テーブルマナーは、覚えることがたくさんあります。
マナーの習得には、多くの時間がかかると思われます。
しかし、それは誤解です。
「レストランの予約は面倒だなあ」
私は最初、そう思っていました。
わざわざ電話をしなくても、直接行けばいいだろうと思います。
レストランに入店した際、受付から「お荷物をお預かりいたします」と言われることがあります。
持っている荷物の大きさにもよります。
フォーマルなレストランで大きな荷物を持って入店をした場合、確実に言われると思っていいでしょう。
給仕がテーブル席へ案内をして引いてくれた椅子には、左側から座るようにします。
右側から座れる状況でも、できるだけ左側から座るのがマナーです。
ところで、なぜ左側からなのでしょうか。
テーブルマナーにたけた人と食事をすると、必ず皿がきれいになっています。
1滴のスープすら残っていません。
普通に考えると、皿には多少スープが残っているものです。
食事中の会話にも、気を配るのが上級者です。
食事中「汚い話」や「下ネタ」などの話題は、食事の味を損ねてしまうため、控えるべきです。
周りの人の耳に入り、いつの間にか周囲を不愉快にさせてしまうこともあるでしょう。
「かちゃん」
ナイフとフォークを、うっかり落としてしまいました。
新しいものに交換をしてもらうため、給仕を呼びます。
げっぷ・くしゃみ・おならは、不可抗力です。
人間の生理現象ですから、完全に防ぐのが難しいところですね。
欧米では、げっぷはおならより嫌われると言われるほどです。
コース料理では、取って付きのカップに入った飲み物が出てくることがあります。
カップスープ型の食べ物や飲み物です。
また、デザートにホットコーヒーが出る場合もあるでしょう。
レストランで食事をする際、いちばん気になることといえば、やはり金額です。
平然な表情をしていても、心の奥底では金額を気にしている人も多いのではないでしょうか。
フォーマルなレストランでは、一皿の料理でも、いい値段です。
「え? そういう食べ方をしてもいいんだ。なるほど」
私がアメリカ留学中、洋食レストランでアメリカ人の面白い食べ方を見たことがありました。
初めて見たときは驚きましたが、合理的なやり方だなと感心しました。
フォーマルなレストランでフルコース料理をオーダーすると、ナイフとフォークがずらりと並びます。
一皿ごとに使うカトラリーが異なるためです。
一皿が登場するごとに、並んだナイフとフォークの外側から使っていきます。
給仕を呼ぶとき、どうしますか。
やはり多くの場合、手を挙げる場合が多いでしょう。
別にマナー違反でもなく、これでも正しいです。
テーブルマナーでは、きれいに食べるのが基本です。
できるかぎり食事を残すのは良くありません。
しかし、人間なら誰しも、1つや2つ苦手な食材はあるものです。
レストランでは、給仕との会話も大切です。
オーダーのとき、ふと気になったメニューがあれば「何だろう」と思います。
イタリア料理やフランス料理のメニューには、書かれている料理名を読んでも、想像が難しい料理が珍しくありません。
オーダーした料理が出されるやいなや、あっという間に平らげる人がいます。
料理が出た瞬間から手をつけるのはいいことです。
熱いものは熱いうちに食べ、冷たいものは冷たいうちに食べるのは、マナーの1つです。
噛んでいる途中で、次の一口を口にしていませんか。
まだ飲み込んでいないのに、次の食事を口に入れるのは、エレガントな食べ方ではありません。
その理由は2つあります。
食べ盛りの人が西洋レストランへ行くと、おそらくこう思うでしょう。
「これだけ?」という失意です。
一皿の量があまりに少なくて、驚きます。
「自分に厳しく、他人に優しく」という精神は、テーブルマナーにも通じます。
自分のテーブルマナーは、きちんとしておくことが大切です。
給仕・料理人・同席者を不愉快にさせるような食べ方は避けます。
「なんだかこの人と一緒にいると話しやすいな」
レストランで食事をしていると、そういう人に巡り合うことはありませんか。
不思議と話しやすい雰囲気にさせてくれる人がいます。
サラダを食べる際、思わぬところで苦労をすることがあります。
フォークを使ってサラダを食べようとするのですが、サラダがうまく刺さらないのです。
サラダを折りたためばフォークで刺せるようになることもありますが、それすらできない状況のときもあります。
レストランでの食事は、必ずしもおなかがぺこぺこにすいているときとは限りません。
仕事でクライアントと食事をする際、おなかはすいていないが、話の流れからレストランで食事をすることもあるでしょう。
クライアントの手前「おなかがすいていないので食事はしません」とも言いづらいものです。
フィンガーボールについて、有名がエピソードがあります。
その昔、イギリス国王エドワード8世が、アラブ首長の要人を招待して開いた夕食会がありました。
そのとき、アラブの要人の1人がフィンガーボールの使い方をよくわかっておらず、思いがけない行動に出ます。
肉を使った料理には、肉の味を引き締めるためのレモンが一緒に登場します。
また、給仕にお願いをすれば、塩やコショウなど調味料ももらえます。
食べる前に、レモンや調味料を振りかける人も多いのではないでしょうか。
