プルルル!
ある日、会社の電話が鳴りました。
しかし、誰も出ない。
電話対応の理想について、まず整理しましょう。
電話対応は「誰が取るか」は重要ではありません。
新人だけの仕事ではありません。
会社の電話対応で、まず間違えてしまうことは「敬称と敬語の使い方」についてです。
「目上の人には敬称と敬語を使って話をする」というのが、社会人としてのマナーです。
社内では上下関係に応じて、敬語と謙譲語を使い分けます。
お客さまからの電話では、自社の人間のことを、敬称抜き・敬語抜きで話します。
お客さまに対して敬意を払うため、自社の人間は地位にかかわらず、敬称と敬語を抜いて話をします。
しかし、例外もあるので注意が必要です。
電話で相手の声が遠いことがあります。
声が小さくて聞き取れないときです。
そんなときにはやむなく、もう少し大きな声で話してもらえるようにお願いします。
「それでは失礼いたします」
お客さまとの会話が終わり、電話を切ろうとしたときのことです。
残念なことに、電話を切るときにマナーを忘れる人がいます。
丁寧な電話の切り方を紹介します。
これはコールセンターのような電話対応のプロたちが行っている大変丁寧な電話の切り方です。
私の知り合いにコールセンターでの業務を経験した人がいます。
私は次の文章を書くために、ささいな頭痛と吐き気を催してしまいました。
そのくらい、今思い出しても、深い後悔と未熟さに情けなくなり、ため息が出てしまいます。
私がこれまでしてきた「電話対応の失敗ベスト1」を紹介します。
「連絡を取りたい。連絡先を教えてくれ」
こうした電話には、一切お答えしてはいけません。
携帯番号はもちろんのこと、自宅の連絡先、会社の連絡先も教えてはいけません。
電話をかけるときも受けるときも、共通の電話マナーがあります。
「メモを取ること」です。
まず、電話をかけるときです。
プルルル。
電話が鳴りました。
さあ、あなたなら、右手と左手、どちらで受話器を取りますか。
先日、私が電話を取ったときのことです。
電話を取るやいなや、突然、相手は自分の用件を話し始めました。
「○○会社のAです。先日のお話の件ですが、弊社で確認したところ……」
電話が鳴ったときには、呼び出し音3回以内に取るように心がけましょう。
早ければ早いほどいいのです。
どれだけ早く取るかを、ほかの社員と争うくらいでかまいません。
「営業の電話」
「間違い電話」
「いたずら電話」
単純な内容を電話で伝えるだけならいいのですが、社会ではそうもいきません。
もちろんシンプルにわかりやすく話をするのは、常に社会人としての命題です。
しかし、仕事では、複雑な内容を相手に伝えなければならないときがあります。
長い説明や複雑な説明は、初めに断りを入れておきます。
これは、電話マナーの基本です。
しかし、そもそも「言葉での説明が難しい内容」もあります。
私が学生のころ、夜に電話をかけると、親に注意されていました。
「夜の電話は迷惑になるだろう。明日にしなさい」
深夜になれば、夕食を終え、お風呂に入っているかもしれませんし、すでに寝ているかもしれません。
ある日、同僚の1人が電話対応していました。
電話の内容はさておき、まず気づいたのは「姿勢の悪さ」です。
足を組み、頰づえをついて、猫背になって電話をしていました。
会社の電話代は、会社から出ます。
仕事に関係する電話は、仕事の一部として会社からお金が出るのは当然です。
しかし、会社からお金が出るからと言って、会社の電話を私用で使ってはいけません。
話の種類にもいろいろあります。
単なる雑談から、会社の運営に関わるような重要な話まで、さまざまです。
ささいな仕事の用件なら、電話でやり取りをすることもできます。
「電話の際はメモを準備する」
これが大切なのは言うまでもありませんね。
ある程度、電話対応に慣れれば、メモを準備することは体が覚えます。
電話がかかってきても、名前を名乗らない人がいます。
しかも、少し偉そうです。
「俺だけど」
電話でメモを取る際には、気をつけてもらいたいことがあります。
メモを取った内容について「復唱する」ということです。
電話では相手の顔が見えません。
電話対応では、否定する言葉を言わざるを得ないときがあります。
「いません」
「いりません」
私は読書が好きなので、ときどき本の在庫があるかどうかを、書店へ問い合わせることがあります。
「○○出版社から出ている○○という本を探しているのですが」
書店の人は「確認しますので少々お待ちください」といい、保留ボタンを押します。
電話には、いいところも、悪いところもあります。
いいところは、手軽に素早く簡単に連絡が取れることです。
悪いところは、相手の声からしか伝わらないため具体性に欠け「聞き漏らし」「聞き忘れ」「聞き間違い」が起こりやすいことです。
電話をしていると、ささいな拍子に突然、電話が切れることがあります。
理由は、さまざまです。
・電波が悪いため、途中で切れてしまった
私が社会人になったとき、先輩から電話対応について、たくさんマナーを教わりました。
特に「え? これもマナー違反なの?」と最も意外で驚いた電話マナーを紹介します。
「もしもし」を使ってはいけないというマナーです。
電話では、相手の表情や態度、しぐさやジェスチャーが見えません。
届くのは、声だけです。
そのため、電話対応では「聞き間違い」がよくあります。
電話を通してお願いをするのは、なかなか難しい課題です。
電話をかけて「これをお願いしたいのですが」と言われても、断られるケースが少なくありません。
相手が見えないからです。
プルルル!
