犬は素早く動くものに反応して、追いかけようとする本能があります。
子どもたちがサッカーボールで遊んでいると、そのボールを追いかけ、飛びかかろうとします。
「そうか。犬もサッカーを一緒にしたいのだな」
散歩をしていると、ほかにも散歩をしている方々と数多くすれ違うことになるでしょう。
犬同士ですから仲良くするのかなと思っていると、どうでしょうか。
ある犬とは仲良くするのに、ある犬には吠えるというところを目にすると思います。
犬をしつける際にしてはいけないことは、暴力で教えようとすることです。
平手で殴ったり、足で蹴ったり、棒で強く叩いたりなどの行為をしてはいけません。
痛みで言うことを聞かせようとするのは、最もレベルの低い教え方です。
「大切な犬だから、奮発して立派なハウスを買い与えてやろう」
犬を愛する気持ちから、大きな犬小屋を買い与えてあげることがあります。
しかし、奮発して大きなハウスを買ってあげたのに、嫌がって全然使ってくれないときがあります。
犬は24時間のうち、12時間から15時間ほど、睡眠を取っています。
夜は寝ますが、昼間も暇があれば、睡眠を取っています。
しかし、その睡眠の質は、人間とは大きく異なります。
散歩の途中、犬がきれいな花を見つけるやいなや近づいて、花を眺めている光景を目にすることがあります。
「おや。犬も花の美しさに感動しているのか!」
一瞬そう思いますが、残念ながら違います。
すでに犬を飼っていて、ちょっとした縁があり、もう1匹新しく子犬を飼うときがあります。
1匹では物足りない事情の人もいれば、友人から「もらってほしい」という事情で譲り受けることもあるでしょう。
そんなとき飼い主が心配するのは、新しく入ってきた犬が先住犬とうまくやっていけるかどうかです。
犬をしつける際に、厳しい表情で叱ることがあります。
「こら!」
「椅子の脚をかじっちゃダメでしょ」
「ただいま!」
飼い主が家に帰ってくるやいなや「待っていました」とばかりに、大はしゃぎし、飼い主に飛びついてくることがあります。
家で待ってくれている存在がいるというのは本当にありがたいことです。
私は、犬と猫の両方を飼ったことがあります。
犬と猫の違いは数多くありますが、その1つに水の飲み方がありました。
「喉が渇いたでしょ。水をお飲み」
散歩をしていると、ときどき犬にかわいらしい洋服を着せた犬に出会うことがあります。
ペットショップに行けば、犬用の洋服を取りそろえているお店も多く見られるようになりました。
インターネットで探せば、サイズ・柄・色などさまざま犬用の服を見つけることができるはずです。
親子間の教育で発生しがちな問題があります。
「かわいいわが子には、きちんとした人になってもらいたい」
そういう思いが強いゆえに、教育が厳しくなり、いつも怒ってばかりの親になってしまうことです。
「せっかくハウスを買ってあげたのに、全然入ってくれようとしない」
こういう悩みを持つ飼い主は多いのではないでしょうか。
いわば、ハウスは犬のための部屋です。
犬には「食べられるものは食べておこう」という本能があります。
散歩の途中、道端に落ちているものは手当たりしだいに食べられるものかどうかチェックしています。
「おなかが減ったなあ。何かおいしいものは落ちていないかな」
一緒に散歩をしていると、道端にある草を食べようとするときがあります。
犬が草を食べている姿を見ていると、なんとなく野菜を食べている様子にも見えます。
現在のところ、なぜ草を食べようとするのかは、はっきりした理由はわかっていないようです。
基本的に、犬は出された食事はすぐ食べきってしまう本能があります。
「誰かに取られてはいけない。少しでも早く食べなければ」という野性的な本能があり、勢いよく食べます。
しかし、こうした本能があっても、人との生活が長くなれば、性格が変わってしまう場合があります。
まれなケースですが、飼っている犬が逃げてしまうことがあります。
その逃げ方に、不安を感じることがあります。
不意に迷子になるような逃げ方ではありません。
ふと油断した隙に、リードが手から離れ、犬が逃げてしまうことがあります。
気をつけているつもりでも、やはり気持ちが緩んで、手からリードが離れることもあるでしょう。
いつもリードがつながれているので、自由に動けるようになった反動で、犬はとても興奮します。
犬の食べ方は豪快です。
吸引器のように、次から次へと胃に流し込んでいきます。
ステーキを与えようものなら、ぺろりと一口で食べてしまうでしょう。
動物には、肉食と草食の2種類で大別されます。
犬の場合は「肉食」です。
ドッグフードも、主成分は肉ですね。
犬と一緒に散歩をしていると、電柱のところで立ち止まって、おしっこをする行為が目につきます。
おしっこの量は、ほんのわずか。
しかし、回数は多くて、電柱の前を通るたびに立ち止まって、おしっこをします。
犬が寝るときの基本姿勢は、座りながら寝る姿勢です。
わかりやすく言えば、エジプトのスフィンクス像のような格好です。
座りながら、目をつぶって寝ている姿を見たことがあるでしょう。
人間は、大人になるにつれて、落ち着きを醸し出します。
なぜ子どもはやんちゃなのか。
なぜ大人は落ち着いている人が多いのか。
赤ちゃんを産んだ後の親犬を見たことがある飼い主ならわかると思いますが、いつもと違う異変に気づくはずです。
出産後の親犬は、神経が高ぶります。
近づこうとすると、いつも以上に驚いて反応し、警戒します。
犬は、結構何でも食べる動物です。
私は、猫・カメ・ウサギ・モルモット・インコ・ニワトリなど飼ったことがありますが、動物にはそれぞれ好き嫌いがあります。
しかし、犬の場合、与えてはいけない食べ物にさえ気をつければ、好き嫌いをせずに、何でも食べてしまいます。
犬を飼うときには、飼う場所で大きく2種類あります。
「屋外で飼う場合」と「室内で飼う場合」です。
あなたはどちらのタイプですか。
犬の呼吸は、口で激しい様子が特徴です。
そばにいても呼吸の音が聞こえるくらい、激しく口で呼吸をしています。
この激しい呼吸は「体温調節」の意味を果たしています。
「クンクン」
犬と一緒に散歩をしていると、道端のあらゆるところのにおいを嗅ぎながら歩く姿勢が特徴です。
そのかぎかたたるや、もうすごい迫力があります。
あなたは動物病院を選ぶときに、何を基準に選んでいますか。
コンビニに行くような気分で「近場」を基準に動物病院を選んでいませんか。
たしかに近くにある動物病院のほうが、行く手間もかからず便利です。
人間が泣くときは、どんなときですか。
「悲しいとき」
たしかに悲しいときに泣くのが一般的ですが、必ずしも悲しいときだけとは限りません。
犬は素早く動くものに反応して、追いかけようとする本能があります。
子どもたちがサッカーボールで遊んでいると、そのボールを追いかけ、飛びかかろうとします。
「そうか。犬もサッカーを一緒にしたいのだな」
いえいえ、違います。
決してサッカーに参加したいのではありません。
動くボールが獲物のように見えているだけです。
素早く動くものを見たとき、狩猟本能が駆り立てられ、追いかけたくなります。
これは野生だったころの名残です。
犬は、人と暮らし始める以前のころ、森や林を走り回って獲物を捕まえていました。
「素早く走るものを見かけたら、獲物だから、とりあえずすぐ追いかけろ」
こういう狩猟本能がインプットされています。
本能であるため、動く物を見たとき、とっさに体が反応してしまいます。
その昔からの名残が現在でも残っており、素早く動くものを見かけたとき、つい追いかけて飛びかかろうとしてしまいます。
もちろん車や子どもは獲物ではありません。
追いかけるという条件反射のようなもので、実際に噛みついてしまうことは、まずありません。