レストランで食事をするとき、できるだけ食事は残さないのがマナーです。
やはり給仕や料理人にとっても、残さずに食べてもらうほうが嬉しいと感じることでしょう。
もしオーダーの際、食べきれないとわかっているなら、給仕に「量を少なめ」と伝えるようにしましょう。
ナプキンは、口元の汚れを拭くときに、使います。
1人で食事をしているならいいのです。
もし、同席者がいる場合「汚れを拭いた」というしぐさは、少し恥ずかしいですね。
男性が女性とデートの際、レストランで食事をすることがあります。
通常、レストランでは、テーブルの上で会計を済ませます。
もし男性と女性がデートでレストランへ行く場合、男性が支払う場合も多いことでしょう。
クレジットカードの怖いところは、お金を使っている感覚が薄いことです。
見た目は、単なるカード1枚。
しかし、かなり高額の支払いを済ませることが可能です。
通常、お会計をお願いする際は、手を挙げて給仕を呼ぶことになります。
やってきた給仕に「お会計をお願いします」と言えば、しばらくして明細を持ってきてくれます。
一般的な方法であり、マナー違反ではありません。
カジュアルなレストランでは、レジやテーブルのところで、お会計を別々にする光景がよく見られます。
友人と大勢でレストランへ行き、食後、それぞれが自分の分の会計を済ませます。
5人のお客さんがいれば、給仕は5回、会計をしなければいけません。
テーブルマナーは、覚えることがたくさんあります。
マナーの習得には、多くの時間がかかると思われます。
しかし、それは誤解です。
実は身につけやすいのです。
なかなか身につかないと感じるのは、マナーに触れる機会が少ないからです。
せっかく覚えたつもりでも、しばらく間をあけると忘れます。
テーブルマナーは、早く身につけられます。
マナーに触れる機会は、意図的につくり出せるからです。
慶事や弔事にもマナーがありますが、慶事や弔事は意図してつくることができません。
結婚については、相手の都合しだいです。
弔事も突然です。
そもそも機会がないほうがいいものです。
「葬式のマナーには慣れています」というのも不謹慎な話ですね。
めったにないため、触れる機会をつくりにくい。
つくれないからこそ、身につきにくい。
マナーの習得が難しいと感じる本当の原因は「触れる機会の少なさ」です。
しかし、テーブルマナーは違います。
テーブルマナーに触れる機会は、自分でつくれます。
食に関するマナーですから、実践する機会は毎日あります。
昼食でステーキが出れば、ナイフとフォークを使う機会が生まれます。
おやつの時間に、バナナの切り方やケーキの食べ方などの練習ができます。
本屋に駆け込んでマナーの本を買い、今日の夕食にフォーマルなレストランへ行こうと思えば、行けるはずです。
その気になれば、これほど身につけやすいマナーはないと言ってもいいくらいです。
身につけようとする気があるかないかという、本人の気持ちしだいです。
テーブルマナー上級者への道のりは、短いと思っていいでしょう。
たしかに覚えることは多いテーブルマナーですが、すぐ身につけられるのです。
「レストランの予約は面倒だなあ」
私は最初、そう思っていました。
わざわざ電話をしなくても、直接行けばいいだろうと思います。
「席がなければ、そのときに考えればいい」
しかし、予約をしないほうが、もっと面倒なことになります。
レストランが満席の場合、ほかのレストランを探さなければいけないからです。
行けば、必ずテーブルがあいているとは限りません。
おいしくて有名なレストランほど、お客さんが多いでしょう。
予約なしでいきなり行くと「満席です」と言われ、仕方なくほかを当たることになります。
同行者がいれば、無駄足を踏ませることになります。
テーブルが確保できるまで待つこともできるでしょうが、いつまで待たされるのかわからない不安もあります。
急にテンションが下がります。
待っている間に料理が冷めてしまうように、待っている間に恋人や友人との雰囲気も冷めてしまいます。
レストランへ行くとき、一部のフォーマルなレストランを除き、予約をしなければいけない決まりはありません。
しかし、できるだけスムーズに進めたいときには、やはり予約に限ります。
大切な場面ほど、予約は基本です。
レストランの予約は、面倒とはいえ、しないほうがもっと面倒なことになります。
確実にテーブルに着くことができる安心感は違います。
堂々と向かうことができ、同行する人とのテンションを大切にできます。
気がかりが少ない分、食事や同席者に集中できるようになるのです。
レストランに入店した際、受付から「お荷物をお預かりいたします」と言われることがあります。
持っている荷物の大きさにもよります。
フォーマルなレストランで大きな荷物を持って入店をした場合、確実に言われると思っていいでしょう。
洋食レストランに慣れない人は、まずこの言葉に一瞬戸惑います。
「自分の荷物くらい自分で持つよ」と思うのです。
もちろん女性が片手で持つ、小さなパーティーバッグくらいならいいのです。
いすと背中の間に置けば邪魔になりません。
小さなバッグ類は、椅子の背もたれと背中の間に置きましょう。
もしくは、椅子の肘掛けに引っかけても結構です。
しかし、大きめの荷物やコートなら別です。
