さて、あなたの生活を振り返ってみましょう。
段取りの良い生活をしているでしょうか。
段取りとは「事の順序・方法を定め、工夫を凝らす」ということです。
試験に落ちた。
仕事で失敗をした。
恋愛がうまくいかなかった。
人間は、面倒を嫌がる生き物です。
面倒だから、なんとか楽をしたいと考えます。
さて、こんなとき、2種類の人間にわかれます。
テストの結果は、段取りで変わります。
あなたはテストを受験する際、まずどの問題から解き進めていきますか。
まず1問目から順番どおりに進めていくのは、段取りがいいとは言えません。
会議が活性化するかどうかは、段取りで決まります。
ポイントは「会議で配る資料の渡し方」です。
まず、段取りの悪い会議からお話しします。
資料をもっとわかりやすくするために、どうしていますか。
まず思い浮かぶのは、図表を加えて、視覚的に理解をしやすくしようという工夫です。
たしかに図表は大切です。
少年野球では、注目の集まるバッターかピッチャーを、みんながやりたがります。
しかし、ライトのような、めったに球が飛んでこないようなポジションは嫌がります。
理由は単純です。
段取りのよさから考えると「単発」より「連続」です。
連続のほうが、より早く、より質が高くなります。
続けて行うことには、数多くのメリットがあります。
私がアメリカを旅行したときのことです。
たまたま夏休みの時期と重なり、なかなか航空券が思うように取れませんでした。
日本から直接アメリカへ行く旅券はなんとか取れましたが、アメリカから日本へ直接向かう旅券は、予約がいっぱいで取れません。
段取りの下手な人は、段取りをよくしようとするために、コミュニケーションをカットしようとします。
コミュニケーションをカットすれば、人と会話をする手間もなく、楽ができると思っているからです。
たしかに気が進まない付き合い、煩わしい人間関係があるのは事実です。
段取りとは「区切る力」と言っても過言ではありません。
勉強なのか、仕事なのか、遊びなのか、デートなのかをしっかり区切ることで、1つのことに集中できます。
結果として、スピードも質もよくなり、内容も濃くなります。
ある日のことです。
朝、部下のKさんが、9時を過ぎても出社してきません。
どうやら遅刻のようです。
カレーをつくるときには、鍋の中に具を入れます。
しかし、入れるとはいえ、適当な順番で入れればいいわけではありません。
正しい順番があります。
集中力を鍛えるためには、特別な訓練は不要です。
心を鍛える・本を読む・雑念を取り払う……。
どれも考えすぎです。
段取り上手は、2つの力があります。
(1)まとめる力
(2)分ける力
あなたは、食事をするときには、好きなものから手をつけますか。
それとも嫌いなものから手をつけますか。
私なら、好きなものから手をつけます。
あなたが誰かに提案をするときに、いきなり話を始めてはいないでしょうか。
提案するときに、話が相手にうまく通るかどうかは、提案の内容がポイントだと思われがちです。
たとえば、プレゼンで、新商品の説明をするとき、自分の提案した内容を振り返り、整えます。
誕生日のパーティーを本人に知らせず、当日に突然驚かせて行う祝い方があります。
いわゆる「サプライズ・パーティー」です。
誕生日パーティーは、前もって準備をするのは通例です。
段取りを整えるためには、あらかじめ流れを紙に書く、という作業です。
行き当たりばったりで対応を考えるのではなく、あらかじめ流れを考え、前もって対策を立てておきます。
作業がスムーズに進みます。
本当に賢い人は、的を絞るのが上手です。
自分にとって本当に大切なことだけに的を絞り、一点に集中します。
仕事でも、勉強でも、恋愛でも、対象を絞るのが成就するポイントです。
段取りとは、一歩先の未来を考えた行動のことです。
今、目の前にある仕事の効率を第一に考えるのではなく、一歩先の未来を考えた行動を第一に考えます。
たとえば、電車の乗り降りです。
段取りとは、順番です。
物事には、効率よく進めるために適した順序があります。
順序をきちんと整えて勉強や仕事をすれば、速く正確に進めることができます。
私は1日をスタートするときに、まず段取りから考えます。
大切な休日は有効に活用したいために、できるだけ効率を考えたスケジュールを立てます。
恐縮ですが、私の休日のスケジュールを紹介します。
開拓者・先駆者になるのは、大変なことです。
前例がまったくないので、参考になることがなく、すべてのやり方を編み出して、実行しなければなりません。
前例がないので失敗のリスクが高く、考えなければいけない課題も山積みです。
私がアメリカに留学していたころの話です。
もともと1人で行動する私は、よく1人で買い物や散歩などしていました。
友人がいないわけでもありませんでしたが、これといって、友人も多いわけでもありませんでした。
段取りの悪い人は、仕事をパーフェクトに仕上げようとします。
上司に提出する資料なら、レイアウトを整えて、誤字脱字もなく、見栄えをよくして、完璧に完成してから提出しようとします。
できるだけ良い状態で提出したい気持ちもわかります。
段取りが悪い人は、そもそも仕事の量が少ないです。
それほどたくさん仕事をしていないので、コツがつかめていません。
コツがつかめていない状態で、工夫も段取りも考えようがありません。
私の不思議な体験を、1つご紹介します。
ある日、職場で仕事をしていたときのことです。
その仕事は、長時間、単調な作業を繰り返すという内容でした。
テーブルマナー。
仕事のマナー。
電車のマナー。
段取りを考えるときに、よく陥りがちなことは「順調な場合の段取りを考える」ということです。
