父がまだ会社勤めをしていたころ、水口家では、夜の7時か8時くらいになると、不思議な電話がかかってきました。
「リリリ」と電話が2、3回鳴って、すぐ切れます。
偶然その日だけかと思いましたが、違いました。
海外出張の多かった父は、ときどきお土産を買ってきました。
たまたま母の誕生日と重なった日、父は奮発したお土産を買ってきました。
世界の有名ブランド「Coach」のハンカチを買ってきました。
多くの家庭では、中心的存在は夫です。
夫のほうが力は強くて経済力もあるという事情のため、家庭では自然と夫が中心になってしまいます。
当然、人として男性も女性も平等です。
夫婦でけんかをしたときには、できるだけ早く仲直りするのがポイントです。
けんかの火は、できるだけ小さなうちに消したほうが、被害も最小限に食い止めることができます。
ここで誤解しないでいただきたいのは「早く仲直り=早く謝る」というわけではありません。
火事は、火が大きくなればなるほど、消しにくくなります。
火が大きいほど、消すための水もたくさん必要になり、消し終わるまでにも時間がかかります。
たとえ消し終わったとしても「焼け跡」が大きくなります。
仕事熱心な夫は、毎日残業で帰宅するのが遅くなりがちです。
一見すれば、家に帰るのが遅い状態は、家庭のことを軽んじているようにも思えます。
一概にそうとも言えません。
料理を作ったことがある人ならわかるでしょうが、食事は1つつくるにも手間暇がかかります。
まずは、食材を買ってくるところから始まります。
栄養バランスを考えながら調理する。
妻にもっとおいしい食事をつくってもらいたいとき、あなたならなんと言いますか。
普通に考えれば「もっとおいしくつくってよ」というような言葉を言うのではないでしょうか。
たしかに素直でストレートな一言ですが、実は少し失礼になっています。
夫は妻の手作り料理を褒めるのが基本です。
おいしい料理は、過大評価するくらいに褒めちぎるほうがいい。
妻はもっと褒められたいと思い、さらにおいしい料理をつくろうと奮起します。
長い夫婦生活では、必ず、妻と衝突することがあります。
一度や二度で済めばまだいいほうです。
特に新婚時代は、毎日衝突ばかりになるでしょう。
男にとって、力とは何かについて、あらためて整理して考えましょう。
力を持っている夫がまず、力の取り扱いについて認識しておく必要があります。
なぜ、男は力があるのでしょうか。
時間やタイミングが許すかぎり、お風呂は夫婦一緒に入るようにしましょう。
お風呂を一緒に入っている夫婦で、仲の悪いカップルはいません。
別々に入れば楽かもしれませんが、そこをあえて一緒に入るのがポイントです。
子育てをする際には、絶対に言ってはいけない禁句があります。
たくさんあるわけではありません。
絶対に言ってはいけない言葉は、たった1つだけです。
未婚だったころは、どこか自分にだらしない部分がありました。
お金がなくても、困るのは自分だけ。
特に何かを背負っているわけではありませんでしたから、のほほんとしていました。
夫婦関係といえば、夫と妻だけに焦点が向いてしまいがちですが、そればかりではありません。
夫としては、妻のご両親にもきちんと目を向けていますか。
褒めるのは「自分の両親」はもちろんですが、特に「妻のご両親」です。
ほとんどの夫は、仕事でストレスを抱えているはずです。
遊んでいるならともかく、お金と責任が関わる仕事では緊張感がありますし、ストレスも感じて当然です。
仕事だけではなく、職場の人間関係に悩まされることもしばしばです。
妻と会話をしていると、同じ話が何度も出てくることがあります。
たわいない会話なら、何度でも同じ話をしたくなります。
あなたが宝くじで大当たりをすれば、同じ話を何度でもしたくなりますね。
往々にして夫は、妻の仕事を軽くみてしまいがちです。
「洗濯なんて、洗濯機に洗濯物を押し込んで、スイッチを入れるだけだろう」
「適当に食事をつくるくらい、誰でもできるだろう」
夫と妻とでは、仕事の「種類」や「立場」が異なるだけで、大変さに大きな差はありません。
夫は、会社で「大人数による協力の大変さ」があります。
妻は、家の中で「少人数による孤独の大変さ」があります。
夫婦関係が良くなるキーフレーズは「手伝って」より「手伝わせて」です。
妻が困っているときは、夫に「手伝って」と言い、助けを求めます。
助けを求めてからでは遅い。
男が偉そうにする時代は、とっくに終わっています。
偉そうにするとかっこいいと思われる時代は、すでに時代遅れです。
これからは、女性をフォローできる男性がかっこいいと思われる時代です。
夫と妻とは結婚すれば、1つ屋根の下で、生計を一にして、一緒に暮らし始めます。
長い間、母親と暮らしを共にしてきましたが、結婚すれば、妻と共に暮らし始めることになります。
さて、そんなときです。
「髪を切ったね」
散髪をして次の日に話しかけられるのは、決まって女性からです。
男性は髪を切ったことにあまり気づいてくれないですが、女性はすぐ気づきます。
「マザーコンプレックス」という言葉をご存じですか。
母親に対して、子どもが強い愛着や執着を持つ状態をいいます。
これまで長い間、息子は温かい母親の愛情を受けて育ってきました。
最近は、妻でも仕事に出るケースが大変多くなりました。
苦しい家計を少しでも楽にさせたいということで、妻でも働きに出る家庭は珍しくありません。
女性も、どんどん社会進出している時代です。
個性を大切にしたい気持ちもあるでしょうが、考えを押し通すのは大変です。
夫婦が、お互いに自分の主張にこだわっていると、ぶつかってばかりになるでしょう。
ストレスもたまります。
夫婦の関係が悪化する際に、よく見られるのが「考え方の違い」です。
頭の固い人は「二者択一の選択」を好みます。
Aなのか、Bなのか。
男も女も人間としては同じですが、脳にはわずかに違いがあります。
男性は低いところが好きという傾向があります。
男性が家で個室をつくるなら、地下に個室をつくりたがります。
夫として、妻に贈り物をするときといえば何を考えるでしょうか。
高級ブランド品を思い浮かべるでしょうか。
妻が喜びそうなバッグ。
夫婦生活ではある程度、お金が物を言います。
着るもの、食べるもの、住むところなど、やはりお金ですね。
外食に行く回数も増えることでしょう。
父がまだ会社勤めをしていたころ、水口家では、夜の7時か8時くらいになると、不思議な電話がかかってきました。
「リリリ」と電話が2、3回鳴って、すぐ切れます。
偶然その日だけかと思いましたが、違いました。
明くる日も、また明くる日も、毎日続きます。
いたずら電話です。
その電話を聞くやいなや、母は急に立ち上がります。
お風呂の湯を沸かし始め、次に台所に立ち、料理の支度を始めます。
母に「あの不思議な電話は何?」と尋ねてみると、驚く答えが返ってきました。
「お父さんが会社を出た合図」と言います。
「お父さんが会社を出たタイミングがわかれば、お母さんはお風呂の湯を温めたり、出来立ての料理を作ったりしやすくなる」
「なるほど」と思いました。
しかも、なぜ電話を取らないのかというと「電話を取ってしまうと電話料金がかかってしまうから」と言います。
父と母との間で、そういうやりとりを考えたのでしょう。
節約志向が強い水口家らしい考え方だなと、両親の知恵に感心しました。
これは父にとっても都合が良かったはずです。
電話を数回鳴らすくらいなら手間にならず、母にとってもわざわざ固定電話のところまで足を運ぶ必要がありません。
手間にならず、お金もかからない、しかも合図になるという、両親にとってベストの選択でした。
こうして水口家では、父の帰る時間に、ちょうどいい温度でお湯が沸き、出来立ての料理が待っているのでした。
妻が専業主婦をしている多くの家庭では、夫の帰るタイミングに頭を悩ませているのではないでしょうか。
「今日は何時ころに帰られそう?」
「たぶん、夕方6時くらいかな」
妻は、料理をつくるために、夫が帰る時間を知りたがります。
とはいえ、なかなか自信を持ってこの時間に帰られると言いづらい。
会社にいる間は、夫も残業が急に入るかもしれませんし、飲みに誘われるかもしれません。
社内にいる間は、はっきりこの時間に帰られるとは言えません。
会社から出たときに言えばいい。
