会社に新入社員として入社して、はじめの3年間は、なにより大切な時期です。
この3年間は、強く意識しましょう。
覚えなければならないことが山のようにあり、人付き合いも慣れていないため苦労をします。
社会に出て、苦労することといえば、やはり人間関係です。
人間関係は、社会に出た誰もが必ず経験する、課題です。
仕事の楽しさは、人間関係で決まるといってもいいでしょう。
学校で習う数学では、基本ができて、初めて応用ができるようになります。
応用は、基本ができていることが大前提です。
これは言うまでもありません。
「仕事の仕方」を覚えることは、基本の中の基本です。
「仕事の基本」とは「仕事の仕方」のことをいいます。
当たり前に行う基本的な仕事です。
新人のころは、簡単な仕事でも、全力を持って取り組むことが重要です。
全力を持って取り組むことで、最大限まで力をつけることができ、またそうした姿勢を上司はしっかり見ています。
上司は、仕事ができる、できないより、全力を持って取り組んでいるかどうかを見ています。
入社したばかりのころは、仕事を選んではいけません。
新人は、ただでさえ仕事ができない人間ですから、大きな仕事を任せられません。
もちろん仕事を選ぶこともできません。
ウォーミングアップは、スポーツだけでなく、仕事にもあります。
スポーツのウォーミングアップは、ストレッチや柔軟体操にあたりますが、仕事のウォーミングアップは「早く出社すること」です。
あなたは次のうち、どちらに当てはまりますか。
入社3年間に注意したいセリフがあります。
「新人です」というセリフです。
「どこがいけないの?」と不思議に思うかもしれませんが、実はよくないセリフです。
入社をして間もないころ、おそらくあなたは一種の絶望を感じることでしょう。
たいてい入社したばかりの新人は、大きな夢や希望を抱いています。
抱きすぎているばかりに、現実とのギャップに驚きを隠せません。
入社3年間は、いきなり大きな仕事は与えられないと考えましょう。
入社して間もない新人には、小さくて責任の軽い仕事が与えられます。
・コピーとり
入社3年間は、雑用レベルの仕事しか与えられません。
3年とは長く感じられるかもしれませんね。
では、逆に、任された雑用のトップになってやろうと考えればいいのです。
「適当にやります」
「気が向けば、対応するかもしれません」
「なんとなくです」
いちばん下っ端である新人は、周りから叱られやすい立場にいます。
自分以外は先輩たちばかりですから、逆らえず、怯えてしまうものです。
私が入社したばかりのときも、同じ状態でした。
つながりを持つのは、社内だけではありません。
社外の人とつながりを持つことも、重要です。
自社の人たちとばかり関係を持っていると、視野が狭くなります。
1つの業界の中で生きていると、偏りのある情報しか流れてきません。
IT関係の会社では、IT業界の話しか流れてきません。
出版関係の会社では、出版関係の話しかされないものです。
新人のうちは、頭だけで考えてはいけません。
頭だけで考え、答えを出す新人はかっこいいかもしれませんが、嫌われます。
「これはこうなるから、こうなると思います」
入社して、ある程度業務に慣れてくれば、仕事にも余裕が出てきます。
今までは学ぶばかりでした。
業務に必要な知識や仕事も、たいていは一定していますから、慣れてくれば「同じことの繰り返し」と感じるようになります。
新人には、仕事が始まる前の仕事があります。
掃除です。
社内の掃除は、新人が入社してはじめに担当する重要な仕事です。
新人時代である入社3年間に貯金をする余裕はありません。
初めて社会に出て、初めて仕事をする時期です。
たくさん学ぶことがあり、学ばなければならないことが山ほどある時期です。
仕事への評価が最も高くなる姿勢は、仕事を頼まれた瞬間から始める姿勢です。
頼まれた瞬間から仕事を始めることが、最もモチベーションを保てます。
仕事の質が高くなり、上司からの評価も高くなりやすい。
新人は、初めは何も仕事ができない状態です。
ここからどうやって、這い上がっていけばいいのでしょうか。
与えられる仕事のなか「これだけは誰にも負けない」という得意分野をつくることをおすすめします。
あなたの先輩は、あなたの仕事の実績をそれほど見ていません。
新人の行う仕事の実績とはいえ、微々たるものです。
先輩が見ているところは、あなたの仕事に対する姿勢です。
あなたは、失敗の後、そのままにしていませんか。
働く人には、成長する人としない人がいます。
新人の中でも、伸びていく人とそうでない人がわかれてしまうものですが、どこが違うのでしょうか。
入社してまず新人が行うことといえば「師匠探し」です。
「この人についていきたい」
「この人はすごい」
新人に対しては、上司はがみがみうるさいものです。
一生懸命に育てよう、大きくなってもらいたいという願いを抱いていますから、あれこれと口うるさく言葉を挟んできます。
では、新人以外の人間に対してはおとなしいかというと、そうでもありません。
「いつがいいかな」
「誰とすればいいかな」
「どっちがいいかな」
「3倍働ければ、3倍の速さで成長できる!」
私は入社したての新人のころ、このように単純に考えていたときがありました。
3倍多く仕事できれば、それだけ多く経験ができ、身につく早さも3倍に速くなるものだということです。
こだわりは、入社をすれば、すぐ捨ててしまいましょう。
特に入社3年間は、こだわりは不要と思ってください。
仕事をするうえでは、こだわりは障害となり、思うように進まなくなります。
「無礼講」という言葉は「堅苦しい礼儀を抜きにする」という意味です。
会社で行われる宴会では「今日は無礼講で飲もう」という声がよく飛んできます。
職場で飲み会があるときに、よく聞かれる言葉です。
最後に大切なこととして、このお話をしましょう。
入社して、誰もが一度は考えること「仕事、辞めようかな」という病です。
仕事の難しさ、種類、量こそ多少の違いはあれ、入社をして3年も経てば慣れてしまい、スムーズに対応できるようになるものです。
会社に新入社員として入社して、はじめの3年間は、なにより大切な時期です。
この3年間は、強く意識しましょう。
覚えなければならないことが山のようにあり、人付き合いも慣れていないため苦労をします。
いちばん下っ端ですから、自分以外はみな上司です。
まさに孤立無援。
毎日叱られてばかりであり、仕事を辞めたくなることもしばしば考える時期にあたります。
ですが、この最初の3年間をどう生き抜くかによって、その後の人生が決まるといっても過言ではありません。
この期間についた差は、あとから取り戻すことができないほどの大きな差になります。
入社したときは、みな同じスタートラインです。
しかし、時が経つにつれて少しずつ差が出てきます。
最初にできた差は、後になるほどどんどん広がります。
ゴルフのスイングと同じように、少し方向を打ち間違えると、ボールが遠くへ飛べば飛ぶほど、大きな差になるようなものです。
なにより初めが肝心。
入社3年間は、社会人としての成長を決めるゴールデンタイムなのです。
この時期に得た勉強、マナー、経験、人付き合いは、基礎力となり、その後のあなたを強く支えることになります。
もちろん新入社員ですから、毎日叱られてばかりでつらいことでしょう。
ため息ばかりの毎日です。
