まず、愛犬の困った行動の解決について話をする前に、いちばん大切な話からさせてください。
この話を抜きにして、これからの話はできません。
「愛犬の困った行動」の根本的原因と言っても過言ではありません。
「犬が、人になかなかなつかない」
犬の性格によっては、人間に対して警戒心を抱く場合があります。
おおむね飼い主にはすぐなつくことでしょう。
犬の散歩をしていて困るのは、車の往来です。
車体が大きく、独特のエンジン音を出しながら、すごいスピードで走ります。
初めて見る犬は、強い驚きを示します。
飼い主がしつけに苦労することの1つに、トイレの習慣があります。
きちんとトイレをしつけるなら、散歩の途中で糞をさせるのは良くありません。
糞をすれば包んで持ち帰り、尿のときはペットボトルなどを準備すればいいですが、飼い主の散歩の負担が大きくなります。
散歩中、犬が飼い主より前に出て歩き、リードを引っ張ることがあります。
リードはぴんと伸び、犬が飼い主を引っ張っているような状態です。
犬の体は小さくても、引く力は強いです。
室内で犬を飼っていると「噛むトラブル」は必ず発生します。
家具やソファーを噛まれて、ぼろぼろにされる。
そこで多くの飼い主は「何でも噛むのをやめさせたい」という願いを持ちます。
基本的に犬の甘噛みを強制するのは、あまりおすすめできません。
暇つぶし、ストレス発散などではなく、幼犬の場合は歯の違和感を解消するなどの理由があるためです。
かませないように矯正するのではなく、かませてあげるように対策を立てるほうが、ストレス発散や歯の健康維持にもつながります。
落ちている物を勝手に食べない。
これはぜひ犬にしつけたい教育の1つです。
飼い主が与えた餌ならいいですが、道端に落ちているものは犬にとって有害になるものがたくさんあります。
食卓の時間になれば、いいにおいが部屋中に漂います。
すると、奥の部屋で寝ていた犬が嬉しそうにしっぽを振りながらやってくる。
さすが、においには敏感です。
のどかな散歩の途中、見知らぬ人とすれ違うことがあります。
犬がやんちゃな性格の場合、いきなり人に飛びつこうとする場合があります。
当然、危険が伴います。
犬は、生後半年くらい経てば、立派に芸を覚えられるようになります。
マナーのいい犬に育てるために、芸を覚えさせたいこともあるでしょう。
しかし、言葉のわからない犬に、うまく芸を覚えさせるのに、どうすればいいのか途方に暮れるのではないでしょうか。
犬も人と同じように、爪が伸びます。
犬は爪が伸びると、手の違和感を解消させようと、家具やソファーを爪で引っかこうとします。
これをやめさせたければ、手の違和感をなくすことです。
犬の性格によっては、頻繁に吠えることがあります。
犬が吠える声は大きいです。
響きます。
犬が吠えるのは、警戒のときばかりではありません。
飼い主に対して、何かを伝えようとするときにも吠えることがあります。
「わんわん」という吠える声とはいえ、何か意味が込められています。
犬を留守番に慣れさせるのも、大切なしつけの1つです。
留守番とはいえ、ほうっておけばいいわけではありません。
犬は、飼い主とのつながりを強く求める動物です。
犬のごみあさりに苦労をしている飼い主は多いのではないでしょうか。
人間にとって「ごみ」と感じるものに限って、犬には強い興味の対象になる場合が多いようです。
特に犬が興味を示すのは「生ごみ」です。
犬はおもちゃに興味を抱いていると、いつまでも噛みつづけ、離さないことがあります。
おもちゃを無理に取ろうとすると、余計に噛んで離さなくなります。
また、口にしているものを離してもらいたいのは、おもちゃをくわえているときだけではありません。
屋外で飼っていると、犬の穴掘りに困らせられる飼い主も多いことでしょう。
犬小屋の周りは穴だらけ。
なぜそんなに穴を掘るのが好きなのかと思います。
散歩中に飼い主が苦しむのは、マーキングや排泄行為です。
特にオスの犬は、尿などで自分の縄張りを示そうと「マーキング行為」をしたがります。
メスの場合は、マーキング行為は少ないですが、散歩中に排泄をしようとすることがあります。
車に対して苦手意識を持っている犬は多いです。
車の室内は、独特のにおい・エンジン音・空間・揺れがあります。
そのうえ、車酔いもありますから、あまりいい印象を持つことがありません。
初めて動物病院に行くときは嫌がらなかったのに、2回目からはひどく嫌がる犬は多いです。
病院を見るやいなや、拒否反応を示し、嫌がる犬に苦労する飼い主も多いのではないでしょうか。
動物病院の中では、犬にとってあまりいいことはありません。
「わんわん」
性格によっては、落ち着きのない犬がいます。
飼い主の周りをぐるぐると回ったり、寄りかかったり、飛びついたりしてくることはありませんか。
犬の性格によっては、お手入れを嫌がる場合があります。
なでたり、触られたりするのを嫌がる場合もあります。
大きな悪さをしているわけでもないので「まあ、ほうっておいてもいいだろう」と思いますが、そうでもありません。
犬には、自分がした糞を食べる「食糞」という習性があります。
初めて見た人は、強い衝撃を受けると思います。
犬が飼い主の顔をなめようとじゃれてきたら、口から糞のにおいがした。
ほとんどの飼い主は、この食糞をやめさせたいと思います。
では、どうすればいいのでしょうか。
難しそうですが、実は単純です。
犬が飼い主を見つけるやいなや、足にしがみつき、腰を振るしぐさを見せることがあります。
お世辞にも、品がいいとは言えません。
飼い主を異性と勘違いして、交尾をしているように腰を振るしぐさです。
飼い主の言うことを、聞いてくれないやんちゃな犬がいます。
言うことを聞いてくれないのは、もともとの犬の性格だと思いますが、そうではありません。
もちろんある程度は性格に由来する一面もあるでしょう。
子犬とじゃれ合っていると、急にお漏らしをすることがあります。
いきなりです。
「おや、どうしたの急に」
「ピピピピ」
自宅の電話が鳴ると同時に、犬が吠え始める。
もしくは、携帯電話の音がなり始めて、反応して吠え始める。
「ピンポーン」
来客のチャイムが鳴りました。
鳴ると同時に、犬がわんわんと吠え始める。
まず、愛犬の困った行動の解決について話をする前に、いちばん大切な話からさせてください。
この話を抜きにして、これからの話はできません。
「愛犬の困った行動」の根本的原因と言っても過言ではありません。
たとえば、次のような光景を目にしたことがありませんか。
散歩をしていると、犬同士が過剰に反応している。
大声で吠えたり、逆にひどく怯えたりする。
「同じ犬なのだからもっと仲良くできないのかしら」
犬ばかりではありません。
人・車・鳥など、目に映るあらゆる動物に過剰反応する犬がいます。
強く吠える。
もしくは、ひどく怯える。
いずれにせよ、過剰反応を示します。
「そんなに過剰反応しなくてもいいのに。どうしたのかしら」
そう思います。
リアクションはさまざまですが、こうした過剰反応を目にする飼い主も多いのではないでしょうか。
実は、こういう動作は特にペットショップから購入した動物に多く見られます。
ペットショップ特有の「生まれと育ち」に関わる事情があるためです。
どういうことでしょうか。
ペットショップで育てられている犬は、生まれつき他の動物との触れ合いに慣れていない場合が多いです。
「売るため」という前提があるためです。
犬同士がじゃれ合っているとき、牙や爪などでけがをすれば、価値が下がり、売り物にならなくなります。
そこで、生まれるやいなや、ほかの犬と隔離されます。
ペットショップとしても営利目的です。
多くのペットショップでは、商品に傷がつかないように、犬が売れるまではほかの動物との触れ合いを禁じている場合が多いです。
ペットショップで、犬が別々の部屋に隔離されて売られているところを、目にしたことがあるのではないでしょうか。
犬の立場になって考えてみましょう。
まだ、何も知らない。
まだ、何も経験できていません。
当然のことながら、あらゆるしつけも「ゼロ」の状態です。
そんなある日、突然、ある飼い主のもとで新しい暮らしが始まることになります。
ほかの犬はもちろん、人・鳥・車の音・テレビの音など、今まで見たことも聞いたこともないものばかり。
あらゆることに過剰反応して、当然といえば当然です。
世論には、こうしたペットショップの飼い方を「動物虐待」と考える人もいるようです。
文化や考え方の違いもありますから、これ以上の議論はこの場では控えます。