退社をした後なら、上司から急な残業を頼まれたり、同僚から飲みに誘われたりすることはありません。
絶対にないわけではありませんが「まれ」と考えていいでしょう。
夫は、会社を出たタイミングで、家で待つ妻に電話をすればいい。
水口家がしていたように、電話を数回鳴らす合図でもいいでしょう。
テレビを見ていてたまたま電話の音に気づかなくても、着信履歴にも残りますから、わかるはずです。
夫のほんのささいな工夫で、妻は大変楽になります。
夫は、会社から出たら、すぐ家で待つ妻に電話をしましょう。
海外出張の多かった父は、ときどきお土産を買ってきました。
たまたま母の誕生日と重なった日、父は奮発したお土産を買ってきました。
世界の有名ブランド「Coach」のハンカチを買ってきました。
きれいな柄で、見るからに高級そうな雰囲気が出ています。
値段を聞くところによると、なんと数万円もしたそうです。
たった1枚のハンカチに、数万円という値は破格です。
しかし、です。
せっかく素晴らしいプレゼントなのに、母はまったく興味を示しません。
実は、母はブランドものにまったく興味がない人です。
子どもである私の場合、母が高級ブランドを身につけているところを、いまだかつて見たことがありません。
逆に、世界一、ブランドが似合わないというほうが合っているかもしれません。
見た目は、単なる田舎のおばさんです。
父が価値あるハンカチを買ってきたというのに、母はその価値をまったく理解していません。
「こんなハンカチが数万円もするのか。もったいない」
節約志向の強い母は、父の高額な買い物に、少しかっかしていたくらいです。
日頃努力しながら節約しているのに、1つ数万円の買い物をした父に怒っています。
これは夫婦間でブランドものを贈る際にありがちなトラブルです。
誕生日だからとはいえ、どこにでも売っているような安物を贈るのもむなしい。
だからとはいえ、高級なものを贈ると、逆に夫婦げんかの元になる。
父も悪気があって、買ってきたわけではありません。
母の誕生日に、母を喜ばせようとして、高級なハンカチをプレゼントしました。
しかし、結果としてそれが夫婦の揉める原因になってしまった。
ああ、なんて夫はつらいのでしょう。
なかなか難しい状況です。
父も複雑な心情になっていたようです。
せっかくのブランド品も、価値を理解していないのは悲しいものです。
骨董品に興味のない人が、なぜあんな壺が数百万円もするのか理解できないのと同じです。
理解している人は数百万円支払っても欲しいと思いますが、興味がない人には、ただでもいらないと思います。
価値を理解していないと、どんな高級なものでも、普通のものに見えてしまいます。
しかし、そんな中、唯一伝わったものがありました。
高級なハンカチを贈ることで、父が母の誕生日を本気で祝おうとする気持ちです。
数万円もする高級ブランドのハンカチを贈ることで、母の誕生日を本気で祝おうとする父の気持ちが、母には伝わっていました。
ハンカチの価値は理解していないが、父からの気持ちは理解でき、結果として母は喜んでいました。
大切なのは、やはり物より気持ちです。
高級な物を贈れば気持ちが必ずしも伝わるとは限りません。
きちんと気持ちを込めたうえで、高級品を贈ることです。
家計が苦しい中、奮発して高級なものを贈るのは「それだけ本気なんだよ」という気持ちを伝える効果があるのです。
多くの家庭では、中心的存在は夫です。
夫のほうが力は強くて経済力もあるという事情のため、家庭では自然と夫が中心になってしまいます。
当然、人として男性も女性も平等です。
ただ、力関係の影響で、立場に偏りが出てしまうことがあります。
もちろん例外として女性のほうに経済力が強い場合もありますが、まだまだ少数です。
やはり多くの家庭では、夫が中心になっていることでしょう。
「家庭に中心がいる」というのは重要です。
チームにはチームリーダー、会社でも経営者がいるからこそ、運営がうまくいきます。
しかし、家庭に中心がいるのはいいですが「独裁」になってはいけません。
夫が家庭の中心だからとはいえ、妻の意見を無視したり、無理やり妻を従わせようとしたりするのは絶対よくない。
たとえ、夫が悪くても、妻に謝らせようとするのは、どこかまだ「男尊女卑」が残っている考え方です。
「男は偉い、女性は男性に従うものだ」というのは、完全に人権を無視した考えです。
女性が先に謝ってしまうと、夫の独裁になります。
夫は自分の好きなとおりにして、妻は夫の言うことを聞くしかなくなります。
妻の立場が著しく低い夫婦は、必ず崩壊します。
夫は自意識が過剰になった結果、横柄になり、間違いに気づきにくくなるからです。
その間違いに気づく妻がいても、指摘できない状態では、夫婦の行く末は目に見えています。
妻はストレスがたまるばかり。
夫が家庭の中心になるのはいいですが、夫婦として安定するには、お互いの意見を言い合える環境をつくらなければいけません。
妻からの意見があることで、夫の偏った考え方や見方など、気づくきっかけになります。
家庭の中心人物とはいえ、独裁になるのではない。
力があるとはいえ、横柄になるのでもない。
むしろ力がある中心的人物だからこそ、謙虚になります。
謙虚に妻からの意見を受け止め、家庭運営に役立てます。
そのたびに、家庭運営を見直していきましょう。
お小遣いの配分がおかしければ、夫婦間のお小遣いの量を見直せばいいでしょう。
夫が中心でいながらも、夫婦ともに不満がない状態が理想です。
車を買うお金がないなら、夫の車を妻に使わせる。
旅行先で意見が対立すれば、妻の意見を優先させる。
それは夫から率先して、妻の意見を吸い上げて、反映させていく必要があります。
たとえ、夫のほうが力持ちで収入が多くても、夫と妻とが理想的な関係になっていることです。
これが、夫婦として安定する方法です。
家庭が問題なく運営できるように、夫婦が互いに意見を出し合い、釣り合いが取れた環境づくりが必要なのです。
夫婦でけんかをしたときには、できるだけ早く仲直りするのがポイントです。
けんかの火は、できるだけ小さなうちに消したほうが、被害も最小限に食い止めることができます。
ここで誤解しないでいただきたいのは「早く仲直り=早く謝る」というわけではありません。
一見すると、早く謝れば早く仲直りできそうですが、違います。
逆に怒らせてしまいます。
たとえば、妻が夫のだらしない行動を見つけて怒っているとします。
「あなたはいつも自分勝手な行動ばかり。こういうことがずっと続いて……」
「わかったわかった。ごめんごめん」
さて、どんな印象を受けましたか。
「謝っている」というより「あしらっている」という印象を受けませんか。
特に夫は、妻が口うるさい小言を、軽んじて扱う傾向があります。
相手の話を途中で遮って謝ってしまうと、軽い謝罪になります。
「謝ればいいと思っているでしょう。きちんと話を聞いていない。真面目に話を聞いてほしい!」
早く仲直りしようと早く謝った結果、妻をさらに怒らせてしまいます。
なかなか難しい問題ですね。
実際に、妻の話を最後まで聞かないため、夫の思っている内容と妻の主張とで食い違うこともあります。
たしかに仲直りは早いほうがいいですが、すぐ謝りすぎるのも問題です。
そういう心当たりはありませんか。
では、どうするのがいいのかというと「相手の話をきちんと聞いてから謝る」ということです。
妻の話は少し長いかもしれませんが、きちんと話を最後まで聞きます。
話の途中は、反論はせず、適度に相槌を打ちます。
すべて話をし終わってから「そうか。わかった。悪かった」と謝る流れにするほうがいい。
真面目に話を聞いている印象があります。
妻の話を最後まで聞くので、誤って解釈をすることもありません。
これが、本当の早い仲直りです。
「すぐ謝ればいい」というわけではなく「話を最後まで聞いてからすぐ謝る」のです。
火事は、火が大きくなればなるほど、消しにくくなります。
火が大きいほど、消すための水もたくさん必要になり、消し終わるまでにも時間がかかります。
たとえ消し終わったとしても「焼け跡」が大きくなります。
見るからに痛々しい焼け跡が残り、その部分のケアも必要です。
「火は小さいほうが消しやすい」
これは誰もが納得することでしょう。
もちろん火事は、なければいいですが万が一ということもあります。
