本格的フランス料理、本格的日本料理、本格的中華料理。
「本格的」と名のつく料理店は、どこでも高額の食事代が必要です。
極端にいえば、ファストフード10回分のお金が、1回の食事で消えてなくなります。
本格的な日本料理には、本膳・会席・懐石の3種類あります。
西洋料理で言えば、どれもフルコース料理に当たります。
しかし、この3種類にはそれぞれに特徴や違いがあります。
おなかを膨らませるためだけに日本料理店に行くと、確実に失敗します。
本格的日本料理店で、夕食として会席料理を楽しもうと思うと、1万円前後は必要です。
単なる夕食にしては、高すぎる値段です。
「今日は日本料理を食べに行こう」
西洋料理とは異なり、和食で座敷に上がる際は、靴を脱ぐことになります。
あらかじめ座敷で和食を食べることがわかっているなら、素足は避けるようにしましょう。
和食の代表である会席料理の際、畳が敷かれた座敷に案内されることがあります。
イタリア料理やフランス料理では、椅子に座るのが中心ですが、日本は畳社会です。
あらたまった和食では、靴を脱いで座敷に上がることは珍しくありません。
畳の部屋に案内されたとき、一般的に座布団があるはずです。
座るときにお尻に敷く、小さな布団です。
この座布団ですが、気をつけたいマナーが3つあります。
数多くの料理が登場する会席料理は、1品ずつ出されます。
もちろん出てきた順番に食べればいいのですが、全体像が気になりますね。
「会席料理はこういう流れだ」とわかっているだけでも、落ち着くのではないでしょうか。
食べられない料理が出たとき、あなたの場合はどうしていますか。
学校の給食なら、少しでも食べなさいと先生から叱られるところですね。
「できるだけ食べたほうがいいのではないか」と思います。
日本料理店で席に着けば、まずしてほしいことがあります。
手元にある貴金属類を外すことです。
女性の中には、指輪をはめている人が多いことでしょう。
和食では、口に食べ物が入っている状態で、ほかの料理を見つめるのは良くありません。
無意識のうちに、自然としてしまっている人も多いのではないでしょうか。
これは「にらみ食い」と呼ばれるタブーです。
お新香は、ご飯とよく合います。
味が濃いお新香と味が薄いご飯は大変相性がよく、一緒に食べるとおいしくいただけます。
普段の食事でも、ご飯のおかずとして、お新香を同時に口にする人も多いことでしょう。
箸で料理を口に運ぶ際、こぼれないように手で受けながら食事を進めている人を見かけます。
家庭での食事やカジュアルな和食ならまだしも、本格的な日本料理をいただく際は良くありません。
正式に言うと、手を受け皿にするのはマナー違反です。
次のようなマナー違反があります。
「前かがみになって食べない」
やってはいけないマナーは、言われれば「知っている」と思います。
基本的には、どれから食べてもいいのですが、できるだけ心がけたいマナーがあります。
「手前のものから手をつける」というマナーです。
日本料理では、食事の彩りや香りも味のうちとされています。
利き手は動かしやすいので便利ではありますが、不都合を生む場合があります。
たとえば、右利きの人の場合です。
右手の動きが慣れていますから、食事のとき、右手を使って器をつかもうとすることがあります。
盆の上には、器や箸が無造作に置かれているように見えますが、実はルールがあります。
食べている最中、器の位置が変わってしまうことがないよう注意しましょう。
盆の上を5つに分けて、見ていきましょう。
「ああ。喉が渇いた。お茶でも飲もうか」
喉が渇くと、水分に手が伸びますね。
食事中、水やお茶を飲むタイミングですが、1つ心がけたいマナーがあります。
日本料理では、一般的にご飯や吸い物のほか、香の物も一緒に出てきます。
野菜を、みそや塩などに漬けた食べ物です。
野菜の奥深くまで、味と香りがしっかり染み込んでいるのが特徴です。
一品ずつ出てくるなら、出てくる順に食べていけばいいのですが、すべての料理が一度に登場する場合があります。
和食では、食べる順番があります。
基本的に、まず汁物から頂くようにしましょう。
昔、刺し身ばかりを食べていたとき、父から「一品ばかり食べるな」と叱られたことがあります。
私は刺し身が大好きです。
ほかにも料理があるというのに、好物と言うだけで一品ばかり食べ続けるのは、マナー違反です。
お座敷で食事をする際に困るのが、手荷物の置き場所です。
食事の際、カバンやバッグを気にしている様子は、同席者にとってあまり気分のいいものではありませんね。
会話や食事を楽しむことに、集中できていない様子が感じられるからです。
中華料理では、食事の際、謙遜しすぎたり話を控えたりするのはマナー違反です。
和気あいあいとにぎやかに腹を割って話をするのが、良いとされています。
日本でも同じ感覚があります。
会席料理は、西洋料理のフルコースのように、料理が1つずつ出てきます。
西洋料理では必ず食べ終わった後に次の料理が出されますが、会席料理では食べている最中に出されることがよくあります。
和食は鮮度の高いものが多いため、調理された順番に次々と出されます。