しかし、その「急に走り出す習性」が、意外な危険をつくり出してしまうことがあります。
急に動き出した車に反応して、道路に飛び出し、車にひかれてしまうかもしれません。
また、急に走り出した子どもに飛びかかって倒れさせ、けがをさせてしまうこともあるでしょう。
飼い主は、素早く動く物体を見かけたとき、反応する犬の動きを予想して、リードを握り締めるようにしましょう。
犬の習性を理解しながら「その先にある危険」を未然に防ぐのです。
散歩をしていると、ほかにも散歩をしている方々と数多くすれ違うことになるでしょう。
犬同士ですから仲良くするのかなと思っていると、どうでしょうか。
ある犬とは仲良くするのに、ある犬には吠えるというところを目にすると思います。
比較的、自分と似た犬とは仲良くなりやすいですが、必ずしもそうとは限りません。
吠えるかどうかは、実際にその犬とあってみないとわかりません。
実は、犬にも相性があります。
におい・大きさ・動きなどから、判断しているようです。
相性が合う犬同士もいれば、合わない犬同士もいます。
人同士にも相性というのがありますが、それと似ているものと考えていいでしょう。
「なんだか自分とは合うな」という雰囲気がありますが、一方で「なんだか気に食わない」という人もいます。
それは犬同士でも同じです。
しかし、いくら気が合わないとはいえ、すぐけんかでは社会でうまくやっていけませんね。
いくら相性が合わないとはいえ、いきなり吠えるとなると、のんびり散歩もできません。
人の場合は、多くの人との人間関係を経験しながら、接し方を覚えたり、距離感を身につけたり、社会性を身につけていきます。
社会で生きていくなら、できるだけ吠えないようにしつけておきたいところです。
犬も同様に、多くの犬と出会うことで、次第にほかの犬とも慣れ、距離感や対応にもなれます。
「出会い」の経験量を増やしてあげることです。
たとえ、相性が合わなくとも、出会った瞬間に吠えるようなことはなくなるはずです。
理想は、子犬のころからできるだけ多くの犬と触れ合わせることです。
1歳未満の子犬なら、人にもほかの動物にも慣れやすくなります。
子犬のころのほうが多くの刺激を受け入れやすい耐性が整っています。
この時期に多くの犬と触れ合っていると、幅広い動物に慣れるようになります。
もちろん成犬の場合でも手遅れではありません。
時間はかかりますが、多くの犬に触れさせて、犬同士に慣れさせていきましょう。
「世の中にはいろいろな犬がいるな」という経験を犬にもさせることで、受け入れる器が大きくなるのです。
犬をしつける際にしてはいけないことは、暴力で教えようとすることです。
平手で殴ったり、足で蹴ったり、棒で強く叩いたりなどの行為をしてはいけません。
痛みで言うことを聞かせようとするのは、最もレベルの低い教え方です。
痛みから逃れるために、犬は一時的に言うことを聞くかもしれません。
その代わり、飼い主のことが大嫌いになります。
飼い主のことが嫌いになるので、犬は元気がなくなり、家出をしたくなります。
この点は、人の子どもでも同じです。
いくらしつけとはいえ、暴力だけは避けることです。
やむなく叩いてもいいのは、人に危害を加えているときです。
通りすがりの人に犬が飛びかかり、腕を噛みついて、すぐやめさせたい場合にのみ、叩いてやめさせます。
いわゆる「現行犯」のときです。
この場合、すでに犯行が行われている最中であり、すでにけが人が出ているため、もたもたしている場合ではありません。
やむなく、手を出して痛みによってやめさせることも必要です。
「そういうことは絶対にしてはいけません」という飼い主からの強い意志表示です。
しかし、これは例外中の例外です。
基本的にしつけるときには、暴力を振るわないことを注意しましょう。
それがうまく犬をしつけると同時に、犬から好かれる飼い主になるコツなのです。
「大切な犬だから、奮発して立派なハウスを買い与えてやろう」
犬を愛する気持ちから、大きな犬小屋を買い与えてあげることがあります。
しかし、奮発して大きなハウスを買ってあげたのに、嫌がって全然使ってくれないときがあります。
ハウスの中に入ってもすぐ出てしまう。
寝るときもなぜかハウスの外。
ハウスを嫌がるようなしぐさを見せることでしょう。
「せっかく高いお金を出して、大きなハウスを買ってやったのに!」
飼い主としては、むかっとするところでしょう。
ここに犬と人間との違いがあります。
人間からすれば、広いところのほうが快適に感じ、贅沢で嬉しく感じます。
しかし、犬の場合は必ずしもそうではありません。
むしろ何もない広い空間を、犬は嫌がります。
敵から見つかりやすく、落ち着かないからです。
オオカミ時代、敵から身を隠すために、暗くて狭いところに身を隠していた名残があります。
もし広い場所だと、敵に見つかりやすいため、そわそわして落ち着きません。
狭く洞穴などで身を潜める、敵からの見つかりにくい場所のほうが、安心できます。
犬は狭くて暗い場所のほうが好みます。
ハウスを買うときには、大きなものより、小さな物を買い与えるようにしましょう。
そのほうが経済的であり、しかも犬は喜ぶのです。
犬は24時間のうち、12時間から15時間ほど、睡眠を取っています。
夜は寝ますが、昼間も暇があれば、睡眠を取っています。
しかし、その睡眠の質は、人間とは大きく異なります。
夢をみないノンレム睡眠が2割で、夢を見るレム睡眠が8割です。
圧倒的に、浅い睡眠が大半です。
なぜ浅い睡眠ばかりが大半なのか。
オオカミ時代だったころ、敵からの来襲があったとき、すぐ戦闘態勢に入ったり逃げたりするためです。
睡眠とはいえ、油断できず、深い睡眠を取りづらかった。
少しでも異様な音を聞けば、すぐ目を覚まし、体を動かすようになっています。
しかし、それでも、睡眠の2割は深い眠りについています。
最新の研究によると、この深い睡眠中は、犬でも夢を見ているというのがわかっています。
どんな夢を見ているのかは、犬のみぞ知ることです。
もしかしたら、飼い主と一緒に散歩をしている夢でも見ているのかもしれません。
もしそうだとしたら、ぜひ、そっとしてあげたいところですね。
さて、今あなたが飼っている犬は、どのような場所にハウスがありますか。
トイレの近くにハウスがあると、トイレに行くたびに、犬を起こしてしまいます。
屋外で飼うときも、玄関近くは人の出入りが多いので、睡眠を邪魔しやすく、控えたほうがいいでしょう。
静かにゆっくり夢を見られる場所のほうが、犬も質のいい睡眠が取れるに違いありません。
夢の邪魔をしないためにも、静かな場所にハウスを設置しましょう。
散歩の途中、犬がきれいな花を見つけるやいなや近づいて、花を眺めている光景を目にすることがあります。
「おや。犬も花の美しさに感動しているのか!」
一瞬そう思いますが、残念ながら違います。
犬は、花の美しさに感動しているわけではありません。
美しい花に近寄る犬は「美しさ」に反応しているのではなく「香り」に反応しています。
衝撃的なことですが、なんと犬は色の判別が大の苦手です。
完全な色覚障害ではなく「赤系」と「青系」の2種類をぼんやりくらいにしか判別できないのではないかとされています。
美しい青空、空に浮かぶ白い雲、緑に生い茂った野原など、私たちが色鮮やかに感じるほどはっきり判別できていないようです。
美しさが理解できないのは、飼い主にとって残念な話でしょう。
私たち人間からすれば、色がわからない生活は考えられません。
犬の祖先はもともと夜行性であり、そのため目の発達が遅れています。
しかし、がっかりしないでください。
犬には、苦手な色の判別を補えるだけの大変強力な「聴覚」と「臭覚」があります。
聴覚は、人のおよそ5倍。
臭覚は、人のおよそ100万倍。
得意なにおいの場合は、なんと1億倍ともいわれています。
圧倒的な感度の鋭さです。