たとえ火事になったとしても、すぐ火を消せば、大事に至ることはありません。
夫婦げんかも、火事の火消しと同じです。
夫婦げんかも、大きくなればなるほど、解決しにくくなります。
夫婦げんかが長引くというのは、それだけ話がこじれるということです。
こじれた話は、どこからどう手をつけていいのかわかりません。
仲直りしたとしても、けんか中に言われた数々の中傷言葉が心の傷になり、精神的ダメージからの回復に時間がかかります。
夫婦げんかをしないコツは、けんかになりかけたらすぐ謝ることです。
「おや、雰囲気が悪くなったぞ」と思ったら「ごめんね」と言うくらいでいい。
「けんかになってから謝る」のではなく「けんかになりかけた時点」で謝りましょう。
夫婦げんかの火は、小さいほうが消しやすい。
もちろん話を最後まで聞いてからすぐ謝ることも忘れないようにしましょう。
特に、夫から先に謝るほうがかっこいい。
「それは不条理ではないか。妻の尻に敷かれるだけだ」
そう思うかもしれませんが、そうではありません。
男性だからこそ、少々したことに動揺せず、大きな器で妻を包み込んでほしい。
本気になって力を出せば、妻をねじ伏せられるはずの夫が、謙虚になっているところがかっこいい。
それは「余裕」です。
その寛大さは、妻にきちんと伝わります。
妻は、怒りのため、一時的に自制心を失っているだけです。
もちろん明らかに妻が悪い場合は、妻から謝るのがマナーですが、その辺りは状況を見ながら判断です。
けんかが収まってしばらく経てば、妻は自分のほうが悪かったことに気づき、赤面します。
夫が道を譲ってくれたことに気づいて、大きな器を持って接してくれたことに、後になって気づきます。
そのとき、夫の器の大きさに強さを感じ、妻は安心できるのです。
仕事熱心な夫は、毎日残業で帰宅するのが遅くなりがちです。
一見すれば、家に帰るのが遅い状態は、家庭のことを軽んじているようにも思えます。
一概にそうとも言えません。
仕事熱心は、少しでも多くお金を稼いで家計を楽にしたい、家庭思いの気持ちもあります。
これから長い社会生活ですから、人間関係や昇進などもあるでしょう。
会社を首にならないように、夫なりに懸命になっている姿です。
全然働かない夫に比べれば、熱心に働いている夫はどれだけ素晴らしいかわかることでしょう。
仕事を抱えすぎず、定時退社ができればいいですが、年末や決済時期の忙しい時期は、やはり定時には間に合わないこともあります。
妻や子どものために、サボりたくてもサボらず、熱心に仕事をしています。
しかし、いくら仕事熱心とはいえ、限度もあります。
ときどき、仕事が熱心すぎて、家にまで仕事を持ち帰る人がいます。
残業まではいいですが、家にまで仕事を持ち帰るのは良くありません。
もし家に仕事を持ち込んでしまうとどうなるでしょうか。
仕事を家に持ち帰ってしまうと、家が仕事場になります。
仕事と家庭との境界線が曖昧になります。
妻がつくってくれた食事を食べながら、会社の資料を読む。
妻との会話が、うわの空になる。
家にいるにかかわらず、会社のことが気になって仕方ない。
そうなると気が休まる時間がありません。
仕事を少しでも多くしたい気持ちはわかりますが、さすがにこれはやりすぎです。
そもそも企業の資料を、外部に持ち出している状態も良くありません。
秘密事項や顧客情報が含まれているものをうっかり落としてしまうと、ただでは話が済まなくなります。
会社のことを考える愛社精神は大変素晴らしいですが、超えてはいけない一線もあります。
「職場は職場、家庭は家庭」です。
この区切りをきちんとつけることで、夫は心身ともにメリハリがつきやすくなります。
メリハリがあれば、職場では仕事に集中しやすくなり、家庭では妻に集中できるということです。
会社内では仕事のことを考え、定時が過ぎて、会社から一歩でも外に出れば、会社のことは忘れてしまうのです。
料理を作ったことがある人ならわかるでしょうが、食事は1つつくるにも手間暇がかかります。
まずは、食材を買ってくるところから始まります。
栄養バランスを考えながら調理する。
調理にはもちろん時間もかかりますし、体力を要します。
おいしく見せるために皿に盛り合わせます。
これを妻は、毎日365日、文句も言わずにしています。
夫も仕事で大変ですが、妻も食事で大変です。
夫はどんなに忙しくても、妻の作った食事に感謝の言葉を述べることです。
しかし、朝は忙しくて時間もないし、夕食のときには会社疲れで、コメントまで気がなかなか回らないこともあるでしょう。
そういうとき、いい言葉があるではありませんか。
「いただきます」と「ごちそうさま」です。
夫はどんなに忙しかったり疲れたりしていても、この一言くらいは言えるはずです。
当たり前の言葉ですが、妻はこれだけで喜びます。
食事をする前に「いただきます」、食べ終われば「ごちそうさま」と言うだけで、妻の食事を十分に褒めていることになります。
「いただきます」と「ごちそうさま」は、感謝や賛美のニュアンスが含まれていることにお気づきですか。
食事を頂くときの単なる挨拶言葉ではありません。
「いただきます」は「おいしそうだからいただきます」という意味が込められています。
「ごちそうさま」は「本当においしくてごちそうでした」という意味です。
感謝をする言葉であり、立派な褒め言葉です。
妻はきっと笑顔になるに違いありません。
いちばん避けたいのは、無言で食べ始め、無言で食べ終わることです。
これは良くありません。
「夫婦だからそれくらいいいだろう」と言葉を省略するのは良くありません。
あなたは大丈夫ですか。
大して難しい言葉ではありませんから「いただきます」と「ごちそうさま」は、習慣にしましょう。
妻にもっとおいしい食事をつくってもらいたいとき、あなたならなんと言いますか。
普通に考えれば「もっとおいしくつくってよ」というような言葉を言うのではないでしょうか。
たしかに素直でストレートな一言ですが、実は少し失礼になっています。
「もっとおいしくつくってよ」ということは「今の食事はおいしくないよ」と、それとなく言っているのと同じだからです。
それには妻は眉をひそめますし、落胆させてしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか。
妻の食事を褒めればいい。
夫は、妻の作った食事に対して、喜ぶようなコメントを1つでも言うことです。
「いつもよりおいしくできているよ」
「味がしっかりして、おいしいよ」
「料理が上手だね」
誰でもそうですが、褒められると嬉しくなります。
気の利いた褒め言葉を言うのがポイントです。
「つくって良かった」と妻はやりがいを感じ、もっとおいしい料理をつくろうと心がけるようになります。
妻は夫から食事を褒められると「もっとおいしくつくりたい」と奮起し、料理の腕を磨こうとします。
誰でも喜ばれて嬉しくない人はいません。
妻は夫から食事を褒められるだけで、それまでの食事をつくる努力が報われ、もっとやる気を出します。
もし、おいしくないと感じることがあっても「まずい」という表現は禁句です。
妻は元気をなくしてしまいます。
そういうときは「変わった味だね」と柔らかい表現がおすすめです。
夫は妻の手作り料理を褒めるのが基本です。
おいしい料理は、過大評価するくらいに褒めちぎるほうがいい。
妻はもっと褒められたいと思い、さらにおいしい料理をつくろうと奮起します。
さて、褒めるだけでもいいですが、余裕があれば、もう1つ心がけてほしいことがあります。
「こうしてほしい」というコメントを含めましょう。
「おいしいね。もう少し塩味が効いていればいいな」
「なかなかいい味だね。もう少し辛さを抑えてくれればいいかな」
「もっとたくさん食べたいから、少し量を増やしてほしい」
褒め言葉に含まれる「こうしてほしい」アドバイスを聞くことで、次から妻は、夫のコメントを反映させた料理をつくろうとします。
その結果、夫の舌により近づいた料理になるでしょう。
これはどういうことを意味しているかというと「世界一おいしい食事になる」ということです。
これは世界のどこを探しても見当たりません。
世界に2つとない「妻がつくる夫の舌に特化した料理」です。
世界のどんな一流シェフより、おいしい食事が出来上がるに違いありません。
夫婦生活が長ければ長いほど、妻の料理が病みつきになります。