ある日、会社の電話が鳴りました。
しかし、誰も出ない。
「まあ、誰かが出てくれるだろう」
みんな、同じようなことを考えて、誰も出ようとしません。
目の前にある仕事が忙しくて、電話対応なんてしていられないと思っているのでしょうか。
それとも電話は新人が取るものだと思っているのでしょうか。
あなたの職場では、こうした状況になっていませんか。
正直なところ、たしかに電話対応は面倒です。
しかも緊張します。
電話対応は社会勉強のためということもあり、入社したばかりの新人がよく対応することになっている会社が多いようです。
私も、入社して最初の仕事が「電話対応」でした。
会社にかかってくるすべての電話を、まず私が取って対応しました。
就業時間の9時前から、会社の電話が鳴り始めます。
営業の電話やお客さまからの電話など、多様な用件で連絡がかかってきます。
お昼時間(12時~13時)にもかかわらず、連絡がくるのは当たり前です。
電話の用件に合わせて対応するのは、新人にとって、たしかに社会勉強になると感じます。
しかし、電話を出るのは新人だけという偏りは良くありません。
電話対応は新人だけの仕事ではありません。
基本的に、電話対応は全員の仕事なのです。
「新人、早く電話取れよ」と人任せにしている会社があります。
しかし、本来は「出られる人が出る」というのが基本姿勢です。
電話をかけるお客さまから考えれば、誰でもいいから早く電話に出てほしいと思っています。
早く電話に出られるほうが、印象もよくなります。
「まあ、誰かが出るだろう」
そう思うのではなく、自分から率先して電話に出る人が、できる社会人なのです。
電話対応の理想について、まず整理しましょう。
電話対応は「誰が取るか」は重要ではありません。
新人だけの仕事ではありません。
本当に大切なことは「早く取って、丁寧な対応をすること」です。
まず、このポイントをしっかり押さえておきましょう。
電話対応は、新人ばかりの仕事ではないのです。
隣のデスクの電話が鳴ります。
しかし、隣の人がいないときには、自分が対応します。
「自分には関係のない電話だろう」と思っても、すぐ取るのです。
お客さまの立場になって考えてみましょう。
電話をして、呼び出し音3回以内に出る電話は、印象が良くなります。
「この会社はスピードがあるな。仕事をお願いしてもすぐ対応してくれそうだな」
電話に出るのが早いだけで、お客さまへの印象は向上します。
単なる電話対応とはいえ、お客さまと直接対応していることに変わりません。
もう1つ忘れてはならないことがあります。
「対応の丁寧さ」です。
たとえ電話にすぐ出ることができても、偉そうで乱暴な対応では、印象が悪くなります。
特に「言葉遣い」は重要です。
姿が見えない電話では、言葉しか伝えることができません。
できるかぎり丁寧な言葉を使い、親切な対応を心がけるしかないのです。
丁寧な対応が必要です。
電話対応で必要なのは「早く取ること」と「丁寧な対応」の2つだけです。
たったこの2つだけと思えば、簡単な話です。
会社の電話対応で、まず間違えてしまうことは「敬称と敬語の使い方」についてです。
「目上の人には敬称と敬語を使って話をする」というのが、社会人としてのマナーです。
社内では上下関係に応じて、敬語と謙譲語を使い分けます。
しかし、電話対応の際は、この使い方が一転します。
お客さまからかかってくる電話連絡すべては、社内の人間のことを、地位にかかわらず「敬称抜き」で呼ぶようにしましょう。
社内で「鈴木部長」と呼んでいても、お客さまからの電話には「鈴木」と呼びます。
「小野寺社長」と呼んでいても、お客さまからの電話には「小野寺」で呼びます。
呼び捨てで呼ばなければなりません。
「敬称」だけでなく「敬語」も使ってはいけません。
社内では、地位の高い人に対しては敬語を使います。
社内では「小野寺社長が電話に出ていらっしゃる」と使います。
お客さまに対しては「小野寺はただ今、ほかの電話に出ています」と敬称抜き、敬語抜きで話します。
「目上の人なのに、失礼では?」と思うでしょうが、これでいいのです。
それは社内だけの話です。
お客さまに対しては、社内の人間の地位はすべて関係なく、敬称抜き、敬語抜きで話すようにします。
この違和感は、私も慣れるまでに多少時間がかかったところです。
お客さまに対しては、社内の人間すべては、お客さまより頭が低くなります。
たとえ、社長でもです。
お客さまに対して「弊社の小野寺社長は」と話すと「お客さまより偉い、地位が高い、大切にしている」印象を与えます。
ビジネスの場では、マイナスの印象となります。
まずはお客さまを大切にしようという姿勢を、言葉遣いから表現するのです。
お客さまからの電話では、自社の人間のことを、敬称抜き・敬語抜きで話します。
お客さまに対して敬意を払うため、自社の人間は地位にかかわらず、敬称と敬語を抜いて話をします。
しかし、例外もあるので注意が必要です。
たとえば、家族からの連絡のときです。
家族には、社内で使う敬称と敬語を、そのまま使います。
理由は「家族に対して敬意を払うため」です。
もし、あなたが自分の家族のことを他人に呼び捨てにされれば、どう感じるでしょうか。
父の会社へ電話をしたとき「水口は席を外しております」と呼ばれると「大事な家族を呼び捨てにされた」と悪い印象になります。
こういうときには、社内のときと同じように、敬称を付けて話すようにしましょう。
「水口社長は、ただ今席を外していらっしゃいます」
「水口部長は、ただ今会議に出席されているようです」
社内で使う敬称と敬語を、同じように使えます。