床に置いたりイスにかけたりすればいいのではないかと思いますが、すすめられることではありません。
もし食事の場に、大きな荷物やコートが置いてあるとどうでしょうか。
目立ちますし、レストランの落ち着いた雰囲気を壊しかねません。
また、大きいがゆえに、給仕が料理を運ぶ際も邪魔になります。
基本的に大きめの荷物は、クロークに預けるのがマナーです。
意地を張らず、貴重品だけを手に持ち、預けられる荷物はクロークへ預けるようにしましょう。
預けることで、料理の味に集中できたり、同席者との会話が弾みやすくなったりするのです。
給仕がテーブル席へ案内をして引いてくれた椅子には、左側から座るようにします。
右側から座れる状況でも、できるだけ左側から座るのがマナーです。
ところで、なぜ左側からなのでしょうか。
左側から座る理由というのは、少し歴史が関係しています。
その昔、西洋では護身目的のため、剣を腰に携帯していました。
一般的に剣は「腰の左側」に携帯されます。
右利きの人が剣を抜こうとするとき、左側に携帯したほうがスムーズに抜けるからです。
腰の左側にある剣が邪魔にならないよう、椅子に座るときは左から座る習慣が、現在でも残っているのです。
着席のときだけでなく、退席のときも同じです。
何気ないルールには、何か歴史があるものです。
テーブルマナーにたけた人と食事をすると、必ず皿がきれいになっています。
1滴のスープすら残っていません。
普通に考えると、皿には多少スープが残っているものです。
しかし、新品の皿のように、きれいになっているのです。
スプーンを使っても、さすがにそこまできれいにはできません。
だからとはいえ、皿を手に持って直接口につけるのはマナー違反です。
では、どうやってきれいにしているのでしょうか。
秘密は、パンです。
西洋人は、パンの使い方がうまいです。
実は、皿に残ったスープにパンをつけて食べているのです。
これは「スープがおいしかったので、パンにつけたい」という食事への称賛を表す表現になります。
また、スープがバターとは違った味付けになり、一風変わったパンの楽しみ方ができます。
パンをよりおいしく楽しむために、西洋では一般的な食べ方です。
よりパンをおいしく食べられ、そのうえ、皿もきれいになります。
ただし、これはカジュアルなレストランでのみ通用するマナーです。
フォーマルなレストランではマナー違反になるので、控えるようにしましょう。
食事中の会話にも、気を配るのが上級者です。
食事中「汚い話」や「下ネタ」などの話題は、食事の味を損ねてしまうため、控えるべきです。
周りの人の耳に入り、いつの間にか周囲を不愉快にさせてしまうこともあるでしょう。
基本中の基本ですね。
さて、上級者ともなると、もう1つ工夫を凝らします。
汚い話を避ける一方、積極的に明るい話題を心がけるようになるのです。
なぜでしょうか。
明るい話題は、食事の味をより引き立てる、スパイスだからです。
楽しかった話題、嬉しい報告など前向きな話題は、聞いていると気分が明るくなりますね。
場の雰囲気が良くなるばかりが、食事もよりおいしく感じられることでしょう。
また、話をするだけではありません。
相手の話を聞くときも「なるほど」「すごいね」「良かったね」という前向きな返事を心がけるようにしましょう。
返事も、会話の1つです。
すると、話をする側も聞く側にも、明るい一体感が生まれます。
テーブルマナーの上級者は、そうしたところにも気を配って、食事を楽しむ工夫を凝らしているのです。
「かちゃん」
ナイフとフォークを、うっかり落としてしまいました。
新しいものに交換をしてもらうため、給仕を呼びます。
ここまでは誰もがする行動ですね。
しかし、ここからが肝心です。
テーブルマナーに慣れている上級者と、そうでない人の差が現れやすい点です。
多くの方は、次のような言葉を発するのではないでしょうか。
「すみません。落としたので新しいものに取り換えてください」
まず、落としてしまったことについて、大げさに謝る必要はありません。
別に悪いことをしているわけではないからです。
人間ですから、誰にでもうっかりはあります。
したがって、謝る必要はないのです。
また品を重視するならば、食事の場で「落とした」というキーワードを使わないほうがスマートです。
悪いことを連想させてしまうキーワードだからです。
では、マナーに慣れた上級者なら、どう言うのでしょうか。
単純です。
落としたものを指さし、一言「新しいものに交換してください」と言います。
これで十分通じます。
給仕は「落としたから新しいものに取り換えてほしいのだな」と察知し、スマートに取り換えてくれるでしょう。
その際は「ありがとうございます」と一言、お礼を言うようにしましょう。
げっぷ・くしゃみ・おならは、不可抗力です。
人間の生理現象ですから、完全に防ぐのが難しいところですね。
欧米では、げっぷはおならより嫌われると言われるほどです。
しかし、生理現象とはいえ、食事中、げっぷ・くしゃみ・おならばかりでは、さすがに品性を疑われます。
極端に無理をするのは避けるべきですが、軽微な状態なら、少しくらいの我慢は必要です。
そこで、げっぷ・くしゃみ・おならを防ぐ方法をご紹介します。
げっぷが出そうなときは、一口、水を飲みましょう。