「色による感動」が小さい代わりに「におい」や「音」による感動が大きいというだけです。
犬は、人が理解する美しさの感動が小さい代わりに、人にはわからないような鮮やかな香りに感動しています。
それは私たち人間には、理解できないことです。
犬から見れば「このにおいの素晴らしさが、なぜわからないの」と思っているのかもしれません。
人間より劣っている点もあれば、人間以上に優れている点もある。
そう考えると「おあいこ」というわけです。
すでに犬を飼っていて、ちょっとした縁があり、もう1匹新しく子犬を飼うときがあります。
1匹では物足りない事情の人もいれば、友人から「もらってほしい」という事情で譲り受けることもあるでしょう。
そんなとき飼い主が心配するのは、新しく入ってきた犬が先住犬とうまくやっていけるかどうかです。
飼い始めてからでないと、うまくやっていけるかどうかわからず、大きな不安を感じることでしょう。
犬同士にも主従関係があります。
基本的に、先に住んでいる犬が「主人」になり、あとから入ってきた犬は「従者」になります。
そういう主従関係は自然であり、主である先住犬があとから入ってきた犬に、あれこれと親分の役目になって教えます。
それは決してけんかをしたりいじめたりしているわけではなく、先輩としての仕事をきちんとしているので問題ありません。
先住犬に新しい犬を紹介して主従関係ができた後、うまくやっていけるかどうかしばらく様子見です。
それで仲良くやっているなら問題はありませんが、トラブルが発生することもあります。
先住犬の先輩らしい態度が、少し厳しすぎる場合です。
実際、新しく入ってきた犬と先住犬との仲が悪くなることは珍しくありません。
やはり、すでに先住犬が飼い主と関係を築いている間に割って入ってきますから、いい気はしないことでしょう。
「あとから入ってきたくせに、偉そうなことはさせないぞ」と思います。
その原因も1つには考えられますが、飼い主が原因になっていることもあります。
飼い主の注目が新しく入ってきた犬に偏りがちになってしまうことです。
新しく入ってきた犬であるため、やはりそれだけ気になります。
先住犬は、自分のほうが早く住み始め、すでに飼い主との関係が長くて深いだけにショックを受けます。
あとから入ってきた犬と飼い主ばかりが仲良くしているところを見ると、気分を悪くします。
そのため、新しく入ってきた犬をいじめたり、態度が悪くなったりします。
たしかに飼い主としては、新しく入ってきた犬が気になる気持ちはあるのでしょう。
また、子犬なら余計に手間がかかり、ほうってはおけなくなります。
意外なポイントですが「飼っている複数の犬を平等に扱わないこと」もポイントです。
新しく犬が加わったとしても、先住犬といちばんよく接してあげましょう。
餌をやる順番も、遊びの順番も、まず先住犬をいちばんにします。
あえて、先住犬側に偏らせます。
それは先住犬のプライドを保つためです。
ほかの犬たちにも「この犬が先輩なんだよ」という意思表示にもなります。
「平等に接したい」という気持ちはあるでしょうが、犬同士にも厳しい上下関係があります。
犬同士の上下関係に沿って、飼い主も合わせて接してあげることが大切です。
アンバランスのように思えますが、実はこれでちょうどいいバランスです。
こうした上下関係を意識しながら接していけば、次第に犬同士は適度な主従関係を築き、同居はうまく行き始めます。
犬をしつける際に、厳しい表情で叱ることがあります。
「こら!」
「椅子の脚をかじっちゃダメでしょ」
「そわそわしないでじっとしていなさい」
事実、犬をしつけるなら、悪さをした直後が効果的です。
ある行動をしたときに、飼い主が怒っていると、犬は直感的に「これをしてはいけないのか」と理解し、覚えが早くなります。
叱ることも、愛のあるしつけの1つです。
そんなとき、犬は信じられないしぐさをすることがあります。
なんと、大きなあくびをします。
私も実家で雑種犬を飼っていますが、厳しく叱るときに限って、大きなあくびをされます。
あなたも一度は経験があるのではないでしょうか。
飼い主は一生懸命叱っているのに、犬は無視しているかのようです。
人間があくびをするときといえば、疲れを感じたときや眠いときですね。
もちろん犬も同じで、疲れを感じたときや眠いときもありますが、この状況の場合は少し理由が異なります。
ストレスや緊張を感じたとき、それを和らげようとあくびをしています。
こうしたしぐさを「カーミング・シグナル」と言います。
決して、飼い主を無視しているわけではありません。
むしろ怒っている飼い主の感情を受け止め、ストレスを感じ、反省している様子です。
飼い主としては、犬の品行の悪さに怒りを感じますが、犬のあくびを見たとき、冷静になって自分を振り返りましょう。
少し怒りすぎていませんか。
大きな声で怒鳴りすぎていませんか。
怒ったときに犬が大きなあくびをすれば「怖いよ。もう少し落ち着いてよ」と思っているのです。
「ただいま!」
飼い主が家に帰ってくるやいなや「待っていました」とばかりに、大はしゃぎし、飼い主に飛びついてくることがあります。
家で待ってくれている存在がいるというのは本当にありがたいことです。
こういうときの犬の行動には本当に癒やされますね。
疲れているときに、こういう出迎え方をされると、飼い主も癒やされ、元気が出てきます。
ただ、たまにこういう状況ならいいですが、これが「いつも」となるとどうでしょうか。
犬の性格にもよりますが、普段からよくはしゃぎ回るやんちゃな犬がいます。
いつも興奮したり、いつも飼い主に飛びついてきたり、家のあちこちを走り回ったりなどです。
元気がいいのは結構ですが、いつも落ち着きがなく、あまりに元気すぎるのも少し困りますね。
散歩の途中、小さい子どもやお年寄りに飛びかかって、けがをさせれば大変です。
普段からおとなしくて行儀のいい犬に育てたいと思いますが、問題なのは「どうやってしつけるか」です。
こういうとき、おとなしくしてほしいと思い、飼い主が「静かにしなさい」というと、逆効果になる場合があります。
飼い主が相手にしてくれたと感じ、余計にはしゃぎ回ってしまいます。
言葉がわかれば「静かにしなさい」という言葉が理解できない犬に、どうおとなしくしつければいいのでしょうか。
おすすめの方法があります。
まず、はしゃぎ回る犬がおとなしくなるまで、無視します。
このときは目も合わせない。
話しかけない。
徹底的に無視です。
少し心が痛みますが、犬へのしつけのために、ぐっとこらえて無視し続けましょう。
無視をし続けて、しばらく経てば、おとなしくなります。
飼い主が相手にしてくれないことがわかれば、犬も白けてくるはずです。
5分かかることもあれば、10分くらいなど犬によってさまざまですが、とにかく犬がおとなしくなるまで待ちましょう。
相手にしないでしばらくすると、白けたり疲れたりして、おとなしくなります。
そうなったときがチャンスです。
飼い主は、おとなしくなった犬をすかさず、褒めてあげましょう。
頭をさすったり、笑顔で「偉いね」と話しかけたりしましょう。
そうすると犬は「飼い主は、おとなしいほうが喜んでくれるのだな」と理解します。
この3段階によって、犬は落ち着きのある犬へと成長します。
飼い主が「無視をするか」「褒めるのか」というのは、まったく正反対の態度です。
だからこそいい。
両極端な態度によって、飼い主が求めている態度を理解していくのです。
私は、犬と猫の両方を飼ったことがあります。
犬と猫の違いは数多くありますが、その1つに水の飲み方がありました。
「喉が渇いたでしょ。水をお飲み」
水の入った器を差し出すと、犬と猫とでは飲み方に大きな違いがあることを発見しました。
猫は行儀よく水を飲むのに、犬は食器の外にまで水が飛び跳ね、食器周りが水浸しになってしまいます。