使い分けは難しいところですが、早く慣れるようにしましょう。
家族が会社に連絡することは少ないかもしれませんが、頭には入れておきましょう。
電話で相手の声が遠いことがあります。
声が小さくて聞き取れないときです。
そんなときにはやむなく、もう少し大きな声で話してもらえるようにお願いします。
しかし、そのお願いの仕方にもマナーがあります。
「もっと大きな声で話してください」
こんなぶっきらぼうなお願いをしていないでしょうか。
この言い方では「お願い」ではなく「命令」になっています。
お客さまに命令するのは、スマートな言い方とは言えません。
いくら聞こえにくいとはいえ、こうしたお願いの仕方では、相手に不快感を与えます。
マナーのある社会人なら、丁寧にお願いできるようになりましょう。
「申し訳ございません。少々、お電話が遠いようなのですが」
初めに「申し訳ございません」と断りを入れてから話し始めるところがポイントです。
「受話器が口元から遠いので、声が小さくて聞き取りにくい」ということを「お電話が遠い」という表現で伝えます。
曖昧に伝えるのが得意な日本人は、このようにして言いたいことを伝えます。
なかなか上手な表現ですね。
この言い方なら、相手に失礼にはなりません。
相手は、自分の声が聞こえにくいことを察知してくれます。
「私の声は聞き取りづらいのだな」と思えば、大きな声で話してくれるようになります。
ささいな言い方の工夫で、問題は解決するのです。
「それでは失礼いたします」
お客さまとの会話が終わり、電話を切ろうとしたときのことです。
残念なことに、電話を切るときにマナーを忘れる人がいます。
電話に出て、話をするところまでは丁寧でも、話が終わったときに気を抜いてしまいがちです。
その代表例は「電話をがちゃんと切ってしまうこと」です。
がちゃんと切ったときに、相手がまだ耳元に受話器をつけたままだと、不快な音を聞かせてしまうことになります。
以前、相手が激しく受話器を置いて切ったために「がちゃん」と大きな音が受話器で鳴り響き、耳がつんときたことがあります。
怒って電話を切ったのだろうかと、勘違いしてしまうほどです。
せっかく良い会話ができたと思ったにもかかわらず、後味の悪い切り方。
もったいないことをしています。
電話で話が終わったら、そこで電話対応が終了していると思っています。
受話器を置くまでが電話対応です。
電話を切り終わる、最後の瞬間まで電話対応は続いています。
受話器をゆっくり置く癖をつけましょう。
さらに丁寧に切りたいときには、受話器を置くフックを指で押して、電話を切る方法もあります。
これを心がければ「がちゃん」という不快音を出すことはありません。
丁寧な電話の切り方を紹介します。
これはコールセンターのような電話対応のプロたちが行っている大変丁寧な電話の切り方です。
私の知り合いにコールセンターでの業務を経験した人がいます。
丁寧な電話対応の手法を教えてもらったことがあります。
ぜひ、参考にしましょう。
その丁寧な切り方というのは「相手が切るまで待つ」という方法です。
「失礼します」と言って電話を切る際に、自分は受話器を置かず、相手が受話器を置いて電話が切れるまで待ちます。
もし自分が先に受話器を置けば、ガチャンという音で相手を不快にさせてしまいます。
また先に電話を切った印象から「私との会話、そんなに早く終わらせたかったのかな」という印象も与える可能性があります。
電話を切る際には、相手が先に切るまで待てばいいのです。
相手が受話器を置けば「ガチャ」という音で切ったことがわかります。
その音を確認してから、こちらも受話器を置くのです。
この方法なら、相手に一切の不快を与えずに電話を切れます。
一般の人がここまで気遣う必要はありませんが、相手に丁寧な印象を与えたい場合には、やって損はない切り方です。
まれに、相手も同じようなことを考えていることがあります。
相手もこちらの電話を切るのを待っているために、お互いに切るに切れない場合があります。
そうしたときには「どうぞ先にお切りになってください」と、ひとまず譲るようにしましょう。
コールセンター並みの丁寧な対応ですが、社会人なら、できるようになっておきたいところです。
私は次の文章を書くために、ささいな頭痛と吐き気を催してしまいました。
そのくらい、今思い出しても、深い後悔と未熟さに情けなくなり、ため息が出てしまいます。
私がこれまでしてきた「電話対応の失敗ベスト1」を紹介します。
私が新入社員として、入社数カ月目に起こった出来事です。
まだまだ私は電話対応になれておらず、あたふたしていました。
そんなある日、会社に営業の電話がかかってきました。
「社長はおられますか」という切り口で、話が始まりました。
社長はすでに定時で退社したため、会社にはいませんでした。
話の内容から、営業の電話というのはわかりました。
しかし、営業の人に対してどう対処していいのかわからなかったほど、未熟だった私は困りました。
営業のうまい話し方に操られ、うっかり社長の携帯番号を教えてしまったことがあります。
今思い出しても、なんということをしてしまったのでしょうか。
10分後、社長からすさまじい怒りの電話がかかってきました。
「今、携帯番号を教えたのは誰だ! ばかやろう!」
営業の電話が社長の携帯に直接かかってきたことで、誰かが自分の携帯番号を教えたことを察知して、すぐ本社へ連絡がきました。
怒るのも当然です。
プライベートの携帯電話に直接営業の電話がかかってくれば、教えた人間を怒鳴ります。
そのときに大変な間違いを犯してしまったことに気づいたのです。