トラブルもなく、順調に進むことを想定して、段取りを考えます。
「順調な場合の段取りを考えて、なぜいけないのか」という声が聞こえてきそうですね。
さて、あなたの生活を振り返ってみましょう。
段取りの良い生活をしているでしょうか。
段取りとは「事の順序・方法を定め、工夫を凝らす」ということです。
事前に準備をして、順序立てて、タイミングを見計らって仕事に向かえば、短時間、かつ正確に片付けることができます。
段取りには、知恵も体力も必要です。
「そんなことしなくても、普段からのんびりすればいいではないか」と、疑問に思う人もいることでしょう。
しかし、ゆっくり日常の幸せを味わう時間のために、段取りをよくします。
段取りが良くなれば、時間に余裕ができ、日常の幸せを味わう時間ができるからです。
たとえば、料理の段取りが良くなれば、調理する時間が減り、食事をする時間が増えます。
じっくり食事を味わえます。
仕事の段取りが良くなれば、さっさと仕事を片付けることができ、定時で退社できます。
定時で退社ができれば、好きな人とデートする時間ができたり、友人と飲みに行く時間もできたりと、公私ともに豊かになります。
平日に段取りよく仕事が終われば、週末には旅行をする時間も生まれることでしょう。
豊かな生活には、時間が必要です。
その時間こそ、段取りのよさから生まれます。
段取りが良くなるからこそ、自分の時間が増え、結果として人生が豊かになるのです。
試験に落ちた。
仕事で失敗をした。
恋愛がうまくいかなかった。
人生には、うまくいかなかった状況があります。
そんなとき、2通りの人にわかれます。
成長しない人は、いつも運の悪さにします。
「たまたまだ」
「状況が悪かった」
「仕方ない」
運のせいにするのは簡単です。
しかし、自分以外のせいにしていると、自分はいつまでも成長できません。
運なんて関係なく、自分の段取りが悪いんだと、自分の行いを反省する人が成長できます。
段取りのどこかが悪かったから、失敗したのです。
順番かもしれませんし、考え方かもしれませんし、方法かもしれません。
いずれにせよ、うまくいかなかったときは「段取りの悪さ」を見直す機会だと考えましょう。
あなたの段取りの悪さを、失敗という形で神様が教えてくれたのです。
人間は、面倒を嫌がる生き物です。
面倒だから、なんとか楽をしたいと考えます。
さて、こんなとき、2種類の人間にわかれます。
あなたはどちらでしょうか。
短期的に考えれば(1)の楽をしたいから、勉強や仕事をサボるほうが、圧倒的に楽です。
勉強や仕事そのものに手を付ける必要がないから、いちばん楽になります。
しかし、往々にして、これは落とし穴です。
逃げれば、一瞬、ストレスから解放されます。
しかし、サボったところで、しなければいけないことがなくなることはありません。
勉強で考えて見てみましょう。
勉強から逃げれば、成績が上がることは、絶対にあり得ません。
むしろ逃げれば逃げるほど、苦手意識がさらに強くなり、勉強が苦手になって精神的なストレスが大きくなります。
逃げれば、一瞬、解放されます。
しかし、あとから、2倍にも3倍にも膨らんだ大きなストレスに悩むことになります。
さて、こんなときこそ「段取り」です。
「(2)楽をしたいから、勉強や仕事の段取りを考えて工夫をする人」になるのです。
楽をしたいから、勉強や仕事をサボるのではありません。
楽をしたいからこそ、勉強や仕事の段取りを考え、工夫をします。
長期で見て、そのほうが精神的なストレスが軽くなります。
楽をしたいと思うときこそ、段取りを考えましょう。
勉強法を工夫したり、やる気が続くように勉強のやり方を見直したりします。
段取りは、余裕を生み出す技能です。
テストの結果は、段取りで変わります。
あなたはテストを受験する際、まずどの問題から解き進めていきますか。
まず1問目から順番どおりに進めていくのは、段取りがいいとは言えません。
ざっとテスト用紙全体を眺め、いちばん簡単そうな問題から手をつけましょう。
確実に正解できそうな問題から、手をつけます。
自分が確実に解ける問題が、テストの最後にあれば、最あとから始めましょう。
テストは、問題を解く順番に指定はありません。
しかし、問題を解く順番で成績は変わります。
確実に問題を解くことで、達成感が生まれ、精神的な余裕が試験に好影響を及ぼすからです。
テストに焦りは禁物です。
焦らないために、確実に解ける問題にまず手をつけて、片付けていけばいい。
確実に問題を解くことで、精神的な余裕が生まれ、後回しにした難問も、冷静に考えることができるようになります。
もし、最初の問題が難しければ、どう感じることでしょうか。
「難しい」「まだ1問も解いていない」という精神的なプレッシャーが大きくなり、だんだん心の余裕がなくなります。
プレッシャーが大きくなれば、不安で頭がいっぱいになります。
簡単な問題さえも、ミスしてしまう可能性さえ出てくることでしょう。
また「難しい」「まだ1問も解いていない」と考えることが、少なからずテストへの集中を妨げている証拠です。
できるところから手をつけて、勢いをつけましょう。
問題を解く順番で成績が変わります。
それが、段取りです。
会議が活性化するかどうかは、段取りで決まります。
ポイントは「会議で配る資料の渡し方」です。
まず、段取りの悪い会議からお話しします。
段取りの悪い会議では、会議が始まってから、資料を配ります。
会議中に資料を配られると、当然、目を通します。
自然と目が資料のほうに向いてしまい、会議中の話に集中できなくなります。
「質問のある人はいますか」と言われても、まだ資料をきちんと読んでいないのに、質問はできません。