しかし、自分がまだ成長段階だからこそ、つらいと感じることができているのです。
成長してしまえば、困難は簡単に乗り越えられます。
できないからこそ難しく感じます。
わからないからこそ大変だと感じます。
新入社員が「仕事が大変だ。やめたい」と思うことは「悩み」より「当然」であり、どう乗り越えるかによって、成長が決まります。
私の入社3年間は、苦労ばかりの毎日でした。
「こんな会社、やめてやる」と何度考えたことか数え切れません。
仕事が大変と感じることは当然です。
方法、知恵、技術も知識も何もありませんから、毎日が勉強でした。
上司に「こんなこともわからないのか」と言われながら、一つひとつ覚えていきました。
仕事中にわからないことは、家に帰ってから勉強したり、休日を使って本を読んだりしたものです。
しかし、今振り返って考えると、新人だからこそ大変だったのです。
何も知らないわからない初心者だから「しんどいなあ」と感じていたのです。
のちに仕事にも慣れ、技術も身についてしまうと、新人のころの抱いていた悩みはとてもかわいらしく思えます。
今、新人時代と同じ状況になれば、いともたやすく困難を乗り越えていける自信があります。
成長したからです。
知識があり、技術、人付き合い、マナーを知っているからこそ、どうすればいいのかという「答え」をすぐ出せます。
私が新人時代、1カ月かかった仕事がありました。
何千ものファイルそれぞれの、1行だけを書き換えるという作業です。
シンプルで単純な作業内容ですが、膨大な量のため、当時は「何て大変なんだろう」と嘆いていました。
今の私なら10分で終わらせることができる内容です。
技術が身につき、どうすればいいのかを知っているからです。
私は何てささいなことに悩んでいたのだろうと、恥ずかしくなります。
新人時代は何でも大げさに難しく感じます。
知識も知恵もないですから、ささいな作業に膨大な時間をかけてしまうことになります。
そのうえ上司からも「そんなこともわからないのか」と叱られますから、自信をなくすことになるのです。
社会に出て、苦労することといえば、やはり人間関係です。
人間関係は、社会に出た誰もが必ず経験する、課題です。
仕事の楽しさは、人間関係で決まるといってもいいでしょう。
そのくらい人間関係は、仕事に激しく影響を及ぼします。
学生時代では好きな人同士と一緒にいれば、それですみました。
嫌いな人や苦手な人とは、付き合わなければいいだけです。
しかし、社会ではそうはいきません。
嫌いな人、苦手な人と一緒に仕事をすることはもちろんのこと。
顔も見たくない、声も聞きたくない、近づきたくもない人と、毎日一緒に仕事をしなければならない地獄は、社会ならではです。
社会に出た人は、みな人間関係に苦労をして、そうして少しずつですが「本当の人付き合い」ができるようになります。
できるようになるというのは、自分が変わっていくからです。
この世にはさまざまな人がいることを知り、自分の考えを相手に押し付けるようなことができなくなります。
性格的に「丸く」なるのです。
社会生活は、上流から下流へと流れる川に例えることができます。
川に流れる石ころ一つひとつが、人間と考えましょう。
川の上流では、どの石も大きくて、かどがあります。
一つひとつの石にかどがあり、偉そうにしているものです。
硬くて、でこぼことしているため、石同士は激しくぶつかります。
その衝撃によって、かどが少し取れます。
次からは、ぶつかったときの衝撃が和らぎます。
ぶつかるたびに、最初にあったかどが、どんどんと取れます。
下流に流れていくにつれて、少しずつ石が丸くなるのです。
流れていくにつれ、石同士がぶつかり合い、かどが少しずつ取れて、丸くなります。
人間関係も同じです。
はじめこそ人同士のぶつかり合いが多いのですが、自分にまだかどがあるからです。
自分というエゴが強く、自分がいちばん偉いと勘違いをしているから、激しくぶつかることになるのです。
嫌いな人と一緒にいたり、苦手な人と一緒に仕事をしたりすることで「どう対応すればいいのか」がわかるようになります。
初めはどう接していいのかわからなかったことですが、だんだんポイントがつかめ、自分の性格も丸くなります。
石同士がぶつかることで、かどが取れ、丸くなっていくことと同じです。
人間関係に慣れていない人は、かどがあるからこそ痛みを感じ、強くあたってしまいます。
人間関係で揉まれることは、かどを取り、人間的に丸くなっていくための試練なのです。
理想は、下流に流れる石のようになることです。
下流に流れる石はどれも小さくて、丸い。
それは謙虚であり、性格が丸くなっているということです。
姿形こそ小さいですが、だからこそどこへ行ってもやっていける力をつけています。
社会で人間関係に苦労することは、問題ではなく、それも「欠かせない経験の1つ」です。
学校で習う数学では、基本ができて、初めて応用ができるようになります。
応用は、基本ができていることが大前提です。
これは言うまでもありません。
基本ができていないと、当然応用しようとしてもなかなかうまくいかない。
基本は、応用のための大切な土台になります。
社会でも、同じことが当てはまるのです。
「おはようございます」「お疲れさまです」という基本的な挨拶の言葉は、当たり前のように使う言葉です。
しかし、こうした基本的な言葉を言い忘れている人が、多いものなのです。
基本的な言葉を言い忘れている人は、人とのコミュニケーションも同じくなかなかうまくいかないものです。
コミュニケーションは、応用です。
仕事において必要な打ち合わせ、報告、連絡、相談は、基本的な言葉である挨拶や感謝の言葉があって、できることです。
普段から朝の挨拶もせず、感謝の「ありがとう」という言葉すら言わない人のいうことを、誰が喜んで聞くでしょうか。
挨拶をする人から話を聞きたいと思うものです。
突然、断りもなく話しかけられ、一方的に話を進められては、気分を悪くしてしまいます。
「おはようございます」
「お疲れさまです」
「ありがとうございます」
このように、コミュニケーションは、基本的な言葉が土台となって成り立つことなのです。
普段は目立たない言葉ですが、コミュニケーションの潤滑油となり、人と人とのやりとりをスムーズにしてくれます。
オイルのような役割を果たし、さびて回らなくなった歯車も、オイルを注すことで再び回り始めるようになるのです。
基本的な挨拶言葉と感謝の言葉は、どちらが先に言うかの競争くらいに意識しましょう。
「相手が言ってから言おう」と思うのではありません。
「相手に言われる前に言おう」と思うのです。
相手に先を越されて言われると負けだと思うくらいに、意識をしてほしい。
そのくらい当たり前に普段から使う言葉なのです。
「仕事の仕方」を覚えることは、基本の中の基本です。
「仕事の基本」とは「仕事の仕方」のことをいいます。
当たり前に行う基本的な仕事です。
エゴの強い新人ほどよくやりがちなことですが、ささいなテクニックや技術を使って、仕事を早く終わらせようとします。
しかし、それは、慣れてから行うことです。
まだ仕事に慣れていない新人は、仕事の仕方を極めなければなりません。
正攻法を、徹底的に極めるのです。
「この仕事にはこのように対処する。この仕事はこうやればいい」という基本を、ただ素直に吸収することです。
基本をしっかり身につけなければ、応用もできないからです。
