執筆者:水口貴博

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

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犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。

犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。 | 犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

犬と一緒に散歩をしていると、電柱のところで立ち止まって、おしっこをする行為が目につきます。

おしっこの量は、ほんのわずか。

しかし、回数は多くて、電柱の前を通るたびに立ち止まって、おしっこをします。

これは「マーキング」と呼ばれる行為です。

自分のにおいをつけて、自分の存在や縄張りをアピールするためにしています。

ほかの犬がすでにマーキングしたところでも、さらに上塗りするかのようにマーキングして、においをつけていくのも特徴です。

犬の臭覚は大変優秀で、おしっこの状態から、さまざまな状態がわかるようです。

マーキングをした犬の種類から、時刻・性別・体調・発情の状態など、単なるにおいとはいえ、さまざまな情報が得られるようです。

私たち人間は単にくさいとしか感じませんが、犬には多くの情報を得られる重要な情報源。

多くの場所に、自分のにおいを残し、またほかの犬のにおいを嗅いだりして、犬社会の状態を確認しています。

オスもメスもマーキング行為をしますが、オスのほうが縄張り意識は強く、頻繁にマーキング行為をするようです。

いわば、人間社会でいう名刺のようなものと言えばいいでしょうか。

自分の名刺をたくさん配ったり、自分のことをアピールしたり、みんなに自分のことを知ってもらいたい気持ちがあります。

また、自分の縄張りを広げることで、存在感の大きさや行動力の強さなどもアピールしています。

このマーキング行為ですが、いくら自然の営みとはいえ、人間社会ではあまり気持ちのいいものではありません。

電柱や街路樹くらいならいいでしょう。

しかし、他人の家の庭や住宅地などでは避けたほうが無難です。

自分の家の庭で、他人の犬におしっこをされるのは決して気持ちのいいことではありません。

場合によっては、トラブルの原因にもなります。

もし民家や住宅地などでマーキングをしようとしたら、リードを引っ張ってやめさせるようにしましょう。

犬には少し我慢が必要ですが、人が暮らす人間社会では、どこでもマーキングをしていいわけではないと教えるためです。

犬の気持ちを理解しながら育てる方法(21)
  • 民家や住宅地のマーキング行為は、トラブルの原因になるので、やめさせる。
犬が変なポーズで寝始めたら、飼い主は大喜びしていい。

犬の気持ちを理解しながら育てる30の方法

  1. 犬が素早く動くものに反応してしまうのは、野生だったころの名残。
  2. 犬同士にも相性がある。
  3. 痛みでしつけようとすると、犬から嫌われる。
  4. 広いハウスより、狭いハウスのほうが、落ち着く。
  5. 実は、犬も夢を見る。
  6. 犬は色を見分けるのが、大の苦手。
  7. 先住犬がいる家で、新しく犬を飼うときの注意ポイント。
  8. なぜ犬は、飼い主に叱られたときほど大きなあくびをするのか。
  9. 大はしゃぎする犬を、おとなしくしつける方法。
  10. 猫は、舌の上で水をすくって飲む。
    犬は、舌の裏で水をすくって飲む。
  11. 犬用のお洋服は、単なるおしゃれだけではなかった。
  12. 「褒める量」より「叱る量」のほうが多くなっていませんか。
  13. いきなり登場したハウスに、なかなかなじんでくれないときの対処。
  14. いくらおなかがすいているとはいえ、拾い食いはやめさせる。
  15. 道端の草は、衛生的によくないので食べさせないほうがいい。
  16. 餌をやるのが楽とはいえ、出したままにするのはやめたほうがいい。
  17. なぜか自分からリードを噛み切って、飼い主のもとを離れたがる犬の気持ち。
  18. 首輪に連絡先を書いた迷子札をつけておけば、迷子になっても怖くない。
  19. よく噛んで食べさせるのを、強要しないようにする。
  20. 犬は肉食。
    好きな肉にも、順番がある。
  21. 犬のマーキング行為は、存在のアピールをする重要な役目を果たす。
  22. 犬が変なポーズで寝始めたら、飼い主は大喜びしていい。
  23. 犬が本当に成長するために必要なのは、意外にも飼い主以外の人と接する機会。
  24. 飼い主が気を配る必要があるのは、生まれたばかりの子犬より、むしろ子どもたちの行動。
  25. 水口家での飼い主と犬との間にあった、暗黙の了解。
  26. 屋外で飼うなら、犬の立場になって考える必要がある。
  27. 犬のよだれは、人の汗に相当する。
  28. においを嗅ぎ回る犬は、人がニュースを確かめることに相当する。
  29. 動物病院の選び方で大切なのは、先生の思いやり。
  30. 曖昧な部分を残したほうが、犬との付き合いはうまくやっていける。

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