料理で時間がかかるのは、煮たり焼いたりする調理だけではありません。
時間がかかるのが、盛り付けの手間です。
誰かに食べてもらうために料理を作ったことがある人なら、わかると思います。
骨のある魚は厄介です。
西洋料理で魚が登場した場合、ナイフとフォークを使います。
突き刺しやすいフォークと、鋭い刃を持ったナイフなら、比較的魚をうまく切り分けられます。
魚を食べていると、うっかり口の中に骨が入ってしまうことがあります。
骨が入らないように気をつけながら身を分けようとしても、やはり骨が残ってしまうことがあります。
問題なのは、どう口から骨を取り出すのか。
かりかりとした食感が特徴の天ぷら。
普通に食べればいいと思われる天ぷらですが、気をつけておきたい点がいくつかあります。
(1)大根下ろしやレモンは、天つゆにかける
格式ある会席料理であるほど、高級な器が使われるのが一般的です。
食事の際、食べることに夢中になるのもいいのですが、そればかりではもったいない。
食事の際、ぜひ器の美しい彩りに目を向けてみましょう。
器の上に、何種類かの魚の刺し身が盛られています。
さて、どのような順番で手をつけますか。
心がけたいポイントがありますので、ご紹介します。
料理が食べ終わったら、ふたは元どおりにします。
ご飯の茶碗であろうと、吸い物のふたであろうと、ふたがついている器に関してはすべて共通です。
ときどき、食べ終わったことがわかりやすいよう、わざとふたを裏返したりずらしたりして戻す人がいます。
本格的フランス料理、本格的日本料理、本格的中華料理。
「本格的」と名のつく料理店は、どこでも高額の食事代が必要です。
極端にいえば、ファストフード10回分のお金が、1回の食事で消えてなくなります。
「なぜ、これほど高額なのだろう」
私が幼いころはそう思っていました。
ゼロの数が1つ多くて、間違っているのではないかと思ったほどです。
私たちは通常、おなかがすいたとき、店に向かいますね。
料理店で食事をする目的は、おなかを膨らませるのが第1の目的です。
しかし、それだけで終わっている店もあれば、それだけでは終わらない店もあります。
「本格的」と名のつくところは、おなかを満たす以外のことを満たすとき、向かうところです。
「雰囲気」です。
その雰囲気のために、お金を払っていると考えるのです。
本格的な料理店には、あらたまった雰囲気があります。
それは内装もそうです。
食事もそうです。
給仕のサービス品質もそうです。
すべてにおいて上質かつ、高級です。
するとです。
堅苦しくて、独特の緊張感があるのです。
一見、悪いと思われるこの雰囲気ですが、これがいいのです。
この堅苦しくて独特の緊張感を、人生の大切な場面で、うまく活用しましょう。
たとえば、結婚記念日です。
堅苦しさや緊張感が、出会ったときの初々しさを思い出させてくれます。
きちんとした場を用意してくれたパートナーに対して「大切にされている」と実感しやすくなるでしょう。
そのほか、デートのときや、両親にあらたまったお願いをするときなど、あらたまった場だからこそ使い道があります。
堅苦しさや緊張感のあるあらたまった席を、ここぞという場面で、大いに活用していきましょう。
本格的な日本料理には、本膳・会席・懐石の3種類あります。
西洋料理で言えば、どれもフルコース料理に当たります。
しかし、この3種類にはそれぞれに特徴や違いがあります。
1つずつ整理してみていきましょう。
本膳料理とは、室町時代に始まった日本料理の基本になる料理形式です。
また、日本料理の最も本格的なもてなしの料理です。
西洋料理でいえば、最もフォーマルなフルコースに相当します。
本膳料理は「儀式」としての意味合いが強いのが特徴です。
そのため古くから、冠婚葬祭の場では、しばしば見られました。
献立内容、食べ方、服装などの作法も、細かく決められています。
しかし、堅苦しさが時代に合わなかったためか、残念ながら現在では一部の日本料理店を除き、あまり見られなくなりました。
本膳料理は廃れてしまい、現在ではほとんど見られなくなりました。
代わって、本膳料理を簡素化されたものとして台頭してきたのが「会席料理」です。
イメージを一言で言えば「お酒の席」です。
宴会や結婚披露宴など、お酒を楽しむ場でよく見られます。
お酒が最初に出てきて、次にご飯やお吸い物が出てくる場合が多いようです。
一品ずつのときもあれば、最初から並べられている場合もあります。
旅館や料亭などで出される日本料理といえば、ほとんど会席料理といっても過言ではありません。
会席料理は一般的に「お酒の席」ですが、さらに「お茶の席」の料理として発展させたものが「懐石料理」です。
料理は一品ずつ出て、ゆっくり落ち着いて食べるのが特徴です。
料理といい、雰囲気といい、会席のときほどのにぎやかさはなく、どちらかといえば落ち着いてゆっくり食べる雰囲気があります。
お酒を飲んだり、騒いだりするのが苦手という人にはちょうどいいでしょう。
一般的に、ご飯やお吸い物が出てきた後にお酒が出てきます。
さて、よく話題になるのが、会席料理と懐石料理の違いです。