もちろんすべてのペットショップが、この限りではありません。
ペットショップの中には、動物の自然な生き方で育てているところもあります。
しかし、多くのペットショップの場合、こうした隔離形態で犬は育てているところが多いはずです。
犬には、自分の力ではどうしようもない、仕方ない生い立ちがあります。
飼い主は、そうした犬の生い立ちをわかってあげましょう。
できることといえば、少しずつ慣れさせていくことです。
「無理をさせない」という大前提のもと、時には厳しく、時には優しくしつけや教育を施します。
これが、愛犬の困った行動をしつける前に知っていただきたい大前提です。
「犬が、人になかなかなつかない」
犬の性格によっては、人間に対して警戒心を抱く場合があります。
おおむね飼い主にはすぐなつくことでしょう。
問題なのは、飼い主以外の場合です。
見知らぬ人に対しては、怖がったり警戒したりして、怯えたり逃げたりなど、拒否反応を示す場合が多いです。
特にペットショップから購入した場合、人との触れ合いが少ないため、人を恐れてしまいがちです。
しかし、やはり愛犬だからこそ多くの人と仲良くなってもらいたいと願いを抱くことでしょう。
実は、人になつかせる方法があります。
しかも、単純です。
なつかせたい人の手から犬へ、餌を与えてもらえばいい。
手のひらに餌を乗せて、ゆっくり近づくといいでしょう。
そのとき、優しい声で「おいで、おいで」と言いながら近づけば、心を開いてもらいやすくなるはずです。
犬にとって食べることは、命に直結することですから「食べ物を与えてくれる人は味方だ」と思ってくれるようになります。
見知らぬ人でも今まで抱いていた警戒心が緩み、すぐなついてくれるのです。
犬の散歩をしていて困るのは、車の往来です。
車体が大きく、独特のエンジン音を出しながら、すごいスピードで走ります。
初めて見る犬は、強い驚きを示します。
人間には、車は「乗り物」であることを理解していますが、犬には「正体のわからない物体」に見えて仕方ありません。
車に慣れていない犬のリアクションは、たいてい決まっています。
「怯える」か「吠えるか」です。
大きくて、すごいスピードで走るので、いきなり襲ってくるのではないかと思い、ひどく警戒してしまいます。
できれば、車の往来のない道を散歩するほうが事故に遭いにくくていいですが、なかなかそうも言ってはいられません。
人が住む社会には、車は必ずどこかで登場します。
もはや、人と暮らすうえで、車に慣れるのは必須と言ってもいいでしょう。
では、車に慣れさせるために、どうすればいいのでしょうか。
おすすめの3ステップがあります。
車に慣れさせるためには「そういうものが世の中には存在する」ということを犬に知ってもらう必要があります。
実際に見させるのがいちばんです。
見させるときも、歩きながら見させるのではなく、立ち止まって車の往来をただ眺めているだけでOKです。
飼い主がそばにいて、頭をさすってやりながら一緒に見るなら、犬も安心できます。
初めのうちは、怯えたり吠えたりすることもありますが、しばらく訓練を続けていくうちに、車に慣れます。
車の存在に慣れれば、車が通る歩道をゆっくり歩かせてみましょう。
ゆっくりで結構です。
車は大きくて、動くのが早い。
うるさい音を出す。
歩道を歩いているかぎり、別に危害を加えてくるわけではない。
こういうことを、体で覚えさせます。
歩道を歩けるようになれば、横断歩道を渡らせてみましょう。
これは少し難しいです。
10メートルを超える横断歩道となると、かなり注意する必要があります。
犬は色の判別が苦手なので、赤や青をはっきり区別できません。
横断歩道のランプは、当てにしないほうがいいでしょう。
では、どう判断するのかというと「全体の雰囲気」です。
車が完全に止まって、多くの人が横断歩道を渡り始めたら自分たちも渡っていい、という状態です。
これは少し難しいです。
時間がかかり、数カ月かかると思います。
長い目でしつけていくようにしましょう。
いずれの場合も、飼い主がしっかりリードを持ち、車の往来には気をつけるようにしましょう。
慣れるのには時間がかかりますから、常に長い目でいきましょう。
ただし例外として、どんなにしつけても慣れない犬というのもいるようです。
生理的に車を嫌う場合もあるので、そういうときには、車に慣れさせるのを諦めることも必要です。
その辺りは、状況を見ながら判断するようにしていきましょう。
飼い主がしつけに苦労することの1つに、トイレの習慣があります。
きちんとトイレをしつけるなら、散歩の途中で糞をさせるのは良くありません。
糞をすれば包んで持ち帰り、尿のときはペットボトルなどを準備すればいいですが、飼い主の散歩の負担が大きくなります。
また、他人の私有地でふんやおしっこをさせると、トラブルの原因にもなります。
自分の庭で、他人の犬がふんやおしっこをされると、いくら犬とはいえ、気分が悪くなります。
毎回包みやペットボトルを持参するのは、手間です。
なかなか厄介です。
では、どこでトイレをするのがいいのでしょうか。
家の中にいるときです。
あらかじめ決められた場所でトイレができれば、誰の迷惑にもならず、飼い主にとってこれほど楽なことはありません。
どうすれば、室内でのトイレをうまくしつけられるのでしょうか。
では、基本的なトイレのしつけ方をご紹介します。
飼っている犬が、1日に何回くらい、どのタイミングでトイレをするのか、大まかに把握します。
一般的には、人間と同じように、食事の直後はトイレに行きたくなるケースが多いようです。
排泄の前には、そわそわしたしぐさがあります。
においを嗅ぎ回り始めたり、何かを探し始めたり、辺りをきょろきょろしたりなどです。
そういうしぐさを見つけたら、飼い主は決められたトイレの場所に連れて行き「ワンツー・ワンツー」と話しかけてあげましょう。
このときの合図は、ワンツーでなくてもかまいません。
「シーシー」でも「はいはい」という合図でもOKです。
「ここがトイレの場所だよ。ここならおしっこや糞をしてもいいよ」という合図が伝わればOKです。
いちばん忘れがちなのは、トイレが終わった後です。
とりあえずうまく用が足せて、飼い主としてはほっとする気持ちはわかりますが、続きがあります。
うまく用が足せたら、すぐ褒めましょう。
「いいことをしたんだな。次からも同じことをすればいいのだな」ということが、犬に伝わるようになります。
もしトイレに失敗しても、叱ってはいけません。
そのタイミングで叱ると「おしっこをするのがいけないことなのかな」と犬を困惑させてしまいます。
散歩の途中にある私有地などで用を足そうとしたら、リードを強く引っ張ってやめさせるようにしましょう。
それは「ここではおしっこはいけません。トイレは家の中でしましょう」という意思表示です。
家に帰ったら、すぐトイレシートに連れて行き「ワンツー」のような掛け声を出し、排泄を促します。
後は、これを根気よく繰り返していくことです。
「散歩中にはトイレをしない。トイレは家の中で済ませる」
あらかじめ根気が必要で、時間がかかることを覚悟して、焦らないことが大切です。
これがきちんとできるようになれば、犬との生活は快適になるはずです。
散歩中、犬が飼い主より前に出て歩き、リードを引っ張ることがあります。
リードはぴんと伸び、犬が飼い主を引っ張っているような状態です。
犬の体は小さくても、引く力は強いです。
散歩が終わるころには、手が真っ赤になる飼い主も多いことでしょう。
このリードを引っ張るのをやめさせるには、どうすればいいのでしょうか。
そもそも散歩のとき、飼い主より前に出て歩いていることが良くありません。
優しい飼い主の場合、犬の気持ちを尊重させてあげようと、犬を先に歩かせて散歩道を選ばせようとしますが、良くありません。
それは、犬が「主人」で、飼い主が「従者」になっている状態だからです。
主従関係が逆転すると、当然犬はリーダーシップを発揮して、積極的に前に出て進もうします。
引っ張る強さは強くなり、飼い主は犬に振り回されることになります。
こういうとき、飼い主は心を鬼にしましょう。
もし、自分より前に犬が歩こうとしたら、リードを強く引っ張ります。
犬が自分より先に歩こうとしたら「ダメ」と言って、断固やめさせます。
歩いていいのは、飼い主より後ろ、もしくは真横までです。
本来の主従関係に戻り、リードを引っ張ることはなくなるのです。
室内で犬を飼っていると「噛むトラブル」は必ず発生します。
