執筆者:水口貴博

子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

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しつけは「従順期」「反抗期」「反省期」の3段階を経る。

しつけは「従順期」「反抗期」「反省期」の3段階を経る。 | 子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

しつけというのは、言われて覚えて終わりと言いたいところですが、回り道があります。

山あり谷ありです。

多くの人たちは、次のような成長段階に思い当たるのではないでしょうか。

親が子をしつけるときに、次のような段階があることをあらかじめ知っておくと、対応もしやすくなります。

しつけるとき、その3段階とは「従順期・反抗期・反省期」です。

自分の過去と照らし合わせながら、考えてみましょう。

  1. 従順期(親から言うことを素直に聞く時期)

おおむね10歳までの間は、親の言うことを素直に聞いてもらえる時期です。

何でも「はい」と素直に答えます。

世間はまだわからず、頼りになるのは親だけです。

また親に振り向いてもらいたいため、余計に親の言うことを素直に聞いてくれます。

このころの子どもが、一番かわいいのかもしれません。

この10歳までにしつけた行儀や作法は、子どもの人格形成の土台になりやすいです。

  1. 反抗期(一時的に態度が悪くなる時期)

10歳を過ぎるころから、子どもは次第に汚い言葉を覚え始めます。

一方でこれまでせっかく覚えてきた行儀や作法を、わざと破り、親の手を煩わせようとします。

10代後半になると、さらにエスカレートします。

ここで今までしつけていた礼儀や行儀が悪くなり、今まで教えていた苦労が水の泡になったかのように思えます。

しかし、大丈夫です。

反抗期がやってきたからと言って、嘆く必要はありません。

反抗期があれば、安心です。

精神発達の過程の1つであり、きちんと子どもが精神的な発達ができている証拠です。

親の言うことに歯向かうのは、自我に目覚め始めているという裏返しでもあります。

いつまでも続くわけではありません。

もうしばらく我慢しましょう。

  1. 反省期(しつけの大切さに気づき、再び礼儀がよくなる時期)

反抗期を過ぎ、おおむね20代半ばを過ぎ始めたころから、少しずつ子どもの態度に変化が見え始めます。

態度が一転してよくなります。

中学・高校・大学の経験を通して、子どもの経験量は蓄積され、一定量に達します。

すると、多くの他人と自分とを冷静に比べることができるようになります。

このとき、自分が面倒だと思っていた親からのしつけの素晴らしさに、気づき始めます。

ここで一気に反省します。

「自分が間違っていた。幼い時期の親からのしつけは、これほど素晴らしいものだったのか」と、目が覚めます。

親が口うるさかった言葉の奥にある愛に気づきます。

反抗期の自分の身勝手な行動が、乱暴であるほど恥じる気持ちも大きくなります。

一転して、礼儀がよくなります。

個人差はありますが、反抗期に親に強く反抗していたほど強く反省して、態度が急によくなることが多いようです。

すべての人がまったく同じとまではいかなくとも、同じような成長段階を経ているのではないでしょうか。

自分が親になって子どもをしつけるとき、この3段階を覚悟しておくことです。

あらかじめ心に留めておくと、親としても冷静な態度を取りやすくなるはずです。

子どもに礼儀と行儀をしつける方法(30)
  • 成長の3段階を、あらかじめ知っておく。
まとめ

子どもに礼儀と行儀をしつける30の方法

  1. 幼いときに身につけた習慣は、大人になってからも変わりにくい。
  2. 「お行儀よくしましょう」という言い方では、子どもは行儀よく行動できない。
  3. 子どもに、礼儀や行儀を教えるなら、10歳までの時期が大切。
  4. 初めは、礼儀や行儀の理屈を抜きにしつけてもいい。
  5. そもそも礼儀や行儀は「頭」で覚えるのではなく「体」で覚えるもの。
  6. 子どもが100点や1等賞を取ったときも喜ぶ。
    取れなくても喜ぶ。
  7. 親が子どもから感謝されるのは、ずっと後になってから。
  8. ご近所から褒められた経験が、子どもの意識を変える。
  9. 正義のために生きるヒーロー番組は、子どもの礼儀や行儀に好影響を与える。
  10. 子どもが駄々をこねても気軽に応じないほど、精神的に強くなる。
  11. お金や物質などのご褒美を与えればいいわけではない。
    子どもが一番見たいのは、親が喜ぶ姿。
  12. 親が喜び上手なら、子どもは自然と努力をする。
  13. お小遣いを無条件に与えていると、子どもの金銭感覚は養われない。
  14. きちんとしたしつけのためには「優しさ」と「厳しさ」両方の教育方法が必要。
  15. 優しさと厳しさは、偏りすぎてはいけない。
    バランスが大切。
  16. 子どもから尊敬されるという願いは、今のところ、捨てておいたほうがいい。
  17. 子どもにプラス発想を教えるには、親がプラス発想をするだけでいい。
  18. 子どもにとって、学生服を着ることほど難しいことはない。
  19. 子どもが心を開くかどうかは、親の聞き方しだい。
  20. 無駄をしないのは、最も無駄。
  21. 挨拶をしないのは、れっきとした無視行為。
  22. 子どもの言葉に耳を傾ければ、自然と素直になる。
  23. 親は、子どもの勇気を出す手助けをするだけでいい。
  24. 成功であれ失敗であろうと、勇気を出して行動すれば、褒めることができる。
  25. 夫が仕事に精を出せば出すほど、発生しやすい矛盾点がある。
  26. 「親は何のために働いているのか」を、きちんと子どもに話す。
  27. 子どもが何かに熱中し始めたら、とことん熱中させてあげること。
  28. 親になった今だからこそ、マナー教室に通う価値がある。
  29. 親が子どもに対して礼儀がないと、子も親に対して礼儀がなくなる。
  30. しつけは「従順期」「反抗期」「反省期」の3段階を経る。

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