一言で言えば、会席はお酒をおいしくいただくための「宴会の席」であり、懐石はお茶をおいしくいただくための「茶会の席」です。
おなかを膨らませるためだけに日本料理店に行くと、確実に失敗します。
本格的日本料理店で、夕食として会席料理を楽しもうと思うと、1万円前後は必要です。
単なる夕食にしては、高すぎる値段です。
値段が高い。
堅苦しい。
マナーが必要。
しかも、食事の量が少ない。
いいところがないように思えますが、どうでしょうか。
特にあらたまった席だからこそ、あらたまった話ができるというものです。
誰かに大きなお願いをするとき、断られやすい内容があります。
しかし、本格的な日本料理店では違います。
相手に食事をおごりながらお願いをすれば、断られやすい内容でも、受け入れてもらいやすいでしょう。
日本料理のいいところというのは、あらたまった雰囲気があるということです。
落ち着いていて、静かで、厳粛な空間です。
そのあらたまった雰囲気でお願いをすれば、熱意や真剣さが伝わりやすく、受け入れてもらいやすいのです。
こう考えてみてはどうでしょうか。
「日本料理店で支払う高額の料金は、話をまとめやすくするための料金」
食事にしては高い値段でも、契約や交渉をまとめるための必要経費と思えばいい。
いわゆる接待交際費です。
これが、食事以外で求めることです。
たとえば、日本では現在でも、取引先との付き合いでは本格的日本料理店で行われることがよくあります。
また、政治家同士の話し合いが日本料理店で行われる理由も同じです。
日本料理店の最大の活用法は、これなのです。
「今日は日本料理を食べに行こう」
西洋料理とは異なり、和食で座敷に上がる際は、靴を脱ぐことになります。
あらかじめ座敷で和食を食べることがわかっているなら、素足は避けるようにしましょう。
男性なら靴下、女性ならストッキングがベターです。
普段、足の裏からは、思ったより大量の汗をかいているものです。
素足のままでは、足からのにおいが漂いやすくなってしまうのです。
どんなにおいしい食事も、足の裏のにおいを感じれば、一度に台無しです。
そればかりでなく、汗は畳も汚してしまうのです。
特に夏場は、注意です。
足元の蒸れを避けるため、サンダルに素足で歩く人も多いですが、食事に向かう際は、必ず靴下やストッキングをはきましょう。
おしゃれを優先させたい気持ちもあるでしょうが、座敷で食事をする際はマナーが優先です。
和食の代表である会席料理の際、畳が敷かれた座敷に案内されることがあります。
イタリア料理やフランス料理では、椅子に座るのが中心ですが、日本は畳社会です。
あらたまった和食では、靴を脱いで座敷に上がることは珍しくありません。
また、靴を脱ぐとリラックスがしやすく、座敷を好む日本人も多いものです。
この畳について気をつけたいマナーがあります。
畳をよく見ましょう。
緑色をしたふちがありますね。
このふちは、一般的に踏まないのがマナーとされています。
畳の中でも最も痛みやすい部分ですから、踏まないのがマナーとされています。
また、ふちの部分は少し盛り上がっていますから、足元の弱い年配者の場合、つまずいて転んでしまうこともあります。
現在では許容されつつありますが「心がけ」として気をつけておくといいでしょう。
畳の部屋に案内されたとき、一般的に座布団があるはずです。
座るときにお尻に敷く、小さな布団です。
この座布団ですが、気をつけたいマナーが3つあります。
座布団の上に座る際、座布団を踏むのはいけません。
座布団の前で一度座って、両手でつかみながら膝から乗せて座ります。
寄席では、落語家が変わるごとに座布団を裏返す光景をよく目にします。
これは寄席のみで行われるマナーです。
和食で食事をする際は裏返す必要はありませんし、裏返してもいけません。
座りにくいからとはいえ、2つ折りにするのは良くありません。
座布団に折り目がついて傷つきやすくなるからです。
数多くの料理が登場する会席料理は、1品ずつ出されます。
もちろん出てきた順番に食べればいいのですが、全体像が気になりますね。
「会席料理はこういう流れだ」とわかっているだけでも、落ち着くのではないでしょうか。
店によっては、焼き物・煮物・揚げ物の順序が前後したり一部省略されたりする場合もありますが、おおむね次のような流れです。
日本料理でも、やはり最初は前菜から始まります。
「先付け」「お通し」「突き出し」と呼ばれることもあります。
ここからご飯が出るまでは、お酒と一緒にいただくのが一般的です。
味が薄い吸い物が出されます。
前菜やお酒を食べた後、口の中をリセットするために出されます。
時間がたって椀が冷えるとふたが取れにくくなるので、出されたらすぐふたを開けましょう。
メイン料理の1つです。
季節の刺し身が出されます。
一般的に季節の魚やエビなどが焼いて出されます。
肉類の場合もあります。
季節の野菜を煮たものが出されます。
かりかりした揚げ物は、野菜や魚を天ぷらにしたものが出されます。
ふたをして蒸した日本料理です。
一般的には、茶碗蒸しが出されます。
冬場なら、かぶら蒸しが出されることもあります。