ずさんな水の飲み方に驚いた飼い主も多いのではないでしょうか。
飲んでいる量より、こぼしている量のほうが多いのではないかと思い、笑ってしまうほどです。
必ずと言っていいほど、器から水をこぼし、器の周りを水浸しにされてしまいます。
実は、水の飲み方が犬と猫とでは違います。
もし猫と犬とで水を飲む姿を見る機会があれば、ぜひ舌に注目してみましょう。
猫は舌の上で水をすくっていますが、犬は舌の裏で水をすくっています。
猫の場合、舌の上に水を乗せやすいような突起がたくさんあるので、水を飲みやすくなっています。
一方、犬の場合は、舌の上がつるつるしています。
突起物があまりありません。
仕方ないので、舌の裏側で水をすくって飲もうとするため、器の外に水がこぼれ出てしまいます。
行儀よく飲み方をしつけたいと思っても、人のように手が使えるわけではないので、なかなか難しいようです。
もし、器の周りを水浸しにされたくなければ、あらかじめ水を吸い取るマットを器の下に敷いておけばいいでしょう。
散歩をしていると、ときどき犬にかわいらしい洋服を着せた犬に出会うことがあります。
ペットショップに行けば、犬用の洋服を取りそろえているお店も多く見られるようになりました。
インターネットで探せば、サイズ・柄・色などさまざま犬用の服を見つけることができるはずです。
飼い主が趣味のために、犬に洋服を着せている場合が多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。
むしろ犬のためと思っているからこそ、洋服を着せている場合のほうが多いです。
洋服を着せるのは、犬にはさまざまな利点があります。
たとえば、暑い夏なら「紫外線対策」になります。
強い日差しには紫外線が多く含まれ、犬の健康にも悪影響を及ぼします。
犬も人のように、紫外線を浴びすぎると、皮膚がんになります。
直射日光を防ぐことで、がんへのリスクが低下して、長生きできるようになります。
10歳以上生きる犬が多くなりましたので、長期で見て紫外線対策は健康維持につながります。
一方、寒い冬の場合は「防寒具」としての役目も果たします。
雪がふる冬場、寒いと感じているのは犬も同じです。
服を着ていれば、寒さが和らぎ快適になります。
冷たい雨が降っている場合は、犬用のレインコートを着せてあげるのも悪くありません。
もちろん犬も風邪をひきます。
冷たい雨によって体温が下がり、免疫力の低下を防ぐ役目も果たします。
もちろん泥よけにもなりますから、飼い主としても、散歩から帰ってきたときに犬の体を洗う手間が減るはずです。
犬に服を着せるのは「動物虐待だ」という人もいますが、状況によるということです。
もちろんフリルが大きすぎて歩きにくい服は、犬にとって邪魔になるばかりですが、状況に応じた洋服は犬も喜ぶはずです。
熱すぎたり寒すぎたり雨が降っているときなど、状況に応じて服を着せるほうが適切である場合があるのです。
親子間の教育で発生しがちな問題があります。
「かわいいわが子には、きちんとした人になってもらいたい」
そういう思いが強いゆえに、教育が厳しくなり、いつも怒ってばかりの親になってしまうことです。
親は「わが子のための愛情表現」のつもりですが、子どもには「いつも怒ってばかりの親」という印象が強く残ります。
もちろんある程度の教育の厳しさは必要ですが、あまりにいつも怒ってばかりの親はいい気がしません。
その結果、子どもから嫌われてしまいやすくなります。
これと同じような現象が、飼い主と犬との間にも起こる場合があります。
行儀がよくていい子に育ってほしい飼い主の気持ちはわかりますが、その気持ちが強すぎると、行きすぎたしつけになりがちです。
行儀のいい犬にしつけようとする思いが強すぎるがゆえに、いつも叱ってばかりの飼い主になってしまう場合があります。
もちろんある程度のしつけの厳しさは必要ですが、あまりにいつも怒ってばかりの飼い主はいい気がしません。
叱ってばかりになると、犬から怖がられてしまい、嫌われます。
その結果、飼い主から離れて、言うことを聞きにくくなります。
あなたの場合はどうでしょうか。
しつけるときに叱るなら、褒める量よりたくさん叱っていませんか。
「叱る量」より「褒める量」のバランスが重要です。
必ず、叱る量より、褒める量のほうが多くなるように心がけましょう。
叱る量のほうが多いと、犬には「飼い主はいつも怒っているなあ」という印象のほうが強くなります。
褒める量のほうが必ず多くなるようにしましょう。
たくさん褒める分には問題ありませんが、たくさん叱りすぎるとぐれてしまうのは、人間だけでなく犬も同じなのです。
「せっかくハウスを買ってあげたのに、全然入ってくれようとしない」
こういう悩みを持つ飼い主は多いのではないでしょうか。
いわば、ハウスは犬のための部屋です。
犬のために買ってきてあげますが、犬には「ある日いきなり登場したよくわからない部屋」という感覚です。
その部屋が何のためにあるのか、どういうところなのか、初めからきちんと理解してくれていない場合が多いです。
最初は警戒して近づいてくれません。
「あなたのお部屋はここですよ」と言って無理やりハウスの中に入れると、すぐハウスから出ようとします。
中より外のほうが刺激にあふれているので、すぐ出てしまいます。
「仕方ない」と思い、犬を無理やりハウスに入れて、鍵を閉めて閉じ込める飼い主もいます。
ここを自分の部屋だと思い込ませようとする強硬手段ですが、これもすすめられた方法ではありません。
閉じ込められることで、お仕置きされていると勘違いしてしまいます。
「ハウス=自分の家」と思うのではなく「ハウス=お仕置きの場所」と思うようになってしまうからです。
お仕置きの場所になってしまうと、余計にハウスに入りたがらない悪循環です。
どうすれば、ハウスを自分の家だと上手に伝えることができるのでしょうか。
まず普段から鍵をかけず、扉は開けっ放しにしておきましょう。
扉が閉まって鍵をかけられると、閉じ込められる恐怖を覚え、怖がってしまいます。
自由に出入りできることで、入ることへの抵抗感を小さくさせます。
おもちゃ、おいしい餌や水、トイレ用のスペースなど、犬が喜ぶものがハウスの中にあれば、自分から好んで入るようになります。
ゆっくり休めるようなふわふわしたシーツがあれば、なお効果的です。
暖かいシーツがあれば休憩しやすくなり、疲れたときや休みたいとき、自然とハウスの中に入るようになります。
しばらくすれば、ハウスを自分の部屋だと思うようになってくれるのです。
犬には「食べられるものは食べておこう」という本能があります。
散歩の途中、道端に落ちているものは手当たりしだいに食べられるものかどうかチェックしています。
「おなかが減ったなあ。何かおいしいものは落ちていないかな」
そんなことを思いながら、道端をチェックしています。
まったくもって食いしん坊ですね。
犬は道端をクンクンとかぎ回り、気になるものがあれば立ち止まって、すぐ口にしようとします。
犬には強力な鼻があるので、食べられるかどうかは、おおむねにおいから判断できます。
人の100万倍とも言われている強力臭覚で、においだけでその食品の種類、鮮度など、正確に判断できます。
しかし、そうは言っても、拾い食いはあまりおすすめできることではありません。
いくら強力な臭覚とはいえ、絶対ではないからです。
ビニールに包まれていると、においがわからず、腐っているものを口にするかもしれません。
また、一見して問題がなさそうなものでも、犬には毒物であり、おなかを痛める危険性があります。
道端とはいえ、そのほかどんな不審なものが落ちているかわかりません。
散歩の途中に、犬が立ち止まったことにつられて飼い主も止まると「『食べてもいい』という合図かな」と思い口にしてしまいます。
