試合に出るからには、やはり勝ちたいと思います。
勝利があってこそ、評価されます。
勝利があってこそ、親、先生、友人からの期待に応えることができます。
試合前日は、しっかり睡眠を取っておこうと思います。
しっかり睡眠を取っておけば、疲れがきちんと取れ、試合で十分な力が発揮できるだろうと考えます。
たしかに睡眠は大切です。
試合で力を発揮させようと思うと、朝食にも力が入りがちです。
朝食をしっかり取れば、試合でもエネルギッシュになれるだろうと思うからです。
たしかに朝食は取るべきです。
闘争心を高める簡単な方法があります。
胸を張りながら両手を腰に当てましょう。
その状態を、最低でも2分は維持しましょう。
天気は、人の力で変えられないことの1つです。
やはり多くの場合、晴れてほしいと願うのではないでしょうか。
しかし、試合当日の天気は、当日になってみないとわかりません。
オリンピック選手が試合前、作戦についてのインタビューを見かけることがあります。
「作戦は考えていますか」という質問です。
視聴者としては、何か特別な作戦があるのかと期待します。
試合前に考えるのは、作戦です。
どういう流れで試合を進めていくべきか、どういう心理状態で試合に臨むべきか、考えます。
そのときに参考にするのが、応援してくれる人たちです。
試合に、親や友人が応援しに来てくれることがあります。
わざわざ足を運んで応援しに来てくれるのは、嬉しいことですね。
応援してくれる人がいれば、いい返事の言葉があります。
頭に描く想像は、試合に大きな影響を及ぼします。
試合で負けているところを想像するのは、良くありません。
たとえ想像であろうと、相手選手から猛烈なアタックを受けているシーンを思い浮かべると、気分が悪くなります。
「本番」という響きが良くありません。
いかにも「緊張してください」と言わんばかりの響きです。
誰かから「本番です」と言われたとき「絶対にミスはできませんよ」と言われているようにも聞こえます。
強い人には、自信があります。
力は、自分を信じたときに、出てきます。
自分を信じることができるからこそ、自分の力を発揮させることができます。
試合前は、頭が固くなりがちです。
勝とうという気持ちが、強いことでしょう。
たしかに勝利は大切ですが、勝利という文字ばかりでは、考えものです。
試合前に、体調が悪くなることがあります。
程度にもよりますが、本当に体調が悪いなら、事前に適切な手当てを受けるべきです。
補強なり、休憩なり、体調回復に努めます。
試合直前は、気合を入れる必要があります。
「試合が始まれば、自然と気合も入るだろう」と思うのでは、いけません。
試合が始まってから気合を入れるのでは、遅すぎます。
私が学生時代によくやっていた、気合の入れ方があります。
あくまで私がやっていた方法ですが、特に効果があると感じたので、ぜひご紹介させてください。
自分の顔を、叩く方法です。
私は高校のとき、体操部に所属していました。
季節の変わり目に開催される体操の大会当日、新しいユニホームを購入し、試合当日に着たことがあります。
新しいユニホームを着れば、より、気合が入るのではないかと思ったのです。
試合前、相手の目を見ます。
これはマナーです。
特に、柔道やボクシングなどでは、試合前に対面して、相手の目を見る状態になります。
試合前、相手選手にしてはいけない目の合わせ方があります。
「目を見ない」「視線を外す」「にらむ」です。
いずれも、自分の立場を不利にさせるため、控えたほうが無難です。
トーナメントの試合ではさまざまなレベルの相手と対戦します。
強い相手と対戦するときもあれば、弱い相手と対戦するときもあります。
時には確実に勝てる相手と対戦することもあるでしょう。
実力はあるにもかかわらず、本番の試合に限って、実力を発揮できない選手がいます。
力や技を総合的に見て、相手選手に勝てるはずが、なぜか負けてしまうのです。
なぜでしょうか。
ギャンブルで大負けする人には、パターンがあります。
「負けを取り返そうとした」です。
必死になれば、多少は挽回できそうですが、現実は違います。
試合中に、うっかりミスをしてしまうことがあります。
「やってしまった」と思うだけですが、これが厄介です。
ミスの内容がひどいほど、長く尾を引きやすくなります。
交代で演技をする個人競技があります。
ゴルフ、体操、フィギュアスケート、ボウリングなどです。
各個人が、交代でプレーをします。
試合を始めるやいなや、一方的に試合が進む場合があります。
歴然とした力の差がある場合です。
力の差が大きいと、試合が始まってすぐ、勝者と敗者が予想できます。
試合中、不利になることがあります。
強い打撃を受けたり、大量の点を取られたりして、不利な形勢になるときです。
不利になると、うっかり出してしまうものがあります。
バスケットボールやバレーボールなどでは、勝っているチームほど、よく声が出ています。
選手同士が、勢いよく声をかけ合っています。
「ドンマイ」
ボクシングでは、休憩に入ると、おなじみの光景があります。
コーナーの椅子に座るやいなや、頭から水をかぶせられるシーンです。
汗や出血などを一度にきれいに洗い流す意味もありますが、それだけの意味ではありません。
試合で負けた瞬間、手にしている道具を投げつける人がいます。
野球ならバットであり、テニスならラケットです。
地面に、思いきり叩きつけて、むかむかした気持ちを発散させようとします。
オリンピックでは、試合が終わった後、お決まりのシーンがあります。
会場から立ち去る前、必ず観客に向かってお礼を伝えるシーンです。
頭を下げたり、手を振ったりなどです。
大事な試合で負けると、悔しい気持ちになります。
惨めで、情けない気持ちになるでしょう。
悔しい気持ちになるのは大切です。
試合に出るからには、やはり勝ちたいと思います。
勝利があってこそ、評価されます。
勝利があってこそ、親、先生、友人からの期待に応えることができます。
しかし、勝つことばかりを考えるのは、良くありません。
ここがいちばん大切なポイントです。
多くの人がここで勘違いをして、つまずいています。
