、店内にはレジがあります。
気に入った商品を見つけて、レジで会計を待っている間に、待ち時間が発生します。
すんなり会計ができればいいですが、2人も3人も会計待ちの人が並んでいると、長く待たされるケースも珍しくありません。
犯罪が潜んでいるのは、常に暗いところです。
見られてはまずいものがあるので、暗いところが好都合です。
そのため、私たちは暗いところに対して、無意識のうちに悪い印象を持ってしまいます。
伝えたいメッセージを強調する方法には、2種類あります。
そのほかにも点滅や装飾という方法もありますが、話の幅が広がるため、ここでは省きます。
(1)文字の色で強調
「ビタミンCが1000ミリグラム!」
健康ドリンクでは、ビタミンの含有量を強調したキャッチコピーが目につきます。
「1000」という4桁の数字に、量の多さを感じずにはいられません。
表現方法を変えるというのは、お客さまに商品をアピールする有効な手段です。
たとえば、あなたの店内で最もよく売れている商品を見つけましょう。
見つかれば、その商品に「売り上げナンバー1」というキャッチコピーを付けてください。
私が住んでいるそばに、お気に入りの饅頭屋が1件あります。
1つが10円という安さでも、おいしいです。
ある日、会員カードができました。
私たちは、戦後、3段階の時代を経験しています。
・物を求める時代(1945~1954年)
・性能を求める時代(1955~2000年)
真夏の日中。
直射日光が強く照りつける中のことです。
「熱くて死にそう……」
ある日、クッキー店の前で、チラシを配っていたとします。
「北海道産の牛乳を豊富に使って焼いたクッキーです。じっくり丁寧に焼きました。1パック500円です」
チラシには、クッキーのおいしさをアピールしています。
キャッチコピーとは、人を引き付ける言葉のことです。
商品の広告や宣伝の際に使われます。
キャッチコピーをつけている商品は、世間ではよく目にします。
あなたのお店には、割引券を配ることがありますか。
一部の商品が安くなる割引券を配れば、商品が安くなるので、お店にやってくるお客さんが増え、売り上げもアップします。
頻繁に利用する人にとって、割引券は素直に嬉しく感じることでしょう。
三軒茶屋には、たくさんの職種のお店がひしめき合っています。
商売がうまいところは長続きしていますが、下手なところはすぐつぶれます。
私はたくさんのお店を目にして、商売がうまいなと感じるお店の共通点を発見しました。
お店には、当然ですが、営業時間があります。
営業時間は、店によってさまざまです。
たとえば「朝の9時から、夜の6時まで」としましょう。
商品は、基本的に、お店で販売します。
店を開いている近くの人が対象になります。
しかし、店の立地が田舎なら、人通りも少ないため、来店するお客さまも少ないです。
通常、私たちは何度かお店にかよっていると、店のレイアウトを覚えます。
どんな商品が、どこに置いてあるのかを、自然と記憶してしまいます。
さて、次のような経験はありませんか。
ほうっておけば勝手にお客さんがやってきて、商品がたくさん売れるという話はありません。
そんなおいしい話があれば、商売は苦労しません。
そういう話は、うさんくさい広告やチラシにあるだけです。
売り上げをアップさせるために、最も大切なのは「商品」ではありません。
常に「人」です。
これを常に意識して、忘れないでおきましょう。
もちろん商品も大切です。
私たちは売り上げを上げようとするときに、商品をさらに研究しようとします。
たしかにより魅力的な商品を打ち出すことで、より多くの人たちに購入していただけることでしょう。
しかし、そうした商品を買うのも使うのも、常に「人」です。
使いやすい商品を考えようと思っても、使いやすさを感じるのは人です。
おいしい料理をつくろうと思っても、おいしいと感じるのも人です。
幸せな気分になれる商品をつくろうと思っても、幸せを感じるのは人です。
私は、より良いサイトをつくろうと心がけるとき、サイト内部より、人について研究しています。
歴史を学び、心理学を学び、実際に人と会って会話をします。
人がどんなときに、どんな行動を、どんな感情でしているのか、いつも考えています。
また、自分が読者になることで、そういう部分がより克明にわかってきます。
人の心理や行動を知ることで、どうすれば売り上げにつながるのか、糸口が見えてきます。
人間を知ることは、ビジネスを知ることです。
どのような行動で、どのような心理状態になり、どのような感情になるのかを、詳しく研究しましょう。
人を研究することで、今までにない新しいアイデアを発想する手がかりになるのです。
私はある日、おいしそうなラーメン屋を発見しました。
店頭には写真付きのメニューがあり、店内からは香ばしいにおいがします。
「入ろうかな、どうしようかな」
少し迷いました。
とりあえず、店内の雰囲気と、どのくらいお客さんがいるのかが気になりました。
しかし、ドアが閉まっているので店内が見えませんでした。
わざわざドアを開けて確かめるのも、面倒です。
「ドアを開けるのは面倒だな」
何気なく小さな声で口にした言葉です。
その言葉に、はっとしました。
これこそビジネスを切り開く、大切な言葉だと思いました。
売れないお店の共通点は、ドアが閉まっていることです。
ドアが閉まっていると、外から店内が見えません。
また、ドアという区切りがあることで、店の内と外とで壁をつくることになります。
そうすると、自然と入りにくい心理が働きます。
閉まっているドアを押して開けるだけでも、客側は面倒であり、ためらいます。
客側に立っていると「ドアが閉まっているお店は入りにくい」という本音があります。
入店しやすくするために、抵抗を少しでも小さくしなければなりません。
夏場は冷房、冬場は暖房という理由を除き、できるだけドアは開けておくことです。
ドアを開けなくても、入店できる長所があります。
店内の雰囲気やお客さんの様子が、外からでもすぐ確認できます。
初めてのお客さんほど、店内の様子が気になります。
ドアが開いていると、オープンな雰囲気を出せ、店内が見えやすくなり、入りやすくなります。
「ドアを閉めて営業するか。ドアを開けっ放しで営業するか」
この違いは、お金も時間もかかりません。
しかし、売り上げには大きく影響するのです。
今、私が住んでいる東京・三軒茶屋は、店の盛衰が激しい土地です。
土地の値段やアパートの家賃が高い地域なので、その地域で経営するお店は大変です。
月々の高い賃貸料を支払うために、眉唾ではない経営力が必要です。
経営に成功すれば、店は長続きします。
