単品料理なら、それほど多くのマナーは必要とされません。
基本的なナイフとフォークの持ち方や、ナプキンの使い方くらいです。
そのほか、こまごまとしたマナーはありますが、それほど込み入った内容ではありません。
久しぶりに友人と会って会話の流れから「レストランへ行こう」ということがあります。
さらに話の流れから「フルコースを食べよう」と言うこともあるでしょう。
いえ、そういう場合のほうが、実際は多いのかもしれませんね。
(1)前菜
フルコース料理は、まず前菜から始まります。
前菜の役目は「食欲を駆り立てること」です。
イタリア料理とフランス料理は似ていますが、すべてが同じわけではありません。
国の違いや文化の違いのため、おおむね似てはいるものの、異なる点もあります。
(1)アンティパスト
イタリア料理のフルコースは、フランス料理のフルコースに比べて、品目が若干少ないのが特徴です。
いえ、厳密には、あえてイタリア料理よりフランス料理のほうが品目を多くしたと言ってもいいのかもしれません。
イタリア料理のフルコースでは肉か魚のどちらかを選びますが、フランス料理のフルコースでは魚と肉の両方が登場します。
ナイフで肉を切るときは、基本的に左側から切っていくのがルールです。
いえ、肉ばかりではありません。
フルコースではさまざまな料理が出てきますが、一部のデザート類を除き、基本的に左側から食べていきます。
問題なのは「食べ方」です。
フルコース料理では、さまざまな食事が次々に登場します。
中にはどうやって食べればいいのだろうかと思うことがあります。
レストランによっては、コース料理にも種類がある場合があります。
「Aコース、Bコース、Cコース」のようにランクわけになっているのです。
略式のコース料理から、すべてがそろったフォーマルなフルコース料理まで、さまざまです。
ポタージュなどのスープを飲むときには、スプーンの口の付け方にルールがあります。
口に対して、スプーンを垂直に傾けて、スープを飲もうとするのがマナーです。
垂直にするのが正式ですが、やりにくい人は、斜め45度でもかまいません。
ポタージュなど、スプーンを使ってスープを飲むとき、すくい方に決まりがあります。
手前から奥に向かってすくいます。
細かい決まりですが、もちろん大切な意味があります。
フルコースでは、スープとパンが同時に出てくることがあります。
このとき、適当な順で食べてしまいそうですが、正式な食べる順番があります。
正式な順番は、スープを飲み終わってから、パンを食べます。
ナイフとフォークには、基本的な持ち方があります。
ナイフは右手に持ち、ナイフの背を人差し指で押さえるように持ちます。
フォークは左手に持ち、親指と人差し指でしっかり持ちます。
食べるのに、最も難易度が高い料理の1つが「エビ料理」です。
食べ方は、2種類あります。
「手を使って食べる方法」と「ナイフを使って食べる方法」です。
魚料理を食べるとき、ネックになるのは「骨」です。
骨があることで食べにくく感じ、毛嫌いする人も多いのではないでしょうか。
たしかに魚は骨がネックになりますが、きちんと段取りの良い食べ方を練習すれば、恐れることではありません。
食事が出てくれば、できるだけ早く食べ始めるようにしましょう。
早く食べる必要はありません。
早く食べ始めることが大切です。
出てきた料理は、できるだけ早く食べ始めることが大切です。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるのは、洋食や和食、中華など、あらゆる料理に通じる基本マナーです。
しかし、なかなか難しい状況があります。
料理人は、お客さんに最もおいしい状態で提供できるよう、あらかじめ料理に必要な食材の手配をしています。
当日は、予約時間にちょうどいい具合に仕上がるよう事前に肉や魚を仕込んで、調理を始めています。
予約というのは「テーブル席を確保する」という理由だけではありません。
高級レストランでテイクアウト(料理の持ち帰り)をお願いすると、給仕から断られたことはありませんか。
「持ち帰りもできないのか。サービスが悪いな」と思ってしまいますね。
カジュアルレストランでは、比較的、テイクアウト(料理の持ち帰り)に寛容です。
食事中、ずっと手にしているナイフとフォークですが、うっかり犯してしまいやすいNGがあります。
話に夢中になってマナー違反をしている場合があります。
特に次の3点には注意をしましょう。
フルコースでは「ブロシェット」と呼ばれる料理が登場することがあります。
いわゆる串焼き料理です。
肉・魚・鳥・貝などを串に刺して、そのまま焼いた料理です。
「骨付き」の肉が登場することがあります。
いわゆる「Tボーンステーキ」です。
通常のステーキとは異なり、骨を気にしながら食べなければいけませんから、少し戸惑うところですね。
西洋料理の1つに「エスカルゴ」があります。
いわゆる食用のカタツムリ料理です。
「ヨーロッパではカタツムリまで食べるの?」
肉料理、生ガキ、エスカルゴなどでは「レモン」や「粉チーズ」が登場することがあります。
もちろんそのまま食べてもいいのですが、一工夫を加えることで、よりおいしく食べられます。
このレモンと粉チーズですが、少し使い方に注意が必要です。
(1)貝柱を切る
食べ方が単純そうに思える牡蠣のネックは「貝柱」です。
まず片手で殻を持ちながら、フォークで貝の内部にある貝柱を、うまく引っかけて切りましょう。
口を大きくあけて食べる様子は、野生動物を思わせます。
大きなパンを直接口にするのはマナー違反です。