勝つことばかりを考えるほど、実はかえって負けやすくなります。
なぜでしょうか。
勝つことばかりを考えるのは、結果優先の状態です。
勝つのは、あくまで結果です。
結果を先に考えると、結果に振り回されます。
勝てば満足ですが、負ければ不満足です。
そこには、楽しい気持ちも喜びも楽しみもありません。
結果に対する恐怖や不安ばかりが目立ち、情緒不安定になります。
大きくなった不安が、試合での実力発揮を妨げるのです。
勝とうと思うのではありません。
全力を出し切ろうと思うのです。
今まで練習したことを、試合ですべて出し切ろうと心がけます。
全力を出し切れば、肉体的にも精神的にも、自然とベストなコンディションに整います。
結果として、勝利に向かいます。
なにより、気持ちの面が改善されます。
全力を出し切ろうと思えば、満足しかありません。
たとえ、勝てなかったとしても、全力を出し切ったなら、悔いはありません。
全力を出し切ることができれば、試合の結果にかかわらず、心が満たされます。
「すべてを出し切った」という達成感や満足感であふれ、気持ちいいのです。
試合前日は、しっかり睡眠を取っておこうと思います。
しっかり睡眠を取っておけば、疲れがきちんと取れ、試合で十分な力が発揮できるだろうと考えます。
たしかに睡眠は大切です。
しかし、経験上、逆効果になる場合が多いです。
いつもより早く寝るとは、いつもとは違った生活リズムにすることです。
突然、いつもと違う生活リズムがやってくると、体は驚きます。
しかも、試合前は、独特の緊張もあります。
早く寝ようとしても、いつもとは違う生活リズムや興奮状態などのため、寝つきが悪くなるのです。
たとえ、寝られたとしても、リズムが狂っているため夜中に目が覚め、その後寝られなくなることがあります。
試合前は、無理に生活リズムを変えないことが大切です。
いつもの時間に、夕食を取ります。
いつもの時間に、お風呂に入ります。
いつもの時間に、寝ます。
変わったことをする必要はありません。
いつもどおりの生活リズムによって、興奮気味の精神状態を抑える効果もあります。
結果として、いつもどおりの体調で試合に立ち向かうことができるのです。
試合で力を発揮させようと思うと、朝食にも力が入りがちです。
朝食をしっかり取れば、試合でもエネルギッシュになれるだろうと思うからです。
たしかに朝食は取るべきです。
朝食を取ることで、体にエネルギーが満たされ、試合で力が発揮できるようになります。
また糖分は、体だけでなく、脳でも重要です。
脳はブドウ糖を取ることで、活発に活動し始めます。
脳が活発になれば、試合における冷静な思考力にも、良い影響を及ぼすのです。
だからとはいえ、満腹まで食べるのは、おすすめできません。
満腹になると、動きにくくなります。
あまり激しく動こうとすると、胃の中のものが逆流します。
おなかが痛くなったり、気分が悪くなったりして、試合への集中力を妨げるのです。
試合前は、食べすぎないことが大切です。
心がけたいのは「軽い朝食」です。
軽く食事を済ませると、ブドウ糖が体に満たされます。
いい具合に、体に力がみなぎるのです。
朝食の後は、必ずトイレに行きましょう。
小便なり大便なり、出せるだけ出しておきます。
トイレで用を足すことで、体から不要なものが排出され、気持ちもすっきりします。
体も心も軽くなり、動きやすくなるのです。
体調管理も、自己管理の1つです。
もし試合中に小腹がすいたら、チョコレートを食べましょう。
チョコレートは、ブドウ糖を素早く補給する食品として最適です。
闘争心を高める簡単な方法があります。
胸を張りながら両手を腰に当てましょう。
その状態を、最低でも2分は維持しましょう。
時間がたつにつれ、だんだん闘争心が高まってくることがわかるはずです。
信じられないほど単純で「そんなばかな」と思うでしょうが、実際に試してみるとわかります。
強気の姿勢になると、筋肉から脳に信号が送られます。
すると脳内では、やる気を高める物質である「ドーパミン」「アドレナリン」「テストステロン」などの分泌量が増加します。
その結果、気分を明るくさせたり、やる気を起こさせたりする作用が生まれるのです。
この方法は医学的にも証明されていて、プロスポーツ選手にも用いられている有名な方法です。
オリンピック選手が、試合本番前、胸を張りながら両手に腰を当てた姿勢で待つ場面を見たことがあるでしょう。
よく見かける光景ですが、たまたまそうしているのではなく、意図的にそうしています。
試合で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、強気の姿勢になることで、意図的に闘争心を高めているのです。
プロスポーツ選手も取り入れている方法ですが、私たちも試合前、簡単に取り入れられます。
胸を張りながら両手を腰に当て、闘争心を高めましょう。
強気になるから強気の姿勢になるのではなく、強気の姿勢になるから強気になれるのです。
天気は、人の力で変えられないことの1つです。
やはり多くの場合、晴れてほしいと願うのではないでしょうか。
しかし、試合当日の天気は、当日になってみないとわかりません。
晴れているかもしれませんし、雨になっているかもしれません。
晴れている分にはいいのです。
晴天に恵まれれば、自然とテンションも上がります。
問題は、曇りや雨の日です。
たとえ室内でする試合でも、外の天気が悪いとわかるだけで、少し暗い気持ちになりそうです。
そう思ったら、本当に弱気になってしまうだけです。
大切なことは、どんな天気でも、自分を応援している様子だと受け止めることです。
自分にとってプラスになるように、解釈するのです。
たとえば、次のように考えるのはいかがでしょうか。
曇りの日は、大きな雲が、応援に駆けつけてくれたのだと考えます。
雨の日なら、ざあざあと降る雨の音を、応援の声だと考えます。
天気が悪い様子を、映画のクライマックスであるかのように、気分を盛り上げる状況だと受け止めることもできます。
悪い天気は、明るい結果になる前触れだと考えることもできるでしょう。