しかし、誤った営業をしていると、高額の賃貸料に経営は傾き、店はあっという間につぶれます。
値段の高い地域に住んでいると、そうした店の盛衰を数多く目にしてきました。
店の盛衰を繰り返し見ていると、勉強になります。
私は、よく閑古鳥の鳴いているお店に足を運びます。
冷やかしのためではありません。
なぜ、お客が入らないのかを勉強するためです。
「入りにくい。注文しにくい。感じが悪い」
閑古鳥が鳴いている店には、何か理由があるはずです。
自分が客になることで、お客が入らない理由を感じ取ります。
自分のビジネスにそうした点はないか、反省します。
あれば、すぐ改善します。
一方、繁盛しているお店にも足を運びます。
なぜ多くの客がやってくるのかを、自分が客になることで感じたいからです。
「入りやすい。注文しやすい。感じがいい」
繁盛しているお店には、必ず理由があります。
自分のビジネスに生かせる点はないか、当てはめて考えます。
あれば、すぐ適用します。
「してはいけない例」と「見習うべき例」の両面から学ぶことは重要です。
正反対のお店の状態は違いがはっきりわかり、素人の私でも感じやすくなります。
アイデアを思いつくのは大変です。
頭の中で思い描くアイデアは、外れも多く、机上の空論になりがちです。
しかし、店に足を運ぶのは簡単です。
閑古鳥が鳴いている店と繁盛している店に足を運び、その理由を感じ取ればいいだけです。
一昔前、人がやっていた会計処理や事務処理は、そろばんを使って計算していました。
その後、電卓が登場して、仕事はさらに効率よくなりました。
しかし、これは、まだほんの始まりにすぎませんでした。
パソコンという万能な機械が登場しました。
現代は、パソコンで何でもできる時代です。
パソコンのおかげですべてが変わりました。
計算は、得意中の得意であることは言うまでもありません。
複雑な会計処理やチラシ広告づくりをはじめ、写真や映像を加工したり、音楽を作ったりなどもできます。
パソコンを使えば、何でもできる時代になりました。
店の仕事をスムーズに進めるために、新たに人を雇えば早い話です。
しかし、人件費がかかります。
人間ですから、体調を崩して急に休んだり、人間関係でトラブルを起こしたりすることもあります。
人件費を出すお金があるなら、パソコンを1台買って、市販されている本で学んだほうが、はるかに安上がりです。
もちろん1人で学ぶ自信がない人は、パソコン教室にかよって使い方を習得してもいいでしょう。
いずれにせよ、覚えるのに時間はかかります。
しかし、一度パソコンを手なずけてしまえば、維持費用はかからず、業務効率を大幅に上げることができます。
何しろ、パソコンは文句を言わず、疲れも知りません。
人は、働けば働くほど疲れます。
しかし、パソコンは処理が速く正確であるうえに疲れません。
パソコンができることは、ためらいなく、徹底的にパソコンにさせることです。
業務は劇的に向上するのです。
人目を気にする人間には「中流意識」がどこかにあります。
「松竹梅」と3段階のメニューがあれば、最初は中間の「竹」を選びたがろうとします。
低いランクの梅を選ぶと「安っぽく見られるな。貧乏だと思われたくない」という意識が働きます。
高いランクの松を選ぶと「高級そう。贅沢すぎないか」という意識が働きます。
低級すぎても高級すぎても、心理的に不安があります。
そこで、中間に当たる「竹」を選びます。
もちろん常連客やすべての人がこの限りではありません。
しかし、この傾向は世界のどこでも強く見られます。
人目を気にする人間は、無難に「普通」を選ぼうとします。
商売をしているあなたは、竹ばかりが売れるのでは、梅と松が売れ残ります。
売れる商品の偏りがあれば、在庫処分にも困ります。
いくら竹だけが売れているとはいえ、高ランクの松にも手を付けてもらいたいと思います。
松のような高品質を、多くのお客さまにも体験していただきたいと思うこともあるでしょう。
松の売り上げを伸ばしたいときに、いい方法があります。
やってくるお客さんの心理を利用します。
「普通が好き」という心理があれば、さらに高ランクである「特上」をつくればいい。
「特上」をつくることで、天井が高くなり、松が普通域の中に入ります。
いちばん上が、松から特上に変わることで、松を選ぶ抵抗が小さくなります。
むしろ、松も普通だと思い、より多く売れます。
人を相手にしている商売ですから、常に人の心を読んで商売に生かしましょう。
人の心理を読める人が、売り上げをアップさせることができるのです。
「1件しかない店」なら、客はそこに集中します。
1件しかないので、ほかに選択のしようがないからです。
物が不足していた時代では店が少なく、お店が1件できるだけで多くのお客さんが押し寄せてきました。
しかし、今は何でも手に入る時代です。
ほとんどの産業では、同種類の店が複数対立しています。
競争が当たり前になってしまいました。
たとえば、あなたの家の近くを見てみましょう。
複数のスーパー・複数のラーメン屋・複数のレストランがあるのではないでしょうか。
もし、スーパーが1件だけなら、迷うこともありません。
しかし、複数あるなら、どこに行こうか迷います。
特にこれといった理由がない場合は「近場で安いお店」を選んでしまいます。
楽をしたがる人間は、特別な理由がないかぎり、近場で安いお店がいちばん楽だからです。
より多くの人に足を運んでもらおうとするなら、工夫が必要です。
競争に勝つためには、お客さまに選んでもらう理由をつくらなければいけません。
「選ぶ理由」をつくり出すことが、店側の仕事です。
それが「目玉商品」です。
ほんの一部でかまいませんから、客を引き付ける目玉商品をつくることです。
目玉商品は、大いなる客寄せの効果を発揮するからです。
珍しい商品でもいいです。
格安の商品でもいいでしょう。
目玉が飛び出るような驚く商品をつくります。
たとえば、不動産屋の店頭に「本日の優良物件」というチラシを張り出します。
赤字覚悟の優良物件でかまいません。
日当たり良好で、立地条件もよく、しかも安いという、まさに「目玉商品」です。
たった1枚でもそういう張り紙があると、ちらしの前で多くのお客さまが立ち止まります。
素晴らしい目玉商品に夢を膨らませ、お客さまの多くが来店します。
もちろん目玉商品はすぐ売り切れてもかまいません。
事実、目玉商品は人気があるため、すぐ売り切れます。
たとえ、優良物件が売り切れていたとしても「ほかにいい物件はありませんか」という話の流れになります。
売り上げアップにつながります。
あなたのお店には、目玉商品がありますか。
人間は「限定」に弱い生き物です。