もし犬が道端に落ちている怪しげなものを口にしようとしたら、リードを引っ張り、口にするのをやめさせるようにしましょう。
犬が興味を持っているのはわかりますが、健康面を考えてのことです。
いくらおなかがすいているとはいえ、道端に落ちている不審なものは口にさせないほうがいい。
食べるものは飼い主が与えるものだけにしましょう。
一緒に散歩をしていると、道端にある草を食べようとするときがあります。
犬が草を食べている姿を見ていると、なんとなく野菜を食べている様子にも見えます。
現在のところ、なぜ草を食べようとするのかは、はっきりした理由はわかっていないようです。
いくつか説はあるようです。
草の栄養分を摂取しようとしている説。
草の独特の感触を楽しんでいるという説。
草を食べることで胃や腸を洗浄させる効果もあるという説。
胸焼けをしたときに草を食べて吐いて戻そうとする説。
草の独特の香りに引かれて反応しているだけという説。
さまざまな説がありますが、いずれも定かではありません。
なんとなく草は健康そうなイメージが強いので容認している飼い主がいますが、おすすめはできません。
人がまいた除草剤や殺虫剤などが混ざっている可能性が考えられるからです。
そうした毒物を口にすれば、おなかを壊してしまう可能性は十分に考えられます。
場合によっては、死に至らしめるような致死量が混ざっていることもあるでしょう。
基本的に道端に落ちているものは、おなかを痛める危険があるので食べさせないのは基本ですが、道端の草も同じなのです。
基本的に、犬は出された食事はすぐ食べきってしまう本能があります。
「誰かに取られてはいけない。少しでも早く食べなければ」という野性的な本能があり、勢いよく食べます。
しかし、こうした本能があっても、人との生活が長くなれば、性格が変わってしまう場合があります。
特に飼い主がだらしないと、餌を出したままにする場合が多いようです。
餌をやるのが面倒なので、1日分の餌をまとめて器に入れ、食べたいときに食べられるだけ食べるようにしています。
朝昼晩で餌をやる手間が一度で済み、飼い主の手間が省けます。
犬も、好きなときに食べられるようになり、理想的のように思えます。
「楽をしたいという飼い主の思惑」と「犬の食べ方の尊重」とが、一致するような餌のやり方と思いますが、どうでしょうか。
これは、良い餌のやり方とは言えません。
餌を出したままにされると、だんだん犬は食べるタイミングの調子が狂ってくるようになります。
目の前に常に餌があれば「今、食べなくてもいつでも食べられる」と思います。
その結果、小腹がすいたときに適当に食べるような「だらだらした食べ方」へと変わります。
「別にだらだらした食べ方でもいいではないか」
そういう人もいることでしょう。
たしかにおなかがすいたときに適当に食べるライフスタイルは、悪くありません。
いつ食べようが、犬の勝手です。
問題だと言っているのは「だらだらした食べ方」ではありません。
だらだらした食べ方になるせいで、犬の異変に気づきにくくなることに、本当の問題があります。
だらだらした食べ方が当たり前の習慣になると、本当に体調が悪くて食欲がないときに、飼い主が異変に気づきにくくなります。
いつものようにだらだら食べているのか、具合が悪くてだらだらした食べ方になっているのか、見分けが難しくなります。
そのため、体調が悪い状態を放置してしまうようになり、場合によっては犬の健康に影響を及ぼすこともあります。
もちろん常に餌があるからこそ食べすぎの原因にもなります。
カロリーを摂取しすぎてしまい、肥満になりやすく、健康を害しやすい習慣になります。
「食べるときには食べる」
これもしつけの1つです。
長時間、外出する場合は仕方ありませんが、基本的に餌を出したままにするのはやめましょう。
きちんと食事の時間をつくって「餌を与えるときには与える」というメリハリをつけるほうが、犬の健康につながるのです。
まれなケースですが、飼っている犬が逃げてしまうことがあります。
その逃げ方に、不安を感じることがあります。
不意に迷子になるような逃げ方ではありません。
リードを歯で噛みちぎって、逃げています。
客観的にみれば、家出をしたかのようです。
飼い主が嫌いになり、離れたがっているような逃げ方です。
「慣れ親しんだ飼い主を嫌いになったのか?」
不安になりますが、1つチェックしましょう。
もしや、今「盛りの時期」ではないでしょうか。
人間の場合も、思春期といえば、刺激を求めたがる年ごろです。
あなたが中学生や高校生のころを思い出しましょう。
おそらく学校の帰りに町の繁華街へと寄り道し、ゲームセンターやカラオケなどに向かった経験があるのではないでしょうか。
思春期といえば、刺激を求める時期です。
遠くの世界を見たい気持ちが強くなります。
なにより思春期で外せないのは、やはり「異性」です。
学校の帰りに好きな人とデートなどをして、家に帰るのが遅くなり、親に叱られた。
そんな経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
刺激や異性など、思春期はさまざまな刺激を欲する年ごろです。
実は、犬も同じです。
犬の場合も思春期になれば、普段の生活の刺激では足りず、刺激を求めて飼い主のもとを離れるケースが見られます。
自分でリードを噛み切り逃げようとするのは、求めて遠くへ行って、あらゆる刺激を感じたい気持ちが出てきます。
犬にも思春期になれば、異性への関心が強くなります。
異性を求めて、こっそり飼い主のもとを離れようとするケースがあります。
そんな犬の行動を、自分の思春期のころと重ねてみましょう。
なんとなく気持ちが理解できるのではないでしょうか。
犬には、強力な「帰巣本能」があります。
たとえ遠くへ出かけても、五感を最大限に活用して、飼い主のもとへ戻ってくるという本能です。
少し待っていたり、外に出て犬の名前を呼んだりすれば、そのうちすぐ見つかることでしょう。
不自然な犬の行動には、そんな意味が秘められている可能性があります。
盛りの時期を迎えれば、刺激を求める犬のために、少し遠くまで散歩コースを伸ばしたり、散歩の量を増やしたりしてみましょう。
犬が盛りの時期を迎えれば、少しでも欲求を満足させるように飼い主も忙しくなる時期なのです。
ふと油断した隙に、リードが手から離れ、犬が逃げてしまうことがあります。
気をつけているつもりでも、やはり気持ちが緩んで、手からリードが離れることもあるでしょう。
いつもリードがつながれているので、自由に動けるようになった反動で、犬はとても興奮します。
「やった! どこか遠くへ行ってやろう」
そのまま走って、どこか遠くへ走って逃げてしまうことも少なくありません。
追いかけて捕まえようにも、犬は走るのが早いので見失ってしまい、そのまま行方不明になってしまうことがあります。
普段からきちんと首輪をつけ、首輪には犬の名前や飼い主の連絡先などを明記した「迷子札」をつけておくようにしましょう。
首輪をつけていれば、どこかで飼っている犬だとわかり、野良犬と間違われることはありません。
どこかで見つけて拾った人が、首輪に書いてある迷子札の連絡先に連絡して、見つかりやすくなります。
迷子札をつけるという小さな手間で、万が一の犬のリスクを、減少させることができるのです。
犬の食べ方は豪快です。
吸引器のように、次から次へと胃に流し込んでいきます。
ステーキを与えようものなら、ぺろりと一口で食べてしまうでしょう。
噛んではいるようですが「味わっている」というより「肉を引きちぎるために噛んでいるだけ」という印象。
数回噛んだ後、ごくりと飲み込みます。
「もう少し味わいながら食べればいいのに」
そう思いますが、実際のところ犬は「味わう」というのが苦手です。