酢の物は口の中をすっきりさせる役割があり「口直し」の意味が込められています。
量が少ないからとはいえ、一気に食べ終えてしまうのは好ましくありません。
少しずついただきましょう。
食事の締めです。
味噌汁・ご飯・お新香の順番で、バランスよく食べていきましょう。
ここからは酒をだらだら飲み続けるのはやめ、いったん切り上げるようにします。
食後のデザートです。
季節の果物やお菓子が出されるのが一般的です。
お茶は、食事の最後でいただくのがマナーです。
ここで食事は終了です。
食べられない料理が出たとき、あなたの場合はどうしていますか。
学校の給食なら、少しでも食べなさいと先生から叱られるところですね。
「できるだけ食べたほうがいいのではないか」と思います。
食べられるところまで食べるほうが、つくってくれた人に報いるのではないかと思うからです。
しかし、中途半端に食べかけのものを残すのは、良くありません。
想像してみましょう。
食べかけて残した食事は「まずいから残した」というニュアンスが感じられませんか。
決してそういうつもりで残したわけではなくても、誤解や勘違いをされやすい状態です。
それは逆に作った人を悲しませます。
そもそも、食べかけの物を残すのは、逆に見苦しいものです。
自分の好き嫌いがはっきりしており、明らかに最初から食べられないとわかっているものは、最初から手をつけないほうが無難です。
残す際は「おなかがいっぱいなので」「苦手な食べ物なので」と言えば、大きな失礼には当たりません。
確実に食べられないとわかっている料理は、最初から手をつけないほうがいいでしょう。
日本料理店で席に着けば、まずしてほしいことがあります。
手元にある貴金属類を外すことです。
女性の中には、指輪をはめている人が多いことでしょう。
結婚指輪以外の指輪は外すようにしましょう。
日本料理で登場する器には、木でできていたり、漆が塗られていたりします。
指にある金属は、椀を持ったときに、傷つけてしまう可能性があるからです。
できることなら、腕時計も外しておくほうがベターです。
腕にある時計とはいえ、状況によっては器にぶつけることもあります。
注意を払っているという姿勢を見せるためにも、できれば外しておくようにしましょう。
和食では、口に食べ物が入っている状態で、ほかの料理を見つめるのは良くありません。
無意識のうちに、自然としてしまっている人も多いのではないでしょうか。
これは「にらみ食い」と呼ばれるタブーです。
見るくらいいいだろうと思います。
しかし、よくないのです。
なぜ、にらみ食いがマナー違反になるのかというと、食事の味に集中できなくなるからです。
同じ種類の料理を見つめるのはいいのです。
「見ているもの」と「味わっているもの」が同じだからです。
味覚と視覚が一致しています。
しかし、種類が異なる料理を見るのは良くありません。
味わっているものと見ているものとが別であり、視覚と味覚の不一致が起こっています。
それは口にしているものも、見ているものも、どちらにも集中ができていないということです。
また、他の料理を物色しているようなしぐさにも見え、卑しく見えてしまいやすいのです。
食べているときには、口の中の食事に集中することです。
では、どうするのか。
食べているときには、食べている料理を見つめて味わうことに集中するのです。
味で楽しみ、目で楽しむことで、より、味わいが深く感じられるようになります。
お新香は、ご飯とよく合います。
味が濃いお新香と味が薄いご飯は大変相性がよく、一緒に食べるとおいしくいただけます。
普段の食事でも、ご飯のおかずとして、お新香を同時に口にする人も多いことでしょう。
ここで、よくありがちなマナー違反があります。
ご飯の上にお新香を乗せてしまうことです。
ご飯とよく合うからと言って、自然にやってしまいますが良くありません。
茶碗を受け皿の代わりにしているためです。
お新香に限らず、刺し身や揚げ物など、茶碗の上におかず類は乗せないのがマナーです。
真っ白で美しいご飯が汚れてしまい、見た目が美しくありません。
普段の食卓ならまだいいのですが、日本料理店であらたまった会席料理をいただく際は注意しましょう。
箸で料理を口に運ぶ際、こぼれないように手で受けながら食事を進めている人を見かけます。
家庭での食事やカジュアルな和食ならまだしも、本格的な日本料理をいただく際は良くありません。
正式に言うと、手を受け皿にするのはマナー違反です。
和食で癖になっている人も多く、どきっとする人もいるのではないでしょうか。
これは合理的なようで、そうでもないのです。
盆を汚したり、ご飯が落ちたりしないよう注意しているつもりですが、手にこぼれ落ちれば、手が汚れます。
汚れていないように配慮しているつもりでも、手が汚れるなら意味がありません。
手で受ける効果は、大きいとは言えないのです。
極端に言えば、手を受け皿にするくらいなら、こぼしたほうがまだましです。
盆を汚すより手が汚れるほうが、よほど見た目が悪く、対処に困ります。
食事中に手を汚すことは、そのくらい避けたいことなのです。