夫は浮気をする気もなくなります。
妻以上においしい女性は、もはや、いないからです。
料理はうまくなる。
褒められて妻と仲もよくなる。
いいことずくめなのです。
長い夫婦生活では、必ず、妻と衝突することがあります。
一度や二度で済めばまだいいほうです。
特に新婚時代は、毎日衝突ばかりになるでしょう。
一緒に暮らし始めれば、お互いが今までに気づかなかった点が気になるようになります。
意見で対立したり、考え方で対立したりして、口論となることもあることでしょう。
生まれも育ちも性別も違いますから、あって当然です。
衝突そのものは、別に悪いことではありません。
どんどん衝突しましょう。
夫の意見と妻の意見とが正反対なら、その中間である「真ん中」を取ればいい。
妥協ができない場合なら、その都度、妻と話し合って決めることが必要です。
夫婦が納得するまで、意見を交換して、夫婦間のギャップを埋めます。
衝突は悪いことではありません。
たくさん衝突して、夫婦のギャップを埋めていきましょう。
さて、このとき、夫は絶対にしてはいけないことがあります。
暴力を振るってしまうことです。
自分の意見に妻が従わないからとはいえ、殴ったり蹴ったりするような暴力だけは絶対にいけません。
口げんかならいくらしてもいいですが、暴力は一度たりともしてはいけないことです。
それは男らしいとは言えません。
むしろ「男らしくない」という表現こそ、ぴったりです。
男は、妻や家族を守るために、力があります。
その力の使い道を、逆に妻を痛めたり家族を壊したりするように使うなら「男らしくない」ということです。
男が力を使うのは、暴力ではなく、大切な人を守ったり助けたりするときです。
男にとって、力とは何かについて、あらためて整理して考えましょう。
力を持っている夫がまず、力の取り扱いについて認識しておく必要があります。
なぜ、男は力があるのでしょうか。
それは「大切な人を守るため」にあります。
大切な人とは誰でしょうか。
それは、妻であり、子どもであり、祖父や祖母です。
つまり、家族全体です。
夫は、そういう大切な人を守るために、力を使います。
力を使ってお金を稼ぎ、時には力を使って大切な人を守ります。
それが、本来の力の使い方です。
にもかかわらず、ときどき間違った使い方をしている夫がいます。
力を「暴力」として使ってしまうケースです。
自分の言うことに従わせるために、妻や子どもに暴力を振るうのは、完全に間違った使い方です。
痛みでわからせようとするのも良くありません。
それは全然かっこよくない。
完全に力の使い方を誤っています。
どんなに力があっても、妻や子どもからも尊敬されません。
どんなに力があっても、ヒーローにはなれません。
映画『スーパーマン』を思い出しましょう。
絶大なる力を持っているにもかかわらず、世界中から愛されています。
それは理想的な力の使い方をしているからです。
スーパーマンは、暴力のために力を使っているのではなく、大切な人を守るために力を使っています。
ヒーローがパワーを出す底力は、大切な人を守ろうとする正義感です。
それが理想的な力の使い方です。
すべてのヒーロー作品がそうです。
バットマン、スパイダーマンなど、こうした正義ものの映画には必ず「ヒーロー」と「敵」で対立します。
どちらも互角の大きな力を持っています。
しかし、同じような大きな力を持っていながら、正義と悪とで別れています。
その違いは何か。
この違いです。
力の使い方によって、立場がわかれます。
あらゆるヒーロー映画は、一言で言えば「大切な人を守る作品」です。
あなたが夫としてヒーローになれるかどうかも、ひとえに「力の使い方」で決まります。
好かれるか、嫌われるか。
それは、力を「暴力」として使うか、それとも「大切な人を守るために使うか」。
これで決まるのです。
時間やタイミングが許すかぎり、お風呂は夫婦一緒に入るようにしましょう。
お風呂を一緒に入っている夫婦で、仲の悪いカップルはいません。
別々に入れば楽かもしれませんが、そこをあえて一緒に入るのがポイントです。
これは、夫婦円満なポイントです。
夫婦ですから、いやらしい話もあって自然です。
お風呂というリラックスの場が、緊張を緩ませる効果があり、夫婦仲を深める効果があります。
仲がいいから一緒にお風呂に入るのではなく、一緒にお風呂に入るから仲が良くなります。
「お互いに裸になる」という状態は「お互いがすべてをさらけ出す」という状態です。
相手のすべてを見ているという状況が、心理的に深い関係になっている気持ちを深めていきます。
お互いさらけ出すことで、もっと距離が近づけます。
もちろん単に一緒に入るだけでなく、相手の体を洗ってあげたり、逆に洗ってもらったりすれば、さらに効果的です。
普段から仲がよくても、一緒にお風呂に入るようになれば、さらに仲が良くなります。
お風呂場は、体を洗う場所ではなく、夫婦がスキンシップできる場なのです。
子育てをする際には、絶対に言ってはいけない禁句があります。
たくさんあるわけではありません。
絶対に言ってはいけない言葉は、たった1つだけです。
「生まなければ良かった」です。
言うことの聞かない子どもなら、腹が立った勢いで、言いそうになります。
ぐっとこらえることです。
子どもの存在を否定してしまう言葉だからです。
「自分は親にとって、いらない子なんだな。むしろ目障りなのか」と、自信をなくしてしまいます。
子どもにとって、これほどつらいことはない。
どんなに言うことを聞かない子でも、この言葉だけは言ってはいけません。
さて、夫婦にも同じ絶対禁句があります。
たくさんあるわけではありません。
絶対に言ってはいけない言葉は、たった1つだけです。
「結婚しなければ良かった」です。
これは相手の存在を否定していることになります。
結婚するまでの道のりと、結婚した後の道のりのすべてを、全否定してしまうことになります。
「相手にとって自分はいらない存在なんだな。むしろ目障りな存在なのか」
夫婦として協力していこうという気持ちが冷めてしまい、離婚するのはもはや時間の問題になるでしょう。
夫婦ですから口げんかになることはあっても、これだけは口にしないように注意です。
どんなに感情的になっても、夫婦であろうと、これだけは言ってはいけない絶対禁句なのです。
未婚だったころは、どこか自分にだらしない部分がありました。
お金がなくても、困るのは自分だけ。
特に何かを背負っているわけではありませんでしたから、のほほんとしていました。
しかし、結婚をしてから変わります。
家族ができて、妻がいると、強い使命感や責任を感じるようになるでしょう。
夫としての自分の働きによって、家族運営の将来が決まると実感できれば、ぼうっとしていられないはずです。
特に、子どもが生まれると「父親」としての自覚が生まれ、使命感はさらに強くなります。
「子どもにいい物を食わせてやりたい」
「子どもにいい教育を受けさせてやりたい」
「子どもの将来のためにも、しっかりしなければ!」
仕事への使命感もより強くなるでしょう。
家族を思い出すたびに、身も心も引き締まります。
家族を愛する夫なら、どんな夫にとっても家族は常に元気の源になるはずです。
しかし、仕事が忙しいと、そんな家族の存在が頭から離れやすくなります。
忙しいときには、仕事に夢中になりますから、つい、妻や子どもの存在を忘れてしまいそうになります。
そんなとき、思い出すためのいい方法があります。
次の3つのポイントに、家族の写真を入れておけばいい。
第1のポイントは「デスクの上」です。
デスクの上に家族の写真があれば、どうなるでしょうか。
仕事中に「営業の電話をかけにくいな」「残業で大変だな」と思ったときに、デスクの上にある家族の写真を見てみましょう。
「へこたれている場合ではない。家で待っている家族がいる。頑張らなければ!」
底力がみなぎってくることでしょう。
へこたれそうになりそうなとき、デスクの上の写真が救ってくれます。
第2のポイントは「財布の中」です。
財布といえば、買い物をするタイミングですね。
夫は買い物をしようとするとき、財布を開け、家族の写真が飛び込んできます。
すると、どうでしょう。
「無駄な買い物はしてはいけないな。食費もあるし、子どもの教育費もある。節約しよう」