数が限られていると、人気があり、希少価値があり、高品質であるかのような印象を受けます。
限定数が少なければ少ないほど、逆に欲しくなるのが、人間心理です。
「世界に1つだけの商品」と聞くと、それだけで価値のある商品のように聞こえます。
売り上げをアップさせるには、メニューの一部に「限定」をつくってください。
限定をつくることで、メニューにメリハリができて、多くのお客さまが注目します。
たとえば、1日10食限定のラーメンです。
1日にたった10食というわずかな限定商品があると、お客さまの印象が良くなります。
希少な素材を使って、手間暇をかけてつくっているような印象を受けます。
また、そういう高品質のラーメンをお客さまに味わっていただきたいという店長の意気込みも伝わってきます。
実際のところ、限定商品がすべて売れたとしても、店の全体の売り上げに大きく貢献することはありません。
限定商品は、ほかとは比べてつくるために手間もかかり、特別な素材にも費用がかかるためです。
店の売り上げが向上するのは、10食限定ラーメンが売れたときではありません。
10食限定ラーメンが、完売した後です。
「10食限定ラーメンを注文したいのですが」と注文があり「すみません。今日は売り切れてしまいました」となります。
すると「そうですか。じゃあ別のラーメンを……」という流れになります。
一度足を踏み入れてしまったからには、わざわざ店を出るのもおっくうなので、別のラーメンを注文します。
人によっては、さらにギョーザや飲み物を注文して、売り上げがさらにアップします。
限定商品をつくることで、多くのお客さまに来店していただくきっかけに変えるのです。
私が新人だったころ、先輩と一緒にランチをよく食べに行っていました。
行きつけの食堂があったのですが、なぜいつもそこに通っているのかというと、はっきりした理由はありませんでした。
強いて言えば「日替わりランチ定食」があるからでした。
ボリュームは十分で、値段も手頃でした。
経済的であり、おなかいっぱいに食べられるなら、文句はありません。
驚いたことに、その日替わりメニューは、同じパターンで出るものではありませんでした。
曜日によって出る食事が決まっているわけではなく、店長の気分のためか、不定期に変わります。
本当に何が出るか、まったくの不規則でした。
まさに「日替わりランチは、来店しないとわからない」という状態です。
先輩は、その日替わりランチ定食が、大のお気に入りでした。
私も「今日は、どんなランチかな」と期待を膨らませて、店に向かっていました。
そんなとき、ふと思いました。
「日替わり」というのは、売り上げアップにつながるキーワードです。
「日替わり」という名前がついていると、なぜか、どきどきします。
人間は「新しい刺激が欲しい」という欲求があります。
私たちが新聞を広げて読むのも「何か新しいことはないかな」と思うからです。
テレビのスイッチを入れてしまうのも「何か面白い番組はないかな」と新鮮な刺激を求めようとする心理があるからです。
新商品が発売されると、特に理由はなく、手に取ってしまいます。
すなわち「人間は新しいものが大好き」です。
日替わりメニューがあると、毎日新しく変化するメニューにお客さまはどきどきします。
新しさを知りたいがゆえに、来店してしまいます。
あなたのお店には、毎日新しく変化するものがありますか。
私が小学生のころ、冬の季節には朝礼前にマラソンがありました。
学校に到着して、朝礼が始まる前の15分ほどの間、運動場を何周も走れるだけ走ります。
当然ですが、マラソンなんて疲れるだけで、誰もやろうとしませんでした。
わざと朝礼ぎりぎりに登校して、少しでもマラソンに触れる機会を減らそうとしている生徒もいました。
先生が「外で走ってきなさい」と怒鳴ってくるため、仕方なく走っている状態でした。
しかし、ある日、変化が起こります。
先生が生徒に「マラソン用ポイントカード」を配りました。
運動場を走り回った回数に応じて、ポイントもたまるという内容です。
運動場を1周走れば、1ポイント加算されます。
3周走れば、3ポイントです。
ポイントが貯まれば、みんなから驚かれたり、先生から表彰状をもらえたりします。
すると、このポイントカードができた日を境に、生徒の態度が急変しました。
生徒から積極的に「走りたい!」と言い始めました。
したことといえば、ポイントカードを作ったことです。
自分の努力がポイントという数字で目に見えたり、ポイントに応じて報酬がもらえたりすると、やる気が出てきます。
自分の成長が目に見えるようです。
先生がしたことといえば、ポイントカードを作ったことだけです。
それだけの工夫で、生徒の態度は180度変わった事実には驚きです。
ポイントが貯まるという快感が、人のモチベーションを上げます。
このお話は、店の売り上げアップにも通用する話です。
売り上げを伸ばしたければ、ぜひ「ポイントカード制度」を導入しましょう。
ポイントに応じて、お客さまが喜ぶような素晴らしい報酬を用意しましょう。
ポイントを貯める快感のために、来客数が増えて、買い物への意欲に拍車をかけるのです。
私が勤めている会社で、ある日、社長から「アイデア募集」の依頼がありました。
会社の強みになるような斬新なアイデアを出してほしい、という内容でした。
募集と言っても、任意でした。
アイデアを送ったとしても、社長から「ありがとう」という返事がある程度でした。
そのため、みんなからアイデア募集という依頼は無視されていました。
まったく募集は集まらなかったと言います。
ある日、社長は頭をひねらせました。
「報酬付きのアイデア募集」に変更しました。
報酬は、3万円のマウンテンバイクです。
すると、社員の中から、やる気を出す人間が数名現れました。
やはり報酬があると、報酬目当てに頑張る人間が現れます。
しかし、その数は、まだ微々たるものでした。
「やる人間」と「やらない人間」とで、大きな差がありました。
報酬がマウンテンバイクだからです。
欲しい人は頑張りましたが、欲しくない人は、まったくやる気を出しませんでした。
募集が集まらず困っている社長に、社員の1人がシンプルな助言をしました。
その助言に従って、報酬の内容を変更したところ、なんと社員全員がやる気になりました。
多くの社員から斬新なアイデアが集まり、社長はむしろ、満足しました。
さて、その報酬とは何だと思いますか。
単純なことです。
「現金3万円」です。
3万円のマウンテンバイクは、欲しい人は頑張りますが、欲しくない人には単なるごみです。
そのため、いくら高級なマウンテンバイクとはいえ、やる気を出す社員とそうでない社員で、はっきりわかれていました。
しかし、現金3万円は、欲しくないという社員はいません。