家具やソファーを噛まれて、ぼろぼろにされる。
そこで多くの飼い主は「何でも噛むのをやめさせたい」という願いを持ちます。
まず「そもそもなぜ犬は噛むのか」という理由から考えましょう。
犬が噛む理由は、大きく分けて2つあります。
幼犬の場合は、乳歯と永久歯が入れ替わるため歯がむずむずします。
そのむずむず感を解消させたいために、噛んで歯の違和感を解消させようとします。
散歩で歩き足りないときや暇なときには、そばにあるものを噛んで、暇つぶしをしようとします。
ストレスがたまっているときほど、自然と貧乏ゆすりしてしまう感覚に近いと言っていいでしょう。
このように、歯の違和感、暇つぶし、ストレスの解消などが、主な原因です。
言葉が通じない犬に、どうすれば噛まないように伝えることができるのでしょうか。
噛んだときに天罰を与えるような方法を使えば、噛むのを無理にやめさせることはできるでしょう。
しかし、私は個人的に噛まないように矯正するのはあまりおすすめしません。
すでにご紹介したとおり、噛む理由というのは「ストレス発散」が主な原因だからです。
もし強制的に噛むのをやめさせれば、犬は余計にストレスをためることになります。
噛まないようにしつけたところで、本当の根本的解決にはなりにくいです。
犬は噛むのが仕事のようなものです。
噛むことで歯の健康にもつながりますし、ぼけの予防にもつながります。
解消できるストレスもありますし、大切な暇つぶしの1つですから、制限するのはかわいそうではありませんか。
では、どうすればいいのか。
噛むのをやめさせるのではなく、あらかじめ、噛んでもいいものを与えておけばいい。
ストレスを抑えさせるのではなく、発散させるだけ発散させてあげます。
ペットショップに行けば、噛みごたえのあるゴム製のおもちゃがたくさんあります。
犬が噛むためにつくられたものですから、犬は喜んで1日中でも思う存分かみ続けるはずです。
歯のむずむずした感覚が解消できたり、ストレスを発散できたりするようになります。
一方、家具を噛むこともなくなるはずです。
もし、噛んでほしくないなら、貴重品は隠しておくことです。
たんすの奥にしまったり、たんすの上のような高い場所に置いたりしておけば、噛まれることはありません。
テーブルの脚のように隠しようがないものは、あらかじめ保護テープを巻いておきます。
かじっても傷がつかないようにしておけばいい。
また、木製のテーブルではなく、鉄製のテーブルに変更すれば、噛むこともなくなるはずです。
「噛むのをやめさせる」より「かませてあげること」で、吐き出すべきストレスをあらかじめ吐き出させてあげましょう。
基本的に犬の甘噛みを強制するのは、あまりおすすめできません。
暇つぶし、ストレス発散などではなく、幼犬の場合は歯の違和感を解消するなどの理由があるためです。
かませないように矯正するのではなく、かませてあげるように対策を立てるほうが、ストレス発散や歯の健康維持にもつながります。
とはいえ、飼い主の中には「どうしても噛むのをやめさせたい」と希望する人もいることでしょう。
スリッパや靴下をいつも噛まれてぼろぼろにされるのは、気がめいるという飼い主も多いはずです。
やはりきちんとしつけておきたい場合もあります。
では、犬が噛むのをやめさせる対処法をご紹介します。
まず、犬にリードを取り付けます。
屋外でも室内でも、どちらでもOKです。
噛んではいけないスリッパや靴下などを、わざと犬の目の前に置きます。
噛んだ瞬間、リードを強く上に引っ張ります。
これを繰り返していくことで「噛んではいけません」という意思を伝えることができます。
犬は柑橘系の香りが苦手です。
ペットショップに行けば、柑橘系スプレーが置いてあるので、1つ購入します。
スリッパや靴下など、噛んではいけないものを、わざと犬の目の前に差し出します。
噛んだ瞬間、犬の頭の上から、少しだけスプレーを吹きかけます。
スプレーの量は基本的に少量でいいですが、犬の行動に応じて、スプレーの量も変えていけばいいでしょう。
これを「天罰方式」といいます。
何度か繰り返すと「噛むと嫌なことが起こる」と覚え、怖がって噛まなくなります。
この2つの方法は、少し厳しいやり方ですが、噛まないようにきちんと矯正したい場合の有効手段として活用しましょう。
落ちている物を勝手に食べない。
これはぜひ犬にしつけたい教育の1つです。
飼い主が与えた餌ならいいですが、道端に落ちているものは犬にとって有害になるものがたくさんあります。
ガムを拾い食いして、喉に詰まらせてしまうかもしれません。
たまたま道端に置いているお菓子を食べたら、腐っていて、おなかを壊してしまうかもしれません。
道端に生えている草を食べたところ、消毒薬がかかっていて、下痢をすることもあります。
道端には、犬が興味を示すものがたくさん落ちていますが、犬の健康面を考えると、やはり拾い食いはやめさせることです。
では、どう拾い食いをやめさせるのか。
そのステップをご紹介します。
まず自宅近くにある人通りの少ない道路に行きましょう。
公園や川端などがいいでしょう。
道の脇に、わざと犬が興味を示しそうな餌を置きます。
餌を置いた後、飼い主と一緒に餌のそばを歩きます。
おそらく最初は落ちている餌に興味をそそられ、拾い食いをしようとします。
そのとき、飼い主はリードを少し強めに引いて、やめさせるようにします。
「少し強めに」というのがポイントです。
犬に「そういうことをしてはいけません」という意思表示をするためです。
このステップ1と2を、できるようになるまで5回程度繰り返します。
5回繰り返した後は「お座り」をさせて、飼い主が差し出した餌を与えます。
これで1セットです。
この1セットを繰り返すことで「拾い食いはいけない。飼い主が与えたものだけ食べる」ということを、犬は覚えます。
時間がかかるものと覚悟して、何度も繰り返し練習していきましょう。
食卓の時間になれば、いいにおいが部屋中に漂います。
すると、奥の部屋で寝ていた犬が嬉しそうにしっぽを振りながらやってくる。
さすが、においには敏感です。
食事中、テーブルの周りをうろうろして、落ち着かない。
時には、おいしそうに食べている飼い主を見つめ、おねだりを要求することもあります。
犬が「僕にもちょうだい」と訴える目で見つめてくると、飼い主の心は折れてしまいそうになります。
無視するのも心苦しい。
「1つくらい与えればおとなしくなるかな」と思い、1つ与える。
すると、おとなしくなるどころか、おねだりがさらにエスカレート。
食事中、落ち着いて食べられなくなる。
こうした騒がしい状況に悩む飼い主も多いことでしょう。
どうすれば、食事中に食べ物をねだるのをやめさせることができるのでしょうか。
基本的なしつけがあります。
「食事は、先に飼い主が食べる」
まず、これを徹底しましょう。
犬の世界では、リーダーから先に食事をするというルールがあります。
飼い主が先に食事をして、リーダーであることを示します。
もし、飼い主より先に犬が食事をしたり、あるいは飼い主と一緒に食事をしたりすると、主従関係が逆転する可能性があります。
飼い主が主であることを犬にわからせるため、食事は飼い主が先にするのが基本です。
食事中、犬からどんなに食べ物を要求されても、無視を続けてください。
とにかく無視する。
徹底的に無視する。
これにつきます。
「今日からしつける」と決めたら、今後食事中に一度でもおねだりに応えてはいけません。
おねだりに応えてしまうと、犬は「しつこく要求すれば思いどおりになる」と思い、食事中のおねだりがさらにエスカレートします。
飼い主は心を鬼にして、食事中いくら犬からおねだりをされても、無視です。
「自分ばかりが食べて、悪いなあ」と思いますが、それこそしつけの厳しさを考えることです。
これをしばらく続けてください。
しばらく続ければ、犬はどんなにおねだりをしても無駄であると覚えるはずです。
飼い主が食事を終われば、次に犬へ食事を与えます。
犬は「食べ物をもらえないわけではない。飼い主の食事が終わるまで待とう」と辛抱ができて、食事中におとなしくなります。
のどかな散歩の途中、見知らぬ人とすれ違うことがあります。
犬がやんちゃな性格の場合、いきなり人に飛びつこうとする場合があります。
当然、危険が伴います。
いきなり人に飛びついて、噛んでけがをさせれば大変です。
また、飛びついて相手を転倒させてけがを負わせてしまうかもしれません。
相手がご老人なら、命に関わる場合もあります。