そういう会議ほど、誰も何も言わず静寂な会議になり、何も実りのない会議になります。
さて、続いては活性化する会議の場合です。
段取りのいい人は、会議が始まる前に、必要な資料を先に配ります。
資料を前もって配ると、会議は活性化されます。
先に配ることで、出席する人が事前に資料へ目を通すことができ、会議の内容を予習できるからです。
疑問に思った内容を整理したり、質問する内容をあらかじめ考えたりする余裕が生まれます。
資料に事前に目を通しておけば、会議で話し合う内容そのものに集中ができます。
大切なことは「資料の内容」ではなく「資料の渡し方」です。
私は、自分が社会経験をしているので、よくわかります。
往々にして私たちは「会議が活性化されないのは資料の内容がわかりにくいからだ」と思います。
資料の内容をもっとわかりやすくするために、図表をたくさん入れてしまいがちです。
しかし、大して関係ありません。
「資料の渡し方」のほうが、はるかに重要です。
渡し方を変えるだけで、会議の活性度がまったく変わります。
資料は多少汚くても、資料を事前に渡しておけば、なんとか理解してもらえます。
本番の会議では、スムーズに理解が進むでしょう。
資料をもっとわかりやすくするために、どうしていますか。
まず思い浮かぶのは、図表を加えて、視覚的に理解をしやすくしようという工夫です。
たしかに図表は大切です。
図表があると、頭で考えるだけでなく、視覚的に訴える効果があり、直感的に理解しやすくなります。
複雑な関係があっても、図表が1つあれば、容易に説明できる場合が少なくありません。
では、たくさん図表があればいいとかいうと、そうではありません。
何でも安易に図表を加えると、逆効果になる場合があります。
資料の分量が増えてしまい、読まれない内容になるからです。
説明資料の理想は、ページ1枚です。
2枚になっただけで、うんざりとしてしまいます。
3枚以上で走り読みになり、5枚以上になると飛ばし読みになります。
理解しやすくするために取り入れた図表のせいで、場所を取られ、ページ数も増える。
結果として、読まれない資料になるのです。
あくまで図表は、言葉だけでは表現が難しいときに使う手段と考えたほうがいいでしょう。
図表がなくても、簡潔でわかりやすく説明できるなら、それで十分です。
図表を準備するのも大切ですが、文章を簡潔にわかりやすくまとめることに時間をかけたほうが、はるかに読む人のためになります。
少年野球では、注目の集まるバッターかピッチャーを、みんながやりたがります。
しかし、ライトのような、めったに球が飛んでこないようなポジションは嫌がります。
理由は単純です。
つまらないからです。
注目が集まり、かっこよくて、面白いことはしたいけれど、注目度の低いつまらないことはしたがりません。
しかし、そういう偏りが出ると、試合にはなりません。
自分のやりたいポジションにこだわっていると、チーム内でけんかになり、試合前にチームは崩壊します。
ライトがいくら注目されず暇だとしても、球が飛んでくる可能性があります。
誰もが嫌がるポジションを、自分から進んでやる人が、段取りのいい人です。
そういうことができる人は、不思議なことに野球がうまくなります。
野球では、チームプレーが必要です。
そのチームプレーの大切さをきちんと理解できている人は、バッターやピッチャーをさせても、うまくいきます。
みんなが嫌がるポジションこそ、チャンスのあふれるポジションなのです。
段取りのよさから考えると「単発」より「連続」です。
連続のほうが、より早く、より質が高くなります。
続けて行うことには、数多くのメリットがあります。
同じ仕事を立て続けにしていると、早く慣れることができ、集中力と勢いがつくからです。
仕事の量は変わらなくても、集中力と勢いが加わることで、仕事の進みがスムーズになり、質もよくなります。
たとえば、営業の電話です。
1時間に1本の電話を10時間にわたって単発でするより、1時間に10本を連続でしたほうが、仕事が速くなります。
連続で電話をすることで、頭の回転も速くなり、説明もスムーズにしやすくなり、契約も取れやすくなります。
段取りのいい人は、休憩を入れません。
休憩を挟むと、勢いが止まって、単発になってしまうからです。
また仕事をするときには、重い腰を上げ直す必要があり、パワーも時間も必要です。
休憩ははさまず、仕事をするときには、連続を心がけたほうがいい。
段取りのいい人は、できるかぎり連続を心がけようとする人なのです。
私がアメリカを旅行したときのことです。
たまたま夏休みの時期と重なり、なかなか航空券が思うように取れませんでした。
日本から直接アメリカへ行く旅券はなんとか取れましたが、アメリカから日本へ直接向かう旅券は、予約がいっぱいで取れません。
ようやく取れたチケットは「アメリカ発、韓国経由、日本行き」というものでした。
さらに不運なことに、韓国経由と言っても、韓国で一夜を過ごさなければなりません。
飛行機代もかかり、また韓国のホテル代や交通費も余分に必要です。
私は最初「なんとか旅券は取れたけど、時間もお金もかかって面倒だな」と思っていました。
しかし、ふと、少し考え方を変えてみました。
「帰りに韓国へ立ち寄るなら、韓国も観光すればいいじゃないか!」
韓国経由を、うまくプラスに考えました。
こう考えると、時間もお金も無駄とは思えなくなります。
旅の帰りに旅をする、ということです。
せっかく韓国に立ち寄るなら、韓国も観光しないと損だと思いました。
行動したときに、その行動でほかの行動もできないかと考えましょう。
行動のためには、重い腰を上げなければいけません。