仕事は数学のように基本をしっかり身につけていないと、応用ができなくなります。
足し算や引き算ができてから、次の文章問題へと応用が利くように、仕事でも基本ができてこそ、応用ができるようになるのです。
たとえばコピーです。
コピーを取るという仕事も、できる人とできない人にわかれます。
コピーという仕事をする前にまずしなければならないことは、コピー機の使い方です。
コピー機の使い方を知って、初めてコピーができるようになります。
この順番を間違ってはいけない。
仕事をする前に「仕方」を学ばなければ、仕事すらできないのです。
一度コピー機の使い方を学べば、自分で仕事をするときに活用でき、他人の仕事のお手伝いにも応用できるようになります。
それもこれも、まずコピー機の使い方を初めに学ばないことには、何も始まらないのです。
新人は、徹底的に仕事の仕方を学ぶ努力をすることです。
この基本をどれだけしっかり身につけているか否かによって、その後の成長が変わります。
基本ができるようになると、あとから応用がいくらでもできるようになるのです。
新人のころは、簡単な仕事でも、全力を持って取り組むことが重要です。
全力を持って取り組むことで、最大限まで力をつけることができ、またそうした姿勢を上司はしっかり見ています。
上司は、仕事ができる、できないより、全力を持って取り組んでいるかどうかを見ています。
仕事のできない新人でも、許してくれます。
全力で立ち向かっている姿勢があれば成長があり、これから伸びていくことが感じられるからです。
初めにある能力は、仕事中に全力を出しているかどうかによって、いかようにも変わってきます。
全力を出している新人は、あっという間に先輩すら抜いてしまうほどの脅威を持っているのです。
わからなくても、できなくても、新人ですから先輩は許してくれます。
当たり前であり、当然のことだからです。
また間違ったとしても、これも新人であるゆえに、許してくれます。
間違っても失敗してもいい時期に、できるだけ数多くの失敗を経験し、成長に変えていく人が大きく成長する人です。
入社したばかりのころは、仕事を選んではいけません。
新人は、ただでさえ仕事ができない人間ですから、大きな仕事を任せられません。
もちろん仕事を選ぶこともできません。
選べても、雑用程度の仕事ばかりです。
「企画の担当をしたい」
「脚本を書きたい」
「リーダーをやりたい」
「案件の取りまとめ役をしたい」
入社前は、自分が主役になり、社内の注目を集める夢を何度も見ます。
しかし、入社をすれば、そんな夢も現実では、瞬く間に消えます。
大きな仕事には、大きな責任が伴います。
新人は仕事を選ぶことはできず、雑用的な仕事からやらされることになります。
つまらない仕事、みんなが嫌がる仕事、誰もが避ける仕事、かっこ悪い仕事ばかりが、雑用として残ります。
つまらない雑用をどれだけしっかりこなしているかによって、先輩たちは「彼に任せても大丈夫そうだな」と感じます。
少しずつ責任のある仕事を任せてくれるようになります。
新人は、大きな仕事で自分をアピールできません。
雑用を通して自分をアピールするのです。
特に新人のうちは、どんな仕事でも引き受ける姿勢をもちましょう。
どんな仕事でも嫌な顔をせずに引き受ける人は、先輩からの評価が特に高くなります。
みんなが嫌がる仕事を「はい、わかりました」と対応できる人には「この人は、ただものではないぞ」と脅威を与えることができます。
ウォーミングアップは、スポーツだけでなく、仕事にもあります。
スポーツのウォーミングアップは、ストレッチや柔軟体操にあたりますが、仕事のウォーミングアップは「早く出社すること」です。
あなたは次のうち、どちらに当てはまりますか。
9時から仕事を始めることができる人は、9時前には出社して準備ができているということです。
早めに出社をして何をするんだと思うでしょう。
しかし、9時前から始める仕事は多くあるものです。
掃除はもちろんのこと、メールチェック、昨日の仕事の続き、今日の仕事の準備などです。
会社では、朝9時から仕事が始まりますが、早めに出社をして、9時ぴったりにはスタートダッシュができるようになることです。
ただ早く出社するだけでも不思議と、精神的にも余裕ができます。
ほかの人より早いと、ほかの人より早く頭を仕事に切り替える時間ができるため、余裕へと影響を及ぼすのです。
9時から仕事が始まるからとはいえ、時間ぎりぎりの出社では、気持ちのゆとりがなくなります。
9時から掃除やメールチェック、今日の仕事の準備を始めるのではありません。
それは就業の9時前に、終わっていなければならないのです。
私は以前こんな経験をしたことがあります。
ある飲食店に行こうと思い、そこは朝6時からの営業開始でした。
私はぴったり6時に到着して、お気に入りのメニューを選ぼうとすると「まだ準備ができておりません」と言われてしまいました。
朝早く、お店の人もぎりぎりに出社したため、準備が整っていなかったようです。
6時から営業なら、6時にはしっかり準備が整っていなければなりません。
営業時間内であることには、変わりないのです。
朝いちばんにお客が来ても、お店側の準備不足から対応ができなければ、お客をがっかりさせてしまうことになります。
もちろん足が遠のいてしまうことは、言うまでもありませんね。
店全体の評価を落としてしまいます。
あなたのウォーミングアップは「9時から」ですか。
それとも「9時前」ですか。
仕事が9時から始まるなら、9時前にはしっかり準備態勢が整っていなければならないのです。
入社3年間に注意したいセリフがあります。
「新人です」というセリフです。
「どこがいけないの?」と不思議に思うかもしれませんが、実はよくないセリフです。
人から言われるのならいいのです。
上司や先輩から「新人の○○さんです」「新しく入った新人の担当者です」など、人から言われるなら問題ありません。
しかし、ずけずけ自分から「新人です」とは言わないほうがいい。
余計な誤解を招く恐れがあるからです。
「新人です」と言われた相手の立場で考えてみてください。
「私は入社したばかりの身分です。ミスをするかもしれません。ミスをしても許してください」
自分に保険をかけているようなニュアンスに聞こえるのです。
もちろん本人にとって保険のつもりは1ミリもないのでしょう。
正直に事実を述べているだけであるのはわかりますが、積極的に自分からずけずけ言うセリフではありません。
大切なのは相手がどう感じるかです。
どれだけやる気に燃えていても、相手に保守的と受け止められたら、NGです。
誤解を招きやすいセリフは、事実でも控えておくのが賢明です。
特にお客さまの前では禁句です。
お客さまから見ると、相手が新人であれベテランであれ「会社の人」として見ています。
入社1日目の新人でもプロであると認識していて、仕事の対価を払っています。
だからこそ入社1日目からプロ意識を持って働くことが大切です。
「新人です」というセリフを言いそうになったら、喉のところでぐっと我慢してください。
人から言われるのはいいのですが、自分からずけずけ言う言葉ではありません。
入社して間もないころは「新人です」というセリフに注意しましょう。
入社をして間もないころ、おそらくあなたは一種の絶望を感じることでしょう。
たいてい入社したばかりの新人は、大きな夢や希望を抱いています。