フォーマルなレストランにふさわしくありませんね。
パンが出されるタイミングは、おおむね決まっています。
コース料理では、基本的にパンはメインディッシュの前に出されます。
スープと一緒にパンがサーブされることもあれば、スープの後にパンがサーブされる場合もあります。
通常、パンが出てくるときには、パン皿も出てくるものです。
しかし、レストランによってはパン皿が登場しないことがあります。
特に「ビストロ」と呼ばれる、小さな居酒屋風のレストランでは、そういう場合が多いようです。
パンを食べていると、パンくずがテーブルクロスに落ちることがあります。
特にパン皿が用意されていなければ、目立つこともあります。
そのとき気になり、自分の手で集めたり、こっそり床に落としたりしようとするのは、マナー違反です。
レストランによっては、二酸化炭素入りの水が選べる場合があります。
ヨーロッパでは一般的です。
ヨーロッパのレストランで普通に水をオーダーすれば「ガス入りの水」が当たり前に出てくることもあります。
ナイフとフォークを使う料理の場合「食事中」「食べ終わりました」というサインがあります。
ナイフとフォークを「八の字」にすれば食事中という意味で、皿にカトラリーをそろえれば「終わりました」というサインですね。
では、取っ手がついているカップ型スープの場合は、どうでしょうか。
単品料理なら、それほど多くのマナーは必要とされません。
基本的なナイフとフォークの持ち方や、ナプキンの使い方くらいです。
そのほか、こまごまとしたマナーはありますが、それほど込み入った内容ではありません。
しかし、フルコース料理となると話は別です。
まず、ナイフとフォークがテーブルの上にずらりと並びます。
前菜から始まり、スープ、魚料理、口直しのソルベ、肉料理、デザート、コーヒーなど、さまざまな料理が次々と登場します。
驚くのは、料理によって専用のナイフとフォークが用意されることです。
しかも食事の種類によって、ナイフとフォークの使い方も異なります。
いえ、ナイフとフォークを使わない食べ方も必要です。
これまで基本的なテーブルマナーといえば、主にナイフやフォークの使い方程度でした。
しかし、それが、すべてではありません。
フルコース料理となると、振る舞い方だけでは対処できなくなります。
さまざまな料理が登場するため、それぞれの料理に応じたマナーが必要とされ、十分に習得しておく必要があるのです。
フルコース料理をスムーズに食べるためには、多くのテーブルマナーが要求されることになります。
フルコース料理は、テーブルマナーの総本山です。
ここからが、本当のテーブルマナーの始まりです。
久しぶりに友人と会って会話の流れから「レストランへ行こう」ということがあります。
さらに話の流れから「フルコースを食べよう」と言うこともあるでしょう。
いえ、そういう場合のほうが、実際は多いのかもしれませんね。
レストランでは、予約なしでのフルコースも対応しています。
そのとき、気をつけておきたいことがあります。
フルコースを食べられるだけのおなかの余裕と時間があるかどうかです。
フルコースは、一度始まると中断できません。
前菜からデザートまで、長い道のりです。
「それなりの量」と「それなりの時間」がかかることを、考慮に入れているでしょうか。
お互いがあまり空腹ではない場合、食べきれず、残してしまうことになるでしょう。
フルコース料理で食事を残すのは、マナー違反です。
また、同席者に次の予定があり、フルコースを十分楽しむ時間の余裕がない場合も考えられます。
フルコースの途中でレストランを後にするのは、給仕や料理人に対して失礼です。
そのため、フルコース料理を楽しむときには、お互いに、おなかと時間の余裕を見ておくようにしましょう。
フルコースをオーダーするのはいいですが、食べきることに責任を持つことが大切なのです。
フルコース料理は、まず前菜から始まります。
前菜の役目は「食欲を駆り立てること」です。
そのため、量は少なくても、色鮮やかな前菜が登場します。
味付けは、塩味や酸味などが利いた刺激的なものが多いのが特徴です。
「なぜこのタイミングでサラダ?」と思うでしょう。
もちろん意味があります。
サラダは、血液をアルカリ性にする働きをします。
肉料理は、血液を酸性にする働きをするため、あらかじめ先にサラダを食べておき、血液のバランスを取るためにあるのです。
ただし、レストランのコースによっては、肉料理や魚料理の後に出てくる場合もあります。
ここからがメインコースの始まりです。
「食べ物」より「飲み物」のほうが口にしやすいため、スープ類から始まります。
このタイミングで登場するパンの目的は「口の中の掃除」です。
スープによって口全体に広がった雰囲気をパンによってリセットします。
パンは炭水化物ですから食べすぎると、すぐ満腹になります。
食べすぎないように注意をしましょう。
肉料理より、魚料理から始まるのが一般的です。
そのほうが消化しやすいためです。
「もうデザート?」と驚きますが、ここでのソルベは「口直し」が目的です。
魚を食べた後のごつごつした口の中を、冷たく甘い食べ物でリセットしようとする意味があります。
そのため、さっぱりしたシャーベットがよく出されます。
フルコースのメインメニューです。
しっかりした肉の登場です。
肉料理が終われば、フルコースは終盤に向かいます。
口の雰囲気を変えるため、ここでチーズが登場することが多いようです。
レストランによって、フルコースに含まれなかったり別料金になったりする場合もあります。