人間は、行動するときには早いですが、行動するまでが長いです。
1つの行動をするときに、ついでに2つも3つも合わせて行動すれば、時間もエネルギーも節約できるのです。
段取りの下手な人は、段取りをよくしようとするために、コミュニケーションをカットしようとします。
コミュニケーションをカットすれば、人と会話をする手間もなく、楽ができると思っているからです。
たしかに気が進まない付き合い、煩わしい人間関係があるのは事実です。
仕事や学校での人間関係・家族関係・親戚との付き合いなど、面倒だと感じる人間関係もあることでしょう。
しかし、面倒だと思っても、最低限の挨拶・会話・付き合いは必要です。
段取りを考えるなら、コミュニケーションを減らすのではなく、増やすことです。
コミュニケーションをしなければ楽になれますが、したほうがもっと楽になります。
会話を交わすことで、誤解が減るからです。
実際に人と会って直接話すと、相手のことがわかります。
自分のことも、相手にわかってもらえます。
お互いを知る機会をつくることで、面倒な人間関係も、面倒ではなくなります。
コミュニケーションを増やすから、お互いの誤解がなくなり、結果として段取りが良くなるのです。
段取りとは「区切る力」と言っても過言ではありません。
勉強なのか、仕事なのか、遊びなのか、デートなのかをしっかり区切ることで、1つのことに集中できます。
結果として、スピードも質もよくなり、内容も濃くなります。
私の母は、小さいころから「勉強するときは勉強して、遊ぶときには遊びなさい」とよく言っていました。
それは結局「物事は、しっかり区切りをつけて集中しなさい」ということです。
勉強をしているときに遊びのことを考えると集中できませんし、遊びのときに勉強のことを考えても心から遊びを楽しめません。
勉強をするときには一生懸命に勉強をして、きれいさっぱり終わらせてしまいます。
きちんと最後まで勉強が済めば、気持ちよく遊びに切り替えることができます。
一生懸命に遊んで心身ともにリフレッシュができるから、今度はまた勉強に集中できるようになるのです。
ある日のことです。
朝、部下のKさんが、9時を過ぎても出社してきません。
どうやら遅刻のようです。
Kさんは、朝いちばんで大切な仕事があり、本人がいないと仕事上で影響が出てしまいます。
「困ったなあ。どうやって調整しようか」
私は、スケジュール調整に困っていました。
Kさんが遅刻ということで、スケジュール調整をしようとしていたとき、ちょうどKさんから電話が入ります。
「電車遅延で遅くなりました。すみません。今、ビルの1階にいます。今から上がります」
電車遅延のため、遅刻したという内容でした。
驚いたのは、場所でした。
1階にいるのに、わざわざ遅刻で少し遅れるという電話です。
到着は間近のところです。
そのままエレベーターで上がればいいじゃないか、と思います。
しかし、すぐ到着間近でも、遅刻の連絡を怠らない彼の姿勢に、私は逆に信用が持ててしまいました。
心のケアの1つです。
ほんのわずかな時間でも、遅刻するときにはできるだけ早く連絡を入れれば、スケジュール調整を立て直す時間が生まれます。
遅刻のときは、きちんと連絡を入れるというのは社会人としての常識ですが、遅刻のときほど時間も心も余裕がありません。
遅刻の連絡も、どれだけきちんとできるかで、印象は大きく変わるのです。
カレーをつくるときには、鍋の中に具を入れます。
しかし、入れるとはいえ、適当な順番で入れればいいわけではありません。
正しい順番があります。
まず「火の通りにくい具」から先に入れ「火が通りやすい具」をあとに入れます。
ニンジンは火が通りにくいので、まず先に入れます。
ジャガイモやタマネギは、火が通りやすいので、後に入れます。
どの具もちょうど同じ具合に煮込めます。
この順番がばらばらなら、カレーの具は型崩れしたり、具が固いままだったりと、全体的にバランスが悪くなります。
段取りには順番があり、順番に理由がきちんとあります。
することは、入れる順番を正しくしただけです。
しかし、この順番1つで、カレーの完成度がまったく変わってきます。
段取りとは、それくらい大切だということです。
あなたが段取りを考えるときに、まず順番を適当にしていないかとチェックしてみましょう。
順番を変えるなら、今すぐ実行でき、難しくありませんね。
順番を変えることで、改善につながり、高い効果が期待できるのです。
集中力を鍛えるためには、特別な訓練は不要です。
心を鍛える・本を読む・雑念を取り払う……。
どれも考えすぎです。
そもそも集中力は、次の2つを心がけるだけで、単純に出ます。
この2つの条件が整っていれば、集中力は必ず出ます。
まず「(1)いらない物を捨てる」から、始めましょう。
興味のないもの、不要なもの、嫌いなもの、使わないものは、どんどん捨ててしまいます。
集中力が出ないのは、いらない物がそばにたくさんあるから、邪魔をされて集中できないのです。
いらない物を捨てるだけで、集中力はすぐ出ます。
おのずから、焦点がしぼられるからです。
「捨てないと集中できない。捨てるから集中できる」という段取りがあります。
次にすることは「(2)好きなことをする」ということです。
あなたが好きなことに挑戦するとき、集中しようと意気込んでいるでしょうか。
いいえ、意気込んでいないはずです。
好きなことをするとき、自然と集中力は出ます。
ゲームをしているかのように楽しんで熱中すれば、集中力はすぐ出ます。
仕事や勉強でも同じです。
集中するために、まずしなければならないことは「いらない物は捨てる」「好きなことをする」という作業からです。