「3万円のマウンテンバイク」と「現金3万円」では、価格は同じです。
しかし、やはりみんなが欲しいのは、現金です。
3万円のマウンテンバイクより、現金3万円のほうが欲しいです。
あからさまに現金を報酬として差し出すのを嫌がる人が多いですが、考えを改めてみましょう。
やはり人間は、現金が好きです。
報酬にする物品選びに迷うくらいなら、現金にするべきなのです。
売り上げをアップさせるためには、商品の内容をよりよくしようと思います。
しかし、それでは手間も暇もかかります。
簡単に売り上げをアップさせる方法があります。
商品名を変えます。
感情に訴えかける商品名に変えるだけで、売り上げが上がります。
ありのままの商品名では、ありきたりで、つまらない。
改善すべきは、商品名です。
できるだけ感情に訴えかける名前を加えた商品名に変更してみましょう。
たとえば、単なる「生ビール」より「ごくごく飲める生ビール」のほうが、売り上げが上がることでしょう。
表現から、ビールのおいしさが伝わってきます。
ごくごく飲んでいるところを想像してしまい、飲みたくなります。
「悲しい話」より「涙が止まらない話」のほうが具体的になります。
「悲しい話」は抽象的ですが「涙が止まらない話」は、涙を流している自分を具体的に想像して、話の内容が気になります。
「パイナップル」より「ジューシーなパイナップル」のほうが、甘そうに聞こえます。
「マグロ」より「今朝取れたばかりの新鮮なマグロ」のほうが、生き生きした印象を受けます。
「コーヒー」より「香ばしいコーヒー」のほうが、おいしそうに聞こえます。
不思議だと思いませんか。
人間は感動する生き物だからです。
人は、感情でできています。
感情に訴えかければ、人の心も動きます。
商品名を変えるだけなら、手間暇かかりません。
今すぐ、店の商品名を変えてみましょう。
より感情に訴えかけるような商品名に変えることが、売り上げアップのコツなのです。
実は、私たちが購入する大半は「知っている商品」ばかりです。
あなたがスーパーに出かけて、ショッピングカートに入れる商品を眺めてみましょう。
すでに知っている商品ばかりを、ショッピングカートに入れているはずです。
商品を体験したことがあれば、どんな価値があるのかをユーザーは理解しています。
経験したことがあるために慣れがあり、商品を手に取りやすくもなります。
商品への理解と慣れがあるため、手に取りやすく、購入にも結びつきやすいです。
一方で「初めてみる商品」に対しては、強い警戒心を抱きます。
私たちが買い物のときに、無意識にそう判断しています。
初めてのため、どんなものかわかりません。
どのくらい価値があるのか、わかりません。
よくわからないものに対して、いきなりお金を払うのには抵抗があります。
新商品が高額になるほど、警戒心も強くなり、なかなか購入に結びつきません。
有効な広告手段でもしないかぎり、高額の新商品がいきなりヒットすることはありません。
では、新商品をスムーズにお客さまに購入していただくためのいい方法はないのでしょうか。
その抵抗を拭い去るために、世の中には、ありふれた工夫があります。
まず「気軽に無料で試す機会」という方法です。
まず、これらを実践しましょう。
いきなりユーザーに購入させようとするのではなく、新商品ほどまず無料で提供します。
目的は、ユーザーに品質のよさを理解していただくことです。
「これは素晴らしいですよ」といくら店員が呼び掛けても、なかなか信じてもらえません。
店員がアピールするより、一度ユーザーに体験してもらえればいい。
一度触れて感じてもらい、価値を理解してもらいましょう。
触れることで、その商品がどんなものなのかが具体的にわかります。
また、触れた経験をつくることで慣れをつくり、商品購入への敷居を低くさせる効果があります。
本当に価値のある商品なら、体験後、必ずとりこになります。
もちろん最初に無料でサービスを提供するのは、金銭的なダメージの覚悟が必要です。
しかし、まずは品質のよさをアピールすることから始めましょう。
その商品の品質がよければ、無料で試した後、必ず購入に結びつくはずです。
スーパーの試食コーナーで、饅頭を口にして、思ったよりおいしいと感じれば「1つ買おうかな」と考えるはずです。
品質がよければ、お客さまは振り向いてくれます。
私がよく行くレストランで、実際にあった話です。
レストランのメニューは、当初、文字ばかりが並んでいるメニューでした。
たとえば、デザートの欄には「抹茶アイスクリーム」というメニューがありました。
ありふれた、陳腐なデザートです。
その当たり前のデザートに、注文をしたいと思うことはありませんでした。
「どうせコンビニで売っているような普通の抹茶アイスクリームだろうな」と思っていたからです。
文字だけのメニューですから、これ以上のことがわかりません。
自分勝手に、安っぽいものを想像していました。
しかし、ある季節の変わり目にレストランのメニューが一新しました。
更新後のメニューの最も大きな変化は「写真付きのメニュー」になっていたということです。
今まで「抹茶アイスクリーム」としか書かれていなかったメニューに、具体的な抹茶アイスクリームの写真がつきました。
意外なことに、写真で見ると思ったよりおいしそうです。
当初私が想像していたより、デコレーションに凝ったアイスクリームで、食欲をそそられました。
気づけば、注文していました。
自分でも驚きの経験でした。
店側が変更したのは、メニューに写真を加えたことだけです。
しかし、それだけで、反応が変わりました。
文字だけのメニューでは、イメージが湧きにくいという欠点があります。
場合によっては、お客さまが間違った商品イメージを抱いていることもあります。
そういう誤解をなくすためにも、具体的な写真をつけることは、購入に結びつける大きな効果があると痛感しました。
あなたのお店のメニューには、文字だけになっていないでしょうか。
文字も大切ですが「写真」があると、さらに効果的です。
コマーシャルでラーメンをおいしそうに食べている人を見て、急に食べたくなった経験はありませんか。
素晴らしいイタリアの景色を見て、イタリア旅行に行ってみたいなあと思ったことはありませんか。
幸せそうな夫婦を見て「いいなあ。私も結婚したいなあ」と思ったことはありませんか。
ぜひ、メニューに写真を取り入れましょう。
イメージを見た瞬間、私の心は揺れ動くのです。
私が住んでいる三軒茶屋は、東京の世田谷の中でも一等地に位置します。
賃貸料が高く、おしゃれな町としても有名です。
そんな都心部に住んでいると、短いサイクルで、店の開業と廃業を目にできます。