抱きすぎているばかりに、現実とのギャップに驚きを隠せません。
「大きな仕事を担当して、大きな実績をあげたい。
しかし、やらされることといえば雑用ばかり。
コピーとり、お茶くみ、掃除。
こういうことをするために、仕事をしているわけではない」。
中学校の部活のようです。
テニス部に入部したばかりの新人に、ラケットを渡し、コートでボールを打たせてくれるわけではありません。
入部したばかりの新人は、まず「球拾い」から始めます。
先輩が打ち損なったボールを拾い、保守役を努めます。
テニス部に入部した人はみんな、テニスをしたいから入部したわけです。
しかし、やらされることといえば球拾いばかり。
コートはおろか、ラケットさえ握らせてくれません。
ここで仕事を辞めてしまう新人が多いのです。
「球拾いをするために、テニス部に入ったわけではない。
しかし、やらされることといえば、雑用ばかり。
球拾い、ラケット磨き、掃除。
こういうことをするために、テニス部に入部したわけではない」。
あらあら、さっきの仕事の例とそっくりですね。
本当は、新人には新人に適した仕事が与えられています。
ここを見逃してはいけません。
テニスの球拾いをしっかりするためには、先輩の動きをしっかり見ていなければなりません。
手足の動きを見て「この球は打てないな。よし、球を取りに行く準備だ」と、先輩の動きを真剣に見つめていなければなりません。
これほど手本を学ぶチャンスはありません。
新人には、基本的な動きを学ぶチャンスが与えられています。
そのために「球拾い」という仕事をさせているのです。
球拾いとはいえ「保守」という立派な仕事が与えられているのです。
初めてテニスに取り組むときには、まず手本となる先輩の動きをしっかり見て、打ち方やタイミングを勉強します。
「このボールは打てそうだ」
「このボールは打てそうにない」
「こういうボールのときには、どう対処すればいいのか」
「なるほど、こういう方法で攻めればいいのか」
こうした答えは、先輩の動きを目の前に観察し、吸収することで学べます。
目の前で数多く繰り広げられていますから、これほど勉強できる機会はありません。
「球拾い」という名前がついているから「雑用だ」と勘違いをして、やめてしまう人が多いのです。
ださいと感じるかもしれませんが、学べる勉強はたくさんあります。
雑用をどれだけ真剣に取り組むかによって、仕事を辞めてしまうか、大きく成長できるかが決まります。
球拾いは「雑用」ではなく「勉強」です。
入社3年間は、いきなり大きな仕事は与えられないと考えましょう。
入社して間もない新人には、小さくて責任の軽い仕事が与えられます。
どれも小さくてささいな、たとえ失敗をしても、大きな影響のない仕事ばかりです。
大きな仕事ではないから、いくらやっても実績を上げられないと悲観していませんか。
悲観する必要はありません。
新人は、この小さくてささいな仕事一つひとつが、小さな実績となるのです。
先輩は、大きな責任のある大きな仕事を担当します。
新人は小さな仕事を担当します。
仕事の責任の大きさに違いがあるだけで、雑用も仕事が回るための歯車の1つとして機能していることには変わりありません。
あなたは、自分に与えられた仕事に全力を注ぐだけでいい。
責任が小さくても、仕事は仕事です。
こつこつですが、小さな積み木を少しずつ積み上げ、仕事ができたという実績を大きく膨らませていくのです。
大きく積み重なった実績を見て、先輩は「彼なら責任のある仕事は任せられそうだ」と判断してくれます。
次第に、責任のある仕事を担当できるようになるのです。
入社3年間は、雑用レベルの仕事しか与えられません。
3年とは長く感じられるかもしれませんね。
では、逆に、任された雑用のトップになってやろうと考えればいいのです。
雑用とはいえ、自分磨きのための材料になります。
雑用をゲーム感覚として捉え、少しでも速く、完璧にできるように努めましょう。
たとえば、コピーとりです。
コピーとりは、不思議なことに人によって、速くできる人と、そうでない人とでわかれます。
コピーを行うのは、機械です。
機械の速さは一定ですから差はできないように思えます。
しかし、準備段階や段取りの良さが影響し、コピーの仕上がりの速さに違いが出るのです。
私は会社に出社すれば、まずコピー機の電源を入れていました。
コピーはスイッチを入れたばかりの状態では、5分ほど保温に時間がかかります。
古いタイプのコピー機は、特にスイッチを入れてすぐコピーができるわけではなく、保温する時間が必要です。
私の勤めていた会社のコピー機では、およそ10分かかりました。
いつコピーを頼まれるかわかりませんから、いつでも対応できるようにコピー機の電源を早めに入れておき、準備を整えておきます。
紙切れになって紙を補給する手間を省けるように、出社をしてまずコピー機の紙をチェックしたり、インクをチェックしたりします。
私は、コピーの専門家ではありませんが、担当する仕事といえばいつもコピーとりと決まっていました。
「せめてコピーだけは極めよう」と思っていたのです。
ほかの誰より、コピーを完璧に速くできるようになろうと、ゲーム感覚で取り組むと不思議と楽しくなります。
掃除も同じくゲーム感覚で取り組むことです。
「ほかの誰よりきれいに、速く掃除ができるようになろう」
「ほかの人が気づかないようなところを掃除できるようになろう」
言われる前にできるようになろうと、自分で自分に課題を出して仕事をゲームに変えるのです。
ゲームとして考えることができれば、充実感が出てきます。
次からは少しでもスコアをあげようと考える努力をするようになり、仕事の成果も上がりますから、まさに一石二鳥です。
やらされるのではなく、自分から進んでやっていくのです。
任された雑用に関しては、せめてトップになってやろうと考えるのです。
「適当にやります」
「気が向けば、対応するかもしれません」
「なんとなくです」
あなたは、こんな言葉遣いをしていませんか。
学生時代までは抽象的な表現が許されていました。
抽象的な表現は、幅が広く、意味がもやもやし、相手に意味がダイレクトに伝わりません。
逃げている表現であり、自分に責任が回ってこないように、曖昧な表現をよく使います。
学生までは使ってもいいでしょう。
しかし、お金と責任の伴う社会では、抽象的な表現ではいけません。
入社をすれば、自分が普段使っている抽象的な言葉遣いから卒業することが必要です。
「適当に」
「気が向いたら」
「なんとなく」
「一応」
「かもしれません」
仕事の報告、連絡、相談を行うときに、抽象的な表現では相手にはっきり伝わりません。
「何が言いたいのかよくわからない」と思われることになり、力のない報告、連絡、相談になってしまうのです。
時には誤解を招き、トラブルの原因になることも少なくありません。
抽象的な表現は、社会ではタブーです。
これからは具体的な表現を使うように、意識をしてみましょう。
「明日の15時までに」
「資料は、本日の定時までに仕上げます」
「スケジュールの調整は、すでに予定が入っているため、厳しい状態です」
「今後の対策として~を行います」
「鈴木部長に、相談をしてから決めたいと考えています」
5W1Hをはっきり口に出します。
今まで曖昧にごまかしていた部分を、具体的な言葉に変えて言うだけですから、ステップとしてはそれほど大きくありません。
