執筆者:水口貴博

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

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餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。

餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。 | 犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

基本的に、犬は出された食事はすぐ食べきってしまう本能があります。

「誰かに取られてはいけない。少しでも早く食べなければ」という野性的な本能があり、勢いよく食べます。

しかし、こうした本能があっても、人との生活が長くなれば、性格が変わってしまう場合があります。

特に飼い主がだらしないと、餌を出したままにする場合が多いようです。

餌をやるのが面倒なので、1日分の餌をまとめて器に入れ、食べたいときに食べられるだけ食べるようにしています。

朝昼晩で餌をやる手間が一度で済み、飼い主の手間が省けます。

犬も、好きなときに食べられるようになり、理想的のように思えます。

「楽をしたいという飼い主の思惑」と「犬の食べ方の尊重」とが、一致するような餌のやり方と思いますが、どうでしょうか。

これは、よい餌のやり方とは言えません。

餌を出したままにされると、だんだん犬は食べるタイミングの調子が狂ってくるようになります。

目の前に常に餌があれば「今、食べなくてもいつでも食べられる」と思います。

その結果、小腹がすいたときに適当に食べるような「だらだらした食べ方」へと変わります。

「別にだらだらした食べ方でもいいではないか」

そういう人もいることでしょう。

たしかにおなかがすいたときに適当に食べるライフスタイルは、悪くありません。

いつ食べようが、犬の勝手です。

問題だと言っているのは「だらだらした食べ方」ではありません。

だらだらした食べ方になるせいで、犬の異変に気づきにくくなることに、本当の問題があります。

だらだらした食べ方が当たり前の習慣になると、本当に体調が悪くて食欲がないときに、飼い主が異変に気づきにくくなります。

いつものようにだらだら食べているのか、具合が悪くてだらだらした食べ方になっているのか、見分けが難しくなります。

そのため、体調が悪い状態を放置してしまうようになり、場合によっては犬の健康に影響を及ぼすこともあります。

もちろん常に餌があるからこそ食べすぎの原因にもなります。

カロリーを摂取しすぎてしまい、肥満になりやすく、健康を害しやすい習慣になります。

「食べるときには食べる」

これもしつけの1つです。

長時間、外出する場合は仕方ありませんが、基本的に餌を出したままにするのはやめましょう。

きちんと食事の時間を作って「餌を与えるときには与える」というメリハリをつけるほうが、犬の健康につながるのです。

犬の気持ちを理解しながら育てる方法(16)
  • 餌を出したままにするのは、やめる。
なぜか自分からリードを噛み切って、飼い主のもとを離れたがる犬の気持ち。

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

  1. 犬が素早く動くものに反応してしまうのは、野生だったころの名残。
  2. 犬同士にも相性がある。
  3. 痛みでしつけようとすると、犬から嫌われる。
  4. 広いハウスより、狭いハウスのほうが、落ち着く。
  5. 実は、犬も夢を見る。
  6. 犬は色を見分けるのが、大の苦手。
  7. 先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。
  8. なぜ犬は、飼い主に叱られたときほど大きなあくびをするのか。
  9. 大はしゃぎする犬を、おとなしくしつける方法。
  10. 猫は、舌の上で水をすくって飲む。
    犬は、舌の裏で水をすくって飲む。
  11. 犬用のお洋服は、単なるおしゃれだけではなかった。
  12. 「褒める量」より「叱る量」のほうが多くなっていませんか。
  13. いきなり登場したハウスに、なかなかなじんでくれないときの対処。
  14. いくらおなかがすいているとはいえ、拾い食いはやめさせる。
  15. 道端の草は、衛生的によくないので食べさせないほうがいい。
  16. 餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。
  17. なぜか自分からリードを噛み切って、飼い主のもとを離れたがる犬の気持ち。
  18. 首輪に連絡先を書いた迷子札をつけておけば、迷子になっても怖くない。
  19. よく噛んで食べさせるのを、強要しないようにする。
  20. 犬は肉食。
    好きな肉にも、順番がある。
  21. 犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。
  22. 犬が変なポーズで寝始めたら、飼い主は大喜びしていい。
  23. 犬が本当に成長するために必要なのは、意外にも飼い主以外の人と接する機会。
  24. 飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。
  25. 水口家での飼い主と犬との間にあった、暗黙の了解。
  26. 屋外で飼うなら、犬の立場になって考える必要がある。
  27. 犬のよだれは、人の汗に相当する。
  28. においを嗅ぎ回る犬は、人がニュースを確かめることに相当する。
  29. 動物病院の選び方で大切なのは、先生の思いやり。
  30. 曖昧な部分を残したほうが、犬との付き合いはうまくやっていける。

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