ひどく怒鳴られ、次の日も、引き続いて叱られました。
私はその後、この件でどんな人からの連絡でも、携帯電話の番号を教えないようにしました。
では、このとき、私はどのような対応を取るのが適切だったのでしょうか。
「営業のお電話はお断りします」と貫けば良かったのです。
相手にどんな強い押しがあっても、とにかく教えていけないものは教えてはいけません。
「相手に悪いな」「せっかく電話してもらったのに」という罪悪感があるのは、学生気分が残っている証拠です。
社会人では、クールに厳しく言わなければならないときがあるのです。
「連絡を取りたい。連絡先を教えてくれ」
こうした電話には、一切お答えしてはいけません。
携帯番号はもちろんのこと、自宅の連絡先、会社の連絡先も教えてはいけません。
もし、あらかじめ本人から伝えてもいいという許可があればかまいません。
しかし、基本的に許可のないものに関しては、絶対教えてはいけません。
親友、家族、恩師など、誰であろうと連絡先を教えてはいけません。
「親しい仲の人間なのだが」と装って、教えてもらおうとするケースがあります。
また家族を装って、連絡先を教えてもらおうとする悪質なケースまであります。
誰からの連絡であろうと、すべて断ってかまいません。
万が一、本当に連絡を取りたければ、名前を伺って、その方の連絡先を教えてもらいます。
「本人に伝え、折り返し連絡を差し上げます」と言えばいいのです。
急いで連絡が欲しいという相手からでも「至急こちらで連絡を取り、折り返し、連絡をさせます」でかまいません。
よく考えてみましょう。
親しい仲なら、当然、連絡先を知っているはずです。
家族からの連絡なら、家族こそ、本人の携帯番号を知らないはずがありません。
「親しい仲」「家族」というキーワードを耳にすれば「教えてもいいかな」と心の緩みが出てしまいますが、断っていいのです。
2004年4月から「個人情報保護法」が始まり、本人の確認が取れないかぎり、教えてはいけない法的なルールまであります。
自信を持って、堂々と断らなければいけません。
どんな電話相手であろうと、携帯番号を直接教えるのはタブーなのです。
電話をかけるときも受けるときも、共通の電話マナーがあります。
「メモを取ること」です。
まず、電話をかけるときです。
会話をスムーズに進められるように、あらかじめ必要な用件をメモしておきます。
箇条書きで構わないので書いておくと、話を正確に進めることができます。
話すべき内容を忘れてしまうという事態も防げます。
電話を受けるときに必要である理由は、言うまでもありませんね。
相手からの用件を聞き漏らさないために、メモはもちろん必要です。
片手で受話器を持ち、もう片手でメモを取りながら対応します。
いつ、誰から、誰宛てに、何の用件でかかってきた連絡かを、頭で覚える必要はなく、メモを取ればいいだけです。
細かい用件ほど、頭では覚えにくくなり、メモが頼りになります。
忘れてはならないのが、友人と電話をする同じ感覚で電話をしてはいけないということです。
ビジネスの場における電話対応は、仕事であり、お金が関係しています。
ささいな会話でも、メモは必要です。
メモを取っていないと「何を話したんだっけ」と忘れしてしまうことがあります。
それが、会社にとって大きな損失を招きかねないのです。
プルルル。
電話が鳴りました。
さあ、あなたなら、右手と左手、どちらで受話器を取りますか。
「受話器を取るときに、手は関係あるの?」
はい。
大いに関係があります。
基本的に受話器を取るときには、利き手ではないほうで取るようにしましょう。
たとえば私なら、右利きですから、利き手ではない左手で受話器を取ります。
なぜそんなことをするのかというと、右手はメモを取るのに使うためです。
電話対応の際は、メモを取ることが基本です。
利き手のほうが、メモを素早く書くことができ、自由に動かしやすくなるからです。
ささいなポイントですが、知っておくと電話対応が楽になります。
先日、私が電話を取ったときのことです。
電話を取るやいなや、突然、相手は自分の用件を話し始めました。
「○○会社のAです。先日のお話の件ですが、弊社で確認したところ……」
私はちょうど電車の中にいました。
移動中であり、まともに電話対応できる状況ではありませんでした。
しかし、相手は一方的に自分の用件を話し続けます。
私は困ってしまったことがありました。
自分もこうした対応をしていないかと、振り返ってみました。
用件があるから、電話をします。
しかし、用件があるからとはいえ、電話に出てすぐ用件を話し始めるのは、マナー違反です。
このときに足りないのは、相手の状況を気遣う言葉です。
自分の電話を振り返ってみましょう。
いきなり、自分の用件を話し始めていないでしょうか。
相手は会議中かもしれませんし、トイレの中かもしれません。
作業中かもしれませんし、話し合いの途中かもしれません。
どんな電話であろうと、まず相手の状況を確かめる一言が必要です。
「今、お時間、よろしいでしょうか」
相手の状況を確かめる一言です。
この言葉があれば、気持ちよく会話を始めることができます。
電話が鳴ったときには、呼び出し音3回以内に取るように心がけましょう。
早ければ早いほどいいのです。
どれだけ早く取るかを、ほかの社員と争うくらいでかまいません。
もし、呼び出し音5回を超えてしまったら「大変お待たせしました」という言葉を加えるようにしましょう。
5回を超えたくらいから、電話をしているほうは「待たされている」という印象が強くなり始めます。
仕事において、早いことは常に「プラス」であり、遅いことは常に「マイナス」になります。