和食において手を汚すのは、タブーの中のタブーです。
では、手を受け皿にしないなら、こぼれたとき、どうすればいいのでしょうか。
まず、持ち上げて良い器なら、手で持ち上げてこぼれてもいいようにします。
しっかり口元まで器を運べば、こぼれ落ちても大丈夫です。
持ち上げていけない器なら、懐紙を使います。
懐紙を受け皿の代わりに使えば、こぼれても手が汚れないのです。
次のようなマナー違反があります。
「前かがみになって食べない」
やってはいけないマナーは、言われれば「知っている」と思います。
しかし、知ってはいても、いつの間にかマナー違反をしてしまい、はっとした経験はありませんか。
私も同じ過ちをしたことがあるので、気持ちはよくわかります。
癖になっているのです。
癖は体が覚えます。
体が一度覚えてしまうと、意識しなくても、勝手に体が動いてしまうのです。
しかも体の癖は、一度染み込んでしまうとなかなか抜けません。
だから苦労をするのです。
大切なことは「直そうとする意識」です。
一定期間、悪い癖を直そうと強く意識しましょう。
それはフォーマルな和食を食べるときだけ心がけるのではなく、普段から心がけるのです。
直すまでは大変ですが、一度直ってしまえば楽です。
良い食べ方というのも、癖になります。
良い食べ方も一度染み込んでしまうとなかなか抜けなくなります。
意識をしなくても、勝手に体が動き始めるようになるのです。
基本的には、どれから食べてもいいのですが、できるだけ心がけたいマナーがあります。
「手前のものから手をつける」というマナーです。
日本料理では、食事の彩りや香りも味のうちとされています。
特に刺し身を使った「造り」は、丁寧で繊細にできています。
見ているだけでうっとりしますね。
一般的には、盆の奥には美しく盛られた繊細な料理が配置されるはずです。
美しく盛り付けられている料理から先に手をつけてしまうと、美しさが崩れやすくなります。
まず手前にある料理からいただくようにしましょう。
美しく盛られた料理を少しでも長く楽しむための、ささいな心がけです。
利き手は動かしやすいので便利ではありますが、不都合を生む場合があります。
たとえば、右利きの人の場合です。
右手の動きが慣れていますから、食事のとき、右手を使って器をつかもうとすることがあります。
和食において、右側にある食器を右手で取るのはOKです。
しかし、右手だけで、左側の器を取るのはいけません。
逆に、右側にある器を左手だけで取るのもNGです。
ポイントは袖です。
気をつけているつもりでも、袖の辺りは気が緩みやすくなります。
袖が料理に触れたり、器を倒したりする場合があるのです。
利き手に関係なく、器を手に取る際は、常に両手を添えるのが正式な和食マナーです。
安全に食事ができるような作法を身につけておきましょう。
盆の上には、器や箸が無造作に置かれているように見えますが、実はルールがあります。
食べている最中、器の位置が変わってしまうことがないよう注意しましょう。
盆の上を5つに分けて、見ていきましょう。
まず盆の最も手前には、箸を置きます。
箸の置き方にもルールがあります。
右手で持ちやすいよう、右側に持ち手がくるよう横向きに置くのがマナーです。
古くから日本では、主となるものは左に置くのが基本になっています。
日本人は右利きが多く、箸も右手に持つ場合が多いので、左手でご飯を持ちやすいよう左側にご飯が配置されています。
ご飯は最も手をつける頻度が高いため、手前に置きます。
吸い物も、手をつける頻度が高いため、手前の右側に置きます。
左側には、手で持って食べ物を置きます。
奥にある食事は、基本的に手で持ちません。
手で持とうとすると、器越しで手を差し出した際、袖が汚れやすくなるためです。
手に持たなくても食べられるものを、盆の右奥に置きます。
和食では、これが一般的なルールです。
このルールは「右利きの人が最も食べやすいように考えられている配置」です。
特別な事情がないかぎり、この配置を維持しながら食事を進めます。
ただし、左利きの人が食べにくい場合は、器の位置を変えても問題ありません。
「ああ。喉が渇いた。お茶でも飲もうか」
喉が渇くと、水分に手が伸びますね。
食事中、水やお茶を飲むタイミングですが、1つ心がけたいマナーがあります。
食前や食事中に水やお茶などを飲むのは控え、食後に頂くのがマナーです。
「食事中はお茶を飲まない。できれば水も控えたい」
格式ある日本料理店で和食を頂く際は、食事中、お茶が出されないはずです。
もし出されたとしても、できるだけ食事中に頂くのは控えるようにします。
なぜでしょうか。
食事中にお茶を含んでしまうと、料理の味が薄められるためです。
お茶の渋みは口の中に残りやすく、料理の味を損ねてしまいやすくなります。
和食には鮮度の高いものが多いため、お茶の渋みが味を台無しにする場合が多いのです。
また、健康上でも良くありません。
「薬はお茶で飲んではいけない」という注意を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