具体的であるほど、相手にも意味がよく伝わるようになり、誤解を招くことが少なくなります。
もちろん口に出して言えば、それだけ責任が伴いますが、そもそも責任があって当然なのが社会なのです。
自分の発言に責任が持てるようにならないと、社会ではうまくやっていけなくなります。
抽象的か具体的かの違いは、仕事ができるかできないかの違いにまで、関わってくるのです。
いちばん下っ端である新人は、周りから叱られやすい立場にいます。
自分以外は先輩たちばかりですから、逆らえず、怯えてしまうものです。
私が入社したばかりのときも、同じ状態でした。
私と一緒に入った同期は1人もおらず、周りはみな先輩ばかりでした。
特に隣に座っていた立原さんという上司には「あれはどうなった」「これはどうした」と口うるさく言われたものです。
自分がリーダーという立場になるとよくわかるのですが、上司は部下が気になります。
「部下が何をしているのか」「何を考えているのか」などと気になり、口うるさく言いそうになります。
では、こういうときにはどうすればいいのでしょうか。
まず自分から率先して、報告・連絡・相談をすればいいのです。
上司は部下からの報告を待ち、連絡をしてもらい、相談されたいと思っています。
上司は部下から相手にされたいと、報告・連絡・相談を通してコミュニケーションを求めています。
上司から言われる前に、部下から話しかけることです。
何でもない会話もいいですが、仕事中ですから、仕事に関係する報告や連絡や相談を通して、自分から話しかけていきましょう。
上司から「うるさい部下だな」と思われるくらいでちょうどいい。
上司に指摘される前に、こちらから報告・連絡・相談を行えば、もううるさく言われることはなくなります。
つながりを持つのは、社内だけではありません。
社外の人とつながりを持つことも、重要です。
自社の人たちとばかり関係を持っていると、視野が狭くなります。
同じ業界の中では、同じ情報しか流れてきません。
社内の人とばかりの付き合いでは、偏った情報になるでしょう。
当たり前だと思っていることも、ほかの会社やほかの業界と比べると、時代遅れだったり、異常であったりすることもあります。
自分では普通と思っていた会社も、実は不当な労働を強いている会社ということに気づくきっかけになります。
私は以前、仕事を通してほかの会社の人であるKさんという男性と出会ったことがありました。
私と同じ年齢だったので、すぐ仲良くなりました。
別の会社ですから「そっちの会社はどういう感じなの」と軽く話を聞いて、情報交換をしていたときのことです。
話を聞くうちに、Kさんの会社は少し変わっていることに気づきます。
月に300時間も働かせるという会社でした。
Kさんは、それが普通だと思っている。
仕事の状況によって多少の残業はわかりますが、300時間は桁外れです。
さすがに「それはおかしい」ということになりました。
Kさんは、働きすぎのため、一度倒れて入院したこともあるそうです。
おなかの痛みが止まらず、血便が出たりして、慢性的な病気になっていました。
しばらくしてKさんは、ほかの会社の事情を知って「自分の会社は普通ではない」と気づいたそうです。
その後、Kさんは会社を辞める行動に出ました。
Kさんの健康や将来を考えると、その選択で間違いありません。
「ほかの会社ではどんな仕事をしているのか」
「どんな雰囲気なのか」
「どんな給与体系なのか」
情報交換をしていくと、面白い発見があるものです。
情報交換の場所が社内だけになると、世間知らずのままになります。
積極的に社外の人とも交流して、情報交換をしていきましょう。
1つの業界の中で生きていると、偏りのある情報しか流れてきません。
IT関係の会社では、IT業界の話しか流れてきません。
出版関係の会社では、出版関係の話しかされないものです。
アパレル業界では、衣服関係の話しかしません。
家電製品に関係する会社でも同じく、電気製品や価格競争といった話しかでてこないものです。
業界の中に閉じ込められていると、自分の中に入ってくる情報にも、大きく偏りが出るため、視野が狭くなります。
ぜひ視野を広げて、ほかの業界の流れも一緒につかんでおくといいでしょう。
毎日テレビを見て、新人のうちに、世の中の流れをつかむ習慣をつけて早すぎることはありません。
政治界、IT業界、アパレル業界、食品業界、芸能界など、数多くジャンルはあります。
ほかの業界にも目を向けて、動向を把握しておくと、世の中全体の動きをつかむことができるようになります。
新聞も貴重な情報源です。
多少のお金は必要ですが、手間暇かけた良質の情報を確実に入手できるのですから安いものです。
それでも面倒な人は、スマホでニュースをチェックしてもかまいません。
新聞ほどの情報量はありませんが、スマホはどこでもチェックできますから場所を取りません。
むしろ新聞とは違い、大きな時事ニュースしか取り扱っていませんから、てっとり早く全体をチェックしたい人にはおすすめです。
メディアから身につけた視野や価値観を仕事にも生かすことができれば、仕事力アップにつながります。
新人のうちは、頭だけで考えてはいけません。
頭だけで考え、答えを出す新人はかっこいいかもしれませんが、嫌われます。
「これはこうなるから、こうなると思います」
たしかに間違ってはいませんが、行動を避けて答えを出す新人はなまいきに思われてしまい、反感を抱かれるのです。
入社したばかりの社員は、失敗が許されますから実際にたくさんの仕事量をこなして、日々の業務に慣れることです。
その中で失敗をしてしまっても「まだ若いから」という理由から許されます。
その特権を生かせるうちに生かしきっておくことです。
頭ばかりで考えるのではなく、トライして、失敗して、体を通して学ぶ新人が伸びていく新人です。
痛みの理解は、経験するのがいちばんです。
ジョギングをしている途中、石につまずいて転んだ。
膝を強く打ち、皮がむけ、血が流れている。
この経験をしたことがある人と、ない人とでは、具体性がまったく違います。
前者は「わかったつもり」になっているだけですが、後者は深く理解し「わかっている」のです。
本やテレビを見ているばかりでは「わかったつもり」になることはあっても、本当に「わかる」理解はいつまで経ってもできない。
しかし、一度でも自分が実際に経験すれば、だれしも一瞬にして「理解」できるのです。
老若男女、国籍など、まったく関係ありません。
経験は、一瞬にして「わかったつもり」から「わかった」へと理解を促す特効薬になります。
経験はできるだけ多くしておくほうがいいのです。
痛い経験ほど、若い新人のうちにしておくほうが、取り返しがつきます。
入社したばかりの新人が、うまくやろうと考えないことです。
体当たりでぶつかり、失敗して、体を通して学ぶ習慣を持つことで、本当に「理解」ができるようになるのです。
入社して、ある程度業務に慣れてくれば、仕事にも余裕が出てきます。
今までは学ぶばかりでした。
業務に必要な知識や仕事も、たいていは一定していますから、慣れてくれば「同じことの繰り返し」と感じるようになります。
そう感じるようになれば、次のステップです。
「上司からの指示が飛んでくる前に、動けるようになる」
これを意識しましょう。
指示された仕事ができるようになり、余裕も出てくるようになれば、今度は仕事を先回りできるように意識するのです。