これは、ぜひやめさせるようにしておきましょう。
まず飛びつこうとしたとき、言葉で叱るのはやめましょう。
「こら!」と叱っても、言葉がわからない犬は「よし! 偉いぞ!」と褒められているのかと勘違いする可能性があります。
もし飼い主がかまってくれたと勘違いすれば、やめるどころか余計に飛びつこうとして、さらにエスカレートしかねません。
では、どうすればいいのか。
人に飛びつこうとしたら、無言で強めにリードを引っ張ってください。
「無言」と「強めに」というのがポイントです。
無言になることで、飼い主がかまっている印象を取り払います。
強めにリードを引っ張ることで「してはいけない」という飼い主からの意思表示を伝えることができます。
これを「人に飛びつこうとしても意味がない。面白くない」と思って、しばらく続ければやめるはずです。
人とすれ違っても、いきなり飛びつくようなことはなくなります。
犬は、生後半年くらい経てば、立派に芸を覚えられるようになります。
マナーのいい犬に育てるために、芸を覚えさせたいこともあるでしょう。
しかし、言葉のわからない犬に、うまく芸を覚えさせるのに、どうすればいいのか途方に暮れるのではないでしょうか。
しかし、その方法は、シンプルです。
基本は次の3ステップだけでOKです。
まず飼い主は、犬と真っ正面から向き合ってください。
「お座り」「伏せ」「来い」など、言葉や態度で指示を出します。
犬は言葉がわかりませんから、最初はぽかんとすることでしょう。
そこで、飼い主は指示を出した後、犬にしてほしい動きを、手を使ってわからせます。
お座りなら、足を曲げさせます。
伏せなら、背中を押して伏せさせます。
もちろん強い力ではなく、優しく弱い力で「ゆっくり」を心がけます。
もう一度、指示を出して、言うことを聞いてくれるかどうかテストです。
初めて指示を出し、いきなりうまくいくことはまれです。
なかなかうまくいかなくて苦労します。
10回や20回でできるようになれば、御の字です。
たいてい100回くらいは練習が必要です。
また1週間も2週間も長い時間がかかることも珍しくありません。
しかし、諦めずにうまくいくまで、何度も繰り返しましょう。
飼い主が指示を出した瞬間、望んだとおりの動きをすれば、すかさず笑顔になってご褒美を差し出します。
頭をなでて「偉いね」と言って褒めてあげるといいでしょう。
そうすることで、犬は「なるほど。飼い主が望んでいた動きはこれなのか」と覚えてくれるようになります。
もちろん偶然できた可能性もありますから、何度も繰り返し挑戦して、身につけさせていきましょう。
言葉と動きをリンクさせるのは、繰り返して練習するに尽きます。
たったこれだけです。
難しくはありませんね。
さて、ここでいくつか注意したいポイントがあります。
できるまで1日中練習させるのでは良くありません。
必ず適度に休憩を入れるようにしましょう。
なぜかというと、無理に長時間訓練させると、犬が嫌がり、抵抗感を覚えるようになるからです。
抵抗感を持つと、余計に覚えにくくなるので、あくまで無理をしない程度に繰り返すのがポイントです。
目安としては「1回3分のトレーニングを、1日5回まで」です。
少し少ないような気がしますが、疲れさせて抵抗感を持たせないためです。
覚えが悪くて、もどかしいこともあると思います。
しかし、どんなにいらいらしても、絶対に叩かないようにしましょう。
叩いてしまうと、芸を嫌がるだけでなく、飼い主が嫌われてしまう可能性があります。
いきなりたくさんの芸を覚えさせるのは良くありません。
さまざまな指示で犬は混乱し、余計に覚えが遅くなります。
覚える芸は、1つずつです。
1つに絞り、集中的に訓練させるのがいちばんです。
2つ目の芸を覚えるのは、1つ目の芸を完全にマスターしてからにしましょう。
犬が芸を覚えるのは、一朝一夕とはいきません。
ゆっくり急がず、長い目で芸を覚えさせていきましょう。
犬も人と同じように、爪が伸びます。
犬は爪が伸びると、手の違和感を解消させようと、家具やソファーを爪で引っかこうとします。
これをやめさせたければ、手の違和感をなくすことです。
手の違和感をなくすには、やはり定期的に爪切りが必要です。
この爪切りに苦労する飼い主も多いようです。
犬をじっとさせようと無理に押さえつけると、逆に暴れます。
なかなか素直に爪切りをさせてもらえない場合があります。
素直に爪切りをしてもらうためにどうすればいいでしょうか。
いきなり犬の手を、強く「つかむ」のは良くありません。
ひどく驚いて、慣れるどころか嫌がります。
最初は「つかむこと」より「触れること」から慣れさせていきましょう。
お手をしてスキンシップを増やしたり、手を優しくマッサージしたりして、手を触れることに慣れさせていきます。
触れられることに慣れてくれば、ようやくつかんでみます。
イメージとしては「握手」です。
もちろんいきなり強い力で握るのではなく、軽い力でそっと握手します。
何度か繰り返していくうちに、次第に慣れていくことでしょう。
犬が手を握られることに慣れれば、ようやく爪切りです。
このときも、だらだら爪を切るのではなく、できるだけ素早く切るようにしましょう。
特に、爪は深く切りすぎないように注意しましょう。
犬の爪の付け根には、血管と神経が通っています。
深く爪を切ろうとした際に、神経を刺激してしまうと、犬が鳴いて、爪切りを急に嫌がることもあります。
手を握られても怖くない、爪切りは怖くないことを覚えさせていきましょう。
犬の性格によっては、頻繁に吠えることがあります。
犬が吠える声は大きいです。
響きます。
見知らぬ人が家に尋ねてきたとき、吠えた原因に心当たりがあるなら、まだ対処のしようがあります。
しかし、まったく意味もなく、突然吠えることはありませんか。
部屋で飼い主と2人だけ。
「わんわん、わんわん、わんわん」
これという用事も異変も何もないのに、ただやみくもに吠え続けます。
これを「無駄吠え」といいます。
別に何もないのにわんわん吠えられると、どうしていいのかわかりません。
「こら! 静かにしなさい」
おそらく多くの飼い主は、このように叫んで、無駄吠えをやめさせようとすることでしょう。
いくら飼い主がやめさせようとしても治らない。
「ああ。うちの子は、なぜこんなに吠えるのかしら……」
この無駄吠えに手を焼いている飼い主も多いはずです。
なぜ、無駄吠えが治らないのでしょうか。
実は、意外なところに無駄吠えが治らない理由が隠されています。
飼い主がやめさせようとするから、余計に治りません。
わんわんと吠えるたびに、飼い主は犬をさすったり声を出したりしてやめさせようとします。
そうした飼い主のリアクションがいけない。
犬には、吠えれば飼い主からの注意を引けると覚えます。
かまえばかまうほど余計に無駄吠えをするようになる悪循環になり、手を焼くことになります。
寂しいときや遊び相手になってもらいたいとき、突然わんわんと吠えるのは、そういう理由のためです。
「寂しいよ。かまってよ。暇だよ」という犬からの訴えです。
では、どうすれば無駄吠えをやめさせられるのでしょうか。
方法はただ1つ。
どんなに吠えても、無視を貫くことです。
うるさいからかまってやりたいところですが、じっと我慢です。
犬も、吠え続けるのは疲れます。
しばらくすれば、いくら吠えても飼い主が無反応なので、疲れもたまり、吠えなくなります。
これだけです。
犬が吠えるのは、警戒のときばかりではありません。
飼い主に対して、何かを伝えようとするときにも吠えることがあります。
「わんわん」という吠える声とはいえ、何か意味が込められています。
犬が無駄吠えをする原因の1つに、飼い主の規則正しさが原因になっている場合があります。
毎日同じ時間に餌を与えていたり、散歩をしたりすると、犬は「そろそろ時間だな」とぴんとくるようになります。
しかし、ある日、餌や散歩の時間が少しでも遅れると、犬は不安になって吠えることがあります。
「おなかがすいたよ。ご飯、ちょうだい、忘れているの?」という主張のため、吠えることがあります。
「散歩の時間だよ。早く連れて行って」という主張のため、吠えることもあります。
時間に厳しすぎると、ささいなことでいらいらしやすくなります。
では、どうすればいいのでしょうか。
あえて、食事の時間や散歩の時間をずらしましょう。
最初は、15分くらいずらします。
それで問題なければ、次に30分くらいずらします。
次に1時間、最大で2時間くらいずらしてみるようにしましょう。