なぜいけないのかというと、お茶に含まれるタンニンという苦み成分が、薬の吸収を妨げてしまうからです。
実はこのタンニンが癖者です。
薬の成分の吸収のみならず、栄養素についても同様に妨げてしまうのです。
料理に含まれる栄養も、吸収が妨げられてしまい、あまりよろしくありません。
「では、水ならいいのではないか」
たしかにお茶ほど悪影響はありませんが、できれば水も食事中は控えるほうがベターです。
そもそも食事中に水分を取るのは良くありません。
食事中に水分を取ると、料理を胃に流し込んでしまうようになります。
噛む回数が少なくなると、だ液の分泌が悪くなり、その結果、消化に悪い影響を及ぼしやすいのです。
絶対に飲んではいけないわけではありませんが、できるだけ控えるよう心がけましょう。
水やお茶は、食後に飲むのがベストです。
日本料理では、一般的にご飯や吸い物のほか、香の物も一緒に出てきます。
野菜を、みそや塩などに漬けた食べ物です。
野菜の奥深くまで、味と香りがしっかり染み込んでいるのが特徴です。
小さくても、香りも味も強い香の物。
箸でつまむにはちょうどいいサイズのためか、真っ先に手をつけようとする人も多いのではないでしょうか。
しかし、これはタブーです。
真っ先に香の物をぽりぽりと食べている姿は「ここの料理はおいしいものがないので」と不満を抱いているサインとされています。
香の物は、その名のとおり、最も香りが強いものです。
最初に香りが強い物を口の中に入れると、後に続く料理の味が感じられにくくなります。
食事の途中に食べるのはいいですが、せめて真っ先に食べ始めるのは控えるようにしましょう。
一品ずつ出てくるなら、出てくる順に食べていけばいいのですが、すべての料理が一度に登場する場合があります。
和食では、食べる順番があります。
基本的に、まず汁物から頂くようにしましょう。
理由は、箸の先を最初に湿らせておけば、ご飯粒が箸にこびりつくのを防ぐことができるからです。
また、温かい飲み物から頂くことで体が温まると同時に気分も温まり、少しずつ食事モードへと移行できます。
次に、ご飯を食べます。
和食に限らず、どんな料理でも「味が薄いものから順番に食べ始める」というルールは共通です。
最初に味が濃いものを食べてしまうと、舌が慣れてしまい、味わいや風味が感じられにくくなるからです。
おかずを食べる前に、ご飯から頂くようにします。
最後におかずです。
この「汁物→ご飯→おかず」の順を繰り返しながら食事を進めるのが、基本スタイルです。
一気に食べきるのではなく、すべての料理を、満遍なく食べ進めるようにしましょう。
昔、刺し身ばかりを食べていたとき、父から「一品ばかり食べるな」と叱られたことがあります。
私は刺し身が大好きです。
ほかにも料理があるというのに、好物と言うだけで一品ばかり食べ続けるのは、マナー違反です。
吸い物を一気に飲み干したり、刺し身を一気に食べきったりなどNGです。
一気に食べきってしまうと、ほかの料理をいただく際、バランスが悪くなるからです。
ご飯を食べた後は刺し身を食べ、刺し身の後は揚げ物を食べて、揚げ物の後はまたご飯などです。
さまざまな料理を、バランスよく食べ進めるのがいいでしょう。
個人の好みにも左右されますが、基本的にご飯を中心にして進めると、バランスが整いやすくなります。
ご飯は何でも合います。
ご飯を食べながら刺し身。
ご飯を食べながら揚げ物。
ご飯を食べながら吸い物です。
一品ずつ出される場合は出された順に食べきりますが、すべての料理が一度に出てくる場合は、満遍なく食べるようにしましょう。
お座敷で食事をする際に困るのが、手荷物の置き場所です。
食事の際、カバンやバッグを気にしている様子は、同席者にとってあまり気分のいいものではありませんね。
会話や食事を楽しむことに、集中できていない様子が感じられるからです。
食事の場には、食事に関係ない物を置きません。
あったとしても、見えない位置に隠すことが大切です。
その場所が、テーブルの下です。
座敷なら、小さなカバンやバッグは、テーブルの下に置くのがベストです。
荷物は食事に関係ありませんから、テーブルの下に隠れることで、食事に集中できるようになります。
膝元にありますから、懐紙を取り出す際も、すぐ手に取れます。
もし大きい荷物なら、食事を運ぶ邪魔にならないよう座敷の隅に置かせてもらうといいでしょう。
椅子に座る場合は、空いている椅子の上に置いたり、膝元に置いたりするといいでしょう。
こうすることで、お互いに食事や会話に集中できるようになるのです。
中華料理では、食事の際、謙遜しすぎたり話を控えたりするのはマナー違反です。
和気あいあいとにぎやかに腹を割って話をするのが、良いとされています。
日本でも同じ感覚があります。
たとえば、酒を飲みながら進めるコミュニケーションはよく見られます。
酒が入ると、堅苦しい雰囲気が緩和され、お互いに打ち解けやすくなります。
旅館や料亭などで出される日本料理といえば、酒とともに出される会席料理が一般的です。
会席料理は酒と一緒にいただいて、ある程度にぎやかでもいいのですが、いくらでも騒いでいいわけではありません。