舌の上には、味を感じるための味覚器官があります。
そもそも犬の舌は、味を感じる味覚器官が大変少ないのが特徴です。
人の舌は、およそ10,000個の感覚器官である一方、犬はおよそ2,000個しかありません。
人の5分の1しかないため、味が感じられにくい状態です。
例えるなら、味の薄いコンニャクを食べている感覚に近いかもしれません。
歯ごたえはあっても、味がよくわからない状態です。
味わって食べようにも、そもそも味を感じる感覚組織が少ないです。
また「飲み込む」という食べ方にも理由があります。
犬は人と暮らし始める前、野生の中で暮らしていました。
そのときは、食べている最中、いつ外敵がやってくるかわからない状態でした。
少しでも早く食べることを優先していたため「飲み込んで食べる」というスタイルが定着しています。
早く食べるために消化器官は人以上に強力である一方、味わうことは人より劣っています。
「おいしいものを与えればきっと喜ぶに違いない」と思いますが、実は大して味を感じていません。
少し残念ですね。
ただし、まったく味を感じていないわけではないようです。
全体的に味に関しては鈍感ですが、甘いものに関しては比較的感度が高いようです。
甘いものであるお菓子を食べるときには「甘くておいしいな」と思っているのでしょう。
この事情を知らない飼い主の場合、ゆっくりよく噛んで味わって食べさせようと、犬をしつけがちです。
犬は味がよくわからないうえ、本能として飲み込む食べ方なので、しつけにくいのです。
動物には、肉食と草食の2種類で大別されます。
犬の場合は「肉食」です。
ドッグフードも、主成分は肉ですね。
基本的に犬は味音痴ですが、肉は喜んで食べます。
缶詰型のドッグフードのにおいを嗅いでみると、においが濃いはずです。
犬は、肉の味より、肉のにおいが大好きです。
肉の強いにおいのほうが、犬が成長するために必要なタンパク質とカルシウムが豊富に含まれていると感じ、食べてしまいます。
肉なら基本的に何でも喜びますが、好きな順序があるようです。
「馬肉<鶏肉<羊肉<豚肉<牛肉」となります。
見てのとおり、値段が高い肉が喜ぶというのは、経済的に苦しい話ですね。
ご褒美として犬が喜ぶものを与えたければ、牛肉を与えたほうが健康にもいいです。
犬も喜びます。
良質なタンパク質は、筋肉をつくる主成分や強い骨をつくるカルシウムがたっぷり含まれています。
余談ですが、犬は飲み込むような食べ方で、平らげてしまいます。
数千円もする高価な牛肉を与えるやいなや、ほんの数十秒で食べてしまいます。
この光景は、飼い主としては結構ショックを受けてしまうので、あらかじめ心の準備をしたほうがいいかもしれません。
犬と一緒に散歩をしていると、電柱のところで立ち止まって、おしっこをする行為が目につきます。
おしっこの量は、ほんのわずか。
しかし、回数は多くて、電柱の前を通るたびに立ち止まって、おしっこをします。
これは「マーキング」と呼ばれる行為です。
自分のにおいをつけて、自分の存在や縄張りをアピールするためにしています。
ほかの犬がすでにマーキングしたところでも、さらに上塗りするかのようにマーキングして、においをつけていくのも特徴です。
犬の臭覚は大変優秀で、おしっこの状態から、さまざまな状態がわかるようです。
マーキングをした犬の種類から、時刻・性別・体調・発情の状態など、単なるにおいとはいえ、さまざまな情報が得られるようです。
私たち人間は単にくさいとしか感じませんが、犬には多くの情報を得られる重要な情報源。
多くの場所に、自分のにおいを残し、またほかの犬のにおいを嗅いだりして、犬社会の状態を確認しています。
オスもメスもマーキング行為をしますが、オスのほうが縄張り意識は強く、頻繁にマーキング行為をするようです。
いわば、人間社会でいう名刺のようなものと言えばいいでしょうか。
自分の名刺をたくさん配ったり、自分のことをアピールしたり、みんなに自分のことを知ってもらいたい気持ちがあります。
また、自分の縄張りを広げることで、存在感の大きさや行動力の強さなどもアピールしています。
このマーキング行為ですが、いくら自然の営みとはいえ、人間社会ではあまり気持ちのいいものではありません。
電柱や街路樹くらいならいいでしょう。
しかし、他人の家の庭や住宅地などでは避けたほうが無難です。
自分の家の庭で、他人の犬におしっこをされるのは決して気持ちのいいことではありません。
場合によっては、トラブルの原因にもなります。
もし民家や住宅地などでマーキングをしようとしたら、リードを引っ張ってやめさせるようにしましょう。
犬には少し我慢が必要ですが、人が暮らす人間社会では、どこでもマーキングをしていいわけではないと教えるためです。
犬が寝るときの基本姿勢は、座りながら寝る姿勢です。
わかりやすく言えば、エジプトのスフィンクス像のような格好です。
座りながら、目をつぶって寝ている姿を見たことがあるでしょう。
この姿勢は犬にとって都合がよく、いつでも起きられる姿勢です。
この場合、睡眠といっても浅い睡眠であり、完全に深い眠りについているわけではないようです。
犬はもともと警戒心が強い動物です。
いつ外敵がやってきても、すぐ立ち上がって行動できるように、この姿勢で寝るのが基本になっています。
しかし、です。
ある程度、飼い主と犬との付き合いが長くなると、とんでもない格好で寝るようになります。
手を広げて寝るポーズ。
あおむけになって寝るポーズ。
体を伸ばして寝るポーズ。
飼い主の前で、とんでもない格好で寝ています。
緊張感がなく、だらしない犬に育っているように見えますが、実はとてもいい兆候です。
それは、完全に飼い主を信用しきっている証拠だからです。
犬は警戒心が強いですが、飼い主の前でリラックスしたポーズで寝始めたことは、それだけ飼い主のことを信用している証拠です。
「この人と一緒にいると安全だ。安心する」という意思表示です。
信頼関係が結べている証拠です。
特に夜ではなく、昼間におかしな格好をして寝始めれば、飼い主との関係は良好と言っていいでしょう。
だらしない姿ではありますが、飼い主としては万歳をして喜んでもいいことなのです。
人間は、大人になるにつれて、落ち着きを醸し出します。
なぜ子どもはやんちゃなのか。
なぜ大人は落ち着いている人が多いのか。
それはまさに「経験の差」です。
子どものころは、見るもの聞くもの触れるものすべてが新鮮だったため、一つひとつに過剰に反応してしまいがちです。
しかし、大人になるにつれ、多種多様な刺激に触れて慣れが生じるため、少々のことでは動じなくなります。
この考え方は、犬との生活にも当てはまります。
飼い主と犬との生活が始まると、飼い主には慣れます。
飼い主に慣れるのは大変喜ばしいことですが、大切なことが抜け落ちていないでしょうか。
「飼い主以外の人に慣れる経験」です。
飼い主ばかりとずっと接していると、犬が受ける刺激はワンパターンになりがちです。
声・動き・においなどワンパターンです。
飼い主のパターンにしか慣れていない場合、ほかの人を見るやいなや、吠えたり暴れたりなど過剰に反応することがあります。
ぜひ、飼い主以外の人と接する機会を増やしていきましょう。
飼い主以外の人から餌を与えてもらったり、頭や背中をなでてもらったりします。
最初は、今までとは違う違った触り方やにおいなど、いつもと違った刺激に犬は驚くことでしょう。
しかし、しばらく経つと、次第に慣れておとなしくなるはずです。
そういう人もいる。
そういうにおいもある。
そういう触り方もある。
こうした多種多様な刺激に慣れることで、犬が受け入れられる幅が広がり、落ち着きへと変わります。
犬の成長に必要なのは、飼い主以外の人と接する機会です。
飼い主としては、自分以外の人に慣れるのは、悔しいような気持ちになるでしょう。