水を飲んだタイミングで、ある程度げっぷが緩和される場合があります。
もしくは、少し固形物を食べます。
固形物を飲み込んだタイミングで、吹き上げつつあるげっぷを、うまく胃に押し戻してくれます。
タイミングや条件が合えば、げっぷはすっきり収まることでしょう。
我慢のしようがないように思えるくしゃみですが、対策はあります。
くしゃみが出そうになれば、素早く、かつ深く息を吸い込みましょう。
鼻の中の空気の流れが変わることで、むずむずしていた状態が少し紛れて、くしゃみが収まる可能性があります。
おならが出そうになったら、背筋をぴんと伸ばします。
背筋をぴんと伸ばすと、お尻に力を入れやすくなります。
すると、出そうになっているおならをいくぶん防ぐことができる場合があります。
これらはあくまで「防ぎやすくなる」という方法です。
完全な対策ではありませんが、いざというときのために覚えておくといいでしょう。
またタイミングが合えば、お手洗いに向かうことをおすすめします。
基本的に食事中のお手洗いはあまりよくありませんが、体調がよくないときは、お手洗いですっきりさせたほうがいいでしょう。
コース料理では、取って付きのカップに入った飲み物が出てくることがあります。
カップスープ型の食べ物や飲み物です。
また、デザートにホットコーヒーが出る場合もあるでしょう。
基本的に取っ手があるものは、取っ手をつかんで持ち上げ、直接口をつけて飲んでもいいものです。
そのとき、いきなり飲むと、思ったより熱くて困ったことはありませんか。
熱いからとはいえ、一度口に入れたものを吐き出すわけにはいきません。
熱い飲み物は、いきなり一口目から飲むものではありません。
最初は、口を軽くつけるだけにしましょう。
熱い飲み物の一口目は「飲む」のではなく「熱さの確認」からです。
口先につけた状態から、おおよその温度を確かめられるはずです。
こうすれば、自然な飲む動作とともに、温度を確認できます。
もし熱すぎるとわかれば、しばらく時間がたってから飲むようにしましょう。
スプーンでかき混ぜると、空気と触れやすくなるため冷めるのが早くなります。
レストランで食事をする際、いちばん気になることといえば、やはり金額です。
平然な表情をしていても、心の奥底では金額を気にしている人も多いのではないでしょうか。
フォーマルなレストランでは、一皿の料理でも、いい値段です。
フルコース料理に加え、ボトルワインをオーダーすると、かなりの金額になるはずです。
オーダーにも少し気合がいります。
雰囲気のいいレストランでおいしく食事をしたいものの、本音としては、やはりできるだけ安く済ませたいですね。
しかし、フォーマルなレストランで露骨なお金の表現は、少し恥ずかしいものです。
「できるだけ安いものをお願いします」とストレートに言えばいいのですが、少し露骨な表現すぎて、恥ずかしく思います。
本音で思っても、なかなか言いにくい。
「低予算」という表現もありますが、まだ少し違和感があり、抵抗があります。
こういうときの、いい表現があります。
「手頃な値段」という表現です。
ここには貧乏くささがありません。
「手頃な値段のお料理はありませんか」と給仕にオーダーすれば「軽く食事を済ませたいのだな」とわかってくれます。
低価格のメニューを案内してくれるはずです。
露骨なお金の表現を避けながらオーダーができるのです。
「え? そういう食べ方をしてもいいんだ。なるほど」
私がアメリカ留学中、洋食レストランでアメリカ人の面白い食べ方を見たことがありました。
初めて見たときは驚きましたが、合理的なやり方だなと感心しました。
これなら、頻繁にナイフやフォークを持ち替えることもなく、楽に食べられるのです。
ステーキとライスが出てきたとき、食べ方に苦労しませんか。
ライスは、フォークですくって食べるのが基本ですね。
そのため右手は、肉を切るためのナイフを持ったり、肉を刺すためのフォークを持ったりと、大忙しです。
マナーとはいえ、大変面倒なのです。
テーブルマナーにおいてカトラリーを頻繁に持ち替えるのは、品がいいと言えません。
実は、これを解決する方法があります。
まず右手に持っているナイフで、最初にステーキを全部細かく切ってしまいます。
切り終えれば、後はフォークを右手に持ち替えて、ステーキやライスを食べてしまえばいいのです。
最初に切る仕事を全部終わらせてしまうのは、効率の良い仕事と似ています。
こういう食べ方をする人は、きっと仕事の効率もいいのでしょう。
ちなみにこの食べ方は、カジュアルなレストランでのみ通用する食べ方です。
フォーマルなレストランではマナー違反になるので注意をしましょう。
フォーマルなレストランでフルコース料理をオーダーすると、ナイフとフォークがずらりと並びます。
一皿ごとに使うカトラリーが異なるためです。
一皿が登場するごとに、並んだナイフとフォークの外側から使っていきます。
食事が終われば、皿の上に斜めにしてそろえておきます。
「食事が終わったので皿を下げて結構です」というサインになります。
このサインに気づいた給仕は、皿をさっと取り下げます。
しかし、これはフォーマルなレストランの場合の話です。
比較的、カジュアルなレストランでは、少し異なります。
何が異なるのかというと「略式」になるのです。