「にぎやか」と「騒ぐ」のは違います。
奇声を発したり大声で叫んだりするのは、マナー違反です。
やはりアルコールが入ると、気が緩みがちです。
アルコールのせいで自制が失われたうえ、上機嫌になると、マナーをわかってはいるものの、つい騒ぎやすくなります。
それは同席者だけでなく、店の人にも周りにいるお客さんにも迷惑です。
酒は飲んでも、飲まれるな。
にぎやかに談笑するのはいいのですが、羽目を外しすぎないように注意しましょう。
会席料理は、西洋料理のフルコースのように、料理が1つずつ出てきます。
西洋料理では必ず食べ終わった後に次の料理が出されますが、会席料理では食べている最中に出されることがよくあります。
和食は鮮度の高いものが多いため、調理された順番に次々と出されます。
食べている最中に次の料理が登場すると、つい急いで食べてしまいそうになりませんか。
しかし、慌てて食べる必要はありません。
無理に急いで食べたり残っている料理を下げてもらったりする必要はありません。
テーブルの上に何種類かの料理が並びますが、自分のペースを崩さずに食べるようにしましょう。
落ち着いて食べることが大切です。
前の料理が残っていても、出てきた料理にすぐ手をつけても結構です。
鮮度が高いものは高いうちに食べる。
温かいものは温かいうちに食べる。
冷たいものは冷たいうちに食べる。
料理人の仕事に報いる礼儀です。
料理で時間がかかるのは、煮たり焼いたりする調理だけではありません。
時間がかかるのが、盛り付けの手間です。
誰かに食べてもらうために料理を作ったことがある人なら、わかると思います。
食事とは、味だけでなく、見た目からの影響も大きいものです。
盛り付けが美しければ、食欲をそそりますね。
また、見た目を少しでもきれいになると、目で見て楽しめるようになります。
喜んでもらいたい気持ちが強いほど、盛り付けにも気合が入り、時間もかかってしまうのです。
盛り付けという演出のために、料理人は修行を積み重ねています。
日本料理ともなれば、すべてにおいて本格的です。
私たちは普通、食事が出てくるまでの間は「調理をしている時間」だと思います。
しかし、実際のところ「食事を盛り付けている時間」にも、時間がかかっています。
刺し身を切るのは一瞬ですが、盛り付けに時間がかかります。
食事の量・色・向きなど、全体的なバランスを考えていると、盛り付けている時間のほうが長くなります。
料理によっては、つくっている時間より、盛り付けている時間のほうが長い。
そういうことがよくあるのです。
そこでマナーがあります。
出された料理は食べ始めてもいいのですが、いきなり食べ始めず、まず外観を楽しみましょう。
食事の量は少なくても、繊細な彩りや美しい盛り付けがされています。
季節に合わせた海の幸や山の幸が、バランスよく盛り付けられていることでしょう。
しばらくその様子を目で楽しみましょう。
彩りや盛り付けが美しいほど、その裏には、料理人の苦労があるということです。
「おいしそうですね」
「きれいな盛り付けですね」
「色鮮やかですね」
それが料理人の苦労に報いることでもあります。
舌で味わう前に、目で味わうのです。
骨のある魚は厄介です。
西洋料理で魚が登場した場合、ナイフとフォークを使います。
突き刺しやすいフォークと、鋭い刃を持ったナイフなら、比較的魚をうまく切り分けられます。
しかし、和食の場合はどうでしょうか。
頼りになるのは、箸のみです。
ナイフのような鋭い刃はありませんから、苦労する人も多いことでしょう。
では、ここで、箸で上手に魚を食べる方法をご紹介します。
魚を食べるからとはいえ、いきなり身をつまみません。
最初は、食べるのに邪魔になるであろう背びれや尾ひれを取ります。
魚の頭を固定するとき、手が汚れないように懐紙を使うと上品です。
もし口の中に魚の骨が入ってしまったときは、懐紙で口元を隠しながら、箸を使って取り出します。
背びれや尾ひれを取り終えた後は、魚の上身を食べ始めます。
このとき、いきなり中央から食べ始めるのは良くありません。
まず魚の頭の側から尾に向かって、順に食べていきます。
頭に近い肉のほうが肉厚であり、食べやすいためです。
上身を食べ終えたら、次は下身です。
魚をひっくり返したくなりますがNGです。
「ひっくり返す」というのは縁起が悪いため、忌み嫌われています。
また、汁も飛び散りやすくなります。
ひっくり返すのではなく、骨を取り外します。
骨の間に、箸を入れて魚の頭を浮かすと、うまく骨が外れます。
この際、魚の頭を固定するために、懐紙を使うと、手の汚れを防げます。
骨を身から外した後は、皿の奥に寄せておきましょう。
これで、きれいに魚の下身だけが残ります。
下身も食べ終えれば、骨や背びれや尾ひれなどを、皿の中央に戻しておきましょう。
魚を食べていると、うっかり口の中に骨が入ってしまうことがあります。
骨が入らないように気をつけながら身を分けようとしても、やはり骨が残ってしまうことがあります。
問題なのは、どう口から骨を取り出すのか。
まず思いつくのが、次の方法ではないでしょうか。
「直接、指で骨をつまんで出す」