考え方は、自由です。
テンションを上げることができるなら、どんな考え方でもかまいません。
試合に勝つ前に、天気に勝つことです。
天候を制するものが、試合を制します。
あらゆる天候を味方につけられれば、実力以上の力を発揮できるのです。
オリンピック選手が試合前、作戦についてのインタビューを見かけることがあります。
「作戦は考えていますか」という質問です。
視聴者としては、何か特別な作戦があるのかと期待します。
しかし、返事はいつも同じようなパターンです。
「いいえ。特に考えていません。全力を出し切るのみです」といった回答です。
どのスポーツの、どの選手に聞いても、同じことを言います。
「へえ、そうなのか」と何気なく受け止めてしまいそうですが、ここがポイントです。
この返事は、本当の返事ではありません。
嘘です。
口にしないとはいえ、プロ選手は、必ず作戦を考えています。
口にしないのは、相手選手に作戦を知られないためです。
テレビで口にしたとたん、相手選手の耳に入り、作戦の意味がなくなります。
また、考えていないふりをして、相手選手を油断させる意味もあります。
作戦に関する質問では「考えていない」と答えるのが、スポーツ界の定番になっています。
聞かれてもそう答えろという、監督からのお達しがあります。
私たちは、つい誤解します。
「プロ選手でさえ作戦を考えないなら、私たちも考えなくていいだろう」と。
とんでもありません。
プロ選手は、あくまで作戦を立てていないふりをしているだけです。
本当は逆です。
立てていないどころか、入念に作戦を立てています。
どんな試合であろうと、必ず作戦は立てておくべきです。
作戦なくして試合に挑むのは、無防備です。
スポーツも戦いです。
戦争では、必ず作戦を立てるように、スポーツの試合でも、必ず作戦を立てるのが一般的です。
作戦のない戦いは、負けに行くようなものです。
成り行きに任せていると、相手の思いどおりになります。
先のことを考える習慣は大切です。
相手選手の過去の対戦成績を確認すれば、試合の流れを予想したり、弱点を把握したりできます。
あらかじめ、作戦を立てておけば、試合を有利に運びやすくなります。
本気で勝ちたいと思うなら、作戦は考えて当然なのです。
試合前に考えるのは、作戦です。
どういう流れで試合を進めていくべきか、どういう心理状態で試合に臨むべきか、考えます。
そのときに参考にするのが、応援してくれる人たちです。
親、先生、友人など、応援してくれる人たちの期待に応えたいと思うでしょう。
しかし、これは、あまりよくないのです。
モチベーションが、ぶれるからです。
ある人は、勢いで勝ってほしいと思うでしょう。
ある人は、面白い試合を見せてほしいと思うでしょう。
ある人は、粘り強い試合を見せてほしいと思うでしょう。
いろいろな人の顔が思い浮かぶと同時に、いろいろな期待が浮かびます。
すべての人の期待に応えようとすると、迷いが発生します。
自分でもどういう姿勢で試合を進めていいのかわからなくなり、作戦が立てにくくなるのです。
そもそも他人からの評価を気にしていることが良くありません。
人が求める理想は追いません。
追いかけるべきは、自分の理想です。
誰のためでもない、自分が自分のために果たす試合だと考えるのです。
相手選手のデータを参考にしながら、全力を出し切れるであろうスタイルで試合に挑むのが、いちばんです。
わがままでいいのです。
自分の試合ですから、自分の理想を追求すべきです。
いま一度、自分はどう試合を進めたいのか、考えましょう。
自分が求める理想を追うと、不要なプレッシャーから解放されます。
迷いが吹っ切れ、モチベーションが上がって、集中力がつくのです。
自然と、自分らしい力を発揮できるようになります。
応援してくれる人たちが、いろいろな期待を持ちますが「勝ってほしい」という思いは同じです。
結果で勝つことが、応援してくれる人の期待に応えることになるのです。
試合に、親や友人が応援しに来てくれることがあります。
わざわざ足を運んで応援しに来てくれるのは、嬉しいことですね。
応援してくれる人がいれば、いい返事の言葉があります。
「来てくれてありがとう。頑張るから見てね」です。
シンプルな言葉ですが、深い意味が込められています。
まず、感謝です。
応援しに来てくれた人への礼儀として、試合前に話しかけておくのは大切です。
わざわざ足を運んで、応援してくれた人への感謝を言えば、喜んでくれます。
感謝をされれば、それだけ応援にも力が入ることでしょう。
大きな声援があれば、自分の追い風にできます。
しかし、本当の狙いは、潜在的な力を、発揮しやすくするためです。
「頑張るから見てね」と言えば、逃げ場がなくなります。
「うわっ、かっこいいことを言ってしまった。これは大変だぞ」と、思います。
これがいいのです。
かっこいい姿を見せるしかありません。
恥をかけないから、必死になります。
火事場のばか力は、本当に必死の状態で発揮できます。
自分を追い込むことで、火事場のばか力を発揮しやすくなります。
試合で普段以上の力を発揮しやすくなるのです。
頭に描く想像は、試合に大きな影響を及ぼします。
試合で負けているところを想像するのは、良くありません。
たとえ想像であろうと、相手選手から猛烈なアタックを受けているシーンを思い浮かべると、気分が悪くなります。
試合でも同じになるのではないかと弱気になり、尻込みしてしまうのです。
試合前から、すでに負けています。
そういう妄想で弱気になるのは、避けたい事態です。
どうせ負けるなら、妄想ではなく、実力で負けたいところです。
負けているところは考えません。
負けているところを考えないのも、自己管理です。
想像力は、使い方しだいです。
想像するなら、自分が試合で勝っているシーンです。
頭の中で、相手選手に猛烈なアタックを仕掛け、有利に試合が進んでいるところを想像します。
試合に勝利して、両手を上げながら、笑顔で喜んでいる姿を思い浮かべましょう。
想像していると、本当に勝てる気になります。
だんだん強気になってきて、テンションも上がってくるのです。