ふと、家族を背負っていることを思い出し、浪費を防ぐ効果があります。
最後は「手帳の中」です。
仕事のスケジュールを入れようとするときに、手帳を開くと、家族の写真が飛び込んできます。
「そういえば次の日曜は家族で出かける予定があった。楽しみだ」
楽しみにしている予定を思い出すことで、やる気や元気が出てきます。
また、手帳と家族の写真を見ることで、あらかじめ家族の記念日や妻や子どもの誕生日など、うっかり忘れることもなくなります。
「デスク」「財布」「手帳」の3カ所に家族の写真を入れておくと、家族を思い出す機会が増えます。
試しに、一度、写真を貼ってみましょう。
効果が強いことに驚くはずです。
家族の写真は、確実にやる気と元気の源になります。
常にパワーみなぎるお父さんになれるのです。
夫婦関係といえば、夫と妻だけに焦点が向いてしまいがちですが、そればかりではありません。
夫としては、妻のご両親にもきちんと目を向けていますか。
褒めるのは「自分の両親」はもちろんですが、特に「妻のご両親」です。
妻の両親を大切にすることは、実は妻を大切にすることにもなります。
たとえば、妻に「いい妻だね」と言ったとします。
博識で、てきぱき家事をこなし、料理も上手。
考え方もしっかりして、礼儀も作法もある素晴らしい妻だとしましょう。
なぜ、そういう妻に育ったのかというと、そういうふうに育てた親がいるからです。
妻を褒めると同時に、妻の両親も褒めていることになります。
「こんなに素晴らしい妻を育てたのは、素晴らしい親のおかげだ」というわけです。
年長者とは、年齢が離れていて、考え方も違うところもあるでしょう。
そういう細かいところは抜きにして、純粋にいい娘さんに育てたご両親の教育を褒めます。
妻を褒めれば褒めるほど、妻のご両親は顔いっぱいにしわを寄せて笑顔になるでしょう。
ご両親は大喜びするはずです。
妻は機嫌が良くなりますし、妻のご両親とも仲良くなります。
それが世代の離れている人に近づく方法です。
ほとんどの夫は、仕事でストレスを抱えているはずです。
遊んでいるならともかく、お金と責任が関わる仕事では緊張感がありますし、ストレスも感じて当然です。
仕事だけではなく、職場の人間関係に悩まされることもしばしばです。
社会では、まったく気の合わない人とも一緒に協力をして仕事をする機会が出てきます。
そうした人間関係からも精神的な負担を感じることでしょう。
ここまでは誰でも一緒です。
職種や人間関係の差はあれ、社会人なら、ある程度のストレスを感じるのは当然です。
しかし、ストレスを感じるのは誰でも同じですが、その後仕事で伸びやすい人と伸びにくい人とでわかれます。
その差が生じる原因は「妻との関係」です。
家庭と仕事は別々のように思えますが、実は密接なつながりがあります。
たとえば、一心不乱に仕事をして、まったく家庭を振り向かない夫ならどうでしょうか。
当然、妻と接触が少なくなれば、会話も少なくなります。
妻との会話が少なければ、仕事での悩みを打ち明けられないことでしょう。
食事の質も落ちてしまう。
妻との関係が悪ければ、食事さえもつくってくれないかもしれません。
ただでさえ仕事でストレスをためたうえ、家庭でもストレスをためるのは、二重の苦しみです。
その結果、仕事に支障を来してしまいます。
仕事がうまくいっても、家庭は崩壊では何のために仕事をしているのかわかりません。
家庭を軽んじた罪は、必ず仕事に跳ね返ってきます。
一方、妻との関係が良好ならどうでしょうか。
仕事でためたストレスは、家庭で癒やされます。
いつも気持ちのいいお風呂。
おいしい料理。
部屋がきれいに整理整頓されている。
すべて妻からのサポートがあってのことです。
大きな仕事ができる人の影には、強力なサポートがあります。
妻とのリラックスした会話の中で、ふと仕事につながる名案が浮かぶこともあり、仕事に生かすこともあるでしょう。
そのほか、数多くの妻のサポートが得られるようになります。
客観的な視点から夫を見て、健康状態をチェックしてくれます。
夫を支える力強いサポートのおかげで、夫の仕事はさらにはかどります。
家庭を大事にした結果は、必ず仕事にも跳ね返ってきます。
これが、仕事で伸びる人とそうでない人との違いなのです。
妻と会話をしていると、同じ話が何度も出てくることがあります。
たわいない会話なら、何度でも同じ話をしたくなります。
あなたが宝くじで大当たりをすれば、同じ話を何度でもしたくなりますね。
興奮や感動が大きいことは何度でも話したくなりますし、事実、何度でも話をしてしまいます。
妻とたわいない会話をしていると「その話、この前も聞いたよ」という内容があります。
単なる雑談ならいいですが、すべてがそうだとは限りません。
同じ話を繰り返すとはいえ、まれに重要なメッセージが隠されていることがあります。
その言葉の隠れたメッセージに気づいていますか。
たとえば「子どもの世話が大変」と先週言っていたのに、今週も「子どもの世話が大変」と同じことを繰り返します。
「おなかの調子が悪い」という話が先週あり、今週も「おなかの調子が悪い」という話が出ることもあります。
鈍感な人は「その話、この前も聞いたよ」と言って笑って終わらせてしまうでしょう。
「おしゃべりな妻が今日もまた小言を言っている」くらいしか考えません。
同じ話は無視しがちです。
聞いたとしても2回目なので、軽い気持ちで受け止めてしまいがちです。
そうではありません。
男性である夫は、見落としやすい点です。
なぜ、同じ話が何度も出てくるのかを考えてみましょう。
妻としては何度も繰り返し言うことで話を強調しようとしています。
わかってもらいたいから、何度も同じ話が出てきます。
そういうサインを出していることに気づいてあげましょう。
「子どもの世話が大変」と同じ話を繰り返しているなら「子育てを妻1人にさせないで! あなたも手伝って」という意味です。
妻1人では抱えきれない状態という意味であり、夫なりに妻の手伝いができないか考えます。
「おなかの調子が悪い」という話が何度も出てくるなら、本当に妻のおなかに何か異常があるのかもしれません。
手遅れになってからでは遅いですから、すぐ医者に診てもらいましょう。
同じ話が何度も出るというのは、その状態を「強調」しています。
「改善されない。むしろ悪化しているかもしれない」という状況です。
何度も出てくる話だからこそ、注意深く、夫は真剣に耳を傾ける必要があるのです。
往々にして夫は、妻の仕事を軽くみてしまいがちです。
「洗濯なんて、洗濯機に洗濯物を押し込んで、スイッチを入れるだけだろう」
「適当に食事をつくるくらい、誰でもできるだろう」
「家で掃除や洗濯をしているくらいだろう」
客観的に見ると、たしかに夫は会社で上司や部下に挟まれながら、責任の重い仕事をしているように思えます。
それに比べれば、妻がしている仕事はのんきでお気楽に見えてしまいます。
それは、まったく誤解です。
自分の立場から相手を見ると、視点が自己中心的になります。
関わっている仕事の「種類」や「立場」が異なるだけで、仕事の大変さは大差ありません。
一般的に、夫は会社で多く人に囲まれながら、大勢と協力をして達成するタイプの仕事をしています。
大きな仕事ですから、おのずから関わる人も増え、人間関係にも悩まされます。
上司からの理不尽な命令や、手のかかる部下を受け持つこともあります。
多くの人と関わりながら、大きな仕事を達成していきます。
出来上がる仕事の規模も大きいですから、大きな責任やお金も関わります。
一方で妻は、その逆です。
すべてを1人でこなすタイプの仕事をしています。
家の中には、妻1人。
2世帯住宅や子どもがいれば、少し状況は異なりますが、一般的に多くの仕事を妻1人が抱えることでしょう。
平日、妻は孤独に耐えながら、掃除・洗濯・買い物から食事までをしています。
夫とは「人の多さ」「仕事のタイプ」が異なるだけであり、実は夫も妻も大変です。
夫は「大人数による協力の大変さ」。
妻は「少人数による孤独の大変さ」。
1人が抱える仕事量を考えると、どちらも同じくらい大変です。
妻のほうが規模は小さいので簡単そうに思えますが、そうではない。
1人でやっていることを考えると、夫と同じくらいの仕事量なのです。
夫と妻とでは、仕事の「種類」や「立場」が異なるだけで、大変さに大きな差はありません。