基本的に甘いデザートは、フルーツから始まります。
洋菓子より、フルーツのほうが甘みが淡泊であるためです。
甘みが薄いものから食べるほうが、より甘みを味わいやすくするためです。
次にしっかりした甘みのあるデザートが登場します。
甘いものは、胃から腸へと押し出す働きを促します。
ここでのコーヒーの目的は「リラックス」と「消化促進」です。
カフェインには、リラックス効果があるため、コーヒーを飲みながら同席者との歓談が弾みます。
ちなみにコーヒーに含まれるクロロゲン酸には、脂肪燃焼の効率を高める効果もあります。
最後の最後に、小さな洋菓子で締めくくります。
一口サイズの小さなケーキ類が一般的です。
イタリア料理とフランス料理は似ていますが、すべてが同じわけではありません。
国の違いや文化の違いのため、おおむね似てはいるものの、異なる点もあります。
まず前菜から始まります。
前菜の役目は「食欲を駆り立てること」です。
量は少なくても、色鮮やかな色合いが特徴です。
イタリア料理の前菜の場合、肉の「赤」、チーズの「黄」、野菜の「緑」の3色で彩られることが多いようです。
味付けは、食欲を増進させるため、塩味や酸味の利いた刺激的なものが登場するのが一般的です。
1つ目のメイン料理の登場です。
プリモ・ピアットでは、パスタ類が一般的です。
イタリア料理では、フルコースの品目が少ないので、最初に炭水化物の料理が登場します。
2つ目のメイン料理です。
魚料理か肉料理のどちらかが登場します。
ワインと一緒に口にすれば、より深い味わいが楽しめます。
「魚料理は白ワイン。肉料理は赤ワイン」というルールを参考にしながら、ワインを選んでいきましょう。
肉料理で酸性に傾いた血液を、元に戻すため、アルカリ性のサラダが登場します。
またメインディッシュでごつごつした口の中を、野菜でさっぱりする意味があります。
レストランのフルコースに含まれない場合もあります。
含まれない場合にオーダーする際は、別料金になるため注意をしましょう。
甘いデザートで食事の最後を締めくくります。
そろそろ、メイン料理のときに食べたワインによって酔いが回り始めるころです。
気持ちのいいほろ酔い加減と、甘いデザートのハーモニーが、同席者との歓談を盛り上げることでしょう。
イタリア料理の食後のコーヒーは、苦いエスプレッソが一般的です。
デザートで甘いものを食べた後に、苦いものを口にすることで酔いを覚まし、気持ちのバランスを保つ意味があります。
食後のコーヒーには、胃液の分泌を促す消化促進の作用があります。
ちなみにイタリア料理では、食後のカプチーノはおすすめしません。
「満足ではありませんでした」という不満のサインになることがあります。
イタリア料理のフルコースは、フランス料理のフルコースに比べて、品目が若干少ないのが特徴です。
いえ、厳密には、あえてイタリア料理よりフランス料理のほうが品目を多くしたと言ってもいいのかもしれません。
イタリア料理のフルコースでは肉か魚のどちらかを選びますが、フランス料理のフルコースでは魚と肉の両方が登場します。
「そういうものだ」と思えば、それまでです。
しかし、実はそういうふうになった事情や歴史があります。
フランスとイタリアのフルコースの違いではありますが、面白い歴史事情がうかがえます。
そこには「フランスのイタリアに対する対抗意識があった」といわれています。
テーブルマナー発祥の国は、フランスです。
フランスのシェフが『食事作法の50則』を書いて、そこから世界に広まったとされています。
しかし、フルコース料理の型ができたのは、イタリアが最初といわれています。
フランスが先にテーブルマナーを作ったのに、フルコースの型をイタリアが先につくってしまった。
「イタリアには負けられない。イタリアよりいいものをつくりたい」という、フランスのプライドがあったのでしょう。
そのため、イタリアのフルコースより、品目が多くなったとされています。
歴史を作ったのが人間なら、料理を作ったのも人間であり、マナーを作ったのも人間です。
今まで、ただ何気なくフルコース料理を食べていたのではないでしょうか。
料理の裏に秘められた歴史事情などを考えながら食事をすれば、また別の味わいが出て、面白くなります。
ナイフで肉を切るときは、基本的に左側から切っていくのがルールです。
いえ、肉ばかりではありません。
フルコースではさまざまな料理が出てきますが、一部のデザート類を除き、基本的に左側から食べていきます。
「そんなこと、当たり前だ」
では、当然だと思う人は、なぜ左側から切っていくのか説明できるでしょうか。
おそらくほとんどの人が「食べやすいからだ」と答えることでしょう。
たしかにそのとおりです。
しかし、もう1つ、左側から切っていく重要な理由があります。
一言で言えば「味を保ちやすくするため」です。
悪い例として、右側から切る状況を想像してみましょう。
右側の肉をフォークで刺して、ナイフで切ります。
切った後、もう一度、切った肉をフォークで刺して口へ運ぶことになりますね。
肉を刺す回数が多くなります。
おいしい肉汁がこぼれ落ちやすくなり、肉の味を損ねてしまいます。
では、正しい例として、左側から切る場合はどうでしょう。
左手に持っているフォークで肉を刺し、ナイフで切った後、そのまま口へ運べますね。
そのため、肉を指す回数が1回で済みます。
肉汁がこぼれにくい食べ方であり、しかも必要とされる動作が小さく、エレガントです。
肉ばかりではなく、他の料理でもおおむね同じ現象になるはずです。