たとえば、カジュアルなレストランのフルコースでは、途中の口直しのソルベや食後のフルーツなど略されるのが一般的です。
またナイフとフォークも略されます。
カトラリーはずらりと並ばず、ナイフレストの上にナイフとフォークが1つずつあり、1種類で済ませるのです。
略式のフルコースでは、ナイフとフォークを一式で使い回すイメージです。
ナイフレストは、一皿、食べ終えるごとに、ナイフとフォークを戻すためのものです。
ナイフレストがある場合、食後は皿の上にカトラリーをそろえず、ナイフレストの上に戻すことがルールになります。
ナイフは刃を内側にして、右側に置きます。
フォークは背を下にして、左側に置きます。
それが「食事が終わったので皿を下げてください」というサインになります。
このルールを知らない人も多いようです。
食後、皿の上にカトラリーを並べていると、カトラリーも一緒に皿ごとを持っていかれますが、焦らないでください。
次の皿が登場する際に、給仕が新しいナイフとフォークを持ってきて、ナイフレストの上に置いてくれます。
給仕を呼ぶとき、どうしますか。
やはり多くの場合、手を挙げる場合が多いでしょう。
別にマナー違反でもなく、これでも正しいです。
しかし、テーブルマナーの上級者となると、一風変わっています。
手を挙げずに、給仕を呼べるのです。
では、どう呼ぶのか。
私の場合、アメリカの西洋レストランで頻繁に見かけました。
まず、振り向いて給仕と目を合わせてください。
目があった瞬間、わずかに眉を上げて、小さくうなずくのです。
「アイコンタクト」です。
西洋のテーブルマナーの上級者でよく見られる方法です。
鏡を見ながら、ちょっとやってみましょう。
いかがでしょうか。
「用事があるから来てくれないか」というニュアンスが伝わりやすい目つきに変わるはずです。
「おや、自分にもこんなかっこいいことができるのか」と鏡を見ながら驚くほどです。
アイコンタクトだけで給仕が呼べると、スマートです。
テーブルマナーでは、きれいに食べるのが基本です。
できるかぎり食事を残すのは良くありません。
しかし、人間なら誰しも、1つや2つ苦手な食材はあるものです。
こういう場合のいちばんスマートな対処法は、料理からあらかじめ抜いてもらうことです。
オーダーの際、苦手な食材を給仕に伝えると、聞き入れてもらえるはずです。
ちなみに私の場合、グリーンピースが苦手なので「グリーンピースは抜きでお願いします」とよく言っています。
また残してしまうのは、苦手な食材が出たときだけとは限りません。
たとえば、食事中に体調が悪くなる場合です。
急におなかの調子が悪くなり、食べたくても食べられなくなることもあるでしょう。
口にすると、思っていた味とは異なり、気分が悪くなることがあります。
そういうとき、無理に食べようとするのはおすすめしません。
無理に食べようとした結果、余計に体調を悪化しかねないからです。
そういうときには、遠慮なく残しましょう。
料理を残すことは好ましいマナーではありませんが、体調が悪い中、無理をしてまで食べるのはもっと好ましくありません。
同席者や給仕に「体調が優れない理由」を簡単に伝え、食事を下げてもらうのがいいでしょう。
レストランでは、給仕との会話も大切です。
オーダーのとき、ふと気になったメニューがあれば「何だろう」と思います。
イタリア料理やフランス料理のメニューには、書かれている料理名を読んでも、想像が難しい料理が珍しくありません。
「冷製ラタトゥイユ」
「ジゴイネ」
「オイルサーディンのタルティーヌ」
「なんだろう」と思います。
名前を見て、なんとなくわかるようで、わからない。
「生ハム」や「ソーセージ」などなら、名前からすぐイメージが湧きます。
わからない料理名があれば、知ったかぶりをしないで、オーダー時、ぜひ給仕に尋ねてみましょう。
「これはどのようなお料理ですか」
実は、給仕にとって、この質問を心待ちにしています。
本来、料理についての説明は、メニューだけではうまく伝えられません。
使っている食材や味など、給仕が具体的に説明をするのです。
また各人が抱く疑問や興味などを、給仕が豊富な経験を生かし、説明してくれます。
これが大切なのです。
そういう話を聞けば、より料理への期待も高まり、おいしくいただけるようになります。
料理のことでわからないことは、何でも聞く。
食事をよりおいしくいただくために、あえて積極的に質問をしましょう。
このことで、給仕との会話のきっかけがつかめます。
堅苦しいレストランの場が和みやすくなったり、同席者との会話も弾みやすくなったりするのです。
オーダーした料理が出されるやいなや、あっという間に平らげる人がいます。
料理が出た瞬間から手をつけるのはいいことです。
熱いものは熱いうちに食べ、冷たいものは冷たいうちに食べるのは、マナーの1つです。
料理人は喜びます。
しかし、そのまま一気に流し込むように口にして、一瞬で食べ終えてしまう人がいるのです。
急ぐような食べ方は、雰囲気のあるレストランにふさわしくありません。
落ち着きがなく、怒っているようにも見え、余裕のなさが感じられます。
この食べ方は、時間に追われながら仕事をする人によく見られます。
普段、時間に追われながら仕事をする状況が多いため、食事をする際も、急いで食べるのが癖になっていることが多いのです。