そのくらい、早い対応を心がけてほしいのです。
電話対応の早さは、仕事の速さと比例します。
呼び出し音が鳴ってからすぐ受話器を取る姿は、上司から仕事の依頼があってすぐ取りかかる仕事の姿とまったく同じです。
電話が鳴ってから電話を取る早さを、上司はしっかり確認しています。
行動の早い人は、できる社会人です。
「営業の電話」
「間違い電話」
「いたずら電話」
仕事中には、仕事には関係のない電話がかかってくる場合があります。
仕事には関係ない電話です。
「迷惑電話」と言ってもいいでしょう。
しかし、いくら仕事には関係のない電話とはいえ、常に丁寧に対応することが大切です。
しつこい営業の電話とはいえ、暴言を吐くのは、会社のイメージを下げてしまいかねません。
丁寧に断ればいいことです。
間違い電話なら「間違っていますよ」と教えてあげればいいことです。
場合によっては、こちらの電話番号と相手のかけた電話番号を確かめると、なお親切でしょう。
いたずら電話だからとはいえ、こちらもとげのある対応をしてはいけません。
社内にはほかの人間もいますし、暴言を吐くとほかの社員も驚きます。
仕事には関係のない電話の対応も、慣れておくようにしましょう。
単純な内容を電話で伝えるだけならいいのですが、社会ではそうもいきません。
もちろんシンプルにわかりやすく話をするのは、常に社会人としての命題です。
しかし、仕事では、複雑な内容を相手に伝えなければならないときがあります。
そうしたとき、いきなり話し始めるのではありません。
電話で複雑な内容をお話しする場合には、話す前にあらかじめ了承を得ておきましょう。
「ちょっと複雑な内容になりますがよろしいでしょうか」
「少々、説明が長くなりますが、よろしいですか」
この一言があれば、少々長い説明も、許されます。
相手もメモを取る準備を整えてくれることでしょう。
いきなり複雑な説明は、相手も驚き、あきれます。
初めに断りを入れてから話すというマナーを、忘れないようにしましょう。
長い説明や複雑な説明は、初めに断りを入れておきます。
これは、電話マナーの基本です。
しかし、そもそも「言葉での説明が難しい内容」もあります。
場所の説明、商品の外観など、ある程度言葉で伝えることはできても、やはり限界があります。
どうしてもというときには「ファックスを使う」という手段も考慮に入れておきましょう。
地図のように道を案内する場合には、口頭で説明するより、地図1枚があれば早くて正確です。
言葉で説明するより、ファックスで1枚送れば済む話です。
商品の外見はどんなものなのかは、実際に見ていただくほうがはるかに正確で話も早く進みます。
「百聞は一見にしかず」です。
電話だけが手段ではないのです。
時にはファックスも大いに活用して、ビジネスをスムーズにしましょう。
私が学生のころ、夜に電話をかけると、親に注意されていました。
「夜の電話は迷惑になるだろう。明日にしなさい」
深夜になれば、夕食を終え、お風呂に入っているかもしれませんし、すでに寝ているかもしれません。
携帯電話を使って、個人的に連絡をする際も同じです。
深夜2時に電話をかけられても、睡眠の妨げになります。
夜の電話は相手の迷惑になりますが、社会人にとってもまったく同じです。
しかし、社会人になれば、さらに「注意しなければいけない時間帯」が増えます。
まず、始業前ですが、これは言うまでもありませんね。
仕事が始まる前に連絡をしても、連絡を取れないことはわかっています。
わかっているにもかかわらず、電話をする人がいます。
始業前には連絡をしても出られない場合が多いので、対応の手間が増えてしまい、迷惑になります。
次に、始業直後です。
多くの会社では始業直後に「朝礼」があります。
職場が静まり、代表からの大切な話があるときに、あなたからの電話の呼び出し音で雰囲気を壊してはいけません。
電話のせいで、大切な話を聞き逃してしまうことになりかねません。
昼食時です。
12時から13時は、昼休憩のため、社員が一斉に休憩します。
席を外して食堂へ行くこともあれば、デスクで仮眠を取ることもあるでしょう。
そんな休憩時に、仕事の電話が鳴れば困ります。
休憩の時間帯ですから、緊急時を除き、仕事の連絡は避けるようにしましょう。
ある日、同僚の1人が電話対応していました。
電話の内容はさておき、まず気づいたのは「姿勢の悪さ」です。
足を組み、頰づえをついて、猫背になって電話をしていました。
お世辞にも、姿勢がいいとは言えません。
見るからに、やる気のなさを感じます。
電話だからお客さまには見えていませんが、私たちにはよく見えています。
「この人はきちんと仕事ができるのだろうか」
その姿勢の悪さを見ていると、他人ながら心配になります。
せっかく電話対応がよくても、対応中の姿勢が悪ければ、職場での評価が落ちてしまいます。
もったいないですね。
電話の特徴は「お互いが見えないこと」です。
髪型や顔、服装など関係なく、気軽にかけられることが長所です。
それはいいことでもあり、悪いところでもあります。
どうせ見えないからとはいえ、だらしない姿勢で電話対応をしていると、今度は社内に人からの評価が下がってしまいます。
姿勢にも気を配りましょう。
あなたの電話対応の姿勢が、社内の人から見てどう映っているかを確認しておきましょう。
会社の電話代は、会社から出ます。
仕事に関係する電話は、仕事の一部として会社からお金が出るのは当然です。
しかし、会社からお金が出るからと言って、会社の電話を私用で使ってはいけません。
会社で使用する電話は、業務で使用するために置いています。