負けているところを考えないのも自己管理なら、勝っているところを想像するのも自己管理です。
想像力は、味方につけましょう。
想像力は、力になるのです。
「本番」という響きが良くありません。
いかにも「緊張してください」と言わんばかりの響きです。
誰かから「本番です」と言われたとき「絶対にミスはできませんよ」と言われているようにも聞こえます。
一生懸命に練習をしている本人だからこそ、本番の重要性がよくわかります。
「本番だ」と思うほど、焦りや緊張が大きくなり、体が硬直するのです。
間違ってはいない言葉ですが、もう少し別の言い方はないだろうかと思いませんか。
実はあるのです。
本番に対する見方を、次のように考え直してみましょう。
「夢に向かう目標の1つ」と考えるのです。
本番は、ゴールではありません。
ゴールではなく、まだ途中です。
本番が終わった後にも、まだ続きがあります。
階段の途中にある、踊り場です。
踊り場の先にも、まだまだ階段が続いているイメージを思い浮かべます。
階段の先が見えなくなるくらい、長い階段を想像するのです。
夢に向かう目標の1つだと思えば「こんなところで負けている場合ではない」と思えるようになります。
その考えです。
人は、視野が広くなると、心も大きくなります。
「勝って当然だ」と思えるようになります。
いい具合に、気持ちが引き締まるのです。
強い人には、自信があります。
力は、自分を信じたときに、出てきます。
自分を信じることができるからこそ、自分の力を発揮させることができます。
その自信をつけるために、1つ、思い浮かべてほしい場面があります。
今まで積み重ねてきた練習です。
今まで積み重ねてきた練習を、思い出してみましょう。
毎日欠かさず、練習をしてきました。
雨の日も風の日も、練習をしたことでしょう。
先生に叱られ、悔し涙を流しながら練習に励んだことでしょう。
なかなか上達しないとき、仲間と励まし合って改善策を考えたことでしょう。
できないことができるようになるまで、夜遅くまで練習した日もあるでしょう。
今まで経験した練習風景を、できるだけたくさん思い浮かべます。
練習量が多いほど、たくさん思い浮かべられるはずです。
すると一生懸命に練習をした自分に、自信が出てきます。
「これだけ練習したのだから負けるはずがない」と思えてきます。
これが自信です。
練習した事実は、嘘をつきません。
頭にある記憶だけは、自分でも消せない一生の財産です。
一生懸命に練習をしてきた紛れもない事実をもとに、徹底的に、自分を信じるのです。
自分を強く信じることができたとき、底力が出るのです。
試合前は、頭が固くなりがちです。
勝とうという気持ちが、強いことでしょう。
たしかに勝利は大切ですが、勝利という文字ばかりでは、考えものです。
試合は、勝とうと思うのではなく、全力を出し切ろうと思うことが大切です。
勝つことばかり考えると、義務のように感じて、堅苦しくなります。
勝利のことを考えるほど、最も基本的で大切なことを忘れがちになります。
そのスポーツが好きだという気持ちです。
はるか昔、そのスポーツをやり始めたときのことを、思い出してみましょう。
多くの場合、やはり好きだから始めたことでしょう。
親や友人を通じて、スポーツの存在を知り、なんとなくやり始めたはずです。
では、なぜ続けることになりましたか。
楽しくて面白いから、のめり込んでいったはずです。
誰に命令されるわけでもなく、自分から「もっとやりたい」と願い出たことでしょう。
その気持ちが大切です。
やり始めたきっかけとは、いわゆるスタート地点です。
スタート地点を思い出すことで、初心に返れます。
「ああ。そういうこともあったな」と思い、ぱっと目が覚めるような感覚になるはずです。
忘れかけていた、本当のモチベーションを思い出せます。
「好きだからしている」というモチベーションです。
どんなスポーツでも、やはり「好き」という気持ちを中心に楽しむことが大切です。
「勝つことばかりを考えすぎていた。好きな気持ちが第一だ。試合を楽しもう」と、気づけるのです。
試合前に、体調が悪くなることがあります。
程度にもよりますが、本当に体調が悪いなら、事前に適切な手当てを受けるべきです。
補強なり、休憩なり、体調回復に努めます。
場合によっては、出場ではなく、棄権も検討したほうがいいでしょう。
しかし、体調がひどく悪い場合は除き、気分が優れない程度なら、あえて言わないほうが賢明です。
言い始めると、癖になるからです。
試合前に、体調が悪いことを言っておけば、逃げ道ができます。
試合でうまくいかなくても、体調が悪いせいにできるのです。
保険になります。
「これはいい方法に気づいたぞ」と思い、いつも試合前に「今日は体調が少し悪い」と言うようになります。
これは、やり始めると、癖になります。
癖になると、体が覚えます。
試合前に「体調が悪い」と言うと、自己暗示の力によって、本当に体調が悪くなります。
その結果、試合前は必ず体調が悪くなる体質になります。
本番に限って実力を発揮できなくなる選手になってしまうのです。
体調が少々優れない程度なら、口に出して言わないことです。
体調管理も、自己管理の1つです。
試合前に体調が優れないなら、そういうコンディションにしてしまった自分の管理能力に、問題があります。
体調不良は、自分の責任だと考えるのです。
そういう責任感を持つと、試合に強くなります。
普段の自己管理に対する考えが、引き締まります。
その強く引き締まった考え方によって、試合できちんと実力を発揮できるようになるのです。
試合直前は、気合を入れる必要があります。
「試合が始まれば、自然と気合も入るだろう」と思うのでは、いけません。
試合が始まってから気合を入れるのでは、遅すぎます。
試合が始まるやいなや、相手選手の勢いに飲み込まれて、不利になるでしょう。
一瞬の気の緩みが、流れをつくり、試合を左右します。
あっという間に勝負が決まってしまいます。
気合は、試合前に入れておかなければいけません。
試合前にエンジンをフル稼働させておくほうが、勢いよくスタートダッシュができます。