左側から切るのは、そうした大切な理由があるのです。
問題なのは「食べ方」です。
フルコース料理では、さまざまな食事が次々に登場します。
中にはどうやって食べればいいのだろうかと思うことがあります。
「魚料理の魚の骨は、どう取ればいいのだろう?」
「串焼き料理は、どう食べるのがスマートなのだろう?」
「デザートのメロンの正しい食べ方は?」
わかるようでわからないものですね。
フルコース料理は、単品料理と比べ、はるかに多くのテーブルマナーが要求されます。
だからこそ、差が現れやすいのです。
このとき、慣れた手つきで食べられる人はかっこよく映ります。
「慣れているなあ」
「友人とよく来ることがあるのかな」
「社交性がありそうだな」
「かっこいいなあ」
「なんだか、頭もよさそうだ」
前向きな印象を受けます。
相手が異性なら、魅力を感じるポイントになるでしょう。
だからこそ自分をアピールできるチャンスです。
マナーを重視する理由は「料理をおいしくいただくため」や「周りの人に迷惑をかけないため」だけではありません。
もう1つ重要なことは「自分の存在感をアピールするため」です。
食事マナーのよさで、自分の内面性の善しあしをえん曲的に表現し、伝えることができます。
遠回しに相手を口説いているのと同じです。
欧米では、異性とのデートでは必ずレストランへ行き、フルコース料理を注文します。
なぜかというと、やはり自分をよく見せ、アピールしたいからです。
慣れた手つきでフルコース料理を楽しむ人は、モテます。
テーブルマナーを恐れないでください。
フルコース料理こそ、自分の存在感をアピールする最大のチャンスなのです。
レストランによっては、コース料理にも種類がある場合があります。
「Aコース、Bコース、Cコース」のようにランクわけになっているのです。
略式のコース料理から、すべてがそろったフォーマルなフルコース料理まで、さまざまです。
フルコースとはいえ「アラカルト」と言って、献立表から好みの料理を一品ずつ注文できるものもあります。
このとき、コース料理とはいえ、お互いが別々のコースをオーダーするのはおすすめしません。
簡易コースとフルコースでは、出される食事の数がまったく異なります。
たとえば、代表的な簡易コースなら、次のようになるでしょう。
「前菜→メインディッシュ→サラダ→デザート」
レストランにもよりますが、コース料理を軽く済ませる人にはちょうどいい内容です。
値段が安い分、主要なものに限定されて出されます。
一方、フルコースの場合は、もっと多くなります。
「前菜→スープ→魚料理→口直しの冷菓→肉料理→サラダ→フルーツ→デザート→コーヒー」
簡易的かフルコースかで、サーブされる料理数が異なります。
ランクが異なっていると、妙な上下関係が生まれやすくなります。
相手のほうが料理数が多いと、気にする人もいるでしょう。
また料理数も異なりますから、相手を待っていたり待たせていたりなど、気まずい空気が流れやすくなります。
食事をしながら会話がしづらくなるのです。
もし同席者とコース料理をオーダーするなら、コース料理のランクをお互いに合わせておくのがコツです。
あらかじめ同席者とどのコースで食事をしようか相談して進めるといいでしょう。
平等さが生まれ、食事を口にするタイミングも合わせやすくなります。
食事のタイミングが合えば、食事の話題も合わせやすくなるでしょう。
ポタージュなどのスープを飲むときには、スプーンの口の付け方にルールがあります。
口に対して、スプーンを垂直に傾けて、スープを飲もうとするのがマナーです。
垂直にするのが正式ですが、やりにくい人は、斜め45度でもかまいません。
なぜ垂直にするのかというと、スプーンのスープを流し込みやすくなるためです。
スープを飲むときには「吸う」のではなく「流し込む」というイメージで考えましょう。
普通にスプーンを横向きにしたまま、スープを飲もうとすると、息を吸って吸い込む必要があります。
そのとき、ずるずる音が立ちやすくなり、マナーが悪くなるのです。
その一方、スプーンを垂直に傾けると、口の中に流し込めます。
音が立ちにくくなり、うまくスープを飲むことができるようになるのです。
ポタージュなど、スプーンを使ってスープを飲むとき、すくい方に決まりがあります。
手前から奥に向かってすくいます。
細かい決まりですが、もちろん大切な意味があります。
もし、奥から手前に向けてスプーンですくった場合、手前にスープをこぼしやすくなり、服やテーブルを汚しかねないからです。
スープを飲もうとするたびに、うつむく姿勢になります。
はた目から見て、かっこいいとは言えません。
そこで、スプーンは、手前から奥へとすくうのです。
すると目線が前に向き、自然と背筋が伸びやすくなります。
はた目から見てもかっこいいです。
同席者が正面にいれば、食事相手に顔を向けやすくなります。
汚れを防ぐだけでなく、外見面に関しても、考慮された飲み方なのです。
スープが少なくなったときは、皿の手前を少し持ち上げて傾けると、スープが隅に偏るため、すくいやすくなります。
フルコースでは、スープとパンが同時に出てくることがあります。
このとき、適当な順で食べてしまいそうですが、正式な食べる順番があります。
正式な順番は、スープを飲み終わってから、パンを食べます。
スープを飲みながらパンを食べたり、パンを食べてからスープを飲んだりするのは良くありません。
なぜかというと、そもそもパンは口の中の掃除のために出されるものだからです。
スープを飲むと口全体に味が広がりますが、次の料理までに口の中をリセットする必要があります。