しかし、飼い主以外の人と慣れてくれれば、本当は大喜びしていい。
飼い主と接することも大切な成長ですが、飼い主以外の人と接するほうが、さらに成長へとつながるのです。
赤ちゃんを産んだ後の親犬を見たことがある飼い主ならわかると思いますが、いつもと違う異変に気づくはずです。
出産後の親犬は、神経が高ぶります。
近づこうとすると、いつも以上に驚いて反応し、警戒します。
うなってくることがあります。
子犬に誰も近づかせないような雰囲気があり、飼い主でも近づきにくくなります。
生まれたばかりの子犬を無理に抱きかかえようものなら、飼い主でも、手を噛んでやめさせようとする行動は、珍しくありません。
出産後、親犬の態度が急変して飼い主は戸惑いますが、飼い主のことが嫌いになったわけではありません。
子犬を守るために、神経が過敏になっているだけです。
「産んだ子を守らなければならない」という母性本能が働いているためです。
生まれたばかりの子犬は力が弱く、外敵から襲われやすいので、親犬が守ってやらなければなりません。
子犬を守るために、常に子犬たちに監視して、外敵から守ろうとしています。
そのため飼い主が近づくだけでも、過剰に反応して、興奮しやすくなっています。
さて、そのとき問題になりやすいのは「犬の子」より「人の子」のほうです。
特に気をつけていただきたいのは、家庭に子どもがいる場合です。
生まれたばかりの子犬を目の前に、子どもがじっとしているはずがありません。
子どもは無理に触ったり引っ張ったり、動きも不規則。
親犬は特に警戒をします。
そうした行動が、余計に親犬の気に触れてしまいます。
子どもが、親犬の警戒を振り払って子犬を抱きかかえようとした結果、親犬が本気で噛みつく場合があります。
本気で噛みつかれると、かなり深い傷を負います。
出産後の親犬や子犬など、気になる気持ちはわかりますが、できるだけそっとしてあげたほうがいいでしょう。
飼い主が、本当に気をつけなければならないのは、生まれたばかりの子犬より、子どもたちのほうなのです。
犬は、結構何でも食べる動物です。
私は、猫・カメ・ウサギ・モルモット・インコ・ニワトリなど飼ったことがありますが、動物にはそれぞれ好き嫌いがあります。
しかし、犬の場合、与えてはいけない食べ物にさえ気をつければ、好き嫌いをせずに、何でも食べてしまいます。
お寿司・食パン・ケーキなど、食べられないものを見つけるほうが大変です。
もちろん犬が食べられないネギ類やチョコレートなど気をつけてさえいれば、結構いい具合に食べてくれます。
犬にも好き嫌いがありますが、ほかのペットと比べると圧倒的に少ないです。
しかも食べ方がいい。
水口家の夕食では、食べきれなかった分は、飼っている犬であるクッピーにいつも食べてもらっていました。
クッピーとしても大喜びです。
やはり毎日ドッグフードでは飽きているのでしょう。
たまに変わった食事が出てくると、喜びます。
水口家の場合、母や妹がつくりすぎた夕食は、自宅で飼っている犬にあげていました。
理由は2つありました。
1つは「いつもドッグフードばかりではかわいそうだな」という気持ちです。
人間でも同じ食事ばかり食べていれば飽きがきてしまうように、たまには変わった食事を与えて、犬の気分転換も考えていました。
2つ目の理由は「水口家の残り物を処理してもらうため」です。
生ごみを出すのは心苦しく感じます。
食べてもらえるなら食べてもらいたい気持ちがあり、犬にあげていました。
食事の残り物とはいえ、味は立派なものです。
残り物なので量は少ないですが、食事をする際に残り物を出さないようになり、生活面で楽になっていました。
この残り物を食べてもらったときですが、水口家内では「暗黙の了解」がありました。
たくさん食べれば、カロリーも余分に取ってしまうことになりますね。
犬に残り物を食べてもらうお礼として、散歩の量も増やすという約束がありました。
水口家の余り物を食べてくれたときは、お礼として次の散歩のとき、いつもより長く距離を歩くことになっていました。
犬は基本的にほかの動物に比べ、毎日散歩をする特徴があるため、多少のカロリーはすぐ燃焼してしまいます。
餌をやるだけで散歩をしなければ太るばかりですが、きちんと散歩の量を増やしていれば問題ありません。
こうしたバランスを取れれば、食事の後処理にも困らず、飼い主は助かります。
一方、犬としてもおいしい餌がもらえ、しかもたくさん散歩もできるというメリットがあります。
飼い主にとっても犬にとっても、嬉しいことになるのです。
犬を飼うときには、飼う場所で大きく2種類あります。
「屋外で飼う場合」と「室内で飼う場合」です。
あなたはどちらのタイプですか。
一般的に言えば、都会では屋内、田舎は屋外で飼う場合が多いようです。
都会の場合は、動物を飼うことが許されるアパートでも、さすがに庭まではありませんから、室内で飼うしか選択肢がありません。
一方、田舎は大きな庭など敷地に余裕がありますから、屋外で飼う傾向が強いようです。
室内で飼う場合は、犬のふんやおしっこのにおいが気になりますが、外で飼えばそうした悩みからも開放されます。
敷地に余裕があり、手入れを楽にしたい人は、屋外で飼うのも悪くないでしょう。
特に毎日散歩をするので犬の足元は大変汚れ、屋外のほうが手入れは圧倒的に軽減できます。
しかし、もし屋外で飼うなら、犬の立場になって注意していただきたいことがあります。
「室内で飼うよりストレスをため込みがちになること」です。
室内で飼うなら、いつも飼い主がそばにいるので、適度にかまってもらえるようになります。
テレビからの映像を見たり、ステレオからの音楽を聴いたりして、気を紛らしたり刺激になったりするものがたくさんあります。
しかし、屋外の場合は、飼い主と接する時間が短くなります。
テレビやステレオもありませんから、じっとしている時間が多くなるでしょう。
その結果、寂しさを感じやすくなってしまいます。
屋外で飼うなら、意識をしながら室内で飼うのと同じくらい、頻繁にかまってあげるようにしましょう。
もう1つ忘れてはならないのは「季節の変化」です。
室内なら、エアコンがあるので過ごしやすいですが、屋外はエアコンを完備できません。
犬小屋の場所が、直射日光を直接浴びる場所なら、地獄のような暑さになるでしょう。
紫外線を浴びすぎれば皮膚がんになりやすくなり、健康面への不安が出てきます。
一方、冬に雪が降っている中、屋外で飼うのはあまりに寒すぎます。
温かい犬の毛で覆われてはいるものの、限界があります。
そういうとき、夏は犬小屋を涼しい場所に移動させたり、冬は暖かい場所に移動させたりすればいいでしょう。
屋外で飼う場合は、犬の立場を考えて、こうした面に注意しましょう。
犬の呼吸は、口で激しい様子が特徴です。
そばにいても呼吸の音が聞こえるくらい、激しく口で呼吸をしています。
この激しい呼吸は「体温調節」の意味を果たしています。
犬は基本的に汗を流しているところを見ないはずです。
犬が汗をかくのは、4本の足の裏にある肉球の間から少し汗を出すくらいです。
体温調節の中心は、ほとんどが口呼吸によって行われています。
一生懸命に口で呼吸をすることで水分を蒸発させ、体の中の熱を逃がし、体温を調整しています。
冬より暑い夏のほうが、深く大きく口呼吸をしているはずです。
ただ、普段と変わらない呼吸ならいいですが、よだれが止まらないほど、強く口で呼吸しているときがあります。
「おなかでもすいたのかなあ」
よだれといえば、人間はおいしいものを見たり、おなかをすかせていたりするイメージですが、犬の場合は事情が異なるようです。
犬は口呼吸で体温調節しますが、その体温調整を急激に行っている場合は、よだれをたらします。
わかりやすくいえば、犬のよだれは、人の汗に相当します。