勉強で最も成績が上がるパターンは、いらない科目は捨て、好きな科目の勉強に専念するときです。
好きな科目ほど集中できますし、いらない科目を捨てるほど、やらなければいけない範囲を絞れます。
段取り上手は、2つの力があります。
まず「(1)まとめる力」は、面倒な作業のときに必要不可欠な知恵です。
苦手なこと、大変なことは、1つにまとめようとします。
荷物を運ぶときに、どうせ運ぶなら、1つにまとめ、1回で済ませようとします。
体力も時間も節約できるからです。
引っ越しの準備を、想像しましょう。
たくさんの小物を、一つひとつ運ぶのでは手間がかかりますよね。
しかし、大きな段ボール1箱にまとめてしまえば、運ぶのも一度で済みます。
このように段取り上手は「まとめる力」があります。
さて、もう1つのポイントは「(2)分ける力」です。
段取り上手が何でもかんでもまとめることかというと、そうではありません。
自分が好きなことに関しては、あえて分けて、手間をつくるのです。
好きなことは、1回で済ませるのではなく、あえて小分けにして、手間をつくりたくなります。
たとえば、好きな人とのデートです。
好きな人とのデートは、1回のデートでまとめるようなことはしませんし、したくありません。
好きだからこそ、あえて小さく分けて、回数を増やしたくなります。
「今回は、ディズニーランドに行こう」
「次に会うときには、映画を見に行こう」
「次に会うときには泳ぎに行こう」
あえて、楽しみを小分けにします。
好きな人とは、何度も会いたいし、手間をかけたくなります。
接触回数を増やしたくなります。
また手間をかければかけるほど、愛情は相手に伝わります。
頻繁に会うことで、お互いの心の距離は次第に近づき、恋も楽しめます。
これが、段取りです。
好きな人との関係は「まとめる」のではなく「分けたくなる」のです。
「まとめる力」と「分ける力」を、上手に身につけましょう。
あなたは、食事をするときには、好きなものから手をつけますか。
それとも嫌いなものから手をつけますか。
私なら、好きなものから手をつけます。
嫌いなものから手をつけていると、食べているうちにおなかがいっぱいになり、好きなものを食べる余裕がなくなるからです。
つらい思いをしながら嫌いなものを食べ、そのうえ好きなものまで食べられないという二重苦です。
胃の大きさには、限界があります。
限界がありますから、まず好きなものから食べたほうが賢明です。
限界があるのは、胃の話だけでなく、人生も同じです。
いくら人生が長いとはいえ、限界があります。
年老いて、いつかは死ぬときがやってきます。
苦手なことから始めていると時間ばかりが過ぎていき、好きなことをしようとしたときには、年を取って時間も体力もなくなります。
トライできる余裕のある、早い段階で挑戦することです。
好きなことほど早い時期から手をつけ、苦手なことはしなくていい。
「芸は身を助ける」といいます。
1つの芸を磨いていけば、生計を立てることができるようになります。
好きなことや得意なことから手をつけていけば、成長が早く、人生も豊かになるのです。
あなたが誰かに提案をするときに、いきなり話を始めてはいないでしょうか。
提案するときに、話が相手にうまく通るかどうかは、提案の内容がポイントだと思われがちです。
たとえば、プレゼンで、新商品の説明をするとき、自分の提案した内容を振り返り、整えます。
どれだけ資料がきれいにできているか。
どれだけ現実的な内容か。
どれだけ、うまく話を進めることができるか。
たしかにこれらの要素がしっかりしていれば、ある程度難しい提案も通りやすくなるでしょう。
しかし、もう1つ大切なことがあります。
提案を発表する前には、軽いジョークを取り入れるということです。
いきなり真面目な話から始めると堅い雰囲気になり、良い話も、難しく聞こえてきます。
プロの営業マンほど、話の始めには軽いジョークから始めます。
ささいな笑いがあると、雰囲気を和ませ、説明も前向きに捉えてくれる場合が多いからです。
プレゼンや営業で、誰かに何かを提案するときには「軽いジョーク」のスパイスを取り入れてみましょう。
誕生日のパーティーを本人に知らせず、当日に突然驚かせて行う祝い方があります。
いわゆる「サプライズ・パーティー」です。
誕生日パーティーは、前もって準備をするのは通例です。
祝う人は、誕生日プレゼントやレストランの予約などをします。
祝ってもらう人には、仕事を早めに切り上げ、心の準備も必要です。
しかし、準備をするのは、祝う側だけが裏で準備をします。
誕生日当日に、本人を急に驚かせて祝います。
準備をしていないからこそ、驚きと感動が大きくなります。
誕生日にパーティーがあるという連絡をあえてしないで、当日になって驚かせて祝うほうが、相手も喜びます。
「前もって話をする」というのが段取りと思われがちです。
しかし「前もって話をしない」という段取りも、あるのです。
段取りを整えるためには、あらかじめ流れを紙に書く、という作業です。
行き当たりばったりで対応を考えるのではなく、あらかじめ流れを考え、前もって対策を立てておきます。
作業がスムーズに進みます。
たとえば、プログラミング言語です。
私は、HAPPY LIFESTYLEの運用を効率化するため、プログラムをつくることがあります。
お気に入りの言語は「Bash」というプログラミング言語です。
プログラムを組むときには、いきなり書き始めることは、まれです。
あらかじめ流れを紙に書いて、ストーリーを整えてから、プログラムを組みます。
単純なプログラムなら、いきなり書くこともありますが、ほとんどの場合、紙に書いてからプログラムを書き始めます。