またいつもより早くずらしたり、いつもより遅くしたりと、わざと変則的にします。
「今日は少し食事の時間が早いな。遅いな。まあ、こういう日もあるか」
「今日は少し散歩の時間が早いな。遅いな。まあ、こういう日もあるか」
こうして犬にわざと「ルーズ」を覚えさせます。
犬は主張をする回数が少なくなり、吠えることが少なくなります。
犬を留守番に慣れさせるのも、大切なしつけの1つです。
留守番とはいえ、ほうっておけばいいわけではありません。
犬は、飼い主とのつながりを強く求める動物です。
急に飼い主が長時間いなくなると、不安になります。
強い不安感のため、お漏らしをしたり、大声で吠えたり、家の中を駆け巡ってソファーを噛んだり破いたりするようになります。
また、そうしたことが心の傷になり、1人になることに強い恐怖感を覚えるようになります。
留守番に慣れさせるために心がけたいことが、3つあります。
ハウスは小さいのでよくないのではないかと思いますが、実は逆です。
狭いからいい。
たとえば、あなたに質問です。
広い体育館で1人になるのと、自分の部屋で1人になるのとでは、どちらが不安を感じますか。
おそらく広い体育館で1人になったときではないでしょうか。
広い空間が「1人」という孤立感を助長させてしまい、強い不安にさらされます。
1人になるときには、多少狭くても、自分の部屋のように慣れ親しんだ狭い空間のほうが落ち着けます。
これは犬も同じです。
誰もいない広い部屋より、慣れ親しんだ狭いハウスの中のほうが落ち着けることが多いです。
ハウスの中とはいえ、いきなり3時間も1人にさせられると、不安を感じるのは当然です。
慣れないうちは、まず「3分」から始めましょう。
3分間1人にさせて、3分後にまた戻ってくる行動を繰り返します。
問題なければ、5分、10分、30分、1時間というように、次第に離れる時間を長くします。
飼い主がいない状況に、ゆっくり慣れさせていきましょう。
こうすることで、飼い主はしばらく経てば戻ってくることを覚え、1人に強くなります。
いくら長時間待たせると言っても、トイレまでは我慢できません。
排泄の時間までには必ず帰宅しましょう。
幼犬のときは、数時間しかトイレが我慢できませんが、成犬になれば、半日から1日くらいは我慢できるようになるようです。
この3つを守ることができれば、おとなしく留守番ができるようになり、飼い主も安心して外出ができるようになります。
犬のごみあさりに苦労をしている飼い主は多いのではないでしょうか。
人間にとって「ごみ」と感じるものに限って、犬には強い興味の対象になる場合が多いようです。
特に犬が興味を示すのは「生ごみ」です。
おなかがすいていると、犬はにおいに興味を示して、ごみ箱を倒してまであさろうとします。
おなかをすかせている場合は、なおさらでしょう。
しかし、ごみの中には、腐っているものもありますし、口をけがする鋭いものが含まれていることもあります。
ごみ箱あさりをやめさせるには、どうすればいいのでしょうか。
おすすめの対策としては、次の3つを心がけましょう。
これはわずかな工夫で簡単に解決できます。
しつけるより、あさらせないように工夫をすればいい。
ごみに手が届かなければ、あさられる心配もなくなります。
犬はおもちゃに興味を抱いていると、いつまでも噛みつづけ、離さないことがあります。
おもちゃを無理に取ろうとすると、余計に噛んで離さなくなります。
また、口にしているものを離してもらいたいのは、おもちゃをくわえているときだけではありません。
散歩中、道端に落ちている物をうっかり口にしたとき、危険なのですぐ吐き出させたいこともあるでしょう。
飼い主が「やめなさい」と言っても、犬が興味を示して口にしたものだけあり、なかなか吐き出してくれないことがあります。
無理に吐き出させようとした結果、逆に飲み込ませてしまうこともあります。
こうしたときに必要となるしつけがあります。
「離せ」です。
飼い主が指示すると同時に、口にしているものを離せば、万が一、口にしてはいけないものをくわえてもすぐ吐き出させられます。
では、どうすれば「離せ」をしつけることができるのでしょうか。
次のステップの流れでしつけていきましょう。
まず、犬が日頃からよく噛んでいるおもちゃなどを、わざとそばに置きます。
飲み込むことがないよう、大きめのおもちゃがいいでしょう。
興味を持ってくわえたと同時に「離せ」という指示を出します。
このとき「やめなさい」や「ダメ」という言い方でもいいですが、あえて「離せ」のほうがいいでしょう。
「やめなさい」や「ダメ」という言い方は、ほかのしつけの場面で頻繁に登場する言葉なので、意味が混乱する恐れがあります。
口にしたものを吐き出すときには「離せ」で統一したほうが、犬は混乱しなくてすみます。
さて「離せ」と言っても、おそらく素直に離してくれないことでしょう。
ここで伝家の宝刀が登場です。
ご褒美を犬の目の前に差し出します。
すると、犬はおもちゃよりご褒美に興味を示し、くわえているおもちゃを離してくれるはずです。
そのとき、頭をなでながら褒めてあげます。
ご褒美があれば、おいしそうなお菓子のため、くわえているおもちゃはすぐ離してくれます。
しかし、ご褒美がなければできないのでは良くありません。
最終的には、ご褒美がなくても「離せ」という指示に従えるよう、何度も訓練です。
これを繰り返しながら「離せ」を覚えさせていきましょう。
屋外で飼っていると、犬の穴掘りに困らせられる飼い主も多いことでしょう。
犬小屋の周りは穴だらけ。
なぜそんなに穴を掘るのが好きなのかと思います。
餌を保管するために穴を掘る本能的な行動の一面もありますが、やはり多くの場合は、単に「暇つぶし」が原因です。
「穴を掘ってはいけません!」と怒ったりしつけたりしたいところですが、待ってください。
たしかに穴を掘る犬もいけませんが、本当の原因は少し異なるようです。
犬が退屈になるほど、飼い主は接する機会や時間が少ないのが、本当の原因ではないでしょうか。
屋外で飼っていると、リードで縛られ、行動を制限されます。
屋外だからこそ、飼い主と触れる時間が少なくなり、退屈を感じやすくなります。
その結果、ストレスをためて「暇つぶしに穴を掘ってみるか」と思い、意味のない穴を掘り始めます。
穴を掘れば天罰を与えるという天罰方式で、無理にしつけることも可能ですが、あまりおすすめできません。
しつけて穴掘りをやめさせると、犬は余計にストレスがたまるからです。
穴掘りは、犬が暇を持て余している証拠です。
では、どうすればいいのでしょうか。
飼い主は、犬が退屈にならないほど、接する機会や時間を増やしていきましょう。
もし、外出し、相手にする時間が短いときは、せめて犬が1人でも遊べるおもちゃを犬小屋のそばに置いておくといいでしょう。
1人でもうまく暇がつぶせ、ストレスを解消できるような環境をつくってあげましょう。
犬は穴を掘る暇も時間もなくなり、穴掘りは自然となくなるはずです。
ただし、十分に犬の面倒を見てやっているにもかかわらず、穴掘りをやめない場合は、癖になっていることが考えられます。
そういうときは、犬小屋の下に大きな木の板を強いて、穴を掘りたくても掘れないように、矯正していきましょう。
散歩中に飼い主が苦しむのは、マーキングや排泄行為です。
特にオスの犬は、尿などで自分の縄張りを示そうと「マーキング行為」をしたがります。
メスの場合は、マーキング行為は少ないですが、散歩中に排泄をしようとすることがあります。
たとえ、マーキングであれ単なる排泄行為であろうと、飼い主には面倒です。
散歩のたびに、水が入ったペットボトルを持参し、糞をくるめる紙を持ち歩かなければなりません。
排泄のたびに、尿や糞を処理する手間もかかります。
そもそも散歩は、トイレのために行くわけではありません。
散歩は運動のために行くものです。
散歩中の排泄を許していると、犬は「散歩はトイレにために行くものだ」と思い込み、家でトイレをしなくなります。
そんなとき、多くの飼い主が抱く願いがあります。
「散歩中のマーキングや排泄をやめさせたい」
では、どうすれば、散歩中の排泄行為をやめさせられるのでしょうか。
散歩に出かける前に、トイレシートに連れて行き、ワンツーといって排泄を促しましょう。
散歩前に、あらかじめトイレを済ませておきます。
もし、排泄をしないようなら、それで結構です。
散歩中は、犬の動きをよく観察しましょう。