パンを先に食べることもできますが、スープが口の中に残り、後に続く料理の味わいを損ないやすくなります。
最初にスープをいただいてから、パンを食べるようにしましょう。
ナイフとフォークには、基本的な持ち方があります。
ナイフは右手に持ち、ナイフの背を人差し指で押さえるように持ちます。
フォークは左手に持ち、親指と人差し指でしっかり持ちます。
ただし、これは右利きの人を前提とした持ち方です。
ふと、疑問が湧きます。
左利きの人の場合、どうするのでしょうか。
左利きの人は、ナイフとフォークを逆に持ってかまいません。
そもそもなぜ右利きの人が右手でナイフを持つのかというと、右手のほうが力が入りやすいからです。
力が入りやすい手でナイフを持つことで、肉を切りやすくなり、食事がスムーズに運びます。
もし左利きなら、左手のほうが力が入りやすいので、ナイフも左手で持つのが適切です。
世界には、左利きの人も大勢いますから、利き手に応じて逆に持つのはマナー違反ではありません。
「右手にナイフを持つもの」という固い考えにとらわれる必要はありません。
むしろ使いにくい手で無理に持とうとするとぎこちなくなり、食事をこぼしたり音が目立ちやすくなったりします。
自分の利き手に応じて、ナイフとフォークを持つようにしましょう。
ただし注意があります。
ナイフとフォークは逆に持ってもいいですが、並べられたナイフとフォークを左右逆に並び替えるのはマナー違反です。
並べられているカトラリーはそのままにして、使うときに持ち替えましょう。
食べるのに、最も難易度が高い料理の1つが「エビ料理」です。
食べ方は、2種類あります。
「手を使って食べる方法」と「ナイフを使って食べる方法」です。
どちらの食べ方をするのか判断するのは「フィンガーボール」が鍵を握ります。
エビ料理と一緒にフィンガーボールが出てきたということは、直接手を使って食べて良い意味です。
この場合、比較的食べるのは楽です。
直接、手でエビをつかみ、殻を取り外しながら食べていきましょう。
頭のほうから食べ始めたほうが、殻が取りやすくなります。
取り外した殻は、皿の奥へ伏せた状態でまとめておくと、見た目が良くなります。
最後に、汚れた手はフィンガーボールで洗い、ナプキンで拭きます。
ナイフとフォークを使って食べます。
この場合、少し難易度が高くなります。
フォークで頭を押さえながら、ナイフを殻と身の間に入れます。
すると、殻と身が少し浮いた状態になりますから、皿の手間にフォークで身を取り出します。
左側から、一口サイズに切り取って食べていきます。
どうしてもナイフとフォークで取り出すのが難しい場合は、給仕にフィンガーボールをお願いしましょう。
魚料理を食べるとき、ネックになるのは「骨」です。
骨があることで食べにくく感じ、毛嫌いする人も多いのではないでしょうか。
たしかに魚は骨がネックになりますが、きちんと段取りの良い食べ方を練習すれば、恐れることではありません。
では、魚を上手に食べる3ステップは以下のとおりです。
左手で持っているフォークで魚の頭あたりを押さえながら、右手に持っているナイフで魚の背骨を左から右に切り込みを入れます。
この切り込みのラインを基準に「上身」「下身」とします。
基本的に、上身から食べていきます。
背骨に入れた切り口にナイフを入れ、背骨から上に向かってナイフを滑らせていきます。
すると、きれいに魚の上身が取れます。
切り取った上身を、皿の手前に置きます。
後は、通常のナイフとフォークの使い方で、身の左側から、一口大に切り分けて食べていきましょう。
上身が食べ終われば、下身も同様にします。
上身と下身が食べ終われば、骨が露出した状態になります。
背骨の下にナイフを入れて、骨を持ち上げ、皿の隅に移動させます。
骨のなくなった身だけが残ります。
後は、魚の頭や尾を除いて、左側からきれいに食べていけばOKです。
ちなみに、魚をひっくり返して食べるのはマナー違反です。
ひっくり返した瞬間、ソースが飛び散る場合があるためです。
また、うっかり骨が口の中に入ってしまったときは、ナプキンで口を覆いながら、骨を取り出しましょう。
食事が出てくれば、できるだけ早く食べ始めるようにしましょう。
早く食べる必要はありません。
早く食べ始めることが大切です。
料理人は、できるだけ温かいものを食べていただけるよう段取りを考えながら、素早く料理をしています。
給仕は、出来上がった料理を素早く客人のもとへ運んでくれます。
料理人と給仕の芸術的な連係プレーです。
「できるだけおいしいものを食べてほしい」というサービス精神があってこそ、なし得る技です。
料理の温かさ・冷たさを保ちながら提供するために、気を使っているのです。
料理人と給仕の素晴らしいサービス精神に、客人もできるだけ応えたいですね。
それが、早く食べ始めることです。
料理が提供されれば、できるだけ早めに料理をいただくようにしましょう。
同席者との会話を楽しんでいる最中なら、うまく話を区切り、食事に注意を促します。
熱いものは熱いうちに食べ、冷たいものは冷たいうちに食べるのがマナーです。
それが料理本来のおいしさを最も味わえることにもつながります。
洋食に限らず、すべての食事マナーにおいて通じることです。
出てきた料理は、できるだけ早く食べ始めることが大切です。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるのは、洋食や和食、中華など、あらゆる料理に通じる基本マナーです。
しかし、なかなか難しい状況があります。