この「流れを紙に書く」という作業が、なにより肝心です。
もちろん「流れ」だけでなく、考えられる「問題」と「対策」があれば、同時に記入します。
プログラムの規模が大きく、複数人で協力して言語を組み立てるときには必要な作業です。
なぜ、これが必要なのかというと、頭の中だけで考えていると、イメージが困難になるからです。
複雑な処理は、頭の中だけで考えるには、規模が大きすぎます。
頭の中だけで想像するより、紙に書けばいい。
また、複数人で作業をする場合、人によっては考え方や捉え方の違いもあります。
流れる処理は、矛盾がなく、つじつまが合っていなければいけません。
混乱や誤解をなくし、考え方の違いやイメージの違いを埋めるために、紙に書いて意識を合わせる必要があります。
プログラムの善しあしは、この流れを考え、紙に書く作業にあるといっても過言ではありません。
プログラムを組むときには、この前準備にいちばん時間をかけることが重要なポイントになるのです。
本当に賢い人は、的を絞るのが上手です。
自分にとって本当に大切なことだけに的を絞り、一点に集中します。
仕事でも、勉強でも、恋愛でも、対象を絞るのが成就するポイントです。
頭のいい人は、何でも勉強ができて博識だというイメージがあります。
たしかに博識なら、生活を工夫したり、効率を上げたりできるでしょう。
「知ることがいいこと」だとは限りません。
たくさんの情報があふれ、何でも見ることができる時代になりました。
目に飛び込んでくる情報すべてをうのみにしていると、すぐ情報の波に溺れます。
特に、芸能関係の情報は、ほとんど見聞きしなくても、生活に支障はありません。
誰かが結婚した、離婚した、揉めているという話は、聞いたところで何の役にも立ちません。
「知ろうとする努力」から「知ろうとしない努力」へと転換します。
「知らぬが仏」という言葉があります。
知ってしまうと、自分と比べてしまい、妬みや恨む気持ちが湧いてしまいます。
しかし、そもそも知らなければ、妬みや恨む気持ちが湧くことはなく、心の平穏は保たれます。
余分な情報によって、流行に流されたり、人に流されたりと、本来の自分らしくない行動をしてしまいます。
しかし、そもそも知らなければ、流されることはなく、自分の内面に集中でき、自分らしい生き方ができることでしょう。
知っていればいい、というわけではありません。
知らないほうがいい、という場合があります。
知らないほうが、人生の豊かさにつながるということです。
今まであなたは「知ろうとする努力」をして生きてきました。
しかし、知りすぎてしまったがゆえに、流行や話に流され、どれが本物かわからなくなり、心が乱れています。
これからは「知ろうとしない努力」をすることです。
新聞・テレビ・雑誌など、たくさん読むのではなく、自分に必要な情報だけを選択する時代です。
捨てることで豊かになる時代になるとは、神様仏様も驚きなのです。
段取りとは、一歩先の未来を考えた行動のことです。
今、目の前にある仕事の効率を第一に考えるのではなく、一歩先の未来を考えた行動を第一に考えます。
たとえば、電車の乗り降りです。
段取りを考えない人は、ただ電車に乗ります。
しかし、段取り上手は、降りるときのことを考えて、乗れます。
もちろん初めて乗る電車のときにはわかりませんが、いつも同じ電車に乗っていると、電車の動きがわかるようになります。
どの車両の、どのドアから乗れば、降りるときにベストなポジションなのかがわかるようになります。
改札口にいちばん近い車両とドアがどの辺りなのか、見当がつくようになるということです。
降りる場所のことを考えて電車に乗れば、降りてからの時間のロスを小さくできます。
特に、朝の通勤ラッシュのような一刻を争うときには、欠かせない段取りです。
電車に乗るときではなく、降りるときのことを考えて、行動しましょう。
段取りとは、順番です。
物事には、効率よく進めるために適した順序があります。
順序をきちんと整えて勉強や仕事をすれば、速く正確に進めることができます。
たとえば、勉強のときには「基本を徹底的に極める」という当たり前の順番を守ることです。
少しでも早く成績を上げたい人は、いきなり応用問題に取り組もうとします。
応用問題ほど本も分厚く、勉強をしているような気になります。
しかし、そういう人ほど、勉強に挫折します。
基本をおろそかにすると、難しい問題を解く理解がなく、三日坊主に終わります。
頭の善しあしや才能は、関係ありません。
順番であり、段取りです。
成績のいい人ほど、基本問題を山ほどこなしている人です。
基本を徹底的に学び、理解して、身につけているからこそ、応用問題を理解する力がつきます。
応用とは「基本の組み合わせ」であり「積み重ね」です。
単なる漢字1つでも、難しい漢字は、基本的な漢字の組み合わせです。
「嘘」という漢字は「口」「虚」という漢字から成り立っています。
いきなり「嘘」という漢字を覚えようと思えばできるでしょう。
しかし、理解や意味が伴っていない暗記は、あっという間に忘れます。
「嘘」という漢字を覚える前に「口」と「虚」という字を徹底的に学び、意味と書き方を理解すれば覚えやすく忘れにくくなります。
「口から虚ろ(うつろ)なことを言うから、嘘なのだな」
そういう意味を理解して覚えれば、覚えやすく忘れにくくなります。
なにより、意味がわかれば、勉強は楽しくなります。
すべての学問は、そういう成り立ちです。
応用は、基本の組み合わせであり、積み重ねです。
段取りとはいえ、奇をてらうようなテクニックは不要です。
まず素直に、基本から徹底的に学び、次第にレベルを上げていくという流れでいいのです。