開業したばかりのお店が、数カ月後には廃業するというケースは珍しくありません。
そんな数多くの店の開業と廃業を見ているうちに、事業に失敗しやすいお店のある共通点を発見しました。
つぶれやすいお店の特徴は、初めから豪華な内装をしていることです。
きれいなお店だなと思う店ほど、すぐつぶれてしまいます。
一方、質素な内装で大丈夫かなと心配してしまうようなお店ほど、長く経営が続きます。
これは私の経験則ではありますが、よく当たります。
豪華な内装は、お店が開店する工事段階からわかります。
言いすぎかもしれませんが、工事段階で豪華な内装をしているところを見ると「ここはすぐつぶれそうだな」とわかります。
事実、本当につぶれてしまいます。
店を開店させるにあたり、初めから内装に手をかけすぎていると、失敗する可能性が高くなります。
営業を始める前から、すでに多額のお金を使ってしまっているからです。
本当に大切なのは、開業してからです。
開業する前から設備投資をするのは、危険です。
本当にその事業がうまく回るかどうか、まだわからないからです。
そのうえ、初期にお金を使いすぎてしまったため、開業後のサービスの質が悪くなる悪循環です。
運転するための最低の内装だけにして、サービス内容で勝負することです。
本当に大切なのは、サービス内容です。
いかに高品質でサービスを提供するかです。
内装は、事業が順調になってから初めて手を加えていくところなのです。
どんなお店にも、店内にはレジがあります。
気に入った商品を見つけて、レジで会計を待っている間に、待ち時間が発生します。
すんなり会計ができればいいですが、2人も3人も会計待ちの人が並んでいると、長く待たされるケースも珍しくありません。
会計を無視することはできないため、会計のための待ち時間ばかりはどうしようもありません。
その待ち時間を、有効に活用しましょう。
待たせている間にお客さまにいらいらさせないため、商品を目にしていただく機会に変えます。
待っている間は手持ちぶさたなので、仕方なくレジ隣の商品に目をやります。
そこに商品が置いてあるとどうでしょうか。
視界に入れる機会を増やすことで購入が促され、売り上げにつながります。
レジの隣に置く商品は、小さなサイズのものがいいでしょう。
小さなサイズのほうが手に取りやすいため、衝動買いに結びつきやすくなります。
また、忘れてはならないのは、お店の名刺です。
店が気に入り、気分よく会計をしているときに名刺が飛び込んでくると、手に取りたくなります。
名刺があると、あとから電話番号や場所を確かめることができます。
名刺1枚があれば、友人にも紹介もしやすくなります。
もし名刺にお店のウェブサイトのURLが記載してあれば、あとからパソコンで確かめることもできます。
レジの隣を無駄にしないだけで、売り上げは変わるのです。
犯罪が潜んでいるのは、常に暗いところです。
見られてはまずいものがあるので、暗いところが好都合です。
そのため、私たちは暗いところに対して、無意識のうちに悪い印象を持ってしまいます。
暗いところでなければできないようなことを連想してしまい、暗い印象を抱いてしまいます。
悪人が潜んでいるのは、常に暗いところです。
暗いというのは、いつの間にか悪い印象を与えてしまう点です。
あなたの店内を見渡しましょう。
店内が薄暗くなっていないでしょうか。
ネズミが住んでいるような薄暗い部屋だと、悪い印象を持たれても仕方ありません。
入店もしづらくなります。
お化け屋敷が入りにくいのは、中が暗いからです。
手術室が薄暗いと、不安になって仕方ありません。
暗いところを見るだけで、何かよくないことを連想してしまいます。
一方、明るさは人を引き付けます。
人間は「明るい」ということに良い印象を持っています。
明るい太陽に、悪い印象はありません。
それはお店でも同じです。
お客さんにたくさん来店してもらいたいと思うとき、店内を明るくするだけでアップします。
電球の数を増やしたり、ワット数を上げたりすることで、店内を少し明るめにします。
夜道を歩いていて、自然とコンビニに引き寄せられるのは、店内が明るいからです。
明るいから、近づきたくなります。
明るさには、人を引き寄せる作用があります。
エステティックサロンも、暗い部屋より、明るい部屋のほうが、美しくなれそうな印象があります。
もちろんそれだけ電気の消費量は若干上がりますが、お客さまの来店数が上回るため、利益のほうが上回るのです。
伝えたいメッセージを強調する方法には、2種類あります。
そのほかにも点滅や装飾という方法もありますが、話の幅が広がるため、ここでは省きます。
強調する方法としては、どちらの方法でもかまいません。
たとえば、赤い文字で強調していれば、ここが大切なところなのだなとすぐわかります。
一方、文字が大きく書かれていれば、強調したい言葉なのだなと一目でわかります。
文字の大きさで強調する方法は、スペースを取られるのが欠点です。
その点、色で強調する方法は、文字が小さくてもできます。
色にしても大きさにしても、適材適所です。
私は経験上、どちらかといえば「文字の大きさで強調」に軍配が上がることを確信しています。
重要なのは、年齢層です。
お年寄りほど視力が弱いかたが多いです。
たとえ、色で強調した場合でも、小さな文字だと読めなくなります。
その点、大きな文字は、視力の弱いお年寄りでも読めます。
「遠視」「近視」「色覚障害」のかたでも、きちんと伝わる強調手段です。
さあ、新聞を広げてください。
通常、新聞はモノクロです。
モノクロの味気ない新聞でも、一目見て、どの項目が重要なのかがすぐわかります。
重要な項目ほど大きな字で書かれているからです。
町の看板も、大きな文字のほうが、なぜか自然と目に飛び込んできます。
人間は「大きな文字から情報を読み取っていく」という習性があります。
私も文章を書く人間の1人として、この点は注意しています。
読者に大切だと本当に伝えたければ、文字の「大きさ」で強調しています。
あなたが店で販売するときには、強調を色ではなく、大きさで強調しましょう。
たとえば、値札です。
赤色で「100円」と強調するのではなく、大きな文字で「100円」と書かれているほうが、見た目の印象が強くなります。
メニューも大切なところほど、大きな文字で書いておくといいでしょう。
文字の「色」と「大きさ」について理解しておくことは、売る側にとって重要なのです。
「ビタミンCが1000ミリグラム!」
健康ドリンクでは、ビタミンの含有量を強調したキャッチコピーが目につきます。
「1000」という4桁の数字に、量の多さを感じずにはいられません。