ついやってしまう骨の取り方ですが、NGです。
どこがよくないのか、わかりますか。
口の中から何かを取り出すのは、大変見苦しい行為です。
ただし、仕方ない状況です。
こういうときに登場するのが、懐紙です。
懐紙で口元を覆い隠しながら取り出すようにしましょう。
魚の骨に限らず、果物のタネなどを取り出す際も、同じです。
もし懐紙を持参し忘れたときは、代わりに手を使って骨を取り出すのも許容されています。
食事の際、直接口に指を入れるのは、みっともないことです。
指先が汚れてしまうのです。
こういう場合は、使いにくいかもしれませんが、箸を使うのがマナーです。
手を汚さないように骨を取り出すのです。
かりかりとした食感が特徴の天ぷら。
普通に食べればいいと思われる天ぷらですが、気をつけておきたい点がいくつかあります。
天ぷらに、大根下ろしやレモンなどを直接かけるのは良くありません。
衣が萎びてしまい、天ぷら独特のかりかりとした食感が損なわれてしまうからです。
大根下ろしやレモンは、天ぷらにかけるのではなく、天つゆにかけるようにしましょう。
天ぷらが載った器は持ち上げません。
箸で天ぷらを天つゆに浸した後、懐紙で受けながら口元に運びます。
問題は食べるときです。
大きな天ぷらは、箸で2つに切り分けようと思います。
基本的には、切るときは天ぷらの入った器の上で切ります。
ただし、器の上で切るのが難しい天ぷらもあります。
たとえば、レンコンの天ぷらは固いので、箸では切り分けにくいですね。
もし、箸の使い方に自信がないなら、口で噛み切ってもかまいません。
口で噛み切るときは、懐紙で口元を隠しながら噛み切るようにしましょう。
基本的に天ぷらは、器の上で切り分けます。
すると、器の上が散らかりやすくなります。
ここでのポイントは「手前から手をつけること」です。
天ぷらを切り分けるとき、ほかの天ぷらの盛り付けを崩さないように注意しましょう。
手前のほうから取っていくと、盛り付けを崩しにくくなります。
油は、水には溶けませんが、アルコールには溶けます。
天ぷらは、アルコールが含まれる酒と一緒に飲むと、消化がスムーズになります。
もちろん無理をしてまでアルコールを飲む必要はありませんが、酒をいただくタイミングの1つとして覚えておくといいでしょう。
格式ある会席料理であるほど、高級な器が使われるのが一般的です。
食事の際、食べることに夢中になるのもいいのですが、そればかりではもったいない。
食事の際、ぜひ器の美しい彩りに目を向けてみましょう。
繊細で華やかなのは、器の上だけではありません。
器にも、繊細で華やかな絵柄や模様などが施されているものです。
気の利いたお店なら、季節によって器も取り換えます。
たとえば、春なら桜の絵、冬なら雪景色などが、器に施されていることも多いでしょう。
そうした器の模様などに、気づけるような余裕を持ちたいですね。
食べることばかりに気を取られるのではなく、ぜひ、美しい器に気づく余裕を持つことが大切です。
そこで、ぜひ会話に中で含めていただきたいフレーズがあります。
「美しい器ですね」
会話が弾むと同時に、器の美しさにも気づく余裕が自然と生まれるのです。
器の上に、何種類かの魚の刺し身が盛られています。
さて、どのような順番で手をつけますか。
心がけたいポイントがありますので、ご紹介します。
何でもそうですが、違いとは、比べることでわかりやすくなります。
刺し身の場合も、同じです。
お気に入りの刺し身ばかりを食べるのではなく、一切れごとに種類を変えて食べていくのがおすすめです。
前の刺し身との味や食感などの違いがわかりやすくなり、よりおいしくいただけるようになります。
味の違いを感じやすくするために、一切れ食べるごとに刺し身の種類を変えて食べていきますが、問題はその順番です。
もちろん基本的にどれからでも食べていいのですが、できれば、味の淡泊な刺し身から食べ始めるようにしましょう。
最初から味の濃い物を食べてしまうと、淡泊な味わいが感じられにくくなるからです。
したがって、白身と赤身があれば、白身から食べるのが正解です。
白身の刺し身から食べ始めます。
続いて、赤身、光り物の順にいただきましょう。
ひととおり、全種類の刺し身を食べ終えれば、最後に大葉や大根のけんなどを口にしましょう。
食べるというより、口にして、軽く噛む程度で十分です。
独特の香りや苦みが、口の中をリセットしてくれます。
また、毒の作用を消す解毒効果としての意味合いもあります。
もう一度、味の淡泊な白身に戻って食べる、という繰り返しです。
料理が食べ終わったら、ふたは元どおりにします。
ご飯の茶碗であろうと、吸い物のふたであろうと、ふたがついている器に関してはすべて共通です。
ときどき、食べ終わったことがわかりやすいよう、わざとふたを裏返したりずらしたりして戻す人がいます。
ふたに傷をつける場合があるため、良くありません。
出てきたときと同じように、ふたを戻しましょう。
それが「食事が終わりました」というサインにもなり、給仕には盆を下げやすくなります。
これで会席料理は終了です。
食後は、お酒や茶を飲みながら、談笑を楽しみましょう。