トイレをしたくなる直前には、道端の特定の場所で立ち止まって、においを嗅ぎ始めてそわそわする様子が見られるはずです。
そういうトイレ前の様子が見られたら、すぐリードを強く引き、排泄をさせないようにします。
散歩から帰ってきたら、もう一度トイレシートに向かいましょう。
「ワンツー」と言って、排泄を促します。
「散歩中に我慢したトイレは、今ならしてもいいですよ」という意味です。
この3ステップを繰り返せば、次第に犬は散歩中にトイレをしなくなり、家でトイレをしてくれるようになります。
あくまで散歩中の排泄は許さず、自宅のトイレシートのところだけ許可をするルールを徹底しましょう。
さて、注意ポイントがあります。
万が一、散歩中にトイレを許してしまったとき、飼い主は犬を叱りたいところですが、叱ってはいけません。
排泄を叱ってしまうと、犬はトイレをすると飼い主に叱られると思い、余計なストレスをためます。
また、大声で叱ってしまうことを、逆に飼い主から注目されていると勘違いすることもあります。
飼い主の気を引くために、わざと排泄をしようとすることがあります。
もし、散歩中にトイレを許してしまえば、静かに尿や糞を片付けます。
次からはリードを引いて、やめさせるようにしましょう。
車に対して苦手意識を持っている犬は多いです。
車の室内は、独特のにおい・エンジン音・空間・揺れがあります。
そのうえ、車酔いもありますから、あまりいい印象を持つことがありません。
嫌がるとはいえ、犬を飼っていくうえでは、車に乗せる機会もあります。
お出かけや旅行に行くとき、車に乗せることができれば、犬と行動できる範囲がうんと広がります。
また、犬がけがをしたとき、急いで動物病院に連れて行くときには、やはり車に乗せるのが必須です。
いざというときのためにも、やはり普段から車に慣れさせておく必要があります。
そこで車に慣れさせようと思い、車に乗せてドライブに出かけて以来、車をもっと嫌うようになった。
そんな逆のケースもあります。
いきなり車に乗せて長距離を移動させるのは、注意が必要です。
慣れさせるとはいえ、犬が慣れやすいようにステップを踏んでいく必要があります。
まず、飼い主が犬を抱っこしたまま、車に乗せます。
ただし、まだエンジンはかけません。
あくまで、最初は「車」という空間に慣れるのが目的です。
抱っこをしたまま頭や背中をなでましょう。
しばらくして問題ないようなら、車の中でじゃれ合ってみます。
次第に車の中の不思議な空間に慣れていき、苦手意識が消えていくはずです。
車を発車させずに、エンジンだけかけてみましょう。
これは「エンジン音」と「振動」に慣れる練習です。
エンジンをかけるとエンジン音がして、車全体が振動します。
エンジンをかけたまま車の中で飼い主が「エンジン音や振動があっても怖くないよ」と、犬の頭や背中をさすって安心させます。
車の空間、エンジン音、振動に慣れれば、ようやく車を発車させます。
ただし、必ず犬をクレートに入れてからにしましょう。
なぜ車を運転するときにクレートに入れるのか、おわかりですか。
運転事故を防ぐためです。
飼い主が運転している最中に、犬が突然飼い主に飛びかかると、ハンドル操作を誤り、大事故につながる危険があります。
犬を車の中で自由に動き回らせたい気持ちはわかりますが、事故を防ぐためにも、必ずクレートに入れてから発進させましょう。
もちろん最初は、徐行運転です。
慣れてくれば、少しずつスピードを上げていきましょう。
この3ステップを踏めば、犬は車に慣れていくはずです。
さて、最後に注意ポイントが2つあります。
犬も車酔いをします。
車酔いだけは、練習すれば治るというものではありませんから、犬の様子を見ながら適度に休憩を入れるようにしましょう。
車に乗せて移動するときには、2時間くらい前から食事は控えるようにしましょう。
胃の中に食事があると、車の中で酔いやすくなります。
酔ってしまうと吐いてしまう可能性もあります。
この3ステップと2つの注意事項を守れば、車に対する苦手意識は次第に消えていくことでしょう。
初めて動物病院に行くときは嫌がらなかったのに、2回目からはひどく嫌がる犬は多いです。
病院を見るやいなや、拒否反応を示し、嫌がる犬に苦労する飼い主も多いのではないでしょうか。
動物病院の中では、犬にとってあまりいいことはありません。
体のあちこちを触られたり、痛い注射を打たれたりと、犬には嫌な思い出しか残らない場所になるでしょう。
一度でもそういう経験があると、2回目からはひどく嫌がり、動物病院に対して拒否反応を示すようになります。
犬の記憶力は人の3歳程度と言われますが、こういう嫌な過去の記憶は、一度の経験でもよく覚えます。
しかし、大切な犬を飼っていくうえで、動物病院は避けて通れません。
定期検診をしてもらったり、突然体調が悪くなったときに、診てもらったりすることもあるでしょう。
病気の予防接種で、注射をしなければならない場合もあります。
犬が嫌がる動物病院とはいえ、できるだけ慣れさせておくようにしましょう。
では、どう慣れさせればいいのでしょうか。
病院が少しでも楽しい思い出になるように、動物病院の中で餌を与えるようにすればいいでしょう。
おいしいものが食べられる場所として、印象が良くなります。
もし病院内で餌を与えるのが禁止されていれば、玄関前で与えればいいでしょう。
人間ですら、病院は緊張する場所です。
不安になるのは犬でも同じです。
そういうとき、飼い主がいつも以上に話しかけたり、頭をなでてあげたりなど、不安になる犬の気持ちを和らげるようにしましょう。
飼い主の手からではなく、できれば病院スタッフの手から餌を与えるようにすればいいでしょう。
病院の人たちに少しでも早く慣れさせるためです。
診てもらうときの抵抗を小さくします。
犬には、嫌な思い出ばかりとなりがちな動物病院です。
ポイントは、嫌な動物病院を、楽しい場所に変えられるよう工夫を凝らすことです。
楽しい場所と思えるようになれば、動物病院を嫌がらなくなります。
「わんわん」
性格によっては、落ち着きのない犬がいます。
飼い主の周りをぐるぐると回ったり、寄りかかったり、飛びついたりしてくることはありませんか。
ほとんどの場合「暇なら遊び相手になってよ」という意味が考えられます。
場合によっては、わんわんと吠えることもあるはずです。
おそらく多くの飼い主は「落ち着きなさい。静かにしなさい」と言って叱るでしょう。
しかし、いくらしつけようとしてもなかなかやめてくれない。
「うちの子は、なぜこんなに聞き分けが悪いのかしら」
こんな悩みを持つ飼い主も多いはずです。
実は犬がなかなかやめてくれない理由は、飼い主にもあります。
飼い主の周りを動き回ったり寄りかかったり飛びついたりすれば、飼い主がかまってくれるので、余計にやめてくれません。
では、こういうときどうするか。
犬の無駄吠えをやめさせるときと同じ要領です。
やはり「無視」がいちばんです。
無視は、犬がいちばん嫌がるお仕置きの1つです。
動き回ろうが、飛びついてこようが無視をする。
特に「目を合わせないこと」がポイントです。
目を合わせなければ「無視されている」という感覚が、より強くなります。
しばらくするとまったく反応が返ってこない飼い主に飽きて、静かになります。
そのときです。
犬が疲れておとなしくなれば、すぐ褒めてあげましょう。
「いい子だね。偉いね」と話しかけながら顔を合わせて、頭や背中などをさすってあげます。
すると、犬は「おとなしくしているほうが飼い主は喜んでくれるのか」ということを学習します。
初めはなかなか覚えてくれないこともあるでしょうが、根気よくできるようになるまで続けてみましょう。
犬の性格によっては、お手入れを嫌がる場合があります。
なでたり、触られたりするのを嫌がる場合もあります。
大きな悪さをしているわけでもないので「まあ、ほうっておいてもいいだろう」と思いますが、そうでもありません。
犬を飼っていると、お手入れをしなければならないときがあります。
足先のケアのため、爪切りをする必要があります。
歯磨きのため、犬の口元を触ることもあります。
グルーミングで、体中をブラッシングすることもあるでしょう。
散歩中に体が汚れれば、水で洗うこともあるはずです。
なにより、動物を育てていくうえでお世話になるのは、動物病院です。
定期検診や体調不良で、何度もお世話になるに違いありません。
診断のときは、耳やしっぽなど犬が嫌がるところを触らなければいけない状況があります。