「こんなにたくさん含まれているなんて、効果があるに違いない!」
こう思う人もいることでしょう。
しかし、言い換えればたった「1グラム」です。
「1グラム」と言えば、1円玉と同じ重さです。
驚くほどの量ではありません。
1グラムでは強調できないので、単位を「グラム」から「ミリグラム」に変えています。
量としては、どちらもまったく同じです。
しかし、人が受ける印象は大きく異なります。
「1グラム」より「1000ミリグラム」のほうが、なぜかたくさんあるように思えてなりません。
表現方法を変えるだけで、上手に商品をアピールできるということです。
「1日分の野菜」という表現もうまい強調方法です。
「1日分」と聞くと、たくさんという印象を受けてしまいます。
たくさん含まれていると、効果が高く、購入しようとする人も増えることでしょう。
あなたが売ろうとしているものは「何日分」ですか。
何年分ですか。
単位を変えることはできますか。
単位を変えて、うまく強調しましょう。
表現方法を変えるというのは、お客さまに商品をアピールする有効な手段です。
たとえば、あなたの店内で最もよく売れている商品を見つけましょう。
見つかれば、その商品に「売り上げナンバー1」というキャッチコピーを付けてください。
たとえ1週間の売り上げが、たった10個でもかまいません。
売り上げた個数が、事実として「ナンバー1」なら、嘘ではありません。
嘘を言えば犯罪になりますが、本当に売り上げがナンバー1なら、堂々とコピーを張り出せます。
不思議なことに、たった10個しか売れていなくても「売り上げナンバー1」とキャッチコピーがあると、多くの人が注目します。
「たくさん売れているということは、いい商品に違いない。自分も手にしていないと損だ」と思ってしまいます。
商品に対して好印象を抱き、商品購入につながりやすくなります。
もちろん「売り上げナンバー1」のほかに「ナンバー2」「ナンバー3」と付けていけば、その販売効果は広がります。
お客さまを、騙してはいけません。
事実を伝えながら、強調した方法を使うのです。
私が住んでいるそばに、お気に入りの饅頭屋が1件あります。
1つが10円という安さでも、おいしいです。
ある日、会員カードができました。
饅頭を買うたびに、ポイントが貯まり、饅頭が安くなります。
そもそもよくかよっている饅頭屋だったので、これはお得だと思いました。
ここまではよくあることですが、経営のうまいところは、そこからでした。
カードにポイント制が導入されて、半年ほどたったときのことです。
カードの特徴に「ポイント制」だけでなく「ランク」までできてしまいました。
一般のカードから始まり、シルバー、VIPへとグレードアップします。
もちろんグレードアップするにつれて、サービスの質もよくなります。
クレジットカードではよくあるカードのランク制ですが、饅頭屋のカードでランクが付いているのは珍しいと思いました。
不思議なことに、人間はランクがあると、なぜかいちばん上を目指したくなります。
カードのランクが上がることで、自分のことを上客として認めてもらえるような気がするからです。
ランクを上げるためには、饅頭をたくさん買うのが必須条件です。
いつもより通う回数が多くなり、店の売り上げに貢献していたのでした。
あなたのお店のカードには、ランク制がありますか。
ランクをつけると、より売り上げが向上する仕組みになります。
私たちは、戦後、3段階の時代を経験しています。
物が不足していた第2次世界大戦後は「とにかく物を求める時代」でした。
物がなくて、生きるために必死の時代です。
戦後の日本は、物がないので「物を持ちたい」という単純な動機で、仕事に精を出しました。
できるだけたくさんの物を所持していることが、豊かさの象徴でした。
テレビ・洗濯機・冷蔵庫があるだけで、周りの人から「経済的に豊かな人」と思われていました。
しかし、日本では1955年から高度経済成長を迎え、次のステップに向かいます。
「性能を求める時代」です。
日本は高度経済成長を経験して、以前の目標であった「テレビ・洗濯機・電気冷蔵庫」を、誰もが持つ時代になりました。
むしろ持っていないほうが、不思議がられていました。
基本的な物はそろったので、次に「高性能」を求めるようになりました。
生活の豊かさは、物の品質によって決まる時代でした。
テレビは、モノクロからカラーになりました。
洗濯機は、全自動になりました。
電気冷蔵庫は、冷凍庫の機能まで持つようになりました。
そのほかの物品も、性能を求めている時代でした。
しかし、です。
21世紀を迎えた今、さらに次のステップに移りました。
それが「体験を求める時代」です。
すでに十分な性能の道具を、誰もが持つ時代になりました。
高性能の物があふれた時代です。
性能では、差がつきにくくなりました。
現在、市場で出回っている物に性能の大差はありません。
では、性能以外の何で差をつけるのかというと「体験」です。
私たちは今、大きな変容の時期に生きています。
物があふれる時代になった今、物の性能だけで善しあしをアピールするのは難しくなってきています。
これからは、物を持つことで、どんな体験ができるかをアピールする時代です。
ライフスタイルが、より重要です。
たとえば、デジタルカメラの販売では「1000万画素」という性能表示をお客さまにアピールするのは、難しくなっています。
「1000万画素」と性能表示を見ても「だから何? どのカメラでも十分にきれいに撮れるではないか」と思っています。
「どのカメラでも十分きれいに撮れる」と言われると、たしかにそのとおりです。
しかし「お孫さんの笑顔がいちばんきれいに撮れるカメラです」と説明があると「かわいい孫の笑顔が残せるなら買おう」と思います。
物を持つことで、購入者の生活がどう変わるのかをアピールすることです。
今「性能」ではなく「体験」で勝負する時代なのです。
真夏の日中。
直射日光が強く照りつける中のことです。
「熱くて死にそう……」
汗だくになったときに、冷房がよく効いたお店に入りました。
「涼しいなあ。生き返る!」
大げさではなく、本当にそう感じるような瞬間があります。
あなたにもそうした経験があることでしょう。
そんな冷房が効いた室内に入ると「ここでもう少し涼んでいこう」と思い、長居してしまいます。
じっと涼んでいるのも暇なので、涼んでいる間、店内をぐるぐると回ることになります。
店内に長居すると、より多くの商品を見ることになるため、購買意欲を刺激します。
実は、これこそ店側が仕掛けた売り上げアップの方法です。
快適な店内を逃げ場に変えることで、売り上げアップの機会に変えることができるからです。