よくあるパターンは、同席者との会話の最中です。
相手が次々と話しかけて、早く食べ始めようにも食べ始められない状況の場合があります。
さすがに「あなたのせいで料理が食べられません」とも言えません。
相手の気分を害さないように考えると、なかなか会話を中断できず、料理が食べ始められないのです。
そういうとき、とっておきのフレーズがあります。
「おなかがすいた。おいしそうですね」
これを言えば、同席者との会話をうまく区切って、料理を食べ始めることができます。
「おいしそうですね」という言葉によって、料理に注意が促されます。
「おなかがすいているんです」と言われれば「食べましょう」と言うしかありませんね。
同席者は、自分が話しすぎて料理に手をつけられないことに、はっと気づくことでしょう。
困ったとき、ぜひ使ってみましょう。
料理人は、お客さんに最もおいしい状態で提供できるよう、あらかじめ料理に必要な食材の手配をしています。
当日は、予約時間にちょうどいい具合に仕上がるよう事前に肉や魚を仕込んで、調理を始めています。
予約というのは「テーブル席を確保する」という理由だけではありません。
客人に最もおいしい料理を提供するためにもあるのです。
しっかりしたレストランほど予約を頼りに、事前に手際の良い段取りで進めようとします。
しかし、突発的な遅刻やキャンセルなどが、あるものです。
もちろん遅刻やキャンセルはないほうがいいのですが、仕方ない状況は、必ずあります。
交通渋滞は、なかなか事前に予想しにくいものです。
仕事などの都合で、キャンセルせざるを得ない場合もあるでしょう。
そういう場合、わかった時点ですぐ連絡を入れるようにしましょう。
お店側の無駄になる手間を、少しでも減らせます。
テーブルマナー以前のマナーです。
また、絶対にやってはいけないのは「無断キャンセル」です。
一度でもすると、お店の人に徹底的に嫌われます。
レストランによっては、独自に管理しているブラックリストがあり、今後注意の目を向けられるようになります。
通常、予約をすれば上客として扱われますが、無断キャンセルをした場合は、一気にランクが下がってしまうのです。
高級レストランでテイクアウト(料理の持ち帰り)をお願いすると、給仕から断られたことはありませんか。
「持ち帰りもできないのか。サービスが悪いな」と思ってしまいますね。
カジュアルレストランでは、比較的、テイクアウト(料理の持ち帰り)に寛容です。
「テイクアウト、お願いします」と一言言えば、すぐ対応してくれることでしょう。
それに比べ、高級レストランはテイクアウトに対応していないのが基本です。
サービスが悪いと不満を抱いてしまいます。
しかし、これは誤解です。
むしろサービスを重視しているからこそ、テイクアウトに対応していないのです。
なぜテイクアウトに対応していないのか。
それは「味と保存に関しての保証ができないから」です。
高級レストランほど、鮮度の高い食材を使っています。
できるだけおいしいものを食べてほしいからこそ、保存料や着色料などは一切使っていません。
あくまで新鮮なものにこだわっています。
自然、新鮮、命、そのものです。
しかし、逆に言えば、腐りやすいものです。
その状況で、もしテイクアウトをされるとどうでしょうか。
賞味期限や消費期限は、ないも同然です。
保存を前提にして作ったものではありませんから、テイクアウトをすると、すぐ腐ってしまいます。
本来の味が損なわれてしまい、場合によっては体調を崩す原因にもなります。
そうした点を考慮しているからこそ、テイクアウトに対応していません。
また対応しないようにしているのです。
サービスが悪いというのは誤解です。
むしろテイクアウトができないレストランほど、サービスのレベルが高い、と考えたほうがいいのです。
食材に対して、本気で魂を込めている証拠だからです。
食事中、ずっと手にしているナイフとフォークですが、うっかり犯してしまいやすいNGがあります。
話に夢中になってマナー違反をしている場合があります。
特に次の3点には注意をしましょう。
話が夢中になっていると、ついナイフとフォークでジェスチャーをしてしまうことがあります。
カトラリーは食べるために用いるものです。
どうしてもジェスチャーをしたいときは、一度カトラリーを皿に置いてからにしましょう。
料理を刺すのは、フォークの仕事です。
ナイフで料理を刺すのはマナー違反になるので、注意しましょう。
ソースがおいしいと、なめたくなります。
ナイフやフォークについたソースが気になっても、なめるのはこらえ、そのままにしておきましょう。
大変見苦しく、マナー違反になります。
フルコースでは「ブロシェット」と呼ばれる料理が登場することがあります。
いわゆる串焼き料理です。
肉・魚・鳥・貝などを串に刺して、そのまま焼いた料理です。
庶民の感覚では、串を持ってそのまま頬張りたいところですが、好ましくありません。
串焼き料理も、やはりナイフとフォークを上手に使って食べます。
左手で、串を固定します。
串が汚れているようなら、ナプキンを使って串を固定します。
もしくは手で固定をして、あとからナプキンで汚れを拭く手順でも結構です。
左手で串を固定しながら、右手のフォークを使って、串から肉を1つずつ外します。
串に刺さっている状態ですから、ゆっくり慎重に取っていきましょう。
うまく取るコツがあります。
フォークを引いて肉を取るより、串を引いて肉を取るほうが、うまく取れます。
串に刺さっている肉と肉の間にフォークを挟み、串を引っ張るイメージです。