個人利用のために置いているわけではないのです。
たとえば、飲み会を開くため、お店へ予約する場合を挙げましょう。
終業後に職場の忘年会のために行くお店への予約は、仕事に関係することですから、会社の電話を使用してもセーフです。
しかし、仕事とはまったく関係のない人と飲みに行くお店への予約に、会社の電話を使用するのはNGです。
個人的に向かうお店への予約も、NGです。
それは業務に関係のないことです。
飲みは飲みでも「仕事に関係する飲み」と「個人的な飲み」があります。
業務に関係したことなら、会社の電話を使ってかまいません。
業務に関係ないことは、会社の電話を使ってはいけないのです。
判断が難しい場合には、上司に相談しましょう。
個人的に使用して叱られてからでは遅いのです。
会社の電話は業務のために使用するのであって、個人的な利用のために用意されているわけではないのです。
話の種類にもいろいろあります。
単なる雑談から、会社の運営に関わるような重要な話まで、さまざまです。
ささいな仕事の用件なら、電話でやり取りをすることもできます。
電話のほうが、素早く相手と連絡が取れるので、仕事がスピードアップします。
しかし、重要な話に限って、電話はあえて避けるのがマナーです。
理由としては、まず電話では、お互いが話しにくい環境だからです。
重要な話というのは、往々にして周りに聞かれてはいけない内容です。
しかし、電話というのは、たいてい周りにほかの社員がたくさんいます。
職場の人間だけでなく、お客さまやほかの会社の人も近くにいる場合があります。
重要な話を電話でしようとすると、周りに人がいるため、大変話しにくくなります。
電話をする側も、される側も、電話での重要な話は迷惑なのです。
また電話なら、説明がしにくくなり、声が聞こえにくかったり、相手の表情がわからなかったりします。
電話なら、重要な用件も軽く聞こえます。
いつでも軽く素早く連絡できる手段であるため、大切な話をする場合には、軽く扱っているような印象さえ与えます。
重要な用件ほど、きちんとミーティングスペースを予約して、相手と直接会って話をしましょう。
重要な話ほど直接会って話すほうがいいのです。
「電話の際はメモを準備する」
これが大切なのは言うまでもありませんね。
ある程度、電話対応に慣れれば、メモを準備することは体が覚えます。
電話をかけるときであろうと、かかってきたときであろうと、メモは必須です。
電話がかかってきたときには、話の内容をメモします。
電話をかけるときには、あらかじめ話す内容をメモにまとめておきます。
そうすることで、会話をスムーズに進めることができるからです。
大切なメモを電話の際に、忘れる人は少ないものです。
しかし、もう1つ大切なことを忘れている人が多いです。
カレンダーです。
電話で話をしていると、自然と「日程の話」になります。
どんな職種であろうと、仕事の話をしていると、日程調整の話になります。
そんなとき、カレンダーが必要です。
「いつが都合良いか」
「15日は、何曜日か」
「前回、話をしたのは何日であったか」
そんな話になってから、慌ててカレンダーを準備している人がいます。
日程とは関係のない会話内容でも、突然、カレンダーが必要になることがあります。
日程の関係ないであろう話でも、いつ、日程の話になるかわかりません。
どんな会話でも、カレンダーは確認できるようにしておくことです。
いつ日程の話になっても、すぐ確認できるように、カレンダーは常にデスクの上に置いておけばいい。
いつでも確認できるようにしておきましょう。
電話がかかってきても、名前を名乗らない人がいます。
しかも、少し偉そうです。
「俺だけど」
「社長はいるか」
名前を名乗らないからと言って、いたずら電話や間違い電話だとは限りません。
こういうぶっきらぼうな電話に限って、大切なお客さまの場合が多いのです。
長い付き合いになっているお客さまの場合、名前を名乗らずに、いきなり話し始めることがよくあります。
私が新人時代に電話対応をしていたころも、自分の名前を名乗らずに、いきなり話を始める人が意外に多いことに驚きました。
そのときは「いたずら電話かな」と思い、そそくさと電話を切りました。
ところが、後になって大切なお客さまであったと知り、社長から叱られたことがありました。
だからとはいえ、名乗らない人はすべて常連と思ったら、そうでもありません。
やはりただの営業の電話であったり、悪質な電話であったりします。
名前を名乗らない相手をきちんと区別するには、どうすればいいのでしょうか。
難しいことではありません。
落ち着いて「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と尋ねればいいのです。
電話に慣れてくると、営業の電話を断るのがうまくなりますが、行きすぎて常連のお客さままで追い払ってしまうことがあります。
逆に名前を名乗らない人を、大切なお客さまだと決め付けるのもいけません。
この区別も、できるようになっておくといいでしょう。
名乗らない相手には「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と落ち着いて質問すればいいのです。
電話でメモを取る際には、気をつけてもらいたいことがあります。
メモを取った内容について「復唱する」ということです。
電話では相手の顔が見えません。
しぐさもわかりません。
わかるのは「声」だけです。
声だけですから、伝達力が弱くなります。
電話では「聞き間違い」「聞き漏らし」「話の誤解」が多いですから、会話の内容を復唱するのは基本です。