「そんな食べ方をしていない。自分は大丈夫だ」
必ずしも、そうとは言い切れません。
これは癖です。
なかなか自分では気づきにくいものです。
そこで急いで食べているかどうかをチェックする「確認ポイント」があります。
「普段の食事を『10分以内』で食べ終えているかどうか」です。
ここを1つの基準にして考えてみましょう。
たとえば、昼食を10分以内で食べ終えてしまう人は注意です。
普段から急いだ食べ方をしていると、いざフォーマルなレストランで食事をすると、癖が出てしまいやすい。
自分では普通に食べているつもりでも、あっという間に食事が終わってしまうのです。
普段から食事は、10分以上かけて食べるようにしましょう。
落ち着いて食べるほうが消化によく、食事をおいしくいただけるようになります。
噛んでいる途中で、次の一口を口にしていませんか。
まだ飲み込んでいないのに、次の食事を口に入れるのは、エレガントな食べ方ではありません。
その理由は2つあります。
「健康上の問題」と「同席者への配慮」です。
噛んでいる途中で次の食事を口に入れると、よく噛んでいるものと、そうでないものが混じります。
消化に悪い食べ方です。
口を開けた瞬間、口の中が同席者に見えてしまい、大変見苦しくなります。
噛んでいる途中のものを、相手に見せてしまうことほど、不快にさせることはありません。
食事の場では、絶対に避けたいことです。
正しい食べ方は、よく噛んで飲み込んでから、次の一口を口にします。
ゆっくりした食べ方になりますね。
落ち着いたエレガントな食べ方へと変わります。
食べ盛りの人が西洋レストランへ行くと、おそらくこう思うでしょう。
「これだけ?」という失意です。
一皿の量があまりに少なくて、驚きます。
大きな皿に、料理が少しあるだけです。
「おなかをすかせてレストランへ来たのに、これだけでは満腹になれない」と愚痴を言いたくなります。
特に食べ盛りの若者には、物足りない量と感じることでしょう。
実は私も学生時代、西洋レストランへ食事に行ったとき、同じことを感じました。
西洋料理は「量より質」を重視する傾向があります。
そのため、質の高い肉料理が、大きな皿にぽつんと置かれているケースが多いのです。
しかし、不思議なことが起こります。
フルコースの料理は、一皿あたりの量は少ないのですが、コースの最後あたりになると、必ず満腹感を得られるのです。
食べる量は、普段より少ないのは確実なのです。
そのとき気づきました。
食事は「量ではない。噛む回数と時間なのだ」と。
フルコースでは、一皿ずつ出てきます。
一皿の量が少なく、一口で食べるともったいないので、ちびちびとした食べ方になります。
結果として、噛む回数が増えるのです。
また、フルコースでは一度にすべての食事を食べることができません。
前菜からデザートまで、給仕が一皿ずつサーブします。
そういう時間をかけた食べ方がいいのです。
ゆっくり味わうことができ、食事全体の時間が長くなります。
この「噛む回数」と「かけた時間」のおかげで、食べる量は少なくても、十分な満腹感を得られることができるのです。
おなかいっぱいになる基準を変えましょう。
量ではありません。
噛む回数と時間なのです。
「自分に厳しく、他人に優しく」という精神は、テーブルマナーにも通じます。
自分のテーブルマナーは、きちんとしておくことが大切です。
給仕・料理人・同席者を不愉快にさせるような食べ方は避けます。
ささいなマナー違反で、他人の気分を損ねる場合があります。
そのために、一生懸命にテーブルマナーの勉強をして、ミスがないよう心がけましょう。
その一方で、他人へのマナーのミスは寛大になります。
「自分に厳しく、他人に優しく」です。
これがテーブルマナーの上級者の考え方です。
誰にでも小さなマナー違反はあります。
大切なことは、いちいち意識をしたり指摘をしたりしないことです。
意識をすると気になり、指摘をすると相手の気分を害することもあります。
あからさまなミスなら注意を向けますが、ささいなマナー違反くらいなら、見て見ぬふりをするのがエレガントです。
「なんだかこの人と一緒にいると話しやすいな」
レストランで食事をしていると、そういう人に巡り合うことはありませんか。
不思議と話しやすい雰囲気にさせてくれる人がいます。
もちろんお互いの相性や話題によって、盛り上がり方に違いはあるでしょう。
もしかしたらその場合、相手が「ある気遣い」をしているのかもしれません。
テーブルマナーにたけた人は、適当なタイミングで話しかけません。
話しかけるタイミングにも気を使います。
まずテーブルマナーでは、口に料理を入れたまま、話すのはマナー違反です。
口の中のものが相手に見えてしまい、不快を抱く場合があるからです。
ということはです。
話しかける側にも「相手が料理を口に入れているときは話しかけない」というマナーが必要ですね。
相手が何も口にしていないタイミング、もしくは相手がちょうど口にしているものを飲み込んだタイミングでうまく話しかけます。
相手が料理を食べている最中、もしくは口にしているものを飲み込もうとしているときは、話しかけないのです。
相手は話しやすくなります。
ささいな気遣いです。
しかし、この小さな配慮によって「なんだかこの人と一緒にいると話しやすいな」という印象へと変わるのです。