また、1つずつ食べるごとに串から肉を取り外すのではなく、初めにすべて、串から肉を外したほうがスマートです。
肉をすべて取り除けば、串は皿の奥に置きます。
残った肉は、ナイフとフォークで通常どおり食べます。
「骨付き」の肉が登場することがあります。
いわゆる「Tボーンステーキ」です。
通常のステーキとは異なり、骨を気にしながら食べなければいけませんから、少し戸惑うところですね。
まず気をつけたいのは、骨を手に持って直接肉にかぶりつくのは厳禁です。
最初に骨から肉を外す手順から始めます。
骨に注意がむいて、どこから切ろうかと迷いが生じます。
Tボーンステーキでスマートな食べ方は、やはり左側からです。
T字の左側からナイフを入れます。
フォークで肉をしっかり固定しながら、骨に沿ってナイフを入れます。
骨についた肉をナイフで切り外すことになりますから、しっかり力を入れましょう。
骨と肉のラインをぎりぎりに切っていくより、少し余裕を持たせて切るほうが、楽に切れます。
ここで注意があります。
Tボーンステーキは骨が邪魔ですから、最初に骨から肉を全部切り取りたくなります。
しかし、この方法は、良くありません。
最初にすべて切り分けてしまうと、肉汁が逃げ出したり、肉が冷めやすくなったりするからです。
食べるだけの量を、その都度切り分けていくようにします。
骨付き肉を左側から食べていきますが、肉を切りにくい場合があります。
そういうときは、肉を切りやすいように回転させればOKです。
骨付きの肉は、T字型とは限りません。
場合によっては複雑な骨の形もあるでしょう。
骨と骨の間の肉の取り方は、状況によります。
ナイフとフォークを使って肉を切られる余裕があれば、そうしましょう。
ただし、骨と骨の間が狭くてナイフとフォークが使いにくい場合は、手で骨をしっかり固定します。
そして、フォークを使って骨の間の肉をかき出して食べます。
西洋料理の1つに「エスカルゴ」があります。
いわゆる食用のカタツムリ料理です。
「ヨーロッパではカタツムリまで食べるの?」
驚きますが、フランスではトリュフ、フォアグラ、キャビアに続く、代表的なフランス料理です。
ブルゴーニュの郷土料理として有名です。
フランスはワインで有名ですが、ワインに必要とされるブドウの葉を飼料に養殖されています。
さて、エスカルゴが登場する場合「トング」と呼ばれるU字形の道具も出てくるはずです。
左手でトングを持ち貝を固定しながら、右手にフォークを持ち、中身を引っかけて取り出します。
トングが用意されていない場合は、手で直接つかんで結構です。
エスカルゴは冷めると中身が固くなるので、熱いうちに食べるようにしましょう。
中身を食べ終わった後が、ポイントです。
「殻の中に残った汁」です。
楽しみ方は、2つあります。
エスカルゴ料理では、皿の上に小さなパンも添えられていることがあります。
もちろんパンをそのまま食べてもいいですが、殻に残った汁を、パンにかけて食べてみましょう。
パンがおいしくいただけます。
これはマナー違反ではなく、一般的な食べ方です。
またパンは直接手でつかむより、フォークでパンを刺したほうが、より上品です。
殻の中に残った汁は、直接口をつけて飲んでも結構です。
バターが含まれた汁が口に広がり、上品な後味が続きます。
肉料理、生ガキ、エスカルゴなどでは「レモン」や「粉チーズ」が登場することがあります。
もちろんそのまま食べてもいいのですが、一工夫を加えることで、よりおいしく食べられます。
このレモンと粉チーズですが、少し使い方に注意が必要です。
レモンを搾るときには、必ず片方の手で覆いながら、しぼるようにしましょう。
搾ったときの勢いで、レモン汁が飛び散るのを防ぐためです。
レモンを搾るときは、力を強く入れるため、遠くまで飛び散る可能性があります。
粉チーズを振りかけるときも、同じです。
粉チーズも振り方によっては、皿の外にまで飛び散り、テーブルクロスを汚してしまうことがあります。
片手で覆いながら振りかけると、皿からはみ出すことがなく、エレガントです。
手で覆っている姿が「周りのことにもきちんと配慮している」という印象がうかがえます。
気持ちよく、食事をいただけるのです。
食べ方が単純そうに思える牡蠣のネックは「貝柱」です。
まず片手で殻を持ちながら、フォークで貝の内部にある貝柱を、うまく引っかけて切りましょう。
フォークで貝柱を切りにくいようなら、ナイフを使ってもかまいません。
貝柱を切った後は、レモンをかけます。
レモンを搾る際は、周りに汁が飛び散らないよう、片手で覆いましょう。
フォークで身をすくい取って、一口で食べます。
ナイフとフォークで身を切るのは、おすすめしません。
直接、手で貝を持ったりレモンを搾ったりするため、カトラリーが汚れやすく、ナプキンで手を拭く手間が増えるためです。
身は、一口で食べるようにしましょう。
カジュアルなレストランなら、殻に直接口をつけて、汁を飲んでもかまいません。
すするとき、音が出ないように注意しましょう。
スープをスプーンで飲むときと、同じイメージです。
貝のとがっているほうを垂直になるよう口につけて「吸う」より「流し込む」イメージでいただくと、すする音が出ません。
口を大きくあけて食べる様子は、野生動物を思わせます。
大きなパンを直接口にするのはマナー違反です。
フォーマルなレストランにふさわしくありませんね。
女性なら、貞淑で上品な様子が台無しです。
パンは、直接素手でつかんでかまいません。
手が汚れるからと言って、ナイフでパンを切るのはマナー違反です。