その勢いによって、有利に試合を運べるようになります。
気合の入った初動は、試合の流れをつくるポイントなのです。
では、どう気合を入れるかです。
目をつぶってじっとすることもありますし、深呼吸を繰り返す方法もあります。
軽く飛び跳ねたり、大きな声を出したりする方法もあります。
スポーツの種類や好みもあるため、気合を入れる方法も、人それぞれです。
大切なことは、自分なりの気合が入るスタイルを確立しておくことです。
「これをやれば、必ず気合が入る」という、自分に合った気合の入れ方を見つけておきましょう。
試合直前に気合を入れる儀式にするのです。
私が学生時代によくやっていた、気合の入れ方があります。
あくまで私がやっていた方法ですが、特に効果があると感じたので、ぜひご紹介させてください。
自分の顔を、叩く方法です。
両手で、顔の頬の部分を両側から挟むように、2回ほど叩きます。
きちんと「ぱちぱち」という音が聞こえるくらい、少し強めに叩くのがポイントです。
経験上、これはよく効きます。
人が必死になるのは、どのようなときでしょうか。
言葉や雰囲気によって必死になることもありますが、やはり手っ取り早いのは、痛みです。
痛みを感じると、本能的に、すぐ必死になれます。
痛みは、動物の生命に関わるため、緊張感を高めやすいのです。
試合直前に、わざと自分で顔を叩いて、痛みや衝撃をつくります。
腕や足を叩くより、顔を叩くほうが、効果的です。
顔を叩くほうが、衝撃や痛みが、より強く感じられるからです。
相手選手から勢いよく攻められているような状態を、疑似的につくれます。
その結果、短時間で緊張感を高めることができ、気合が入ります。
5秒もあれば、一気に気持ちを引き締めることができます。
機会があれば、ぜひ試してみましょう。
私は高校のとき、体操部に所属していました。
季節の変わり目に開催される体操の大会当日、新しいユニホームを購入し、試合当日に着たことがあります。
新しいユニホームを着れば、より、気合が入るのではないかと思ったのです。
しかし、これがよくありませんでした。
完全に新しいユニホームは、着慣れたユニホームとは違った感覚があります。
サイズに違和感があったり、腰回りのゴムが少し強かったり緩かったりします。
新品なのは嬉しいのですが、しわがまったくなさすぎて、かえって不安が強くなります。
買ったばかりのスーツを着たとき、一種の着心地の悪さを感じるのと同じです。
衣類に対して「初めまして。今後ともよろしくお願いします」という初対面のような心持ちになります。
そうした違和感のため、集中しにくくなったのです。
なんとか結果は出せたものの、着心地の悪さで、焦りを感じたのは事実でした。
このことから、得られた教訓があります。
本番では、普段から使っているユニホームがいちばんだということです。
普段から着ているユニホームは、本人の体に合わせてフィットしています。
自分の動きに合わせたしわができ、動きやすいです。
「普段から着ているユニホーム」という心理も安心感に変わり、プラスに働きます。
違和感がないため、着心地がよく、普段の実力を発揮しやすくなるのです。
もし、本番で特別なユニホームを着るルールなら、そのユニホームを普段の練習で何度か着ておくことをおすすめします。
少しでも着慣れている状態にすることで、ユニホームの違和感をなくすことができるのです。
試合前、相手の目を見ます。
これはマナーです。
特に、柔道やボクシングなどでは、試合前に対面して、相手の目を見る状態になります。
相手の国籍が何であろうと、目を見れば、コミュニケーションできます。
「よろしくお願いします」というメッセージを伝えられます。
しかし、この目の合わせ方で、よくないしぐさが見受けられます。
スポーツは、人があって、実現します。
まったく相手の目を見ないのは、スポーツマンにふさわしい態度ではありません。
最低限のスポーツのマナーとして、相手の目はきちんと見ることが大切です。
目を見ることは、マナーの面だけでなく、作戦の面でも大切な意味があります。
相手の目を見ると、顔色や表情などから、相手のコンディションや心理状態などがわかります。
試合で有利になるであろう何らかの情報を、得られる可能性があるのです。
人が視線を外すのは、不都合な状態があるときです。
弱気のとき、不安があるとき、怖いときなどです。
視線を外してしまうと、相手選手は「弱そうだ。これは勝てそうだ」と思います。
精神的な優位を与えてしまい、勢いづかせてしまいます。
やってしまいやすいのが、にらむことです。
にらむことで相手を弱気にさせ、自分の立場を有利にできるだろうと思いますが、実際は違います。
むしろ逆効果になりやすくなります。
にらむのは、半分、自制心を失っている状態です。
「絶対に勝ってやる」という闘争心が強いのはいいのですが、闘争心が強すぎると、逆に冷静さが失われます。
試合において、冷静さを失えば、不利になります。
試合を客観的に見ることができなくなります。
冷静になった相手に、弱点をうまく突かれて、あっさり負けてしまうのです。
試合前、相手選手にしてはいけない目の合わせ方があります。
「目を見ない」「視線を外す」「にらむ」です。
いずれも、自分の立場を不利にさせるため、控えたほうが無難です。
では、相手選手の目を、どう見ればいいのでしょうか。
にやりとした笑顔で、相手の目をじっと見つめることです。
歯を見せるほどの笑顔は不要です。
口を閉じて、軽くにやりとした状態のまま、じっと相手の目を見つめます。
これが最もスマートです。
スポーツマンとして、気持ちのいい挨拶です。
しかし、同時に、心理的に強い衝撃を与えられる方法でもあります。
目をじっと見つめるのは、自信の表れです。
にやりとした笑顔で相手の目をじっと見つめていると、相手選手はだんだんたじろいできます。
「絶対に勝てますよ」というメッセージを伝えることができ、心理的に有利な立場に立てるのです。
にやりとした笑顔には、深い意味が込められているようにも見えます。
「弱点をつかんでいますよ」
「必殺技を見せてあげましょう」