サラダを食べる際、思わぬところで苦労をすることがあります。
フォークを使ってサラダを食べようとするのですが、サラダがうまく刺さらないのです。
サラダを折りたためばフォークで刺せるようになることもありますが、それすらできない状況のときもあります。
サラダを突き刺そうとする姿は、かっこ悪いですね。
さすがにサラダを手でつかむわけにはいきません。
こんなとき、どうしますか。
上手な食べ方があります。
一口サイズにちぎったパンを下敷きにして、食べればいいのです。
サラダにフォークが貫通するようになります。
フォークの先に小さなパンが刺さったままになりますが、このまま食べてもかまいません。
もしパンがなければ、サラダの中に含まれるキュウリなどを下敷きにするのもいい案です。
レストランでの食事は、必ずしもおなかがぺこぺこにすいているときとは限りません。
仕事でクライアントと食事をする際、おなかはすいていないが、話の流れからレストランで食事をすることもあるでしょう。
クライアントの手前「おなかがすいていないので食事はしません」とも言いづらいものです。
一応、付き合いというものがあります。
そういうとき、1つ解決策があります。
魚料理をオーダーするのがポイントです。
なぜかというと、魚の肉は炭水化物が少ないため、口にしやすいからです。
食べやすく、急に満腹感が押し寄せにくい料理です。
サラダも悪くありません。
炭水化物が少ないため、口にしやすく健康的です。
その一方、パスタ・パン・グラタン・アイスクリームなどは避けておきたい料理です。
炭水化物の塊で、少量でも満腹感が得られやすいからです。
おなかがあまりすいていないときには、あえて控えるのが賢明な選択です。
もちろん気分や状況にもよりますが、こういう点を考慮に入れてみましょう。
炭水化物が少ないものに重点を置くようにすればいいでしょう。
フィンガーボールについて、有名がエピソードがあります。
その昔、イギリス国王エドワード8世が、アラブ首長の要人を招待して開いた夕食会がありました。
そのとき、アラブの要人の1人がフィンガーボールの使い方をよくわかっておらず、思いがけない行動に出ます。
なんと、飲み水と勘違いをして、がぶがぶ飲み始めたのです。
それを見たイギリス国王エドワード8世は、とっさの素晴らしい判断をしました。
アラブの要人に恥をかかせてはいけないと思い、自分もフィンガーボールの水を飲んだのです。
これは実際にあった実話です。
テーブルマナーに熟達した、エドワード8世のとっさの判断、かっこいいと思いませんか。
「マナー違反がマナーになる」という特殊な例です。
なかなか普通の人にできることではありません。
普通、マナー違反はかっこ悪いと思います。
しかし、相手に恥をかかせないためにする意図したマナー違反は、逆にかっこよくなります。
優しい気遣いと、とっさの判断による知的さが感じられるからです。
もちろん他人に迷惑がかかるような、あからさまな内容は避けるべきです。
しかし、相手がテーブルマナーを知らず、うっかりマナー違反をしたとき、あえて同調する。
時と場合によりますが、そういう選択肢を兼ね備えていれば、臨機応変に対応できる幅が広がります。
きっと、エドワード8世のような、粋なテーブルマナーの上級者になれるに違いありません。
肉を使った料理には、肉の味を引き締めるためのレモンが一緒に登場します。
また、給仕にお願いをすれば、塩やコショウなど調味料ももらえます。
食べる前に、レモンや調味料を振りかける人も多いのではないでしょうか。
もちろんそれでいいのですが、食とマナーを大切にする人は、少し違う行動を取ります。
肉の一口目は、そのままで食べます。
あえてレモンや調味料を振りかけません。
これこそ、一生懸命にシェフが作った料理に対するマナーです。
肉本来の味わいを楽しむためには、そのままでいただくのがいちばん。
一切の調味料を加えないほうが、よりはっきり感じられます。
コーヒー本来の味や香りを楽しむため、一口目はブラックで飲むのがマナーという考え方と同じです。
それがつくってくれた人への礼儀であり、感謝の表現です。
最初の一口は、あえてそのままでいただく。
レモンや調味料を使うなら、一口目が終わってからです。
そのままの肉を味わうからこそ、レモンや調味料の必要量が調整できるのです。
レストランで食事をするとき、できるだけ食事は残さないのがマナーです。
やはり給仕や料理人にとっても、残さずに食べてもらうほうが嬉しいと感じることでしょう。
もしオーダーの際、食べきれないとわかっているなら、給仕に「量を少なめ」と伝えるようにしましょう。
あらかじめ量を少なくしてもらえれば、残すことがなくなります。
まれに調理のバランスの関係で難しい場合もありますが、おおむねほとんどのレストランで対応してくれるはずです。
量が少なければ残すことがなくなり、スマートに食事ができます。
もし、盛り付けの都合で量を少なくできないと言われたときは、オーダーする品目数を少なくするといいでしょう。
たとえば、コース料理のうちの一部をスキップさせる方法です。
何をスキップさせるかは、メニューを見ながら考えるといいでしょう。
コース料理の一部をスキップするのは、悪いことではありません。
