執筆者:水口貴博

上手にわかりやすく説明する30の方法

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固有名詞を、いきなり使わないこと。

固有名詞を、いきなり使わないこと。 | 上手にわかりやすく説明する30の方法

会社で、Aさんに電話があったときのことです。

Aさんは不在で、電話があったというメモを残しました。

あなたは、次のようなわかりにくいメモを、残していないでしょうか。

「伊藤さんから電話がありました」

問題なさそうに見えるメモですが、これが問題ありなのです。

どの伊藤さんか、わからないからです。

同じ名字の人が何人かいる場合、どの人を差しているのかわかりません。

友人の伊藤さんか、取引先の伊藤さんか、上司の伊藤さんか、わかりません。

突然、人の名前を出していませんか。

次のように言い換えればいいのです。

「○○商事の伊藤さんから電話がありました」

「○○商事の伊藤さん」という限定的な言い方をすれば、誤解がなくなります。

固有名詞を使う際には、名前の前に、一言でかまいませんから説明を加えることです。

誤解をなくすためだけではありません。

固有名詞に対して知識のない人でも、わかるような説明を加えます。

たとえば、次のような例もありますので、ぜひ参考にしましょう。

「アインシュタインは」

「相対性理論を打ち出したアインシュタインは」

「愛媛県では」

「ミカンで有名な愛媛県では」

「夏目漱石そうせきは」

「『我が輩は猫である』『こころ』などの文学作品で知られる夏目漱石は」

いかがでしょうか。

アインシュタインが相対性理論で有名なことは、社会人は知っていても、小学生は知らないかもしれません。

私は愛媛県出身ですから、ミカンで有名なことを知っていますが、ほかの県の人たちは知らないかもしれません。

文学に興味のある人は夏目漱石について知っていても、興味のない人は知らないかもしれません。

固有名詞の前に説明を加えることで、知らない名前が出てきても、話についていけるようになります。

わかりやすく説明をしたいときには、ぜひ、取り入れたいテクニックです。

上手にわかりやすく説明する方法(22)
  • 固有名詞の前に、具体的な説明を加える。
「要は」という表現は、1つの説明で1回しか使えない表現。

上手にわかりやすく説明する30の方法

  1. 言葉を短くするだけでいい。
  2. 大切なことから話し始める。
    足りなければ、後から付け加えればいい。
  3. 鉛筆より、ボールペンを使うほうがいい。
  4. 小さな声で発言しない。
    大きな声で発言する。
  5. 読書の際の線引きで、大切な部分を見抜く練習をする。
  6. 本とは、1パーセントのキーワードと、99パーセントの補足説明。
  7. 「箇条書き」を使えば、わかりやすい説明になる。
  8. 長い説明の前には、ポイントの数を宣言しよう。
  9. 「ですます口調」で言い切ると、わかりやすくなる。
  10. 日記は短いほうが、説明もうまくなる。
  11. 社会人になると日記を書く暇すらない。
    学生時代こそ、日記を書くチャンス。
  12. 結論から話をすると、説明がわかりやすくなる。
  13. じらさない。
    回りくどい話をしない。
  14. 否定した説明は、わかりにくい。
    肯定した説明が、わかりやすい。
  15. 「してはいけない」で説明すると、元気がなくなる。
    「しよう」で説明すると、元気が出てくる。
  16. 説明する側が、要点を強調する工夫を凝らす。
  17. 説明は、足りないくらいで、ちょうどいい。
  18. 「順番の流れ」より「気持ちの流れ」で、説明をする。
  19. 強調言葉を使いすぎるくらいなら、言わないほうがまだいい。
  20. 説明が上手な人は、抽象的な言葉は使わない。
    具体的な言葉を使って説明する。
  21. 接続助詞を使わず「。
    (句点)」を使えばいい。
  22. 固有名詞を、いきなり使わないこと。
  23. 「要は」という表現は、1つの説明で1回しか使えない表現。
  24. 先に結論を、黒板に書く。
  25. 著者の体験を交えて話をすると、忘れにくくなる。
  26. カタカナ言葉を使いすぎない。
  27. 「あり得ない表現」を使わない。
  28. 誰もが知っている言葉を使う。
    専門的な用語は使わない。
  29. 落ち着いた話し方は、自信の表れ。
  30. 大げさな表現を使って、相手の心を衝動的にさせない。

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