「過去のデータから、動き方は読めていますよ」
いろいろな解釈ができてしまいます。
しかもどの解釈にせよ、あまりいいことではありません。
そうした不安を感じるため、本当の意味で、相手を動揺させられるのです。
事実、試合前の対面では、プロスポーツ選手ほど、にやりとした笑顔でお互いに見つめ合っています。
にやりとした笑顔に、にやりとした笑顔で返し、ずっと見つめ合っています。
仲がいいのかなと思うほどです。
すでにそこから、心理戦がスタートしているのです。
トーナメントの試合ではさまざまなレベルの相手と対戦します。
強い相手と対戦するときもあれば、弱い相手と対戦するときもあります。
時には確実に勝てる相手と対戦することもあるでしょう。
トーナメントですから、はるか格下の弱い相手と対戦することも当然あります。
「楽勝できる」「本気を出さなくても勝てる」というパターンがあるでしょう。
戦う前から「勝ったも同然」と言える場面があります。
このときよくあるのが、不誠実な態度で試合に挑むパターンです。
たとえば、相手をからかう挑発をしたり、わざと手抜きのプレーを見せたりです。
たしかに格下の弱い相手であれば、本気を出さなくても簡単に勝てるでしょう。
わざと手抜きをして相手に先行されても、簡単に挽回できるでしょう。
ふざけながら戦っても、最終的に勝つことさえできれば、トーナメントに進出できます。
だからといって不誠実な態度は良くありません。
不誠実な態度を見せるのは、スポーツマンシップに反します。
力の差を見せるのはOKですが、不誠実な態度を見せるのはNGです。
ふざけた態度で試合に挑むと、油断によって大きなミスが生まれ、逆転負けの可能性も出てきます。
勝負は勝負です。
本気を出さなくても勝てる相手でも、スポーツマンシップらしい態度を見せることです。
すなわち「常に真剣勝負の意識を持つこと」です。
「本気を出す必要はない」と思うときこそ、気持ちを引き締めてください。
本気を出す必要はなくても、勝負であるかぎり真剣な態度で挑むことです。
どれだけ弱い格下の相手であろうと、常にベストを尽くす姿勢が大切です。
それがスポーツマンシップです。
実力はあるにもかかわらず、本番の試合に限って、実力を発揮できない選手がいます。
力や技を総合的に見て、相手選手に勝てるはずが、なぜか負けてしまうのです。
なぜでしょうか。
実力が不足しているからではありません。
プレッシャーに負けているのです。
勝たなければいけないプレッシャーであったり、本番というプレッシャーであったり、メダルへのプレッシャーであったりします。
選手に実力がつくにつれて、周りからの期待も大きくなるため、プレッシャーも大きくなります。
避けようがありません。
プレッシャーに負けてしまうと、体が硬直したり震えたりして、実力を発揮しにくくなります。
本番に限って実力を発揮できない選手には、大事な練習が抜けています。
「プレッシャーに対する精神力」です。
この練習が抜けていると、どんなに実力があっても、本番で発揮できなくなります。
プレッシャーで負けるのが、いちばんもったいないです。
普段の練習で、本番に近い緊張感をつくり、プレッシャーに慣れる訓練をしておくことです。
たとえば、わざと友人に練習風景を見てもらうのは、1つの手です。
仲間同士で、本番さながらの対決をするのもいいでしょう。
わざとほかの学校との交流試合を設けるのも、良い方法です。
プレッシャーは避けているものではありません。
慣れるものです。
プレッシャーは気持ち悪くて嫌ですが、だからこそ慣れる必要があるのです。
ギャンブルで大負けする人には、パターンがあります。
「負けを取り返そうとした」です。
必死になれば、多少は挽回できそうですが、現実は違います。
負けを取り返そうと思えば思うほど、余計に負けていくのです。
なぜでしょうか。
自制心を失うからです。
「大変だ」「しまった」と心の動揺が、正常な思考を妨げます。
負けを取り返そうという思いは、人間なら誰でも考える、ささいな考えです。
しかし、これほど危ない考えはありません。
負けを取り返そうと思うほど、自制心を失い、冷静な判断ができなくなります。
どのくらい冷静さを失うのかというと「負ければやめる」という単純な思考さえ、できなくなるほどです。
負けを取り返そうとするときの心理状態は、私たちが思う以上に、不安定です。
甘く見て、ひどい目に遭うのです。
これは、スポーツの世界でも同じです。
もちろんスポーツとギャンブルは異なりますが「ミスを取り返そう」と思ったときの心理状態は、同じです。
自制心を失っているのです。
試合中にミスをしたとき、やはり「ミスを取り返そう」と思います。
リカバリーをしたいと思うのは、人間なら当然の心理ですが、要注意です。
ギャンブルと同様、自制心を失っている状態になり、余計にミスが増えてしまうのです。
勝負でいちばん大切なのは、力ではありません。
冷静さです。
試合で、冷静さを失ったら、終わりです。
試合の状況を正確に把握できなくなるため、余計にミスが増えるのです。
不変の法則です。
ミスを取り返そうとするのではありません。
ミスをした瞬間に忘れるのがいちばんです。
ネガティブなことは、さっと忘れます。
淡々と、冷静に目の前の試合に集中するのみなのです。
試合中に、うっかりミスをしてしまうことがあります。
「やってしまった」と思うだけですが、これが厄介です。
ミスの内容がひどいほど、長く尾を引きやすくなります。
「ひどいミスを犯してしまった」
「情けないところを見られた」
「不利になってしまった」
ミスをしたことで、ネガティブなことをくよくよ考えてしまいがちです。
試合中に「なぜミスをしてしまったのか」と、分析してしまうこともあります。
考えたり悔やんだりすることで、ミスが消えてしまうならわかります。
しかし、試合中に、失敗を悔やんでも仕方ありません。
どんなにミスを悔やんでも、してしまったものは消えません。
むしろ考えることで集中力が乱れ、後のプレーに影響してしまいます。
ミスを考えるほど集中力が乱れ、さらなるミスを引き起こすのです。