夫は、会社で「大人数による協力の大変さ」があります。
妻は、家の中で「少人数による孤独の大変さ」があります。
夫も妻も、同じくらいの仕事量です。
さて、ここまではまだ前座です。
私が本当に伝えたかったのは、次の点です。
多くの夫が、最も考慮を忘れている点です。
それが「男性と女性との体力と力の差」です。
夫と妻とで仕事量に大差があるので、夫から見ると、妻の仕事は楽だし簡単だと思います。
仕事量が少なくて、仕事に力も必要ないものばかり。
それは誤解です。
力と体力のある男性からみるからそう見えるだけで、力と体力が小さい女性には精いっぱいです。
そのうえ、協力してくれる人が限られていますから、求められる助けにも限りがあります。
忘れてはならないのは生理です。
月に1回は、必ずおなかが痛む時期がやってきます。
個人差はありますが、生理はおよそ1週間続きます。
そう考えると、1カ月のうち4分の1は、痛いおなかを我慢しながら仕事をしています。
生理で出血しますから、貧血にも悩まされます。
力も体力もなく、助けてくれる人が少ない状況の中、1カ月の4分の1は痛いおなかを我慢しながら仕事をしている。
貧血気味で、いつもふらふら。
この状況を、夫は考えたことがあるでしょうか。
妻は妻なりに、激務をこなしています。
おなかが痛くても、なかなか休めない。
体調が悪いときに動くのはつらいことです。
こうした状況を考慮に入れると、夫も大変ですが、妻も負けないくらい大変です。
いえ、時と場合によっては、夫より妻のほうが大変である状況もあることでしょう。
過小評価しがちな妻の仕事を、夫はもっと評価してもいいのです。
夫婦関係が良くなるキーフレーズは「手伝って」より「手伝わせて」です。
妻が困っているときは、夫に「手伝って」と言い、助けを求めます。
助けを求めてからでは遅い。
夫婦では「助け合う関係」が基本ですね。
決して「助けてあげる関係」ではありません。
「助けてあげる」は「面倒だなあ」という仕方なさや諦め感が漂っています。
助け合いですから、妻から「手伝って」と言われる前に、夫から「手伝わせて」と言います。
妻の仕事も楽になりますし、なにより夫の優しい心に感動することでしょう。
仕事が楽になる嬉しさより、優しくしてもらったことに感激します。
そうなると、妻も自分なりに夫の仕事を助けたい、と思うようになります。
妻も夫に「手伝わせて」と言ってくるようになります。
妻なりに夫のサポートがより強化されれば、夫も助かります。
なによりそういう妻の優しい心に、夫も感激します。
これが夫婦の「助け合い」ということです。
助け合い状況において、あるのは「手伝わせて」だけです。
今日、今からでもいい。
夫ができる範囲で、妻に「仕事を手伝わせて」と言ってみましょう。
妻は満面の笑みを浮かべるはずです。
男が偉そうにする時代は、とっくに終わっています。
偉そうにするとかっこいいと思われる時代は、すでに時代遅れです。
これからは、女性をフォローできる男性がかっこいいと思われる時代です。
夫は妻にレディーファーストを心がけましょう。
夫婦だからこそいい。
欧米では、すでにレディーファーストが一般的です。
夫がドアを開けて、力の弱い女性を、男性がエスコートします。
危険のある場所では、男性が女性を守ります。
これは素晴らしいことです。
それは欧米の文化だからアジアには関係ないと思うのは良くありません。
たしかに文化はそれぞれの地域にあることですが「男性が女性をフォローする」という本質は大いに見習いたいところです。
女性より男性のほうが力も体力もあるのは、生物学的にみても、世界共通ですね。
男性が女性を守ることは、場所や文化には関係なく、世界に共通することです。
アジア人も、大いに学ぶ必要があります。
レディーファーストを心がけることで、妻は大切にされていると感じます。
もし子どもがいれば、お母さんを大事にしているお父さんを見て、優しいなあと伝わります。
夫は、力も経済力もありますから、妻を包み込むだけの器が欲しいところです。
偉そうにしても仕方ありません。
器の大きさを偉そうにして表現しても、何の役にも立ちません。
大きな器は、レディーファーストによって、具体的に表現していきましょう。
それが尊敬される男性であり、夫の条件なのです。
夫と妻とは結婚すれば、1つ屋根の下で、生計を一にして、一緒に暮らし始めます。
長い間、母親と暮らしを共にしてきましたが、結婚すれば、妻と共に暮らし始めることになります。
さて、そんなときです。
夫はついしてしまいがちな、悪い癖があります。
「自分の母親と妻とを比べてしまうこと」です。
夫には、自分の母は完璧な存在です。
食事から身の回り、金銭的な援助など、生まれてからこれまで数多くの世話になっていることでしょう。
だからこそ、今のあなたがいます。
母親から多くの世話を受けてきているので、母親のやり方が最も理想的だと信じています。
まさに夫にとって母親は、神様のような存在に思えてならないはずです。
母親に感謝して敬うのはいいですが、問題なのは、妻を比較対象にしてしまうことです。
結婚してから妻と暮らし始めたとき、つい自分の母親と比べてしまいます。
夫の舌が母の手料理に合っているのかわかりませんが、言えることは母のつくる手料理がいちばんだと信じていることです。
どうしても夫は母親像といえば、妻ではなく、自分の母を想像してしまいます。
そのため夫は、妻に厳しくなりがちです。
「母はスムーズにできるのに、なぜ妻はできないのか」と厳しく当たり、精神的なダメージを与えるような言葉を口にします。
自分の母ほど、できがよくない妻に、不満を抱きます。
あなたは、そういう心当たりがありませんか。
夫の母と妻とを比べれば、あらゆる家事は母のほうが上です。
経験量があまりに違いますから、考えてみれば当然ですね。
プロとアマチュアのような違いです。
妻の作った食事より、母のつくってくれた食事のほうがおいしく感じることもあるでしょう。
母親のほうが息子のことを誰より知っているからです。
そう感じたとしても、夫は自分の母親と比べることはしないようにしましょう。
大切なことは、母は母であり、妻は妻と考えます。
分けて考えることです。
「経験量が違うのだからまあこんなものだろう。これからどんどん上手になるに違いない」
経験の違う2人を比べるのは、あまりに無理があります。
夫は妻に対して寛大になり、母親と比べることがないように注意しましょう。
「髪を切ったね」
散髪をして次の日に話しかけられるのは、決まって女性からです。
男性は髪を切ったことにあまり気づいてくれないですが、女性はすぐ気づきます。
女性の勘や鋭い洞察力には、いつも驚かされます。
知り合いの女性に嘘をついても「嘘をついているでしょう」とすぐ見抜かれます。
「なぜわかったの」と聞くと「なんとなく」と言います。
わずかに違う声のトーン・目の動き・態度・しぐさなど、そうした全体的な微妙な違いから、すぐ察知します。
何でもお見通しの女性の力には、驚かされることはしばしばです。
「女性には嘘をつけないなあ」
あなたも、そう思ったことがあるのではないでしょうか。
夫婦円満には、ある程度の嘘は必要かといえばどうでしょうか。
夫は、妻が最も身近にいるので、つい軽い嘘をついてしまいがちです。
そもそもこれは意味がありません。
妻に嘘をついても、どうせばれてしまうからです。
女性の勘は敏感です。
夫のことを身近で毎日見ている妻は、わずかな変化に敏感です。
たとえば「今日、残業がある」という嘘をついて、女性と飲みに行ったとします。
一口だけ飲んですぐ帰るだけだから、妻にはばれないだろうと思います。
しかし、間違いなく妻にばれます。
一口お酒を飲んだだけでも、夫はわずかに変化が出ます。
「残業にもかかわらず、陽気だ」
「香水のにおいがする」
「スーツのしわの寄り方がいつもと違う」
たとえ、アルコールのにおいがしなくても、そのほかの要因でばれます。
そもそも残業で疲れ果てているはずなのに、陽気になっている点からして怪しい。
「本当に疲れている様子」と「疲れを演じている様子」では、わずかに違います。
夫の雰囲気、スーツに染み込んだ相手の香水の香り、スーツのしわの寄り方で「何か違うぞ」と察知します。
これに妻は失望してしまいます。