そういうとき、さらわれるのを嫌がって病院で暴れられると、獣医師も正しい診断や処置がしにくくなります。
日頃からある程度、触れられることになれるのも大切なしつけです。
では、どうすれば触れられることに慣れる必要があるのでしょうか。
次の3ステップで慣れさせていきましょう。
最初は、頭や背中など、犬が喜ぶところからグルーミングを始めましょう。
優しくなでてあげると「気持ちいいな」と思い、次第に慣れます。
犬が気持ちよく感じる背中あたりを、ゆっくり優しくグルーミングしていけば、触れられることに次第に慣れます。
体の血行を良くするので、犬の健康にもつながります。
頭や背中などに慣れていけば、足先から次第に触れていく体の部分へと、範囲を広げていきます。
触り方も、優しく触れるような「タッチ」を心がけましょう。
最後のステップは、嫌がる部分を触られるのに慣れることです。
口元・耳・しっぽなどです。
初めは驚くようなしぐさを見せるでしょう。
「今まで飼い主は優しく接してくれた」という思い出や飼い主との信頼関係があれば、きっと心を開いて触らせてくれるはずです。
しっぽは、毛並みに沿って優しく触ります。
口元は、少し手が汚れますが、歯磨きのときには触る必要がある部分です。
もちろん慣れさせるとはいえ、あまり長時間触り続けないようにしましょう。
「頭や背中 → 足先 → 口元・耳・しっぽ」
このように、触られるのに抵抗の小さいところから大きいところへと、段階を踏んでいくイメージです。
ゆっくり段階を踏んでいけば、犬も自然と慣れていき、嫌がらなくなります。
爪切りも歯磨きもグルーミングも嫌がることはなくなり、行儀のいい犬へと成長することでしょう。
犬には、自分がした糞を食べる「食糞」という習性があります。
初めて見た人は、強い衝撃を受けると思います。
犬が飼い主の顔をなめようとじゃれてきたら、口から糞のにおいがした。
そんな度肝を抜かれる経験を持つ飼い主も多いことでしょう。
じゃれてくるのは嬉しいですが、糞のついた口で近づかれると、いくら飼い主とはいえ、引いてしまいます。
なぜこの習性があるのか。
いくつか理由があります。
糞の中には栄養分がまだ残っているので、おなかがすいていると、つい食べたくなってしまうようです。
そのほか「興味本位」「暇つぶし」「ストレス」などが原因で口にしていることもあります。
この食糞をやめさせる方法は、世間に数多くあふれています。
しかし、飼育書の中には、食糞をやめさせようとする方法で誤った方法を勧めているものがあります。
「こら! そんなものを食べてはいけません!」
食糞をしたら、叩いたり大声で叱ったりすればいいと書いている飼育書をときどき見かけますが、いい対策ではありません。
叩くと、犬は余計にストレスになりますし、飼い主のことが嫌いになる可能性があります。
そのストレスが原因で、余計に食べてしまうこともあります。
逆に、飼い主が大声で叱ると、犬は「食べて褒められた」と勘違いすることもあります。
食糞をさせないようにしているしつけのつもりが、逆に食糞を促すようなしつけになっている場合もあります。
食糞は、飢餓をしのぐためにある栄養再吸収の習性と言われます。
事実、糞を食べるのは、おなかがすいているときによく見られます。
では、ご飯の量を増やせばいいのではないかと思います。
たしかにご飯の量を増やせば、おなかはいっぱいになるので糞を食べるのをやめる場合があります。
しかし、これはあまりすすめられる方法ではありません。
ご飯を十分に与えすぎると、今度は肥満の原因になるからです。
肥満になると、糖尿病や肝硬変などの健康問題が発生する可能性があります。
犬が糞をしたら、飼い主はすみやかに片付ける方法もよく見られる対策方法です。
悪い方法ではありません。
しかし、ベストの対処でもありません。
たしかにこの方法なら、犬は糞を食べようにも食べられません。
糞をして、飼い主がすぐ片付けてしまうなら、食べようがありませんね。
しかし、これを続けようとするなら、飼い主がいつも犬のそばにいなければならなくなります。
飼い主は、外出することもありますし、糞をするタイミングをいつも気にしていなければいけません。
そうした気にかける作業を、常に続けるのは大きな負担ではないでしょうか。
いかがでしょうか。
もし、やめさせるつもりで上記のような対策をとっているなら、見直す必要があります。
一見すれば問題ないような対策ですが、突き詰めて考えると、別の問題点が浮上するのです。
ほとんどの飼い主は、この食糞をやめさせたいと思います。
では、どうすればいいのでしょうか。
難しそうですが、実は単純です。
拾い食いをやめさせるしつけと、同じ方法でかまいません。
屋外でも、室内でもかまいません。
まずそばに、犬がいつも興味を示す糞をわざと置きます。
糞を置いた後、飼い主と一緒にわざと糞のそばを歩きます。
このとき、屋外であれ室内であろうと、リードをつなげておきましょう。
糞の形やにおいに興味をそそられて拾い食いをしようとしたとき、飼い主は無言でリードを強めに引いてやめさせます。
「無言」と「強め」がポイントです。
声を出すと、犬は褒められているのと勘違いするためです。
強めにリードを引くのは「そういうことをしてはいけません」という意思を、犬にしっかり伝えるためです。
このステップ1と2を、できるようになるまで何度か繰り返します。
何度か繰り返すと、糞を食べようとしても無駄とわかり、犬は諦めるようになります。
「お座り」をさせて、飼い主が差し出した餌を与え、褒めてあげます。
このとき、めいいっぱい褒めてあげましょう。
すると、犬は直感します。
「そうか! 糞を食べてはいけないのか。食べなければ飼い主は喜んでくれるのか」と。
これを何日も何週間も続けていくと、犬はだんだん食糞をやめるようになります。
しつけですから、あらかじめ時間がかかる覚悟が必要です。
できるようになるまで、根気よく何度も繰り返していきましょう。
犬が飼い主を見つけるやいなや、足にしがみつき、腰を振るしぐさを見せることがあります。
お世辞にも、品がいいとは言えません。
飼い主を異性と勘違いして、交尾をしているように腰を振るしぐさです。
しかし、オス犬だけでなく、メス犬にも同じ行動パターンが見られます。
実はこの動作、飼い主に対する性的な意味はありません。
「単なる楽しみ」「暇つぶし」「喜びの表現」として腰を振っている場合がほとんどです。
犬の場合は、嬉しくて飼い主に飛びかかり、腰を振りたくなる衝動があるようです。
そうは言っても、このマウンティング、なかなか恥ずかしいです。
人目がないところで飼い主にするならいいですが、人目の多いところでマウンティングをされるのは、かなり抵抗があります。
はた目から見れば、飼い主に対して交尾しているように見えてしまい、赤面してしまいます。
初めは面白おかしく笑っていても、いつまでもそれが続くようになると困るようになります。
そこで飼い主としては、マウンティングをなんとかやめさせられないかと頭を悩ませます。
しかし、ここで多くの人が苦労をします。
すぐやめさせられそうですが、苦労するはずです。
多くの人が陥りやすい悪循環があります。
まず、やめさせようとするとき「ダメ」としかったり、犬の足を無理に振り払ったりすることでしょう。
これですんなりやめてくれればいいですが、おそらく失敗するでしょう。
飼い主が犬のマウンティングをやめさせようとしたしぐさが、犬にとって飼い主が喜んでくれたと勘違いする可能性があるからです。
余計にマウンティングがエスカレートする悪循環に陥りやすくなります。
マウンティングをやめさせるのに苦労をしている飼い主は、多いのではないでしょうか。
私の場合、犬にどうやってマウンティングをやめさせようかと奮闘しましたが、意外なところに解決法がありました。
やはり、無視します。
犬にとって、無視されるのは最もつらいことです。
飼い主から無視されると「面白くないなあ」「腰を振っても飼い主は喜んでくれないのか」と思い、やめるようになります。
多少は時間がかかりますが、無視をしてやめるようになるまで、根気強く続けていきましょう。
犬に対して暴力を振るうこともないので、優しいしつけになるはずです。
飼い主の言うことを、聞いてくれないやんちゃな犬がいます。
言うことを聞いてくれないのは、もともとの犬の性格だと思いますが、そうではありません。
もちろんある程度は性格に由来する一面もあるでしょう。
しかし、本来、犬はリーダーの指示はきちんと従う動物です。