あなたは仕事の依頼が来るまで、席でじっと座ってばかりになっていませんか。
入社したばかりの間は、許されますが、仕事に慣れてくれば仕事を取ってくるようにならなければなりません。
上司から「これをやってほしい」といわれる前に「やっておきましょうか」とあなたのほうから提案して、仕事を取っていくのです。
仕事を取っていく部下は、上司からとても重宝されます。
上司も「仕事をお願いする」という手間が省けますから、楽になるのです。
新人には、仕事が始まる前の仕事があります。
掃除です。
社内の掃除は、新人が入社してはじめに担当する重要な仕事です。
どれだけ掃除がきちんとできるかによって、新人の質が見えてきます。
適当に大ざっぱな掃除をしている新人は、そういう人だと思われます。
一方、気づかないような細かなところまで、きちんと掃除ができる新人は気の利く人だと思われます。
また部屋の中の掃除だけでなく、トイレ掃除もきちんとできているでしょうか。
誰もが避ける掃除場所をすすんで掃除ができる新人は、それだけ仕事も与えやすくなります。
トイレのような汚い場所でも、嫌な顔せずに一生懸命できる人は、どんな仕事を与えても嫌な顔をせずに一生懸命になるでしょう。
私は当初、トイレの掃除がきちんとできていないために、社長からトイレの中で教育を受けたことがあります。
社内で指導を受けるならまだしも、トイレの中で指導を受けるのは珍しい。
こうしたことを心がけるよう指導を受けて、今まで意識していなかった自分が恥ずかしくなったものです。
「ほかの人が、気づかないところに気づける人が、伸びていく人だ」
そう指導されたものです。
先輩たちは、あなたの掃除の仕方によって、どんな仕事を与えようかを決めています。
掃除は、自分をアピールするための、もってこいの作業なのです。
新人時代である入社3年間に貯金をする余裕はありません。
初めて社会に出て、初めて仕事をする時期です。
たくさん学ぶことがあり、学ばなければならないことが山ほどある時期です。
時間に余裕もなければ、お金に余裕もありません。
勉強するために時間も必要です。
もちろんお金も必要です。
「将来のために貯金をしたい」という気持ちはわかりますが、入社して最初の3年間くらいは忘れたほうがいい。
心配する気持ちがあるなら「貯金」より「自己投資」のほうが賢明です。
本当に将来のことを考えるなら、自分磨きのために自己投資をするはずです。
仕事に必要な知識を学ぶために本を読んだり、社会セミナーがあれば積極的に出席したりします。
経済感覚を養うために新聞を毎日読む。
さらには人としても魅力を高めるために、映画を見たり、習い事をしたり、英会話を習ったり、旅行をしたりなどです。
しなければいけないことは、まさに山積みです。
そうした蓄積こそ、お金を貯める以上に確実な安定をもたらします。
最初のスタートダッシュは、社会生活の中で最も重要な時期です。
それが入社してから3年間です。
自分を磨くためには、多少なりともお金は必要です。
若い時期は給料も少ない。
しかし、学ぶことはたくさんあり、勉強する時間もお金も惜しいくらいです。
そんな時期に貯金をしている人は、「何も勉強していない人」ではないでしょうか。
偉人や有名人の若いころの話では「昔は貧乏だった」という言葉が、必ず決まり文句になっています。
お金を稼ぐような実力を身につけられたのも、貧乏を覚悟で自己投資を積み上げた結果です。
自分磨きにお金を投資していたから、当時はまだ貧乏だったわけです。
「貯金をして有名になれました」という話もあり得ません。
貯金をしていては、技術も知識も知恵も、何も身につかないからです。
貯金を積み上げた結果、実力がつくことはありません。
若いころに貯金をしていては、余裕をつくるどころか、むしろ余裕をなくしてしまいます。
せめて入社してから3年間くらいは、貯金のことは忘れ、一心不乱に勉強することです。
入社したばかりの時期に、守りに入るような節約は、逆に自分の首を絞めてしまいかねません。
貯金を心がけていると、何もしないことを心がけることになります。
「貯金=何もしない」です。
最も成長の盛んな入社3年間に、それだけは避けてほしい。
入社3年間に勉強しなくて、いつ勉強するのでしょうか。
自分のお金でたくさん勉強をして、自分を磨くことが大切なのです。
仕事への評価が最も高くなる姿勢は、仕事を頼まれた瞬間から始める姿勢です。
頼まれた瞬間から仕事を始めることが、最もモチベーションを保てます。
仕事の質が高くなり、上司からの評価も高くなりやすい。
仕事を後回しにして、いつ始めるのかわからないのがいちばん困ります。
すでにほかの仕事に追われ、すぐ対応できなくても、あらかじめ期限を提示しておくといいでしょう。
期限があることで頼む側も安心できます。
食品には賞味期限があります。
早ければ早いほど本来のおいしさが残りますが、時間がたつにつれて風味や味わいが衰えます。
特にお寿司やお刺し身といった鮮度の高い食べ物は、できた瞬間から劣化が始まります。
できた瞬間に食べるのがいちばんおいしい。
仕事も同じです。
仕事にも「鮮度」がある。
軽い仕事なら、頼まれた瞬間に始めるのがベストです。
「この書類まとめておいて」と言われた瞬間から書類をまとめ始めることが、最も仕事の質を上げ、評価も高くなります。
仕事を頼む側としては、お願いをした瞬間から始めてもらえることほど頼もしい姿はありません。
最初はなかなかできなくても、すぐ対応を始めてくれる姿勢があるだけで評価が高くなります。
それでいて早く仕事が仕上がれば、申し分ありません。
新人は、初めは何も仕事ができない状態です。
ここからどうやって、這い上がっていけばいいのでしょうか。
与えられる仕事のなか「これだけは誰にも負けない」という得意分野をつくることをおすすめします。
1つでも得意な分野を持つことで、自分のレギュラー番組を持つことと同じになります。
「この仕事なら、あの人だ」
そう言われるようになれば、みんなから注目を浴びることになります。
仕事をするうえでは、本当は「何でもできる」ということがいちばんの理想です。
「何でもできる人」はたしかにモテますが、実際はなかなかいません。
何でもできるのは、神様くらいであり、現実には何でもできるという人は、そういるものではありません。
むしろベテランほど、自分の得意分野を深く掘り下げています。
誰にも負けない分野1つを徹底的に深く掘り下げると、不思議なことにその周りの分野にも影響を及ぼすことになります。
資料整理が誰にも負けなければ、資料整理を通してさまざまな情報に目を通すことになり、いつの間にか得意分野になっています。
コンピューターの技術が誰にも負けなければ、さまざまな人から頼られて、コミュニケーションも一緒に得意となります。
クレーム担当のプロになれば、問題解決に関する資料もつくれるようになるでしょう。
仕事には「波及効果」というものがあります。
一点に絞って深く追求していると、その分野に関係することも一緒に波及して詳しくなり、得意になっていくという現象です。
得意分野が大きく広がっていくということです。
新人のあなたがまず心がけることは「これだけは誰にも負けない」ということを、1つ身につけることです。
自分の武器にして、仕事を勧めていきましょう。
徹底的な「一点豪華主義」になるのです。
1つが得意になれば、その得意なことが波及して、ほかの仕事にも対応できるようになります。