特に、体温を著しく調整する必要があるときに、流す汗です。
もし、犬がよだれをたらしていれば「熱すぎるよ。苦しいよ」というメッセージです。
室内で飼っているなら、少しエアコンの温度を調整するなどすればいいでしょう。
屋外で飼っているなら、直射日光が当たる場所は避け、日陰の涼しい場所に移動させてやるなどしましょう。
ただし、それでもよだれが止まらず、量がひどい場合は、何か病気にかかっていることも考えられます。
口内炎や消化器の病気などが考えられますので、動物病院に連れて行き診てもらったほうがいいでしょう。
「クンクン」
犬と一緒に散歩をしていると、道端のあらゆるところのにおいを嗅ぎながら歩く姿勢が特徴です。
そのかぎかたたるや、もうすごい迫力があります。
道端のにおい、花のにおい、電信柱のにおい、道に落ちている物のにおい。
目の前にあるものを、手当たりしだいに嗅ぎ回ります。
客観的に見ると、何かを探しているようにも見えますが、何かを探しているわけではないようです。
実はこの行動「情報収集」の意味があります。
人間にはわからないような微弱なにおいでも、犬にはさまざまな情報が読み取れる情報源になります。
道端の土のにおいを嗅いで、いつ雨が降ったのかを理解します。
花のにおいを嗅いで、花の状態を確認します。
道端に落ちている物のにおいを嗅いで、食べられるかどうか確認します。
他の犬がおしっこをした電信柱のにおいを嗅いだだけで、いつこの道を通ったのか、犬の種類、発情の状況などがわかるようです。
人間には単なるにおいにしか思えませんが、人の100万倍もあると言われる犬には、においは重要な情報源です。
においを嗅ぐことで、今、世間では何が起こっているのか、どういう方向に向かっているのかを理解できます。
例えて言うなら、人間が毎日、新聞やテレビなどから、情報を収集しているのと同じです。
人の場合は「目」や「耳」でみたり聞いたりして、今世間では何が起こっているのかを理解しますが、犬は「鼻」で理解します。
嗅いだにおいをもとにして「なるほど」と発見があったり「大変だ」と不安になったり「すごいなあ」と驚いたりしています。
飼い主としてはにおいを嗅いでのろのろ歩く犬をせかすこともありますが、少し犬のペースで歩いてみるようにしましょう。
くんくんと嗅いでいる姿は、今、世間の状態を確認しているのです。
あなたは動物病院を選ぶときに、何を基準に選んでいますか。
コンビニに行くような気分で「近場」を基準に動物病院を選んでいませんか。
たしかに近くにある動物病院のほうが、行く手間もかからず便利です。
緊急のときなら、近場にある病院のほうが短時間で行けるでしょう。
しかし、病院選びで本当に大切なのは、近場かどうかではありません。
動物への思いやりのある先生がいるかどうかです。
治療技術の問題もありますが、病院の先生は獣医師のライセンス取得者であり、一定の基準を満たしています。
知識や技術など、わずかな差はあっても、大きな差はないはず。
しかし、実際には大きな差が出ています。
その差は「動物への思いやり」から発生する差です。
動物への思いやりが強い先生なら、細かく熱心に診察してくれます。
同時に治療技術も高くなるはずです。
「動物の病気を治してやりたい」気持ちがあるからこそ、動物の状態を正確に見ようとし、的確な治療をしようとします。
次に動物病院に行く機会があれば、先生の様子をうかがってみましょう。
先生が動物に対して、どれほど親身に接しているのか。
動物の状態を聞くときに、先生がどれほど真剣に話を聞いているか。
動物を治療するとき、痛がる動物の気持ちを察しながら診てくれているか。
怖がるペットの緊張を和らげながら、優しく接しているかです。
その動物に対する思いやりがあるほど、より丁寧で賢明な技術の差へと変わります。
動物への思いやりがあるほど、熱心に診察したり治療したりしてくれるので、結果として技術もよくなります。
動物病院選びで大切なのは「近場かどうか」より「動物への思いやりのある先生がいるかどうか」です。
一度通い始めれば、動物病院はころころ変更しないほうがいい。
先生とペットも何度か会っているうちに、顔を覚えて信頼関係を築いていきます。
動物病院の先生と犬との関係が良好になれば、病院に行くときも怖くなくなります。
思いやりのある先生は、自然とペットもなついていきます。
わんわんと吠えなくなり、先生のいうことを聞いてくれやすくなり、治療も受けやすくなるのです。
人間が泣くときは、どんなときですか。
「悲しいとき」
たしかに悲しいときに泣くのが一般的ですが、必ずしも悲しいときだけとは限りません。
楽しいときでも泣くときはありますし、怒っているときでも泣くときもあります。
人間が笑っているとき、どんなときですか。
「面白いとき」
たしかに面白いときに笑うのは一般的ですが、必ずしも面白いときだけとは限りません。
悲しいから笑うときもありますし、怒っているから笑うときもあります。
人がトイレに向かうとき、どんなときですか。
「用を足したいとき」
たしかに用を足すときにトイレに向かいますが、必ずしも用を足したいからとは限りません。
単に気分転換でトイレに向かうときもあります。
つまり「行動と気持ちとは、必ずしも等しいとは限らない」ということです。
ある程度、推測はできますが、それでもやはり完全ではありません。
他人からは「おそらく」という程度にはわかりますが、本当の気持ちは本人にしかわかりません。
いえ、本人ですらわかっていない場合もあります。
行動は「なんとなく」という理由の場合もあり、大きな意味を果たしていないことも多くあります。
それは犬も同じです。
ここまで、代表的な犬の気持ち、行動、対策などを紹介しました。
しかし、すべてが完全というわけではありません。
あくまで「こういう行動をするときの犬の気持ち」で、基本というだけです。
お願いしたいことは、すべて「おそらく」であって「絶対」ではないということです。
絶対と書きたい気持ちはやまやまですが、無理です。
他人である人間からは、推測しかできません。
犬の本当の気持ちは、犬しかわからないことです。
いえ、犬も、実はよくわかっていないこともあるはずです。
なんとなくだったり気分転換だったり、大きな意味はないけど「なんとなく」という理由で行動することもあることでしょう。
犬を育てるときには「断定」は避けることです。
「おそらく○○なのだろう」というくらいがちょうどいい。
そういう「曖昧さ」は大切です。
ここでは数多くの犬行動と気持ちをつなげた紹介をしてきましたが、もちろん完璧ではありません。
あくまで基本的な行動パターンというだけであって、時と状況に応じて多くの変化があります。
「そうか。犬の気持ちはわかってやれないのか」
諦める必要はありません。
完全に犬の気持ちを理解するのは難しいですが、できるだけ理解してあげようとする姿勢を維持することならできるはずです。
犬の気持ちが完全に理解できなくてもいいですから、できるだけ理解しようと心がける姿勢です。
その姿勢は大切です。
必ず犬に伝わります。
完全にわかってくれなくても、わかろうと努力している飼い主の行動から、次第に大きな信用が芽生えてきます。
その姿勢はいつまでも持ち続け「曖昧な部分」を残しながら犬と接していくのが、いちばんいい距離感です。
私も数多くの犬と接してきましたが、いまだに意味のわからない行動もあります。
うまく説明できない行動も日常茶飯事です。
いろいろな可能性を探りながら、犬の状態・表情・態度・行動などを見ていきましょう。
その中で、マニュアルには書かれていない独特の行動パターンを目にすることもあるでしょう。
それは飼い主と犬との間だけに通じるパターンです。
行動パターンの基本を大切にしながらも、特殊な状況も考慮に入れ、臨機応変に対応していきましょう。