オーダーのときにきちんと伝えておけば、必ず配慮してくれるはずです。
残すくらいなら、あらかじめ量を控えてオーダーするのがエレガントです。
ナプキンは、口元の汚れを拭くときに、使います。
1人で食事をしているならいいのです。
もし、同席者がいる場合「汚れを拭いた」というしぐさは、少し恥ずかしいですね。
もしワインを一緒にオーダーしているなら、汚れを拭いたと思われない上手な工夫があります。
口元の汚れをナプキンで拭いた直後、ワインを一口口に含みましょう。
するとどうでしょうか。
同席者から見ると「汚れを拭くためにナプキンを使った」のではなく「ワインを飲むためにナプキンを使った」として映ります。
ワインに油が移って風味を損ねないように、口元をリセットした動作として映りやすくなります。
「口元の汚れを取る行為」と「ワインの味を損なわない行為」を、同時に実現できるのです。
男性が女性とデートの際、レストランで食事をすることがあります。
通常、レストランでは、テーブルの上で会計を済ませます。
もし男性と女性がデートでレストランへ行く場合、男性が支払う場合も多いことでしょう。
いえ、そういう場合のほうが多いはずです。
ただ、やはり女性と一緒ですから、露骨な現金のやりとりは避けたいものですね。
最後の会計で値段を見たり現金を見たりすると、急に夢から覚めたようになります。
せっかく盛り上がった雰囲気が壊れ、情熱が冷めてしまいかねません。
そこで、男性が女性に一目置かれるスマートな会計の方法があります。
ポイントは、タイミングです。
女性が食後、お手洗いで席を外している間に、会計を済ませてしまうのです。
さっと手を挙げて給仕を呼び、会計を済ませます。
もしくは、逆に男性がお手洗いで席を外しているタイミングで、会計をさっと済ませるのもいいアイデアです。
女性に気づかれずに会計を済ませることができます。
こうした工夫は頭を使わないとなかなかできません。
手際の良い男性からは、知性が感じられますね。
「かっこいい、さすが!」
女性から一目置かれます。
食事の最後を、かっこよく決めることができるのです。
クレジットカードの怖いところは、お金を使っている感覚が薄いことです。
見た目は、単なるカード1枚。
しかし、かなり高額の支払いを済ませることが可能です。
それゆえに、カードを使いすぎてしまうという危険性もはらんでいます。
現金らしくないのが、クレジットカードの短所です。
しかし、これも使いようです。
現金らしくないのが、長所になる場面もあります。
それがレストランの会計時です。
こういう状況では、現金らしくないクレジットカードの長所を、大いに活用しましょう。
西洋のフォーマルなレストランでは、クレジットカードによる会計が一般的です。
もちろんクレジットカードでなければいけないというルールはありません。
テーブルマナーの上級者になると、お会計はクレジットカードを好んで使うことが多くなります。
品性とマナーを大切にする人は、現金での支払いを避けようとする傾向が強いのはたしかです。
カードによる支払いをすることで、一切現金をテーブルの上に出す必要がなくなるからです。
通常、お会計をお願いする際は、手を挙げて給仕を呼ぶことになります。
やってきた給仕に「お会計をお願いします」と言えば、しばらくして明細を持ってきてくれます。
一般的な方法であり、マナー違反ではありません。
しかし、もう少ししゃれた方法で会計を伝える方法があります。
給仕をほうを振り向いて目を合わせた後「手のひらに文字を書くポーズ」をするのです。
すると、給仕は「お会計だな」とわかり、明細をテーブルまで持ってきてくれるのです。
そんな方法で給仕はわかってくれるのかと思いますが、わかってくれます。
むしろフォーマルなレストランほど、こういうしぐさには敏感に察知してくれます。
声を出さない。
しぐさだけで伝える。
同席者も給仕も魅了する、上級者のエレガントな行動です。
カジュアルなレストランでは、レジやテーブルのところで、お会計を別々にする光景がよく見られます。
友人と大勢でレストランへ行き、食後、それぞれが自分の分の会計を済ませます。
5人のお客さんがいれば、給仕は5回、会計をしなければいけません。
これは結構手間です。
時間もかかります。
給仕は会計に手を取られている間、ほかのお客さんへの対応がおろそかになったり、食事のサーブが遅れたりしてしまいます。
こういうお客さんは、配慮が足りない人です。
別会計での支払いを選択するのは、自分にとって都合がいいでしょうが、給仕やほかのお客さんは迷惑です。
そういう態度、そういう姿勢を見せている時点で、エレガントではありません。
フォーマルなレストランでは、基本的に会計を別々にするのは、マナー違反です。
別々に会計ができないわけではありませんが、給仕に手間をかけさせてしまうのはスマートではありませんね。
たとえ、お客さんがまばらで、給仕に余裕がある様子であったとも、やはり1回で済ませるべきです。
割り勘の場合、お互いの分の金額を出し合って、会計は1回にまとめるようにしましょう。
もしくは、代表者が会計を済ませ、レストランを出てから精算するのもいいでしょう。
1回で終わらせられるところは、1回で終わらせる。
無駄な行動をしないのが、スマートなのです。