だんだん「仕事ができる人」へと変身していくのです。
あなたの先輩は、あなたの仕事の実績をそれほど見ていません。
新人の行う仕事の実績とはいえ、微々たるものです。
先輩が見ているところは、あなたの仕事に対する姿勢です。
「どのような方法を使って仕事をこなしているか」
「どういうスタイルで仕事に臨んでいるか」
「効率よく仕事を進めるために、何を意識しているのか」
こうしたところを見ています。
先輩が後輩に脅威を感じるところは、仕事の実績より、姿勢です。
姿勢を見ることで、その人の将来の成長ぶりがうかがえるからです。
姿勢は、人の性格から派生して出てきています。
性格が簡単に変わらないように、姿勢やフォームも簡単には変わりません。
仕事に対してやる気を持った姿勢を身につけている人は「この人は将来、大物になる」と感じます。
これが脅威となるのです。
私は今、リーダーという立場として仕事をさせてもらっています。
リーダーになって初めてわかったことですが、新人の成長の伸びぐあいは「姿勢」によって決まります。
若さや元気は、世間で言われているほど、重要ではありません。
技能は、熱い心があれば、あとから十分に追い越すことが可能です。
「なんとかして仕事を片付けたい」
「これを解決するためにはどうすればいいのか」
前向きな姿勢を持っている人は、最初は仕事ができなくても、あとから伸びていきます。
瞬く間に成長します。
前向きな姿勢を持っていますから、そのとおりにどんどん前へと進んでいくのです。
しかも前向きな姿勢は、前向きな性格から派生していますから、そう簡単に変わるものではありません。
新人の仕事に対する姿勢を見ていると、その人の将来も見えてくるのです。
あなたは、失敗の後、そのままにしていませんか。
働く人には、成長する人としない人がいます。
新人の中でも、伸びていく人とそうでない人がわかれてしまうものですが、どこが違うのでしょうか。
入社したばかりですから、仕事はどれもわからないことばかりです。
最初から能力や技術に差があるのではありません。
よく見てみると、その人が失敗したときに、差が出るのです。
仕事では失敗がつきものですが「失敗したときにどう対処するか」によって、成長が大きく変わってきます。
あなたは、どちらのタイプでしょうか。
「失敗は成功の母である」という言葉は、有名です。
みんな知っているにもかかわらず、失敗をそのままにしている人が多く見受けられるのです。
わかっているけど、実際はなかなか行動できないものです。
人間は頭でわかっているだけでは、本当の力を発揮しません。
頭でわかっているうえで、現実の世界において強く意識をすることが大切です。
失敗をしたときには、次からは同じことを繰り返さないことを強く意識することを忘れないようにしましょう。
そのままほうっておくと、また同じ失敗をすることになり、成長がない人になってしまうのです。
新人の中でも、特に成長する人は、失敗したときに同じ失敗をしないように対策を考える人です。
対策を考えるから、失敗を成長に変えることができます。
誰しも苦しむ経験をすれば「同じ経験は二度としたくない」と誓うでしょう。
痛みは存分に味わい、なんとかしようという意識を働かせるのです。
痛みを感じないと「なんとかしよう」という意識すら出なくなり、対策も考えるはずがありません。
入社してまず新人が行うことといえば「師匠探し」です。
「この人についていきたい」
「この人はすごい」
「彼を見習おう」
そう思える人を、1人でいいですから見つけましょう。
師匠を見つけることで、自分が仕事に取り組むときのなによりの手本となります。
自分の先輩ですから、間違った仕事はしません。
正しい仕事の仕方を、いちばん効率の良い方法で行う手本です。
師匠の仕事を真似でいいですから、徹底的に真似をして技を盗んで吸収します。
師匠の技に特許はありませんから、一生懸命に盗んでいい。
新人時代に手本となる師匠を見つけ、どれだけ真似をして、吸収できるかに、成長の大きさがかかっているのです。
私が入社して最初に手本にした先輩がいます。
30代前半の色白の細長い男性でした。
やはりコンピューター業界の先輩だけあり、パソコンに関しては細かいことにまで精通した先輩でした。
パソコンやコマンドの知識、仕事の進め方や社会常識など、先輩から学んだことは数え切れません。
私の隣の席に座っていたので、先輩の仕事の真似ばかりしていました。
仕事の進め方は、先輩の進め方を取り入れ、自分のものにします。
効率の良い調べ方、進め方を考える前に、先輩のやり方を真似て、吸収していきました。
そのおかげもあり短い時間の間に、たくさんのことを覚えることができました。
私の力ではなく、先輩のおかげです。
素晴らしい師匠に出会えたおかげで、成長が早かったわけです。
入社してすぐ尊敬できる素晴らしい先輩を見つけましょう。
その先輩が、あなたの将来を決めることもあるのです。
新人に対しては、上司はがみがみうるさいものです。
一生懸命に育てよう、大きくなってもらいたいという願いを抱いていますから、あれこれと口うるさく言葉を挟んできます。
では、新人以外の人間に対してはおとなしいかというと、そうでもありません。
新人にはうるさいですが、成長した先輩に対してはもっとがみがみ口うるさくなります。
仕事ができない人に対しては、仕事ができるように教育という意味を込めて、うるさくなります。
しかし、仕事のできる先輩に対しても、仕事を任せるためにがみがみうるさくなります。
むしろ仕事ができるようになるほど、本当の意味から口うるさくなると思ってください。
「あの件は、どうなった」
「仕事の状況を聞かせてくれ」
「報告書ができたら見せてくれ。チェックをしたい」
責任のある仕事を担当するようになると、具体的な仕事のやりとりを行うため、さらに口うるさくなるのです。
仕事ができるようになるほど、上司は口を出してくるものなのです。
あなたが新入社員として入社をします。
以前より上司ががみがみうるさくなったなと思えば、それだけあなたは仕事ができるようになったということです。
仕事ができる人に対して、上司は本当の意味で細かいことまで口を挟んでくるようになるのです。
「いつがいいかな」
「誰とすればいいかな」
「どっちがいいかな」
「自分では決められない」
迷ったあげく、なかなか自分では決断できないことを「優柔不断」といいます。
あなたにも経験があるのではないでしょうか。
こうした優柔不断な性格は、仕事では障害になります。
自分で決めることができないと、決断力に欠けることになり、仕事を進めることができなくなります。
仕事を進めることは、決断の連続です。
「これを、いつまでに、誰と協力して、仕上げよう」という決断を、自分でしなければ、仕事を進めることができないのです。
入社したてのころは、先輩があなたを補助して助けてくれるでしょう。
ですが、すぐ冷たくなります。
日本には「かわいい子には旅をさせよ」という格言があります。
成長してほしいがために、自分のことは自分で決めなさいと冷たくなるのです。
自分が決断することで、責任が伴い始めます。
すると、恥や迷惑をかけないように、自分から努力をするようになり、仕事への「張り」へと変わります。
心理学では、労働者のやる気向上には、賃金の値上げより、責任のある仕事を与えることだといいます。