電話番号や住所のような細かい情報なら「念のため」と思い、復唱は自然とできてしまいます。
しかし、たとえ簡単な内容でも、やりとりの間違いや誤解を防ぐために、復唱するようにしてほしいのです。
簡単な内容は復唱するまでもないと思っている人が多いですが、どんな内容であろうと、復唱をして確認をすることは、基本です。
日にち、時間、場所、用件、相手の名前、連絡先。
一度メモをとっても、本当に間違いがないか復唱します。
「連絡先について、もう一度確認させてください」
「12日の13時から、○○ビルの7階、E会議室でよろしいですか」
「出席者は、13名でよろしいですか」
復唱による効果は、間違いを防ぐだけではありません。
電話相手にとっても「きちんと対応してくれているな」「頼りになる」という安心感をもたらします。
できる社会人は、このちょっとした気遣いで、ほかの人と差をつけるのです。
電話対応では、否定する言葉を言わざるを得ないときがあります。
「いません」
「いりません」
「知りません」
「わかりません」
強い否定言葉は、ニュアンスがはっきり伝わります。
ビジネスの場ではっきり伝えるのはいいのですが、とげのある言い方は好ましくありません。
否定は事実でも、もう少し「言い方」というものを工夫してはいかがでしょうか。
「Aさんはいますか」とお客さまからの連絡に対して「いません」の一言で済ませては「対応の悪い会社だな」と思われます。
せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいます。
せめて、フォローの言葉を続けるようにしましょう。
「Aはただ今、席を外しておりますが、30分ほどで戻ると思いますが」
「戻りしだい、折り返し、連絡させるようにいたしましょうか」
「私でよければ、ご用件をうかがいますが」
こうした具体的なフォローの言葉があるだけで、印象はまったく変わるものです。
「次の打ち合わせだけど、来週の火曜日はいかがですか」という問い合わせに対して、都合がつかない場合にどう答えますか。
「火曜日は無理です」とダイレクトに断るのはスマートではありません。
「ありがたいお話ですが、スケジュールが厳しいため」
「できれば、ほかの曜日のほうが助かるのですが」
曜日がダメなら、ほかの日を提案できるような話し方にすればいいのです。
相手の配慮に応えるような、対応を心がけましょう。
初めはどう答えるべきか、慣れがないと対応が難しいものです。
数をこなして慣れていきましょう。
私は読書が好きなので、ときどき本の在庫があるかどうかを、書店へ問い合わせることがあります。
「○○出版社から出ている○○という本を探しているのですが」
書店の人は「確認しますので少々お待ちください」といい、保留ボタンを押します。
保留の音楽が流れて、しばらく待ちます。
3分以上も時間が過ぎれば「いつまで待たされるのだろうか」と不安になります。
さすがに5分以上待たされているときには「待たされている」という不快感もかなり強くなります。
10分以上待たされたときには「保留していることを忘れているのでは?」と心配でなりません。
これは、会社における電話対応時にも同じです。
電話をしていると確認のために、一度保留ボタンを押して、待っていただく場合があります。
ささいなスケジュール確認で、数十秒くらいならいいでしょう。
しかし、3分以上時間がかかると、逆に相手を待たせてしまうことになります。
待たせている時間は、相手の貴重な時間を奪っていることになります。
5分も過ぎる保留があらかじめわかっていれば、一度電話を切ったほうが親切です。
確認内容がわかりしだい、こちらから折り返し連絡をしましょう。
保留をする際にも気配りが必要です。
貴重な時間をケアできてこそ、社会人なのです。
電話には、いいところも、悪いところもあります。
いいところは、手軽に素早く簡単に連絡が取れることです。
悪いところは、相手の声からしか伝わらないため具体性に欠け「聞き漏らし」「聞き忘れ」「聞き間違い」が起こりやすいことです。
この長所と短所を、状況に応じて判断して、臨機応変に電話を使えるようにしたいところです。
私は、複雑で難しい内容を伝える場合には、電話よりメールで伝えるようにしています。
理由はシンプルです。
相手の身になって考えましょう。
伝える側は内容がわかっていますから、早口で説明できます。
しかし、聞く側は、初めて聞く内容ですから、理解に苦しみ、なおかつ声だけしか聞こえない電話です。
当然ですが「聞き漏らし」「聞き忘れ」「聞き間違い」が起こりやすくなるでしょう。
電話をしながらとったメモが、初めから誤解した内容で書き取っていたという例も少なくありません。
ストレスは、かなり大きくなります。
そこで、あえてメールを使います。
相手の都合の良いときに、いつでも確かめることができます。
メールの長所の1つです。
またデータを削除しないかぎり、メールは残り続けます。
長くて複雑な内容も、本人のペースでゆっくり確実に理解していけます。
電話で会話をしていると、切った後に「どんな内容を話していたんだったかな」とうっかり忘れることはありませんか。
電話なら「聞き漏らし」「聞き忘れ」「聞き間違い」が起こりやすく、誤解も生まれやすいものです。
トラブルを少なくしようとかけた電話で、余計にトラブルを増やしてしまいかねません。
人間ですから、一生懸命に内容を聞いていても、油断して忘れてしまうことや、話をいつの間にか誤解していることがあります。
そういうときこそ、説明文をメールで送ってもらえると、助かります。