古くから集団生活を営み、集団には必ずリーダーが存在しました。
リーダーの言うことは絶対に従うという本能がインプットされています。
飼い主がきちんとしたリーダーなら、犬はやんちゃな面はあっても、とことん言うことを聞くはずです。
では、なぜ飼い主の言うことを聞かないのか。
おそらく飼い主と犬との序列関係が崩れているのが一因と考えられます。
飼い主によっては、犬をむやみにかわいがりすぎて、客観的な視点を失ってしまうことがあります。
たとえば、犬がおなかをすかせれば、いつでも食事を与える。
散歩のときに、飼い主の前を犬が歩き、歩きたい道を歩かせる。
犬のリクエストなら何でも応えるのは、一見、素晴らしいことのように思えます。
しかし、これでは良くありません。
決定権が、飼い主ではなく、犬にある状態だからです。
飼い主は、犬の言いなりになっているだけです。
これを続けているうちに、犬は飼い主を軽く考えてしまい、言うことを聞いてくれなくなるでしょう。
すなわち、飼い主の言うことを聞かない犬の本当の原因は、飼い主にあります。
犬への本当の愛情があれば「優しさ」としての表現だけでなく「厳しさ」としての表現も必要です。
では、その厳しさとはどんなものか。
数を挙げると多くありますが、最低、次のポイントだけは守らせましょう。
これらはすべて、飼い主がリーダーとしての存在感を犬へ示す大事な場面です。
食事中の順番、散歩のときの歩かせ方などを少し工夫するだけです。
その厳しさがあれば、犬は飼い主に対して恐れを抱きます。
いま一度「自分(犬)のリーダーはこの人だ!」という意識を強くしてくれるはずです。
子犬とじゃれ合っていると、急にお漏らしをすることがあります。
いきなりです。
「おや、どうしたの急に」
急にお漏らしをするのは、じゃれ合っているときだけではありません。
喜び・恐怖・緊張・興奮などしているときには、さまざまな場面でよくお漏らしをします。
飼い主が家に帰ったときに、嬉しくてお漏らし。
見知らぬ犬といがみ合っている最中にお漏らし。
1人きりにされて、寂しさを我慢できず、お漏らし。
なぜ、こうしたことが起こるのでしょうか。
幼犬・成犬・老犬とで、少し事情が異なるようです。
この現象が最もよく見られるのは、生後まだ数カ月の「幼犬」です。
膀胱周りの筋肉が、まだ十分に発達していません。
そのため、飼い主とじゃれ合っているときに、興奮をしすぎて膀胱の筋肉が緩み、お漏らしをしてしまいます。
人にも、子どものころにお化け屋敷の中で興奮や緊張のため、お漏らしをした人もいると思いますが、それと同じです。
飼い主としては「こら」と叱りたくなりますが、叱ってはいけません。
わざとではないからです。
むしろ犬のほうこそ「うわっ、何か出たぞ。大変だ」と驚いているはずです。
対処という対処をする必要はなく、成犬になれば自然と治っていく場合が多いようです。
あえて対処をするといえば「たくさん散歩をして、たくさんの経験をさせること」です。
散歩をすることで、体全身の筋肉が強くなります。
外でさまざまなものを見たり触れたりしているうちに、精神的な成長も促されます。
そうした肉体面や精神面の発達が促されることで、お漏らしからの卒業が早くなります。
基本的にお漏らしは、成犬になればほとんど治ります。
膀胱周りの筋肉が発達しますし、精神的にも強くなりますので、興奮や緊張があっても漏らすようなことはなくなるはずです。
しかし、まれに成犬でもお漏らしをすることがあります。
これは性格的な問題が多いようです。
人間でもそうですが、大人になればすべての人間が精神的に強くなれるとは限りません。
やはり大人になっても、気が弱い人もいるのと同じです。
犬も成犬になったとはいえ、生まれや育ちによって怖がりのままの犬もいますし、緊張に弱い犬もいます。
そうした事情から成犬になってもお漏らししてしまうことがあります。
極度の恐怖や緊張がないように、飼い主が生活をコントロールしてあげましょう。
落ち着いた生活になるように、犬を驚かせることがないようにすればいい。
これでお漏らしがなくなるわけではありませんが、落ち着いた生活を心がけていれば、興奮してもらすことは少なくなるはずです。
意外に、老犬でもお漏らしはよく見られます。
これは老化による原因が考えられます。
老化によって膀胱周りの筋肉に力が入りにくくなり、おしっこを漏らしてしまいます。
もう1つの原因は「認知症」です。
犬がぼけて、老化や玄関などをトイレと間違えて、おしっこをしてしまいます。
この場合は、犬用に「おしめ」があります。
市販されているもので十分なので、おしめをつけて、いつ漏らしてもいいようにしておけばいいでしょう。
このように、成長段階によってお漏らしの原因もさまざまです。
もちろんすべてがこの限りではありません。
ほかにもさまざまな環境要因やさまざまな原因などが考えられます。
犬の年齢や性格面を考慮して「なぜお漏らしをしたのか」を考えていくようにしましょう。
またわざとやっていることではないことを理解してあげましょう。
叱るのではなく、むしろいたわってあげるくらいがいいでしょう。
「ピピピピ」
自宅の電話が鳴ると同時に、犬が吠え始める。
もしくは、携帯電話の音がなり始めて、反応して吠え始める。
このように「自宅の電話」や「携帯電話」の音に反応して吠える犬は多いのではないでしょうか。
なんとかやめさせたいと思います。
なぜ、電話の音に反応して吠え始めるのでしょうか。
多くの場合、単に電話の音に慣れていないので、驚いて吠えていることが多いようです。
電話の音、いわゆる「電子音」は、自然界には存在しない独特の音です。
その聞き慣れない音に驚いているのでしょう。
では、どうすれば電話の音にうまく慣れさせられるのでしょうか。
まず、手持ちの携帯電話から、自宅の電話にかけてみましょう。
逆に、自宅の電話から携帯電話にかけてみます。
音が鳴っても、わざとしばらくでないまま、音を鳴らし続けます。
15秒くらい鳴らし続けて、やめます。
最初、犬は驚いて吠えるでしょうが、完全に無視してOKです。
またかけ直し、15秒くらい鳴らし続けて、やめます。
これを1日5回、1週間ほど続けていれば、次第に犬の態度に変化が現れるはずです。
犬は「別に珍しい音ではないぞ。驚くことではないな。吠えても仕方ない」と学習します。
次第に慣れるにつれ、電話の音にも驚かないようになるのです。
「ピンポーン」
来客のチャイムが鳴りました。
鳴ると同時に、犬がわんわんと吠え始める。
苦労している飼い主も多いのではないでしょうか。
まず考えられる原因は「聞き慣れないチャイム」です。
「チャイムを何度か聞かせれば、そのうち慣れて吠えなくなるだろう。電話の音と同じような要領で慣れさせればいいだろう」
わざとチャイムを鳴らして聞き慣れさせていけば、そのうち吠えなくなるはずと思います。
しかし、電話の場合とは少し事情が異なります。
電話の場合とは違い、家のチャイムが鳴った後は、必ず見ず知らずの人が登場するからです。
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チャイムが鳴った後、知らない人がドアを開けて近づいてくるのを学習して、警戒して吠えています。
吠えるには、理由があります。
飼い主に「誰か来たよ」という知らせであったり「お前は誰だ。これ以上近づくな」という警戒であったりなどです。
つまり、犬が吠えている本当の原因は「チャイムの音」に対してではなく「知らない人」に対してです。
チャイムの音に慣れることはできても、知らない人には慣れていません。
知らない人が近づく合図に過剰反応してしまいます。
さて、この本当の原因がわかれば、チャイムが鳴るのをやめさせる方法がわかってきますね。
「チャイムの音に慣れさせる」より「人に慣れさせる」のです。
チャイムとは関係ないように思えますが、関係しています。
まず他人との接触回数を増やして、飼い主以外の人でも怖がる必要はないことを学習させます。
もちろん最初は怖がったり警戒したりすることでしょう。
そういう場合は、他人の手から餌を与えるなどして、親近感を増す工夫をします。
「飼い主だけがいい人ではないよ。みんないい人なんだよ」ということを学習させます。
他人との触れ合いの回数を増やすにつれて、知らない人に対しても慣れが生じ、吠えることがなくなります。
この他人に対して慣れができれば、自然とチャイムがなっても吠えなくなります。
知らない人が来ても、怖がることはないので、吠えることもなくなるのです。