パンは素手でつかんで食べるものですから、手でつかんで一口サイズにちぎって口にしましょう。
このときに注意したいのは、パンとバターの順です。
パンをちぎってから、塗るようにしましょう。
塗ってからパンをちぎるのはマナー違反になります。
ただしトーストだけは例外で、先に塗ってから食べてもOKです。
最後に使ったバターナイフは、皿の奥に横にします。
パンのちぎった側は、相手に見えないよう自分のほうに向けるとエレガントです。
パンが出されるタイミングは、おおむね決まっています。
コース料理では、基本的にパンはメインディッシュの前に出されます。
スープと一緒にパンがサーブされることもあれば、スープの後にパンがサーブされる場合もあります。
このとき、よくありがちな失敗があります。
パンを食べすぎてしまうことです。
パンは、一口サイズで食べやすいためか、つい食が進みます。
もう一口と思い、気づけば食べすぎています。
パンは炭水化物がたくさん含まれています。
パンを食べすぎた結果、メインディッシュの後の食事が食べにくくなってしまうのです。
恥ずかしいことですが、私の場合、そういう失敗が何度もあります。
コース料理でパンを食べるときに陥りやすい罠です。
せっかくのおいしい料理も、満腹で食べられないのでは意味がありません。
テーブルマナーではありませんが、私の実体験から注意すべき点だと思っています。
そもそもメインディッシュのパンは「口の掃除」が目的です。
メインディッシュ前に口の中を掃除するのが目的ですから、食べすぎないように注意しましょう。
コース料理でパンが出ても「まだ食事は続く」という意識を持ち、食べすぎないようにしましょう。
通常、パンが出てくるときには、パン皿も出てくるものです。
しかし、レストランによってはパン皿が登場しないことがあります。
特に「ビストロ」と呼ばれる、小さな居酒屋風のレストランでは、そういう場合が多いようです。
「パン皿がないなんて、サービスの悪いレストランなのだろう」
いえ、そうとは限りません。
意外にもフォーマルなレストランでさえ、パン皿が用意されない場合があります。
なぜパンにパン皿が用意されていないのでしょうか。
不思議ですね。
これには、テーブルマナーの歴史が関係するようです。
17世紀のイタリアやフランスでは、純白のテーブルクロスにパンを直接置くのは、上級階級の証しであり、特権とされていました。
その昔の名残がいまだに残っているようです。
また、パン皿を置いていないと、テーブルクロスに注意がむきます。
「パンが直接置けるくらい美しく高級なテーブルクロスです」という、テーブルクロスの美しさをアピールする意味もあります。
現在でもその名残が残っていて、高級レストランでもパン皿が用意されていないことが多いのです。
パン皿を置いていないのは、昔からの名残やテーブルクロスの美しさをアピールする意味などが込められているのです。
パンを食べていると、パンくずがテーブルクロスに落ちることがあります。
特にパン皿が用意されていなければ、目立つこともあります。
そのとき気になり、自分の手で集めたり、こっそり床に落としたりしようとするのは、マナー違反です。
テーブルクロスに落ちたパンくずは、そのままにしてかまいません。
次の皿が登場する際、タイミングを見計らって給仕が掃除をしてくれます。
もし、気になって仕方ないときには、給仕を呼んでパンくずの処理をお願いしましょう。
レストランによっては、二酸化炭素入りの水が選べる場合があります。
ヨーロッパでは一般的です。
ヨーロッパのレストランで普通に水をオーダーすれば「ガス入りの水」が当たり前に出てくることもあります。
このガス入りの水には、メリットとデメリットがあります。
慣れない人も多いかもしませんが、これがよく合います。
爽やかな喉越しが、食欲を駆り立てるのです。
これは普通の水にはないメリットです。
私も最初は「なぜガス入りの水?」と先入観を抱いていた時期がありましたが、一度試してみましょう。
食事とよく合うのです。
驚くべきことに、健康にも良い影響を及ぼすことが確認されています。
炭酸は、筋肉の疲労物質である「乳酸」を体外に排出する効果があり、疲労回復を促進させる効果が期待されています。
デメリットは、やはりげっぷが出やすくなることです。
レストランで食事中のげっぷは、厳禁です。
西洋では、げっぷはおならより嫌われるとされています。
また、ガス入りの水は食欲を駆り立てる効果があるのですが、逆に言えば「食べすぎてしまう」というデメリットもあります。
このようにガス入りの水には、メリット・デメリットがあります。
「健康にいい」というメリットがあったり「食べすぎやすい」というデメリットもあったりと、一長一短です。
体質・状況・好みなどに応じて、自分に合った水をオーダーしましょう。
ナイフとフォークを使う料理の場合「食事中」「食べ終わりました」というサインがあります。
ナイフとフォークを「八の字」にすれば食事中という意味で、皿にカトラリーをそろえれば「終わりました」というサインですね。
では、取っ手がついているカップ型スープの場合は、どうでしょうか。
もちろんカップ型スープの場合も、サインがあります。
通常、カップ型スープを飲む場合は、具を食べるためにスプーンを使います。
中座の際は、スプーンをカップの受け皿の奥へ横にしておきます。
これが「まだ食事中なので持っていかないでください」というサインになります。
カップの中に、スプーンを入れたままにします。
「飲み終わったので、皿を下げても結構です」というサインになります。