詳細が記載され、細かく何度でも読み直せます。
電話が適切ではない状況もあるのです。
内容が長く複雑になるものは、あえて電話は使わず、メールを使うのもマナーです。
そのほうが、親切丁寧です。
必ずしも「電話が良い」とは限らないのです。
電話をしていると、ささいな拍子に突然、電話が切れることがあります。
理由は、さまざまです。
突然電話が切れるのは、相手が悪い場合もあれば、こちらが悪い場合もあります。
やはり突然電話が切れてしまうのは、気持ちの良いものではありませんね。
間違って切ってしまい、申し訳ない気持ちから、切ってしまった側からかけ直したくなる気持ちもあるでしょう。
しかし、気をつけなければいけないのは、ここです。
「切ってしまった側からかけ直す」のではなく「かけた側からかけ直す」のが、社会での電話マナーです。
自分からかけた電話を、相手にかけ直させるわけにはいきません。
通常は、かけた側からかけ直し、突然切れてしまったことをおわびします。
切れてしまった理由がどうであろうと、かけた側からかけるほうが、スムーズに事が運びます。
逆に電話を受けた側は、待っているのがマナーです。
切れた原因が自分にあっても、待っていてかまいません。
もしこのタイミングで連絡をしてしまうと、電話のタイミングがちょうど相手とぶつかり、余計に連絡が取りづらくなります。
突然、電話が切れて、私も相手も同時にかけ直すと、タイミングがぶつかり、なかなか連絡が取れなくなります。
急いだあまり、余計に連絡が取れなくなってしまう失敗例です。
切れた電話をかけ直すのは、かけた側の仕事ですから、焦らず任せていいのです。
切れてしまった原因が自分にある場合でも、かけた側からかけ直すというマナーを慌てずしっかり守りましょう。
私が社会人になったとき、先輩から電話対応について、たくさんマナーを教わりました。
特に「え? これもマナー違反なの?」と最も意外で驚いた電話マナーを紹介します。
「もしもし」を使ってはいけないというマナーです。
「まさか」と思う人もいるのではないでしょうか。
実は、社会における電話対応では「もしもし」を使ってはいけません。
ある日、仕事中に私へ連絡がありました。
「水口君、電話だよ」
先輩から声がかかります。
そこで電話を取った私は、当たり前のようにこう言います。
「もしもし、お電話代わりました、水口です」
しかし、電話を切った後に先輩から指摘を受けます。
「水口君、『もしもし』は学生言葉だから使ってはいけないよ。『はい、お電話代わりました』といったほうがいいよ」
「もしもし」を使ってはいけないと指摘を受け、驚いたものです。
今まで20年以上も「もしもし」を使い続けていただけに、このときのショックは大きいものでした。
実は学生言葉なのだと、先輩から指摘を受け、初めて知ります。
社会人になってからは「もしもし」というところを「はい」と言わなければなりません。
「はい」と答えるほうが、きびきびした好印象を与えることができ、社会人らしいからです。
もちろん相手の声が聞こえにくいときには、わざと「もしもし」と言ってもかまいません。
しかし、電話対応の基本は「はい」で十分なのです。
電話では、相手の表情や態度、しぐさやジェスチャーが見えません。
届くのは、声だけです。
そのため、電話対応では「聞き間違い」がよくあります。
「1月」を「7月」と聞き間違えることはよくあります。
早口で話をされると、ただでさえ聞き取りにくい電話が、さらに聞き取りにくくなります。
親切丁寧な電話対応では、こうしたことを防ぐために、次のことを心がけましょう。
わざと「ゆっくり」話をするのです。
ささいなことですが、これもきちんとしたマナーです。
日常で話すスピードより、さらにゆっくり話をするのは、相手にとって聞き取りやすくなります。
話のスピードがほんの少しゆっくりになるだけでも、会話は聞き取りやすくなり、理解もしやすくなります。
聞き間違いも、もちろん少なくなります。
特に緊急のときこそ、このマナーは必須です。
急いでいる用件だからとはいえ早口で話をしていると、誤解して伝わってしまい、余計にトラブルを引き起こしかねません。
急いでいるときこそ、ゆっくり話をして、確実に話を伝えられるようにしましょう。
電話を通してお願いをするのは、なかなか難しい課題です。
電話をかけて「これをお願いしたいのですが」と言われても、断られるケースが少なくありません。
相手が見えないからです。
見ることも、見せることも、触れることもできません。
お願いをするときには、頭を下げるものですが、電話では見えませんから頭の下げようがありません。
困った表情で頭を下げれば、ノーとも言いにくいですが、残念ながら電話では何も見えません。
電話を通してするお願いは、最も通りにくいのです。
こうしたとき、どうすればいいのでしょうか。
実は、こんなときもコツがあります。
まず、お礼から話し始めればいいのです。
以前に受けたお世話の感謝をしてから、会話を始めます。
「ありがとうございます」という感謝を加えた会話は、必ず印象が良くなります。
言葉しか伝えられない電話では、感謝を伝えることで機嫌をよくしてもらうのです。
「いつもお世話になっております」
「先日はどうもありがとうございました」
「先日の打ち合わせではお世話になりました」
感謝をされると、まず電話を気持ちよく始めることができます。
笑顔を見ることはできませんが、言葉でイメージを伝えることならできます。
相手に少しでも気分よくなってもらってから、自分の話をすれば、前向きに聞いてもらいやすくなるのです。