一度ミスをしたことがきっかけで集中力が切れ、一気に形勢が傾くのはよくある話です。
ミスは、ミスした瞬間に忘れるのがいちばんです。
気持ちをさっと切り替えるのです。
気持ちをさっと切り替える力も、実力です。
「しまった!」と思った次の瞬間に、忘れてしまいましょう。
ミスをしても、いかに心を乱さないかが大切です。
ミスをしたときほど、声を出したり前を向いたりして、気持ちを引き締めます。
試合中は、一貫してポジティブのみに集中すればいいのです。
交代で演技をする個人競技があります。
ゴルフ、体操、フィギュアスケート、ボウリングなどです。
各個人が、交代でプレーをします。
相手選手の出番の間は、プレーが終わるまで、待つことになります。
このとき、よくある光景があります。
相手選手のプレーを見ながら、心の中で「ミスをしろ」と念じることです。
ネガティブなテレパシーの1つでも送ってやれば、ミスしやすくなるのではないかと思うのです。
漫画やアニメでよく見られるシーンですが、現実でも、本当にする人がいます。
残念ながら、これは意味がありません。
現在のところ、テレパシーの存在は確認されていません。
どんなに念じたところで、相手のミスには影響しません。
それどころか、かえって自分の立場が悪くなります。
心の声は、相手に伝わりませんが、自分にはよく聞こえるからです。
相手選手に向けて念じた「ミスをしろ」という言葉は、自分に向けて「ミスをしろ」と言っていることになります。
自分に跳ね返ってくるのです。
その結果、相手選手ではなく、自分が弱気になったり力が緩んだりしてしまうのです。
相手選手のプレー中は、不幸なことは考えないことです。
試合中は、一貫してポジティブのみに集中です。
自分の出番が回ってくるまで、じっと見ていたり、自分に集中したりするのがいちばんなのです。
試合を始めるやいなや、一方的に試合が進む場合があります。
歴然とした力の差がある場合です。
力の差が大きいと、試合が始まってすぐ、勝者と敗者が予想できます。
こうした一方的に進む試合には「つまらない試合」と「面白い試合」があります。
つまらない試合は、もはや選手の表情が死んでいるときです。
弱気の表情であり、動きも鈍くなっています。
それは素人が見ても、わかります。
「もう諦めているな」とわかれば、応援しても、無駄に思えます。
見ていても、つまらないです。
点が入っても興奮しにくいのです。
しかし、一方的に試合が進んでいるにもかかわらず、面白い試合もあります。
選手が、まだ諦めていない表情を見せているときです。
選手が「まだまだ」と思っているのは、素人が見て、わかるものです。
強気の表情で、動きが前を向いているのです。
たとえ試合が一方的に進んでいても、不利になっている選手の表情が強気なら、見てしまいます。
諦めない表情を見て「まだ何かあるのではないか」と思わせます。
「何か秘策があるのではないか」というニュアンスも感じさせます。
応援している人は、大逆転を見たいです。
大逆転は、感動します。
感動したいから、一方的に試合が進んでいても、大逆転が見たくなり、応援に力が入るのです。
声援が大きいほど、選手たちには力になります。
本当に大逆転という奇跡が起こるのです。
試合中、不利になることがあります。
強い打撃を受けたり、大量の点を取られたりして、不利な形勢になるときです。
不利になると、うっかり出してしまうものがあります。
弱気の表情です。
「やってしまった。大変。もうダメだ」という弱気の表情は、自然に見せやすいものです。
人としては、ごく当たり前ですが、注意ポイントです。
弱気の表情をすればするほど、余計に自分が不利になります。
弱っている表情ほど、相手選手にとって興奮できる光景はありません。
「今がチャンスだ」と思われ、余計に攻める勢いが増してきます。
弱気の表情を見せるほど、相手にパワーを与えてしまうことになるのです。
試合中、どんなに不利になっても、弱気の表情は見せないことです。
力の問題ではなく、気持ちの問題です。
諦めたら、そこで試合終了です。
試合が不利になっても、気持ちだけは前を向くことです。
弱気を見せない姿勢は、スポーツマンシップにふさわしい姿勢です。
不利な立場になったときこそ「まだまだ」と思いましょう。
嘘でもいいから、強気になることです。
まだいけると思えば、もう一踏ん張り、いけるようになります。
気持ちが強くなると底力が生まれ、体にパワーがみなぎります。
大逆転のチャンスが回ってくるのです。
バスケットボールやバレーボールなどでは、勝っているチームほど、よく声が出ています。
選手同士が、勢いよく声をかけ合っています。
「ドンマイ」
「元気、出していこう」
「大丈夫、大丈夫」
うるさいくらいに声が出ているのです。
仲間同士が言い争いをしているのかと思うくらい、掛け声をかけ合っています。
試合において、声は重要です。
優勢になっているから、声がよく出るのではありません。
声がよく出るから、優勢になることができるのです。
掛け声には、3つの意味があります。
声を出すと、まず自分に気合が入ります。
聞いた仲間にも、気合が入ります。
大きな声を聞いた相手選手は、尻込みします。
掛け声は、出せば出すほど、パワーがみなぎります。
気合が入り、試合が有利になるのです。
たとえ劣勢でも、常に掛け声は出し続けることが大切です。
劣勢のときこそ、より大きな掛け声を出して、失われつつある活力を呼び戻すのです。
声を出し続けることで、気合や集中力を維持し続けられます。
大逆転の可能性をつくることができるのです。
ボクシングでは、休憩に入ると、おなじみの光景があります。
コーナーの椅子に座るやいなや、頭から水をかぶせられるシーンです。
汗や出血などを一度にきれいに洗い流す意味もありますが、それだけの意味ではありません。
実際、あの水は、かなり冷たいです。
氷水です。
頭を冷やしているのです。
これはボクシングだけではなく、ほかのスポーツにも見られます。
サッカーでもラグビーでもマラソンでも、試合の途中に、水を頭からかぶったり飲んだりする光景があります。
体を冷やすためです。