「嘘をついている夫」も問題ですが「騙す対象として軽く見られている」と思うことに、目の前が暗くなる思いです。
夫は「妻に嘘をつくべきかどうか」という問題以前に、そもそも夫は妻に嘘をつけません。
むしろ、隠そうとする夫、隠し通そうとする夫、隠したがる夫に、妻は失望します。
妻を悲しませないようにした結果、余計に悲しませる結果になるのです。
「マザーコンプレックス」という言葉をご存じですか。
母親に対して、子どもが強い愛着や執着を持つ状態をいいます。
これまで長い間、息子は温かい母親の愛情を受けて育ってきました。
夫は妻と結婚して、形式上は妻と一緒に暮らしますが、精神的な面では、妻より母親に依存したままの状態です。
優しい母親の温かさに執着し、結婚してからも妻より母親から離れられません。
すべての男性には、幼いころ、マザーコンプレックスがあります。
たっぷり母親の愛情を受けて育つ時期がありますし、母親がいないと生きていけない状態です。
何から何まで面倒を見てくれる母親を、理想像として思います。
はるか昔「結婚するならお母さんと結婚する」と思っていた時期があることでしょう。
別に幼い時期に思うことは悪いことではなく、それだけ母を認め、慕い、深い愛情を受けて育ってきているという健全な証拠です。
もちろん温かさを忘れる必要はありませんが、いずれその執着から卒業することは必要です。
母からの卒業には、早い人と遅い人とがいます。
卒業の早い人は、10代半ばから感じ始めます。
母親の愛情に包まれるのは居心地がいいが、いつまでもこのままではいけないと危機感を抱き始めます。
居心地はいいが、どこか成長しきれていない自分に気づく。
優しい母親が間近にいると、やりづらいです。
母の近くにいては、なかなか自立できる機会に恵まれません。
母親と一緒にいることで、ある程度まで成長できても、あるところまでくれば滞ってしまう。
「このままではいけない!」と思った男性は、自分から親元を離れる決意をします。
それが「一人暮らし」です。
とりあえず親元から離れて、1人で暮らすことになります。
今まで母親に頼っていたことを、自分一人でこなすことになります。
自分の考えと責任で行動するので、今までとは違った空気を感じる。
もちろん学校や就職の関係で一人暮らしをせざるを得ない場合もありますが、決意できるのは、心のどこかで自立心がある証拠です。
母親がそばにいるからこそできる成長もありますが、そばにいるからこそできない成長もある。
ある程度の年齢までくれば、男は母親がそばにいてはできない成長を求め、家を飛び出します。
別に母親に対して冷たくなったわけではなく、成長を求めた向上の現れです。
若々しい時期に、じっとしている自分に絶えられず、家を飛び出します。
それが自立の第一歩です。
一方、卒業が遅い男性は、どうでしょうか。
親元の居心地がいいから「もう少し、もう少し」と、親から離れる決断を先送りにします。
本当にいつまでもそのままだと、本当に自立できなくなります。
決断を後伸ばしにしても、最終期限は結婚式までです。
結婚してからも、マザーコンプレックスが続いているとどうなるでしょうか。
相談は、妻ではなく、母親。
甘えるのも、妻ではなく、母親。
助けを求めるのも、妻ではなく、母親。
妻は夫を見ていても、肝心の夫は母親を見ている状態です。
これではすれ違って当然であり、夫婦関係も悪くなって当然です。
本来は、結婚すれば、夫の注意は母親から妻へと転換する必要があります。
もちろん母親を無視するわけではなく、依存を卒業するということです。
もちろん難しい課題もあります。
たとえば、2世帯住宅の場合です。
妻と一緒に実の親と暮らすので、夫としては「母親から卒業した」という感が拭いきれません。
拭いきれなくても、拭うことです。
ずっと母親との深い関係のまま妻と一緒に暮らしてしまうと、妻との関係が薄い状態になってしまいます。
結婚した妻がいますから、これから密接な関係になるのは、母親ではなく妻です。
「妻となかなか仲良くなれない」
問題は妻にあるように思えますが、もしや自分の注意が妻ではなく、母親に向いているからではありませんか。
母親を大切にしながらも、母親からは卒業です。
この「精神的な区切り」をつける必要があるのです。
最近は、妻でも仕事に出るケースが大変多くなりました。
苦しい家計を少しでも楽にさせたいということで、妻でも働きに出る家庭は珍しくありません。
女性も、どんどん社会進出している時代です。
夫より稼ぐ妻は、驚くことではなくなりました。
「夫婦で一緒にいる時間が少なくなるので、夫婦に亀裂が入るのではないか」
そういう不安を持つ夫婦がいます。
たしかに夫婦が一緒にいる時間が短くなるのは仕方ないことですが、大切なことは、一緒にいる時間の長さではありません。
時間が長ければいいわけではありません。
大切なのは、一緒にいる時間の質です。
一緒にいる時間の密度が、どれだけ濃いか。
質が高ければ、たとえ一緒にいる時間が短くても問題ありません。
平日は忙しくて、十分な会話ができなくても、週末があります。
週末くらいは一緒に散歩に出かけたり、外食に出かけたりなどすればいいでしょう。
日帰りの旅行も、良いアイデアです。
散歩の時間、手を握り続けていれば、より愛情あふれる散歩の時間になるはずです。
短い時間の質を高める工夫をしてみましょう。
時間は短くても、きちんとお互いの愛を確かめ合える時間があればいいのです。
個性を大切にしたい気持ちもあるでしょうが、考えを押し通すのは大変です。
夫婦が、お互いに自分の主張にこだわっていると、ぶつかってばかりになるでしょう。
ストレスもたまります。
もちろん自分の性格や考えを180度変えるわけではありませんが、ある程度は相手に合わせる心がけも必要です。
お互いに摩擦がないほうが、当然長く続きますね。
それが夫婦が円満になるコツです。
さて、そこで問題になるのが「願望のぶつかり合い」です。
夫婦ではお互いに「こうなってほしい」という願望を強く持っています。
お互いに妥協しようとしますが、自分の希望をパートナーに押し付けるような形になってしまいがちです。
夫は妻に「料理がうまくなってほしい」という願望があります。
妻は夫に「もっと家事の手伝いをする夫になってほしい」という願望があります。
お互いに「こうなってほしい」という願望があると、ぶつかります。
そうではなくて、まず先に自分から変わります。
「相手がこうなってほしいだろうな」という自分になってみましょう。
注文は、先に出すより、先に受ける形です。
夫は、妻の薦めるネクタイを身につけてみます。
妻が「言葉遣いを直してほしい」というなら、そのとおりに心がけます。
まず妻からのリクエストを先に応えてみましょう。
妻は満足して、妻も夫からのリクエストに応えてくれやすくなります。
夫が「もっと料理がうまくなってほしい」と願えば、勉強を熱心にするでしょう。
「もっと化粧に力を入れてほしい」と提案すれば、夫のリクエストに応えてくれやすくなります。
変化は、まず自分から心がけることです。
先に自分から変わることで、相手も変わってくれるようになるのです。
夫婦の関係が悪化する際に、よく見られるのが「考え方の違い」です。
頭の固い人は「二者択一の選択」を好みます。
Aなのか、Bなのか。
白なのか、黒なのか。
できるのか、できないのか。
そういうはっきりした答えを求めたがります。
数学のように、はっきりした答えが出ることを好む人がいるのもたしかです。
そういう考え方が悪いと言っているのではありません。
そういう考え方を、相手に押し付けるのが良くありません。
自分が二者択一で物事を考える性格だから、相手にも二者択一で物事を考えるような注文を押し付けようとします。
もし、夫がはっきりした考えの性格で、妻が曖昧な答えを求める性格の場合なら、お互いの考え方ですれ違います。
はっきり物事を考える性格は「はっきりしているほうが楽だから」と言います。
矛盾しているようですが、二者択一で考えるのは楽である一方、ストレスにもなります。
夫婦生活には、はっきりした答えが出せないことがあります。
白でもない、黒でもない、灰色の答えです。
夫は、妻の誕生日にほしいプレゼントを尋ねます。
「何色の服が好きか?」と尋ねたとき「気分によって使い分けている」と曖昧な答えが返ってくることがあるでしょう。