私は1日をスタートするときに、まず段取りから考えます。
大切な休日は有効に活用したいために、できるだけ効率を考えたスケジュールを立てます。
恐縮ですが、私の休日のスケジュールを紹介します。
まず、朝起きてから、近場のレストランへ行き、朝ご飯をしっかり食べます。
朝ご飯をしっかり食べれば、頭が回転し始めます。
次に読書をしたり、ノートパソコンで本を書いたりなど、頭や目を使う作業をします。
疲れてきたところでちょうどお昼になるので、昼ご飯を食べます。
昼ご飯を食べると、眠くなるので、昼寝をします。
昼寝をすれば、疲れは回復しているので、また読書や執筆などを続けます。
頭や目が疲れてきたら、今度は散歩です。
頭や目が疲れていても体は疲れていないので、散歩は問題なくできますし、また気分転換になります。
そんなとき、オーディオ・ブックは欠かせません。
耳は疲れていないので、オーディオ・ブックを聞きながら散歩をすれば、勉強にもなり運動もできるという一石二鳥です。
夕方になり、汗をかいたところで、最後はお風呂に入ります。
お風呂上りですっきりしたところで夜になり、体を動かしたので疲れて夜もぐっすりです。
1日の中で睡魔と闘う時間、空腹で悩む時間、運動に疲れる時間はありません。
段取りを考えているので、眠くなる前に寝て、おなかがすく前に食事をして、疲れる前に寝るようにしています。
1日を最大限に活用できます。
体力があるなし、疲れやすい体質かどうかは関係ありません。
疲れたら、疲れていない部分を使えばいい。
単純に物事の進める順番がポイントです。
段取りを考えれば、長時間の継続ができるのです。
開拓者・先駆者になるのは、大変なことです。
前例がまったくないので、参考になることがなく、すべてのやり方を編み出して、実行しなければなりません。
前例がないので失敗のリスクが高く、考えなければいけない課題も山積みです。
しかし、2番手になると、取り組みやすくなります。
前例があるからです。
前回、行った人の仕事の進め方を真似したり、参考にしたりできるようになるからです。
なぜコロンブスが偉人なのかというと、アメリカ大陸を発見したパイオニアだからです。
いちばん手だから、偉人です。
コロンブスがアメリカ大陸を発見後、次々とヨーロッパから領土開拓のために進出します。
2番手、3番手は、パイオニアの方法を真似すればいいので、失敗するリスクも低く、実現も容易です。
そういう話は、現代でも同じです。
仕事で今までしたこともない作業をするときには、大きなリスクが発生します。
しかし、そんなときこそ、前例を見つけて、参考にすればいい。
前回行った人の内容を調べて、真似をしたり、参考にしたりするなど、仕事術を引き継げば、成功率も高くなります。
企業として会社を興すときにも、前例を探して、参考にすることです。
事業に成功しやすくなります。
前例を探さず、独自路線で進もうという意気込みはわかります。
しかし、それではあまりにリスクが大きいです。
会社の興し方、間違いやすいポイント、考慮することなど、すべてを1から学ばなければならず、時間もお金もかかります。
2番手は、素直にいちばん手の方法を徹底的に参考にします。
そのうえで、2番手だからこそできるユニークな仕事を付加すればいい。
そういうやり方で進めることで、起業のリスクは低下して、成功もしやすくなります。
成功するためには、素直にパイオニアの仕事を真似することが、大切なのです。
私がアメリカに留学していたころの話です。
もともと1人で行動する私は、よく1人で買い物や散歩などしていました。
友人がいないわけでもありませんでしたが、これといって、友人も多いわけでもありませんでした。
そんなある日、将樹君という友人に出会います。
彼と出会ってから、不思議な現象が起こり始めました。
彼と出会ってからまもなく、短期間のうちに、爆発的に人脈が広がりました。
理由は簡単です。
彼には友人が多く、会うたびに、彼の友人を紹介してもらえたからです。
私と将樹君は、もともと性格が合っていたので、いろいろなことで助け合っていました。
将樹君と一緒にいると、なぜかそのほかのたくさんの人と出会えます。
会うたびに、新しい友人を1人、あるいは複数人、紹介してくれました。
紹介してくれた人が、また新しい人を紹介してくれる好循環です。
将樹君と会うまでは、人脈なんて縁のなかった私です。
しかし、将樹君というキーマンと出会うことで、人脈が広がり、急に生活が明るくなりました。
つまり彼は、人脈のキーマンでした。
キーマンは、人脈のハブ的な役割を持っています。
たくさんの人間関係に属しているキーマンを見つければ、さまざまな人と出会えます。
あなたは友人をつくるとき、どのような工夫をしていますか。
特に考えもなく、運命に身を任せて、ただ行き当たりばったりで人と出会っているのではないでしょうか。
たしかに人生には、そういう出会い方もあります。
環境に身を任せて、出会うという自然な出会いも悪くはありません。
しかし、友人づくりを効率よくしようと思うなら、キーマンから仲良くなることです。
中心的な人物と知り合うことで、人脈は容易に何倍も広げることができるのです。
段取りの悪い人は、仕事をパーフェクトに仕上げようとします。
上司に提出する資料なら、レイアウトを整えて、誤字脱字もなく、見栄えをよくして、完璧に完成してから提出しようとします。
できるだけ良い状態で提出したい気持ちもわかります。
もちろん正式な提出や公式なアナウンスの場合には、入念にチェックする必要があるでしょう。
しかし、下書きの提出なら、求められるのは「パーフェクト」ではなく「テンポ」です。