店内を、お客さまの逃げ場に変えましょう。
真夏の日には、冷房を利かしておきます。
真冬の日には、暖房を利かしておきます。
そうすると、真夏の日、真冬の日を、売り上げアップのチャンスに変えることができるのです。
ある日、クッキー店の前で、チラシを配っていたとします。
「北海道産の牛乳を豊富に使って焼いたクッキーです。じっくり丁寧に焼きました。1パック500円です」
チラシには、クッキーのおいしさをアピールしています。
クッキー売り上げのために作った、ありふれた広告です。
一方、あなたの友人から、次のような口コミを耳にしました。
「あそこのお店のクッキー、すごくおいしいんだよ」
実際にクッキーを食べたことのある友人からの言葉です。
さて、あなたなら、どちらを信用しますか。
このように聞くと、ほとんどの人が「友人の言葉」のほうを信じます。
実際に経験がある人からの意見は、真実性が高く、具体的で、参考になるからです。
不思議なことに、これは世界中の老若男女で共通して見られる傾向です。
実際に経験した人の言葉は、重要です。
客観的な意見は、商品を正しく評価をするうえで欠かせない要素です。
あなたが広告を打つときには、商品のよさをアピールしてはいけません。
それは、期待しているほど効果はありません。
主観的な意見は本当なのかどうか、説得力がないからです。
広告にクッキーで使っている牛乳の品質は、たしかに重要ですが、そのスペースがあるなら「お客さまの声」を載せてください。
お客さまの声は、実際に体験した人の感想や意見です。
データより、はるかに説得力があります。
生々しいお客さまの声を原文のまま掲載して、推薦してもらえばいい。
客観的な意見であるため、安心感を抱き、商品を購入しやすくなるのです。
キャッチコピーとは、人を引き付ける言葉のことです。
商品の広告や宣伝の際に使われます。
キャッチコピーをつけている商品は、世間ではよく目にします。
多くの作品には、売り上げをアップさせるため、人の心をキャッチできるような言葉を使うのが定石です。
しかし、です。
キャッチコピーをつけて、初めて心をキャッチできるのでは遅いです。
商品名まで見てもらえても、キャッチコピーまで読んでもらえるとは限りません。
商品名そのものを、キャッチコピーにするべきです。
それがいちばん理解は早く、見る人に強い印象を与えます。
たとえば、本屋に「あなたの夢が必ず叶う30の方法」というタイトルの本があったとします。
シンプルな名前です。
しかし、1ページも開くことなく、本の趣旨が一目で強烈に伝わってくる内容です。
タイトルを見て、誤解する人はいません。
夢を叶えたい人は、自然に引き寄せられるタイトルです。
商品名そのものがキャッチコピーなら、説明は不要で、誰でもすぐ理解できます。
たとえば、ホテルの部屋「105号室」より「癒やしの部屋」という名前にすれば、わかりやすくなります。
癒やされたい目的がある人は、その部屋を選びやすくなります。
「マルチビタミン」より「美肌専用マルチビタミン」のほうが、美肌の人には嬉しいビタミンです。
「ハイヒール」より「まめのできにくいハイヒール」のほうが、商品の目的が一目でわかります。
商品名は、常にいちばん力を入れましょう。
具体的で、目的のわかる商品名こそ、いちばんのキャッチコピーになっているのです。
あなたのお店には、割引券を配ることがありますか。
一部の商品が安くなる割引券を配れば、商品が安くなるので、お店にやってくるお客さんが増え、売り上げもアップします。
頻繁に利用する人にとって、割引券は素直に嬉しく感じることでしょう。
安くなるチャンスがあると、やはりお店に向かいやすくなります。
当たり前に考えると、割引券をたくさん配れば、店は大損をしそうです。
商品が安くなるので、たとえ売り上げはアップしても、儲けは変わらないような気がします。
しかし、ここからが肝心です。
配る割引券には、必ず「有効期間」を記載しましょう。
たとえば「3月1日~3月31日」というように具体的に有効期間を記載します。
この「有効期間」が大切です。
これがあるかどうかで、意味はまったく異なります。
割引券を配れば、お客さんは増えますが、売れる商品も安くなるので、思ったほど儲けは出ないように思えます。
しかし、割引券に有効期間を記載しておけば、大勢お客さんがやってくる期間も予想できます。
商品がたくさん売れるであろう予想できる期間には、あらかじめ、商品を大量発注しておきます。
大量発注することで、お店としても安く仕入れられるはずです。
安く仕入れた商品を、たくさんのお客さまに提供できるので、儲けもよくなります。
こうした仕組みをつくることで、割引券を配っても、経営が傾くことはないはずです。
割引券制度は、お客さんにとってもお店にとっても、お互いがハッピーになれる戦術です。
割引券制度を、あなたの店にもぜひ導入しましょう。
三軒茶屋には、たくさんの職種のお店がひしめき合っています。
商売がうまいところは長続きしていますが、下手なところはすぐつぶれます。
私はたくさんのお店を目にして、商売がうまいなと感じるお店の共通点を発見しました。
単純なことをしています。
営業時間になれば、店内だけでなく、店頭の道端で商品を売り始めます。
これをするのかしないのかは、存続か廃業かのわかれ目と言っても過言ではありません。
パン屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
饅頭屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
豚カツ屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
このように「店頭の道端で売る」という行為は、大きなメリットがあります。
通常、お客さまの立場としては、店内に入るには勇気がいります。
「どんな物が売っているのか。入りやすいかどうか。店員はどんな人なのか」
さまざまなことを考えて、気になれば店内に足を踏み入れようとします。
しかし、たいていほとんどのお客さまがここで断念します。
店に入るのは、面倒なことです。
そこまでしてまで気になるような目玉商品がないと、なかなか店の中まで入ってくれません。
店の前を通ることはあっても、入るのは手間がかかるので、また今度にしようと思います。
ここでチャンスをなくしています。
しかし、もし道端にまで店内の一部が出ているとどうでしょうか。
店内に入らずして、商品を目にすることになります。
道を歩いていて、ふと目にした商品が気に入れば、購買意欲につながります。