「今日の調子はどう」と言えば「いいと言えばいいし、悪いと言えば悪い」という曖昧な返事をすることもあるでしょう。
はっきりした答えを求める人の場合、この返事にいらいらを感じてしまいます。
しかし、ちょっと待ってください。
実は大きな誤解を抱いています。
曖昧な表現でも、実ははっきり答えています。
「何色の服が好きか?」と尋ねたとき「気分によって使い分けている」というのは、曖昧な答えではなく、事実そうです。
色は気分によって使い分けているというはっきりした答えを言っています。
「今日の調子はどう」と尋ねたときです。
「いいと言えばいいし、悪いと言えば悪い」という曖昧な返事でも、その人なりに、はっきり答えています。
それはつまり「自分でもよくわからない」ということです。
自分でもわからないことは、誰にでもあるはずです。
曖昧な表現だからとはいえ、考え方も曖昧ではありません。
素直でストレートに表現している。
曖昧に思えますが、曖昧ではありません。
「はっきり言ってくれ!」
曖昧な表現を使って、はっきり答えています。
それに気づいてほしい。
お互いに、もやもやした気持ちを残すことがなくなります。
曖昧な表現から、はっきりした答えを感じ取りましょう。
これは練習です。
男も女も人間としては同じですが、脳にはわずかに違いがあります。
男性は低いところが好きという傾向があります。
男性が家で個室をつくるなら、地下に個室をつくりたがります。
地下にあるコーヒーショップは、落ち着くという男性も多いはずです。
逆に女性は、高いところが好きという傾向があります。
デパートのレストランは、必ず最上階にレストランがあります。
家計の実権を握っているのは、女性です。
そんな女性が喜ぶレストランが最も高い場所にあれば、進んで食事をしたがることでしょう。
「おいしい物を食べたい」という欲求に「高いところに行きたい」という欲求が重なり、レストランの売り上げが伸びます。
そのためデパートのレストランは、最上階が定番になっています。
「男性は低い場所を好み、女性は高い場所を好む」というわけです。
もちろんこれらは一般的な話です。
すべての男女に当てはまるわけではありません。
男女間には違いがあり、傾向があることを頭の片隅に入れておけば、役立つ日もあるはずです。
夫としては、自分は地下が好きだから、妻も地下にあるレストランに引っ張ろうとしてしまいがちです。
ここはひとつ、女性の立場に立ち、高い場所に妻を連れて行ってみましょう。
夜景が見えるディナーに連れて行けば、喜ばない女性はいません。
高い場所が好きな女性に合わせて、週末は夜景の見える場所でディナーはどうでしょうか。
夜、高い場所から、きらきら輝く夜景を見ながらの、ディナーは興奮もあって最高です。
デートに行くときも、展望台のような高い場所に連れて行くと、喜ぶに違いありません。
昼食や夕食は、デパートの最上階で食事をすればいいでしょう。
高い場所で、どきどきする興奮が、初恋のときのどきどきと重なり、初心に返る機会になります。
夫として、妻に贈り物をするときといえば何を考えるでしょうか。
高級ブランド品を思い浮かべるでしょうか。
妻が喜びそうなバッグ。
服を贈るなら、色・柄・サイズなどを考えます。
妻には妻の好みがありますから、なかなか選ぶのが難しい。
妻が喜びそうな物をあれこれ思い浮かべ、悩む男性も多いのではないでしょうか。
たしかにどれも妻には嬉しいことです。
そうした物品もいいですが、意外なプレゼントを忘れていませんか。
単純で身近すぎるため、うっかり見落としていることがあります。
「花束」です。
「花束なんて本当に喜ぶのか」と思う男性も多いことでしょう。
間違いなく喜ばれます。
花束にハズレはありません。
服を贈る場合、柄が好みでなかったりサイズが合わなかったりすることがありますが、花束は100%喜ばれます。
あらゆる女性が必ず喜ぶプレゼントです。
男性は花に無頓着な人が多いですが、女性は喜ぶ贈り物です。
よくよく考えてみれば、人生で、花束を贈られる機会はそうあるものではありませんね。
女性には、大切な人から大きな花束を受け取りたい、という欲求があります。
美しい花束を贈られて、喜ばない人がどこにいるでしょうか。
お姫様のような気分に浸れます。
ポイントは「花」ではなく「花束」です。
束になっているのがいい。
1本の花より、束になっている花束のほうが迫力はあり、気持ちがこもっているように思えます。
夫の温かい気遣いに、妻は胸を熱くするに違いありません。
妻の誕生日、結婚記念日など、花束を贈るいい機会です。
プレゼントに添えて花束を贈るといいでしょう。
もともとあるプレゼントも、映えて見えてきます。
花束を受け取る機会は人生では少なくても、こうした機会を利用すれば、花束を贈る機会をたくさんつくることができるのです。
夫婦生活ではある程度、お金が物を言います。
着るもの、食べるもの、住むところなど、やはりお金ですね。
外食に行く回数も増えることでしょう。
夫婦で旅行に行ったり、温泉に行ったりなど、思い出もたくさんつくりやすくなりますね。
子どもがいれば、熱心で丁寧な教育を受けさせることができます。
塾に通わせたり、家庭教師を雇ったりなどの余裕も、お金があれば出てきます。
では、そんなお金を誰が稼ぐのかというと、やはり中心的存在は「夫」です。
妻も仕事に出て、共働きをするケースも多いですが、夫のほうが力も体力もあるため、より多く稼げます。
妻は妊娠すると動きに制限が出てくるので、仕事を続けることが難しくなります。
子どもが生まれてしばらくは育児に手間がかかり、社会復帰にも時間がかかる。
こうした事情もあり、ほとんどの家庭において収入源の中心は夫になっている場合が多いはずです。
お金を稼ぐことに関して、夫は大きな責任があります。
夫は会社にいかなければならない。
仕事をしなければいけない。
稼がなければならない。
これらを一言でまとめると「休みたくても休めない」というわけです。
自分がサボって給料が減ると、妻や子どもたちにも関わります。
自分がサボって自分だけが苦しむならまだいいですが、妻や子どもたちにまで影響を及ぼすとなると、仕事へも力が入ります。
大きな責任を背負っていると感じるものです。
気づけば「いつも何かに追われている」という生活です。
一生懸命になるのはいいですが、一生懸命になりすぎてはいないでしょうか。
呼吸を整える暇も、ゆっくり休む時間もないのでは、ストレスもたまるばかり。
一生懸命になって豊かになっても、豊かさを感じる時間が少なければ、幸せとは言えません。
余裕のない生活では、豊かさを感じることができなくなります。
そこで、ときどき自分に休憩を入れる時間をつくってください。
自分に余裕をつくる時間をつくります。
それが「有給休暇」です。
家族がいて大きな責任を背負っていると実感していると、有給休暇を控える人が多くなっています。
一生懸命になりすぎて「有給休暇」の存在すら忘れかけている人さえいるのではないでしょうか。
有給休暇とは、給料が支給される休暇のことであり、労働者に与えられている権利の1つです。
「他人に迷惑をかけてはいけない」
「評価が下がるかもしれない」
「職場の同僚や上司から、白い目で見られるかもしれない」
有給休暇の消化をサボることだと思うのは、勘違いです。
強い責任感があるのは素晴らしいですが、そう考えていると、全然休めなくなります。
もちろん会社が忙しい繁忙期などは、できるだけ控えたいところですが、平時ならいつでもとっていい休暇です。
大きな責任を背負い、自分に厳しくなりがちですが、度が過ぎると毒になります。
むしろ責任感が強く、有給休暇を取りにくいと感じている夫ほど、積極的に取るくらいでいい。
1日でも休みの日が増えると、感じ方は変わります。
時間があれば、一生懸命になっている妻に感謝をする気持ちが湧くようになります。
ゆっくり食事をすれば、いつもと変わらないはずの食事が、よりおいしく感じられるはずです。
子どもたちに目を向ける時間やコミュニケーションの時間も増えることでしょう。
給料が減るわけでもありませんから、ためらうこともありません。
夫が助かると同時に、妻や子どもも喜びます。
家族で食事をしたり、旅行に行ったりなど、全員で過ごす時間が増えます。
限界が来て休むのではなく、体力の限界が来る前に休みましょう。