試合中、必死になるほど、体も頭も熱くなります。
熱くなるのはいいのですが、熱くなりすぎるのは良くありません。
熱くなりすぎると、ぼうっとします。
熱さも、一線を越えると、体にとって害になります。
真夏の炎天下では、頭がぼうっとしますが、同じ状況です。
体が重くなり、思考力が低下するのです。
ちなみにさらに熱くなると、生命の危険にも関わります。
風邪をひいたとき、熱が40度を超えると、命に関わる話と同じです。
「試合に熱くなる」とよく耳にしますが、実際熱くなりすぎるのは、試合にも健康にもよくないのです。
そういうときこそ、道具の力です。
試合には、冷たいものを持参しましょう。
冷たいタオル、冷たい水、氷などです。
試合中、冷たいタオルをおでこや頬に当てると、頭が冷えます。
試合中の水分補給では、できるだけ冷たい水が最適です。
冷たい水が体内に取り込まれることで、水分補給と同時に、熱くなりすぎた体を、体内から冷やせます。
場合によっては、頭から水をかぶるのもいいでしょう。
冷たいものに触れると、物理的に体が冷えます。
体が冷えることで、熱くなっていた肉体や精神が落ち着いてくるのです。
一瞬にして、正常な思考が戻るのです。
試合で負けた瞬間、手にしている道具を投げつける人がいます。
野球ならバットであり、テニスならラケットです。
地面に、思いきり叩きつけて、むかむかした気持ちを発散させようとします。
私も学生時代、テニス部や野球部などに所属していたので、気持ちはよくわかります。
学生時代の友人を含め、多くの選手を見てきましたが、ふと、気づいたことがあります。
道具に八つ当たりする人に限って、実力が伸びないのです。
なぜ、伸びないのか。
その理由は、3つあります。
当然ですが、まず道具がひどく傷みます。
痛んだバットやラケットを使うことになるので、練習しづらくなります。
思いきり叩きつけると、その1回で道具がダメになることもあります。
親や先生は「新しい物を買っても、どうせすぐ壊すだろう」と思います。
資金援助をためらい、練習の妨げになるのです。
先生や応援者は、道具に八つ当たりする選手を見ると、指導や応援をする気がなくなります。
怒っている人は、普通に怖いので、近づきにくいです。
励ましたくても励ませず、話しかけにくくなります。
「怖いから距離を置こう。ほうっておこう」と思い、選手の立場が孤立するのです。
最も重大な損失が、これです。
道具が悪いからと言って、道具に当たると、反省できません。
悔しい気持ちを、バットやラケットに当たると、そこで気持ちのけりがついてしまいます。
「自分は悪くない。悪いのは道具だ。道具が悪いから仕方ないね」で納得してしまい、自己改善の意識が希薄になるのです。
以上の理由からわかるように、道具に八つ当たりしても、いいことはありません。
むしろ、余計に自分を不利にさせてしまうだけです。
悔しさは、道具に当たるのではありません。
悔しさは、試合後の練習で、負けた悔しさを発散させるべきです。
練習にもいっそう身が入り、抜けている実力を埋めることができるようになります。
負けても、めげずに練習する姿を見た親や先生は、援助や応援をしたくなるのです。
オリンピックでは、試合が終わった後、お決まりのシーンがあります。
会場から立ち去る前、必ず観客に向かってお礼を伝えるシーンです。
頭を下げたり、手を振ったりなどです。
手を振るときも、片手で振るのではなく、両手を振っている選手もいます。
中には、投げキスをする、変わったパフォーマンスをする選手もいます。
見てわかるとおり「応援してくれてどうもありがとう」という感謝を伝えるためです。
試合の後、感謝されたり、手を振ってもらえたりすると、応援しに来て良かったと思います。
「応援して良かった」「また応援しよう」という気になります。
味方をたくさんつくることは大切です。
応援してくれる人がたくさんいるほど、声援も大きくなり、試合が有利になります。
これからも応援し続けてもらうためにも、試合の後の感謝は、必要です。
感謝ができる選手は、たとえ試合に負けていても、かっこいいものです。
負けていても、感謝だけは忘れない姿に、プロらしいスポーツマンシップを感じます。
見習うべき点です。
さて、ここからが本題です。
オリンピックで見慣れた、この光景。
さて、自分はどうでしょうか。
見慣れた光景にもかかわらず、自分は、できていない場合が多いのではないでしょうか。
試合に負けて、下を向いたまま、そそくさと会場をあとにしていませんか。
たとえ負けても、いいのです。
負けたときこそ、感謝で頭を下げたり、手を振ってもらったりすると、余計に感動させられます。
悔し涙を流しながらも、手を振って、応援してくれた人に感謝することです。
恥ずかしがらずに、プロの真似をしましょう。
プロの真似をするから、プロに近づけます。
スポーツマンシップが、ますます磨かれるのです。
大事な試合で負けると、悔しい気持ちになります。
惨めで、情けない気持ちになるでしょう。
悔しい気持ちになるのは大切です。
負けないと、悔しい気持ちになれません。
負けたときは、大きなパワーが出るものです。
ただし、悔しい気持ちがあって、相手を恨んだりするのは良くありません。
せっかくの強いパワーが、どんどん外に逃げ出しています。
もったいないです。
では、どこにぶつければいいのかというと、自分にぶつけるのです。
実力の伸びのある選手は、試合で負けたら、その帰りに練習をします。
試合で疲れたからとはいえ、試合後、自宅に帰って休憩するのは、普通です。
負けたら、悔しい気持ちがあるうちに、練習してから帰ります。
本当に悔しい気持ちは、試合の疲れを、吹き飛ばします。
悔しさのパワーが、試合によって失われたエネルギーを、充電してくれるのです。
負けた記憶が鮮明なうちに練習すれば、弱点の補強や改善にもつながるでしょう。
悔しさの涙を流しながら、練習するくらいでいいのです。
負けた意味も出てきます。
実力が伸びていきます。
その踏ん張りがあれば、次の試合では、きっと勝てることでしょう。
悔しい気持ちになったら、エネルギーに転換して、もう一踏ん張りするのです。