そのほうが、モチベーションアップにつながる結果が出ています。
仕事をスムーズに進めるために、自分で決断する力を持つことは大切です。
仕事へのモチベーションアップにも大いに効果が期待できるのです。
「3倍働ければ、3倍の速さで成長できる!」
私は入社したての新人のころ、このように単純に考えていたときがありました。
3倍多く仕事できれば、それだけ多く経験ができ、身につく早さも3倍に速くなるものだということです。
たしかに3倍働ければ、3倍の速さで成長できるという計算どおりに、ある程度いい線まではいきます。
今になって考えると、半分は正しく、半分は間違っているということに気づきます。
ある一線を越えると、効率より、非効率のほうが大きくなり、仕事への対応がおろそかになってしまうのです。
人間はロボットではありませんから、長時間働けば、当然それだけ疲れます。
3倍働けば、たしかに3倍早く成長できますが、一方では3倍速く疲れることになるのです。
この疲れを取っていかないと、いずれショートしてしまうことになり、仕事のしすぎのために倒れることになります。
ストレスをため「うつ病」になったり、燃え尽き症候群になったりと、回復が難しい病に悩まされることになります。
私は以前、仕事を月に300時間もこなしている男性と出会ったことがあります。
たしかに多く仕事を経験しているだけあって、動きがよくて、知識もあり、仕事のできる人でした。
しかし、彼は仕事のしすぎのため、ついに倒れてしまい「潰瘍性大腸炎」という病気になってしまいました。
彼いわく、この病気は完治が難しく、場合によっては一生治らない場合もある、とのことです。
その大腸炎になってからは、仕事のペースがほかの人より速くても、人一倍疲れやすい体質になってしまいました。
「仕事を一生懸命しても、健康を失っては意味がないじゃないか!」
私は彼と出会ってから、考え方が大きく変わりました。
ただ一生懸命に働けばいいわけではなく、自分のペースを考えながら仕事をする必要があるのです。
私は入社して2年半の間は、一度も欠勤をしたことがありませんでした。
私にとって、これは自慢でした。
1日も休まないことは素晴らしい、と思っていたからです。
しかし、本当のことをいえば、体調が悪くても、無理をして会社に出勤していた状態でした。
彼の仕事のしすぎによって健康を失った姿を見て、体調不良のときには、思いきって体を休ませるようになりました。
体が一度壊れてしまってからでは、遅いのです。
ロボットは体の取り換えが可能ですが、自分の体は1つ。
取り換えはできません。
ただ働けばいいわけではない。
ただ仕事を多くすればいいわけでもない。
マラソンと同じように、こつこつマイペースが、実はいちばん速いのです。
本当に体調が悪いときには、棄権をする勇気も、大切なことなのです。
こだわりは、入社をすれば、すぐ捨ててしまいましょう。
特に入社3年間は、こだわりは不要と思ってください。
仕事をするうえでは、こだわりは障害となり、思うように進まなくなります。
「この仕事じゃないとしたくない」
「この人と一緒じゃないと嫌」
「この方法じゃないとダメ」
こういうことを言う新人に、あなたはどんな印象を持ちますか。
自我が強く、付き合いにくく、一緒に仕事がしづらいなと思ってしまいますよね。
自分の個性を出そうと、こだわりを持っていると、逆に仕事ができなくなります。
制限が大きくなり、自分で自分の首を絞めてしまうことになります。
こだわりを主張できるのは、ベテランになってからです。
ベテランは、仕事の質を上げるために対応する仕事を選ぶ必要があります。
しかし、入社したばかりの新人が、自分のこだわりをアピールしてしまうと、制限をアピールすることになります。
仕事をするどころか、回ってこなくなります。
誰とでも、いつでも、どこでも大丈夫であるように、こだわりを徹底的に捨ててしまいましょう。
水のようになるのです。
こだわりのない新人は、どんな仕事でも喜んで対応しますから、社内からの評価が高くなります。
水は、相手を選びません。
場所も、時間も選びません。
だからこそ、世界中で愛され、必要とされているのです。
水こそ、こだわりのない結晶です。
「無礼講」という言葉は「堅苦しい礼儀を抜きにする」という意味です。
会社で行われる宴会では「今日は無礼講で飲もう」という声がよく飛んできます。
職場で飲み会があるときに、よく聞かれる言葉です。
しかし、やはり、いくら先輩に「無礼講になってもいい」といわれても、無礼講になってはいけないのです。
自分の立場を考えず、本当に無礼講で接していると、後で恥ずかしい思いをしますから、十分気をつけましょう。
社会において、無礼講は存在しないと思ってください。
特に新人は、どんなシチュエーションも無礼講はないと思ってほしい。
入社したばかりの人が無礼講になると、悪い雰囲気になるシチュエーションを、私は何度も目にしてきたものです。
そんな私にも失敗があります。
先輩の「無礼講でいこう」という言葉を信じ、立場を無視した発言や行動をして、恥ずかしい思いをしたことがあります。
アルコールが入っているせいもあり、人前で恥ずかしい行動や、発言をしてしまい、今思い出すだけでも恥ずかしい。
アルコールが入っているといえ、仕事抜きの関係にしても、やはり明日になればしらふになって会社で顔を合わせることになります。
先輩の無礼講も「建前上の言葉」であり、実際は無礼講になってはいけないのです。
最後に大切なこととして、このお話をしましょう。
入社して、誰もが一度は考えること「仕事、辞めようかな」という病です。
仕事の難しさ、種類、量こそ多少の違いはあれ、入社をして3年も経てば慣れてしまい、スムーズに対応できるようになるものです。
社内の雰囲気、人間関係にさえ慣れてしまい、むしろだらだらしてしまうのです。
だらだらも、ひどくなれば、ストレスとなります。
次のように考えることでしょう。
「自分の人生は、本当にこれでいいのか」
自分の人生を振り返り「間違った道を歩んでいるのではないか」「もっと適した職場があるのではないか」と考え始めるのです。
私も考えたことがありますし、同僚もほとんど例外なく、みんな考える共通の病です。
ここで仕事を辞める人もいれば、ここを乗り越えて大きくなる人もいます。
私の先輩や仲間たちも、ここで自分の人生を振り返り、転職をした人が多くいます。
しかし、面白い話ですが、転職先でもはじめにあった意気込みが、さらに3年後には仕事に慣れてなくなります。
だらだらになり、またもや「自分の人生は、本当にこれでいいのかな」と考えるようになります。
また転職をしてしまえば、いつまで経っても仕事上では下っ端から抜け出せなくなるのです。
悪循環に陥ってからでは遅い。
3年目にある心身の疲れは、一種の関門なのです。
誰もが通る道です。誘惑に負けると、最初からやり直しになります。
乗り越えることができれば、次へのステップが待っています。
責任の高い地位を与えられたり、自分の技能を生かしてさらに大きな仕事を担当できたりします。
あなたは、入社して同じような病にかかれば、自分だけ特別なのではなく、誰もがかかる病気なのだと思い出しましょう。
私も当初は、自分だけかと思っていましたが、これは誰もがかかることなのです。
また入社前の人でも、今から心の準備を前もってしておくと、いずれそのときがくれば、焦らずに対応できるようになるでしょう。