「ほかにどんな商品があるのかな」と思い、店内に足を運ぶお客さまも増えます。
当然のことながら、売り上げアップにつながることでしょう。
店頭の道端で売るのは、商品を外に移動させて、時間も手間もかかります。
しかし、これを面倒だと思ってしない店は、瞬く間に売り上げが落ちて、まもなく廃業になるのです。
お店には、当然ですが、営業時間があります。
営業時間は、店によってさまざまです。
たとえば「朝の9時から、夜の6時まで」としましょう。
普通の営業時間です。
不思議なことではなく、営業時間はあって当たり前のことです。
しかし、この当たり前のことが売り上げのネックになる場合があります。
営業時間しか、商売できません。
コンビニのように24時間営業をすれば早い話ですが、費用面で実現が難しいです。
24時間を実現させようと思い、新たに人を雇うと、人件費や光熱費にお金がかかります。
しかし、できるかぎり費用を抑えながら、24時間を実現できる道具があります。
実は、売り上げアップにおける「三種の神器」があります。
「留守番電話・ファックス・ウェブサイト」です。
これは、商売における三種の神器です。
この3つが用意されていれば、営業時間を24時間に変えることが可能です。
商売がうまいところは、必ず留守番電話・ファックス・ウェブサイトがあり、最大限に活用しています。
留守番電話があれば、営業時間外のメッセージを録音して、受け付けることができます。
ファックスもあれば、注文用紙を24時間受け取ることが可能になります。
ウェブサイトがあれば、場所にとらわれることなく販売が可能です。
売り上げを伸ばしているところは、やはりこの3つが必ずそろっています。
営業時間外の営業をして、ほかの店と差をつけましょう。
商品は、基本的に、お店で販売します。
店を開いている近くの人が対象になります。
しかし、店の立地が田舎なら、人通りも少ないため、来店するお客さまも少ないです。
いくら売り上げをアップさせようと思っても、来店するお客さまの絶対数が少なければ、どうしようもありません。
「人が来ないのは場所が悪いからだ」
「やはり都会で勝負するしかないのか」
「立地条件が悪すぎる」
たしかに立地条件は、1つの売り上げに関わる要素の1つです。
しかし、アイデアしだいです。
遠くのお客さまにも購入していただく、いいアイデアがあります。
自社のウェブサイトをつくります。
詳細な商品のデータやサイズ、値段など、そのほかお客さまにとって有効な情報を数多く掲載します。
国内のみならず、海外への情報発信が可能になります。
世界中に自社の商品をアピールできます。
電話やファックスがあれば、24時間、商品の受け付けも可能になります。
ウェブサイトを正しく活用すれば、地理的ハンディキャップは必ず解消され、売り上げが上がります。
もちろんウェブサイトを作成するのは費用も時間もかかります。
実際に触れたり触ったりすることは難しい部分もあり、ハンディキャップがあるのも確かです。
しかし、一昔前まで実現できなかったことを新技術によって解消できるなら、やらないほうが損です。
正しい方法でアピールすれば、自社の販売を立地条件に関係なく、世界中にアピールできるのです。
通常、私たちは何度かお店にかよっていると、店のレイアウトを覚えます。
どんな商品が、どこに置いてあるのかを、自然と記憶してしまいます。
さて、次のような経験はありませんか。
欲しい商品があり、あるはずの場所へ向かったときです。
「あれ、ここにあったはずの商品がない」
いつもの場所に、あるはずの商品がありません。
不思議に思って、周囲を見渡します。
「おや、ほかの商品の置き場所も、以前と変わっている!」
一部の商品どころか、店全体にある商品の配置や配列が大幅に変わっています。
実は、商売のうまいお店では、ときどき商品の配列を変更するという工夫を実施しています。
なぜ、わざわざ配置や配列を変えるのかというと、売り上げをアップさせるためです。
商品の場所を変更すると、商品を探すために、店内を歩き回らなければなりません。
店内を隅から隅まで歩き回ろうとすると、思わぬ商品を目にすることになり、売り上げが向上します。
少しでも店内の商品を幅広く見てもらい、お客さまに商品の購入を促すためです。
もちろん商品の配置や配列を大幅に変更することで、店内の雰囲気も一新します。
働く従業員も生き生きして、お客さまも店内の新しい雰囲気に、新鮮な気持ちになれます。
少し変更するのではなく、大胆に変更するほうが、効果はより大きくなります。
まったく雰囲気が変わってしまうため、店内をより広く回っていただくことになるのです。
ほうっておけば勝手にお客さんがやってきて、商品がたくさん売れるという話はありません。
そんなおいしい話があれば、商売は苦労しません。
そういう話は、うさんくさい広告やチラシにあるだけです。
実際は、売れているお店ほど「どうすれば売れるのか」と知恵を振り絞っています。
日々、売る努力をしています。
職種は関係ありません。
私が住んでいるアパートの近くに「池田屋」という魚屋さんがあります。
昭和26年創業の老舗です。
店内はとても狭いですが、売ろうとする努力がよく伝わってくる魚屋です。
「今日のお魚は、新鮮取れたてだよ」と大きな声でアピールしています。
「今日の夕食にどうですか」と、路上にいる人たちに話しかけます。
そういう声が聞こえると「ちょっと見ていこうかな」と思い、足を運びます。
毎週日曜日の午後2時半からは「大マグロの解体ショー」をやっています。
大きなマグロを人前で切るのは見応えがあり、集客に一役買っています。
その魚屋の近くに、小さな琉球料理店があります。
地下1階にあるお店のため、立地条件は良くありません。
店内も広くありません。
しかし、営業時間前には店員が店頭に出て、通りすがりの人に割引券を配っています。
割引券をもらうと「安くなるなら、夕食に行ってみようかな」と思います。
また、営業時間前に、路上に立って割引券を配っている姿にも心を打たれます。
真夏や真冬の中でも、売ろうと努力をしているのが、ひしひし伝わってきます。
そういう人たちの「売ろうとする努力」は、やはり報われます。
紹介した2件のお店は、開業と廃業が短い期間で繰り返される三軒茶屋で、安定して生き残っているお店です。
店は小さくて立地条件も悪くても、確実に売り上げを伸ばしています。
まったく廃業の様子すら見せません。
店内の広さや立地条件などは、関係ありません。
努力と知恵があれば、必ず克服できるはずです。
売ろうと努力していない人は、努力している人に、やはり負けてしまいます。
売ろうとする当然の努力をすることが、最も大切なことなのです。