上司は、多少荒い状態でも、まず内容を知りたがっています。
パーフェクトな状態になってから提出するのではなく、まず下書き段階で「こういうのはいかがですか」と1次提出します。
内容が大切なので、多少の誤字脱字、レイアウトの崩れなどは許されます。
途中経過を見せることで、善しあしを、早い段階で判断してくれることでしょう。
ダメなら訂正すればいいし、良いといわれれば、そのまま清書に向けて完成していけばいい。
まず、テンポのよさを最重視しましょう。
段取りが悪い人は、そもそも仕事の量が少ないです。
それほどたくさん仕事をしていないので、コツがつかめていません。
コツがつかめていない状態で、工夫も段取りも考えようがありません。
仕事のコツがつかめれば、段取りは自然とよくなります。
コツをつかむためには特別な工夫は必要なく、まず大量の仕事を経験するだけでいい。
段取りは、たくさんの仕事をしていれば、いつの間にか考え、実行できています。
何度も同じことを繰り返せば「単調な作業だな。もう少し効率よくできないか」と自然と考えてしまいます。
大量の仕事をしている人は、仕事の内容を深いところまで理解できます。
だからこそ、効率化も考えることができるようになります。
「よし。仕事の流れはつかんだぞ。ここをこうすれば、もっとうまくいくのではないか」と思います。
段取りを良くしたければ、まず仕事が体に染み込むまで、大量に仕事をこなしましょう。
量を意識すれば、あるときから質へと転化します。
遠回りをすることが、いちばんの近道になるのです。
私の不思議な体験を、1つご紹介します。
ある日、職場で仕事をしていたときのことです。
その仕事は、長時間、単調な作業を繰り返すという内容でした。
1つの仕事は、15分ほどで終わる小さな仕事でしたが、何度も繰り返します。
簡単な仕事内容です。
しかし、簡単で単調な繰り返しだからこそ、飽き飽きしていました。
そんな、ある日のことです。
上司から「作業の進み具合を後で確認したいから、開始と終了の時間を正確に記録してほしい」と言われました。
そこで指示のとおり、作業の進み具合を「時系列」でまとめて、記録していきました。
すると、なぜか単調な仕事が楽しくなった、という不思議な状態に直面しました。
作業そのものは、何も変更していません。
ただ時系列を記録する作業を加えただけです。
しかし、この「時系列の記録」が、思わぬ効果をもたらします。
ゲーム感覚になり、楽しくなります。
時間を記録すると、一単位あたりにかかった時間が、目に見えて確認できます。
「一コマ、15分かかっているな」
「今度は13分で終わっている」
「おや! 今回は10分で終わっているぞ」
自分の成長が見えているようです。
記録を残すことで、慣れとスピードアップが目で確認でき、やる気の向上につながります。
記録をつける習慣は、仕事のためだけではありません。
作業者のやる気を刺激するためです。
時間を記録することでやる気になり、仕事力が向上するのです。
テーブルマナー。
仕事のマナー。
電車のマナー。
車のマナー。
世の中には、たくさんのマナーが存在します。
段取りとは、大げさな話ではありません。
そもそもこうしたマナーを、正しくきちんと守り、実行するだけでいい。
マナーそのものが、素晴らしい段取りの集大成になっているからです。
お互いにぶつからず、気持ちよく社会生活を送ることができるよう配慮されています。
私は社会人3年目が過ぎても、新入社員が読む本をよく読みます。
上司になるほど、段取りが要求され、参考にするのはいつも新入社員向けのマナー本です。
新入社員向けのマナーほど、仕事上で最も必要とされる段取りだからです。
マナー本とはいえ、ただ書いてあることを棒読みし、うのみにするのではありません。
「上座は、なぜ上座なのだろうか」と、その理由まで考えます。
マナー本に書かれているマナーの理由まで考えると、味わい深くなります。
マナーというからには、そういうマナーに至った経緯や理由があるはずです。
たとえば、上座はなぜ上司が座るのかというマナーについてです。
上司は、思考力や判断力が要求される立場にいます。
その判断力や思考力を乱さないために、見晴らしがよく、気を使わず、集中できる場所である上座が、最も適した上司の座る席です。
上座に上司が座ることで、仕事の効率が良くなる段取りです。
この意味まで、きちんと理解して、実行することです。
さあ、いま一度、マナーを見直しましょう。
マナー本に書かれている、理由を読み解くことで、あなたの段取り力はさらにアップします。
段取りを考えるときに、よく陥りがちなことは「順調な場合の段取りを考える」ということです。
トラブルもなく、順調に進むことを想定して、段取りを考えます。
「順調な場合の段取りを考えて、なぜいけないのか」という声が聞こえてきそうですね。
もちろん順調に進むことに超したことはありません。
しかし、これは本当の段取りではありません。
本当の段取りは、トラブルが起こることを前提にして考える段取りです。
特に大勢で協力するようなチームプレーを要求する作業では、必ずといっていいほど、どこかでトラブルが発生します。
トラブルが発生すれば、作業の進み方が悪くなり、予定がずれます。
トラブルを起こした人や起こった事実を、責めてはいけません。
トラブルは、そもそも起こるものです。
むしろ順調に進んだ場合の段取りしか考えていなかったことに、問題があります。
トラブルがないという、出来すぎた話で立てた段取りが、そもそも悪い。
段取りは、どこかでトラブルが起こるだろうという前提で考える必要があります。
それが、本当の段取りなのです。